「ベトナム戦争に派遣された北朝鮮の空軍パイロットは脱出装置を外していました。つまり撃墜されたら、そこで死ぬようになっていたんです」 こう話すのは、北朝鮮の軍の歴史を研究してきた聖学院大学の宮本悟教授です。ロシアに派遣されたとみられる1万人以上の北朝鮮の兵士たちは、ウクライナ侵攻の局面を大きく変えていくのか。北朝鮮のねらいはどこにあるのか。宮本教授に詳しく聞きました。 (国際部記者 吉塚美然) ※以下、宮本教授の話 特殊作戦軍は北朝鮮にある5つの軍種の中で最も新しいもので、2017年4月15日に初めて公開されたものです。第11軍団の軍団長がそのまま特殊作戦軍の司令官になっていることから、陸軍第11軍団を元にして作られたことがわかっています。 第11軍団というのは、いわゆるゲリラ部隊で、軽歩兵部隊として認識されています。 戦車や重火器を扱うような部隊ではなく、山の中、荒れ地、森の中、そういっ

去年ノーベル平和賞を受賞したロシアの人権団体の幹部が、ロシア軍の信頼を失墜させた罪に問われた裁判で、首都モスクワの裁判所は11日、罰金刑を言い渡しました。ロシアの人権団体「メモリアル」は、旧ソビエト時代から人権侵害の監視に取り組んできた実績が評価され、去年ノーベル平和賞を受賞しました。 「メモリアル」の幹部の1人、オレグ・オルロフ氏は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を批判していましたが、ロシア当局は、ロシア軍の信頼を失墜させる文章をSNSに投稿したなどとして、ことし3月、自宅や事務所を家宅捜索し、その後、オルロフ氏は起訴されました。 裁判でオルロフ氏は争う姿勢を示していましたが、モスクワの裁判所は11日、オルロフ氏に対して罰金15万ルーブル、日本円にしておよそ22万円の判決を言い渡しました。 判決の後、オルロフ氏は記者団に対し「不当な判決であり、控訴するつもりだ。戦争に反対する抗議活

<ウクライナ侵攻が始まる以前、ロシアは「かなり真剣に」日本との局地的な軍事紛争を計画していたとするFSB職員のメールを入手> ウラジーミル・プーチン大統領が率いるロシアは、ウクライナへの大規模侵攻に着手する何カ月も前の2021年夏、日本を攻撃する準備を進めていた──こんな衝撃的な情報を、本誌が入手した。これはロシア連邦保安庁(FSB)内部告発者からのメールで明らかになったものだ。 【動画】プーチン「重病説」を再燃させる「最新動画」...脚は震え、姿勢を保つのに苦労 3月17日付けのこのメールは、「Wind of Change(変革の風)」と名乗るFSB職員が、ロシア人の人権擁護活動家ウラジーミル・オセチキンに定期的に送信しているメールのひとつだ。オセチキンは、ロシアの腐敗を告発するサイト「グラグ・ネット(Gulagu.net)」の運営者で、現在はフランスで亡命生活を送っている。 メールのや

10月31日、大阪市住吉区にある総合病院「大阪急性期・総合医療センター」がランサムウェア(身代金要求型ウィルス)攻撃を受けたことがニュースになっている。 この件を見ていく上では、昨年末に起きた徳島の病院へのサイバー攻撃を教訓として見るべきだろう。なぜなら、攻撃者側は、病院に攻撃したという自覚がないこともあるからだ。さらに身代金の支払いも、きちんと議論すべき時に来ている。 2021年10月3日、徳島県つるぎ町立半田病院が、ロシアのサイバー犯罪集団である「LockBit2.0」(以下、LockBit)によるランサムウェアによるサイバー攻撃を受けた。病院内の電子カルテを含む様々なシステムが動かなくなり、緊急患者の受け入れも断念することになった。 そして2カ月以上にわたって、半田病院は病院機能が麻痺し、通常通りに診療ができない事態に。日本では、政府が身代金の支払いをしないよう指導しているため、公立

<ウクライナを「非ナチ化」するための特別軍事作戦は、いつの間にか世界の「悪魔主義」との戦いへとロジックが変化、ロシア正教会もプーチンを「首席エクソシスト」に任命するなど危険な兆候が露わになってきた> モスクワ赤の広場でウクライナ4州の併合を宣言して世界を敵に回したプーチン(9月30日、テレビ中継)REUTERS/REUTERS PHOTOGRAPHERロシア正教会はこのほど、同国のウラジーミル・プーチン大統領を、悪魔祓いをする「首席エクソシスト」に任命した。 【映像】「靴も、お金も、マットレスも盗まれた」ロシア軍キャンプの絶望的な有様ロシア政府は、ウクライナへの軍事侵攻の目標を「再定義」しようとしているようだ。2月24日に「特別軍事作戦」としてウクライナへの侵攻を開始した時、プーチンはその目標をウクライナの「非ナチ化」だと述べていた。だがロシア政府の最高意思決定機関である安全保障会議は

米ニューヨークの国連本部で2月25日、ウクライナ侵攻をめぐって自国を非難する決議案に拒否権を行使するロシアのネベンジャ国連大使=AP 国連安全保障理事会で拒否権を使った常任理事国に、国連総会(193カ国)での説明責任を求める決議案が26日、総会で採決にかけられる。拒否権の行使をためらわせるほどの効果はないとみられるが、専門家は「道義的な圧力になりうる」と意義を語る。 【写真】ロシアを非難する決議案に対し、手を挙げて反対を表明するロシアのネベンジャ国連大使 この決議案は、拒否権行使から10日以内に総会を開く▽行使国に優先的に演説させる▽総会開催の72時間前までに安保理に拒否権行使についての「特別報告書」の提出を求める――というもの。ただ、実際に説明するかは行使国に委ねられ、義務ではない。 ■米国や日本も「共同提案国」に 決議案作りを主導したリヒテンシュタインのウェナウェザー国連大使によると、

ウクライナ侵攻の作戦中に沈没したミサイル巡洋艦「モスクワ」を含むロシア黒海艦隊の司令官が解任され、逮捕されたと、ウクライナ国防省の情報局幹部が話した。ウクライナのネットメディア「リガネット」が22日、伝えた。沈没の責任を問われたとみられる。 【写真】沈没前の「モスクワ」とされる写真。全員避難と主張していたのに「なぜ息子は戻ってこないのか」と憤る母 司令官はイーゴリ・オシポフ氏。情報局幹部はほかにも、ロシア軍の5人の将官がウクライナでの苦戦などを理由に解任されるなどしたとし、「司令部への弾圧が新局面に入った」とみている。 「モスクワ」は艦隊の司令塔の機能のほか、ミサイル防衛システムを搭載し、防空面でも重要な役割を果たしていたとされる。

イングランド・プレミアリーグ、チェルシーのオーナーでロシア人富豪のロマン・アブラモビッチ氏(2016年8月15日撮影、資料写真)。(c)Justin TALLIS / AFP 【3月29日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は28日、関係者の話として、ロシア人富豪ロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏とウクライナの交渉代表団が、両国間の停戦交渉を妨害しようとするロシアの強硬派により毒を盛られた疑いがあると報じた。AFPが取材した関係筋も、同紙の報道を事実と認めた。 【関連記事】アブラモビッチ氏の豪華ヨット2隻、トルコに入港ウクライナ侵攻をめぐり、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)に圧力をかけることを目的とした西側諸国の制裁を受けているアブラモビッチ氏は、各地で行われる両国間の交渉に参加していると報じられている。 関係者が

侵攻の経済損失、70兆円 ロシアに賠償要求―ウクライナ2022年03月29日05時55分ウクライナのスビリデンコ第1副首相兼経済相=12日(EPA時事) 【ロンドン時事】ウクライナのスビリデンコ第1副首相兼経済相は28日、ロシアの軍事侵攻でこれまでに被ったウクライナの経済損失が約5650億ドル(約70兆円)に上るとの試算をフェイスブックに投稿した。その上で、国内で凍結したロシア資産の接収などにより、一部を穴埋めする意向を示した。 任天堂、ロシア向け一時停止 ゲームソフトのダウンロード販売 侵攻が長期化すれば、損失のさらなる増大は避けられない見通しだ。スビリデンコ氏は「ウクライナはあらゆる障害を乗り越え、侵略者に賠償金を要求することを目指す」と訴えた。 国際ウクライナ情勢 コメントをする

核兵器を使う可能性はあるのか。米「CNN」によるこの質問に対して、22日、ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は「我が国の存亡に関わる脅威があれば、あり得る」と答えた。 この時使われる可能性として高い兵器のひとつが、小規模な分ハードルが低く「使いやすい」とされる小型の核兵器だ。広島に落とされた原爆を基準に、威力がその半分のものから、2%ほどのものまで、世界にはさまざまな小型核がある。 もしロシアがこれを撃った場合、世界はどう反応するのだろうか。核戦争に発展するのだろうか? 米紙「ニューヨーク・タイムズ」が専門家に聞いた。ロシアは核武装を実用的なものと考えている 冷戦時の核兵器はその破壊力において、広島を破壊した原爆を凌駕していた。実験爆発では、ワシントンの兵器が最大で広島の1000倍、モスクワの兵器には3000倍の威力があった。 これには「巨大な報復の可能性」という脅威を見せることに

国連は、「平和のための結集」決議に基づき「緊急特別会期(ESS)」を開催し、平和維持部隊の派遣を含む軍事的強制措置を採択すべきである。 国連総会は3月2日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて「緊急特別会期/会合(Emergency SpecialSession:ESS)」を開催し、ロシアに対して軍事行動の即時停止を求める決議案を141カ国の圧倒的賛成多数で採択した。 193の国連加盟国のうち、反対票を投じたのはベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、ロシア、シリアの5カ国のみで、棄権は35カ国だった。 日本を含めた90カ国以上が共同提案したもので、決議に法的拘束力はないものの、ロシアに対して「即時に完全かつ無条件で、国際的に認められたウクライナの領土からすべての軍隊を撤退させるよう」強い言葉で要請している。 国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「国連総会のメッセージは強力で明確だ。ウクライナで

ロシアの裁判所は3月22日、反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏に対し、詐欺や法廷侮辱の罪で禁錮9年を言い渡した。ナワリヌイ氏の釈放を求めている欧米各国がプーチン政権への非難を強めるのは必至だ。ロシアのウクライナ侵攻後、ナワリヌイ氏はSNSを通じて反戦デモを呼び掛けてきた。また、昨年1月にはプーチン氏が建てた「宮殿」に1400億ルーブルが投じられたと告発した。その動画の再生回数は1億回を超え、プーチン氏への批判は徐々に強まってきていた。ジャーナリストの小坂諒氏による当時の記事を再公開する(初出2021年2月1日。年齢、肩書きなどは当時のまま) 【画像】総額1400億円と言われる「プーチン宮殿」。ナワリヌイ氏のチームは上空にドローンを飛ばし、敷地内の全容を明らかにした ◆ロシアの反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏(44)が主宰する団体「汚職との戦い基金」がユーチューブ上に投稿した

オープンソースで開発される、ウェブアプリのUI構築用JavaScriptフレームワーク「Vue.js」のコードに、ロシアとベラルーシに在住する開発者を標的とした悪意のあるコードが追加されたと、開発者向けセキュリティプラットフォームのSnykが発表しました。メンテナーの1人がロシアのウクライナ侵攻に対する抗議行為として、問題のコードを追加したことがわかっています。 Alert: peacenotwar module sabotages npm developers in the node-ipc package to protest the invasion of Ukraine | Snyk https://snyk.io/blog/peacenotwar-malicious-npm-node-ipc-package-vulnerability/ Sabotage: Code added

北京五輪にあわせて会談した中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領(2022年2月4日、写真:代表撮影/Russian Look/アフロ) (福島 香織:ジャーナリスト)中国にはこの秋、台湾を武力侵攻する計画があったが、ロシアの苦戦ぶりをみてその機会を失ったと考えているという。情報元は、ロシア連邦安全局(FSB)のアナリストが書いたとされる情報分析リポートだ。ロシアの腐敗を告発するサイト「Gulagu.net」を運営するウラジミール・オセチキンが、このFSBの内部文書を公開し、ネットで広まった。オセチキンはこれまでも「ロシアがウクライナに大量破壊兵器使用の準備をしている」といったFSB内部文書由来の情報を暴露してきた人権活動家だ。台湾のネットメディア「新頭殻」がこのFSB内部リポートを引用して、中国が「秋に全面的に台湾統一に出ると計画していた」と報じた。それによると、習近平はこの秋

ドイツ連邦政府情報セキュリティ庁(BSI:Bundesamt für Sicherheit in der Informationstechnik)は3月15日(ドイツ時間)、「BSI - Presse - BSI warnt vor dem Einsatz von Kaspersky-Virenschutzprodukten」において、ロシアのメーカーであるKasperskyのウイルス対策ソフトウェアの使用に関して警告するとともに、同社のアンチウイルス製品を代替のアプリケーションへ置き換えるよう呼びかけた。BSIはセキュリティソフトウェアについて、メーカーの信頼性に疑問がある場合にはリスクになると指摘している。 BSI - Presse - BSI warnt vor dem Einsatz von Kaspersky-Virenschutzprodukten この警告は、ロシアが行って

米宇宙開発企業スペースXを率いるイーロン・マスク氏(2022年2月10日撮影、資料写真)。(c)JIMWATSON / AFP 【3月15日 AFP】世界一の富豪で実業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏は14日、ツイッター(Twitter)への投稿で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対し、ウクライナを懸けた決闘を申し込んだ。 宇宙開発企業スペースX(SpaceX)創設者のマスク氏は以前から、ツイッター上での奇抜な投稿で知られている。今回の投稿では、「私はここにて、ウラジーミル・プーチン氏に決闘を挑む。懸けるのはウクライナだ」と表明。プーチン氏の公式英語アカウントに対し、ロシア語で「この決闘を受け入れるか?」と問い掛けた。 自身のフォロワーから、真剣に考えた上での投稿ではないのではと問われると、「完全に真剣だ」と回答した。ロシア政府からの反応

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