「最近書きすぎなんじゃないの」と言われそうな気もするが、またまた新著が出る。著者もそろそろキャリアの終わりを意識するようになって、体と頭が動くうちに宿題を終わらせておかないとな、という心境である。本書は純粋な技術書ではない。コードもあまり出てこないので寝転がっても読める。エッセイと言ってしまえばそれまでだが、技術の背景にある思想や理論(あとちょっとした仕事術)にフォーカスした本だ。NewSQLやHTAP、生成AIによるクエリジェネレータなど時事的なテーマも扱っているが、その根底にもデータベース独自の思想や考え方が含まれている。その意味で本書は、筆者がどんな考え方や知識をバックグラウンドとしてDB/SQLに向かい合ってきたかという、今まで明示的に語ってこなかった頭の中を直接ダンプしたような内容になっている。それを伝えることで、長い目で見て読者の血肉になるような物事の考え方や視野の広さを養え

探索的テストの考え方 ソフトウェア開発のテスト設計とテクニック 著作者名:James A. Whittaker 翻訳者名:杉浦清博 書籍:3,828円 電子版:3,828円 B5変:256ページ ISBN:978-4-8399-86032 発売日:2024年12月25日 シリーズ名:Compass Booksシリーズ 内容紹介 ソフトウェアの品質高めたい、すべてのテスト技術者&ソフトウェア開発者の方へ! 探索的テストとはテストケースを作成せずソフトウェアを動作させながら進めるテスト手法です。手動テスト、スモール探索的テスト、ラージ探索的テスト(ツーリングテスト)、ハイブリッド探索的テスト、探索的テストの実践と話を広げ、また探索的テストの未来、テスト技術者としてのキャリアを成功させる方法をアドバイスします。 コンピュータを使ったことがある人なら誰でもソフトウェアに不具合があることは理解してい

内容紹介 『言語の本質』(中公新書)で 「新書大賞2024」大賞を受賞した 今井むつみ氏の書き下ろし最新刊! 間違っているのは、 「言い方」ではなく「心の読み方」 ビジネスで 学校で 家庭で …… 「うまく伝わらない」という悩みの多くは、 「言い方を工夫しましょう」「言い換えてみましょう」 「わかってもらえるまで何度も繰り返し説明しましょう」では解決しません。 人は、自分の都合がいいように、いかようにも誤解する生き物です。 では、都合よく誤解されないためにどうするか? 自分の考えを“正しく伝える”方法は? 「伝えること」「わかり合うこと」を真面目に考え、 実践したい人のための1冊です。 目次 はじめに 認知科学者が教えるコミュニケーションの本質と解決策 第1章 「話せばわかる」はもしかしたら「幻想」かもしれない 「人と人は、話せばわかり合える」ものなのか? 「話せばわかる」とはどういうこと

ITエンジニア本大賞2025の一般Web投票、締切が12月8日(日)に迫っています。「おすすめしたい本がある!」というエンジニアの皆さん、投票はお済みでしょうか。まだの方はお忘れなく! 今回はITエンジニア本大賞を振り返り、これまでのどんな本が選ばれてきたのか、過去の技術書部門・ビジネス書部門の大賞をまとめて紹介します。ITエンジニア本大賞はCodeZineを運営する翔泳社が主催。2014年から続いている「ITエンジニアがITエンジニアに読んでほしい技術書・ビジネス書を選ぶイベント」です。 これまで数々の名著が大賞を受賞してきましたが、皆さんが読んだことのある・知っている本は何冊あるでしょうか。今回は歴代の大賞を一挙に紹介しますので、読もうと思っていた本や、ノーチェックだった本があれば、この機会に読んでみてください!ITエンジニア本大賞2025の一般Web投票はまだ受付中(12月8日ま

「プロとしてプログラムが書ける人」に求められる能力が大きく変わった! 1つのプログラミング言語にこだわらず、それぞれの言語のベストプラクティスを学ぼう。現代のプログラミング言語を支える技術が凝縮された一冊 目次 第1章 はじめに 1.1 プログラミングに必要な知識とは 1.2 本書の構成 1.3 プログラマに伴走する生成AI 1.4 コーディング環境 1.4.1 オンライン実行環境 1.4.2 ローカルでのコーディング環境 1.5 まとめ 第2章 C言語からはじめよう 2.1 C言語とは 2.2 入力・演算・出力 2.2.1 変数・定数・リテラル 2.2.2 演算子 2.2.3 入出力関数 2.2.4 数値計算を行うプログラム例 2.2.5 配列 2.2.6 文字と文字列 2.3 制御構造 2.3.1 条件分岐 2.3.2 繰り返し 2.3.3 構造化プログラミング 2.4 関数 2.4.

DX Criteria(DX基準 )は、日本CTO協会が監修・編纂している企業のデジタル化とソフトウェア活用のためのガイドラインです。本基準は、デジタル技術を企業が活用するために必要な要素を多角的かつ具体的に体系化したものです。ソフトウェアエンジニアリング組織の健全な成長・経営目標の可視化・パートナーとのコミュニケーションなどに使っていただくことを目的に作成されています。 また、本基準は絶対ではありません。誰かを攻撃したり、アセスメント結果の数字のみに注目して本質的な改善をおろそかにするためのものではありません。極めて実践的で具体的な項目で構成されているため、定期的に最新動向に併せてCTO協会のWG内で議論をおこないながら、適宜アップデートをしていくものです。

先日、博士(情報学)になりました。学部と大学院をあわせた 9 年間で読んだ情報科学関連の教科書・専門書を思い出を振り返りつつここにまとめます。私は授業はあまり聞かずに独学するタイプだったので、ここに挙げた書籍を通読すれば、大学に通わなくてもおおよそ情報学博士ほどの知識は身につくものと思われます。ただし、特に大学院で重要となる論文を読み書きすることについては本稿には含めておりません。それらについては論文読みの日課についてや論文の書き方などを参考にしてください。 joisino.hatenablog.com 凡例:(半端)とは、数章だけ読んだ場合か、最後まで読んだものの理解が浅く、今となっては薄ぼんやりとしか覚えていないことを指します。☆は特におすすめなことを表します。 学部一年 寺田 文行『線形代数 増訂版』 黒田 成俊『微分積分』 河野 敬雄『確率概論』 東京大学教養学部統計学教室『統計学
2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にして紹介しているWebメディアのSeamless(シームレス)を運営し、執筆しています。 1週間分の生成AI関連論文の中から重要なものをピックアップし、解説をする連載です。第22回目は、AIが不得意とする指の数を修正する技術やStabilityAIの動画生成モデルなど、生成AI最新論文の概要5つをお届けします。 生成AI論文ピックアップ人間が話すような音声合成でテキストを読み上げるTTSモデル「StyleTTS 2」 コロンビア大の研究者ら開発> StabilityAI、画像から動画を生成するモデル「Stable Video Diffusion」発表 画像と動画を同時に扱う大規模視覚言語モデル「Video-LLaVA」 北京大などが開発 テキストから3Dモデルを生成する新型モデル「LucidDreamer」 他に影響を与えず表情や年

流行のLLMを勉強したくて沢山本を読みました。 この後もしばらくLLM(GPT)関係の出版が続きそうなので、現状の本でまとめてみました。 参考: nowokay.hatenablog.com まとめ。 Transformerの仕組みを知りたい人で、画像のDeep Learningなら分かるって人はVision Transformer入門 言語モデルをデータセットを作る所からやってみたい人には、作ってわかる! 自然言語処理AI とにかくすぐに動かしたい人には、機械学習エンジニアのためのTransformers ビジネス的に何ができるのかを知りたい人はBERT入門 Vision Transformer入門 Vison Transformerになっていますが、Transformerの説明がとても詳しくお勧めです。実際に写経してパーツパーツで動かせるのはこの本だけ。Transformer一点突破な
米アマゾン・ドット・コムはこのほど、電子書籍を販売する中国の「Kindle Store(キンドルストア)」の運営を6月30日に停止し、以降は電子書籍の新規購入ができなくなると発表した。 2024年6月30日以降は購入済み書籍のダウンロードもできなくなるが、ダウンロード済み書籍や個人のメモは引き続き閲覧可能だという。また、テンセント(騰訊)が運営するSNSアプリ「微信(WeChat)」内のキンドル公式ページも6月30日に運営を停止し、24年6月30日でカスタマーサービスを終了する。中国向けのキンドルストアは12年12月にサービスを開始し、16年にはキンドル専用の電子書籍リーダーの販売台数で世界一となるなど、急成長を遂げた。しかし、近年は中国の読書市場の変化に加え、競合他社も次々と台頭し、キンドルの存在感は薄まっていた。中国ではスマートフォン普及率が非常に高く、テンセントの「微信読書(We

書籍には、特定領域の専門家たちが習得してきた知識のエッセンスが詰まっています。だからこそ「本を読むこと」は、ITエンジニアがスキルを向上させるうえで効果的な取り組みといえます。では、著名エンジニアたちはこれまでどのような書籍を読み、そこから何を学んできたのでしょうか。今回は8人の著名なエンジニアのキャリアに影響を与えた“珠玉の書籍”を、ご本人にまつわるエピソードとともに紹介してもらいました。 *…人名の50音順に掲載。回答者は敬称略。 岡野真也が紹介『こんにちはマイコン』 坂井恵が紹介『DB Magazine』 柴田博志が紹介『LEAN IN』 Shougoが紹介『Emacsテクニックバイブル』 鈴木雄介が紹介『ソフトウェアの達人たち―認知科学からのアプローチ』 前田喬之(TaKO8Ki)が紹介『How to Invent Everything: A SurvivalGuide for

せっかく学んだExcelを使いこなせないのはなぜ? 「データベース」とデータ入力の統一ルールを紹介(写真:jessie/PIXTA) 「Excelというソフトは、直感的に使えてしまいます。ゆえに、多くの人はちゃんと勉強しようとは思いません。実はそこに落とし穴があるのです」 そう語るのは、「Excel医」さん。非IT系の医師ながら、初心者レベルから独学でExcelを学び、職場では「Excelの神」とまで呼ばれるようになった人物です。 この記事では、「エクセル下手な人がしてしまっている、4つのNG行動」を、Excel医さんの著書『人生を変える Excelの神スキル』から、一部を抜粋・再構成してお届けします。 【図解】Excelの4つのNG行動とは? ■Excelを学んでも職場で使いこなせないのはなぜ? ■データ入力の統一ルールExcelを本で学んでいく際に、Excelの基本、ショートカット、

QUICはこの10年で世界的な規模で使用されるようになった新しいプロトコルのひとつであり、ネットワークにもこれまでになかったインパクトをもたらしています。本セッションではQUICがネットワークに与える影響をご紹介しますが、これがQUICの導入を検討する開発者やネットワーク運用者のお役に立てれば幸いです。本記事は、TechFeed Experts Night#13 〜 HTTP3/QUIC…Webプロトコル最前線のセッション書き起こし記事になります。 イベントページのタイムテーブルから、その他のセッションに関する記事もお読み頂けますので、一度アクセスしてみてください。本セッションの登壇者 セッション動画 @yuyarinと申します。前職では@kensaku_komatsuさんと同じ会社でクラウドを作っていました。現職はモバイルキャリアでエッジコンピューティングの基盤を作っているので、ぜひ

1. 『プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本』橋本将功 著、翔泳社 2. 『アート・オブ・プロジェクトマネジメント』Scott Berkun 著、村上 雅章 訳、オライリー・ジャパン 3. 『アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣』VenkatSubramaniam,AndyHunt 著、木下史彦,角谷信太郎 監訳、オーム社 4. 『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準』PMI 著、PMI日本支部 監訳 問題。次のうち、どちらが重要? 1.炎上プロジェクトを鎮火する技術 2.プロジェクトを炎上させない技術 修羅場における火消しの技術が1だ。燃え上がって墜落寸前のプロジェクトを制御して、なんとか胴体着陸まで持っていくノウハウである。 一方、プロジェクトを修羅場にさせない技術が2だ。そもそもそんな操縦不

ありがちな仕様とコードを題材に、よくないコードに立ち向かうための整理術を紹介します。 この Book にはデザインパターンや DDD やオニオンアーキテクチャや関数型プログラミングなどは一切登場しませんが、それらのエッセンスと日常のコーディングにおいて求められる基礎的な考え方の説明が含まれています。 この Book の内容は、特定の業務領域やプログラミング言語・フレームワークには限定されません。Laravel でも RoR でも Spring でもReact でも Nuxt.js でも、きっと役に立つはずです。 逆にこの本にはクラス設計のべき論や OOP vs FP のような議論は含まれません。 画一的なコードの良し悪しの定義は難しいですが、何かしら得るものがあったと感じてもらえたらうれしいです。

AI(人工知能)利活用が珍しいものではなくなった昨今、AIが開発者の意図しない挙動を起こしてしまう事例が度々問題となっています。女性の求職者を不当に低く評価してしまったAmazon.comの人材採用システムや、黒人の写真をゴリラと誤認識してしまう顔認証AIの事例などは、記憶に新しいことと思います。 このような問題を受けて、主に欧米を中心にAI利活用で生じるさまざまなリスクを低減させるべく「AI倫理」や「AI原則」を守るための法律やガイドラインの整備が進んでいます。日本でも経済産業省が2021年にガイドラインを公開するなど、AI利活用で生じる問題を予防する動きが高まりつつあります。 では一体、AI倫理を守るためには何をすべきなのでしょうか。この電子書籍では、連載「エンジニアが知っておくべきAI倫理」全4回を収録。「AI開発中に内在する代表的なバイアスやリスク」「データ収集段階でのバイアスへの

2022/5/27 変更 - この挙動が仕様ということを示すamazon.comのヘルプページへのリンクを張るとともに引用した -amazonのサポートに、amazonの指示によって問題のある操作をしたことがわかる通話履歴があるはずの日時を伝えた -amazon.comのサポートセンターに諸々書くにした旨追記 - こちらからamazonへの要求について補足2022/6/1 変更 - 「サポートの指示によってamazon.comのアカウントを消した」のではなく「使用していないamazon.comのアカウントを閉鎖してもいいのか」という趣旨の質問を私がしたのに対して「そうですね」と回答されたということがわかったので、訂正。 編集前の記述には取り消し線を引いて、編集後の記述は強調表示しました。NOTE: 上記変更点にもあるように、「サポートの指示によってamazon.comのアカウントを
皆さんこんにちは。今回は、2022年4月30発売の『良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』を読み終わったので、書評という形で感想と紹介を述べたいと思います。筆者はもともと技術書を読まず「ネットでいいやん」派だったのですが、このたびTypeScript入門書を出版したこともあり、それを過去の話として葬り去るべく技術書を読んでいくことにしました。せっかくなので、読んだ技術書の感想等を紹介します。 おことわり: この記事では、「筆者」とはこの書評を書いた人を指し、『良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』を書いた人のことは「著者」と呼びます。また、この記事の内容はすべて筆者の個人的な見解であり、本の内容や本を読んで得られる知識について何らかの保証をするものではありません。 筆者について筆者はフロントエンドエンジニアで、TypeScriptとReactを専門としています。業務では何だかんだで設計の番

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