ニセ基地局とは?最近のニュースを技術的に解説 最近、東京・大阪で「ニセ基地局」が検出され、総務省が調査に乗り出したというニュースが話題になっています。この記事では、ニセ基地局の技術的な仕組みや脅威、対策について解説します。 ニセ基地局の基本概念 ニセ基地局(偽基地局)は、正式にはIMSIキャッチャーまたはセルサイトシミュレーターと呼ばれる装置です。これは、正規の携帯電話基地局を模倣し、近くにあるスマートフォンなどの端末を騙して接続させる仕組みです。 なぜ端末は騙されるのか? スマートフォンは通常、電界強度が最も強い基地局に接続する仕様になっています。ニセ基地局は、本物の基地局とまったく同じ識別子(MCC/MNC+セルID)を使用しながら、わずかに強い電波を発することで、端末を「吸い寄せる」ことができるのです。 最近のニュースの技術的背景 2025年4月に東京・大阪で検知された不審な電波は、

数億個のAMD製CPUに存在する深刻な脆弱性「Sinkclose」が報告、検出不可能なマルウェアインストールが可能となり、システムの廃棄が必要になる場合もAMD製CPUに10年以上にわたって存在していた深刻な脆弱性「Sinkclose」が発見された。この脆弱性は、2006年以降に製造されたほぼ全てのAMD製プロセッサに影響を与え、システムの非常に奥深くに侵入することを可能とする物であり、場合によってはマシンの修復が不可能となり、マシン自体を廃棄する必要すらある程に深刻な物となっている。 Sinkclose はウイルス対策を回避し、OS の再インストール後も存続する Sinkcloseは、セキュリティ企業IOActiveの研究者Enrique Nissim氏とKrzysztof Okupski氏によって発見された。彼らは、AMDのドキュメントを何度も読み返す中で、この重大な脆弱性を見出した

連日さまざまなサイバーセキュリティ犯罪のニュースが報じられる中、いまだに日本のセキュリティレベルは高いとは言えない状況にあります。一方で、企業がサイバーセキュリティ対策を進める上では、人材不足や経営層の意識・関心、コスト、導入による利便性の低下など、さまざまな壁が立ちはだかっています。 そこで今回は、株式会社網屋が主催する「SecurityBLAZE2023」より、サイバーセキュリティのエキスパートによる講演をお届けします。本記事では、米金融大手で1億人以上の個人情報が漏えいした事件の背景をひもときながら、問題点とセキュリティ対策のポイントを解説します。 Webセキュリティの第一人者が語る、個人情報流出事件の裏側 徳丸浩氏:ただいまご紹介いただきました、EGセキュアソリューションズの徳丸でございます。本日は「米国金融機関を襲った個人情報大規模流出事件の真相」というテーマでお話をさせてい

Googleは2023年5月に、パスワードではなく顔や指紋などの生体情報やPINでアカウント認証を可能にする「パスキー」に対応しました。そして、2023年10月10日から、個人のGoogleアカウントでパスキーをデフォルトオプションとして提供することを発表しました。 Passkeys are now enabled by default forGoogle users https://blog.google/technology/safety-security/passkeys-default-google-accounts/ パスキーは、パスワードレス認証技術「FIDO」を推進するFIDOアライアンスとウェブ技術の標準化団体であるW3Cが共同で定めたパスワードレス認証技術です。認証資格情報をクラウド経由で同期し、スマートフォンの顔認証や指紋認証でアカウント認証を進めることができます。A

このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。Twitter: @shiropen2 香港大学や清華大学に所属する研究者らが発表した論文「Radio2Text: Streaming Speech Recognition Using mmWave Radio Signals」は、ミリ波(mmWave)信号から音声を認識するストリーミング自動音声認識(ASR)システムを提案した研究報告である。このシステムは、周囲のノイズに強く、防音対策した部屋の外からでも取得でき、これまでと異なり長い文章をリアルタイムに認識する能力を提供する。 無線センシングの進展に伴い、特にミリ波信号の注目が高まっている。なぜなら、音源のミリメートルレベルの

はじめに 研究開発第二部リードセキュリティエンジニアの一瀬です。セキュリティエンジニア同士の会話では、「"シサ"が最近またレポート出していて…」とか「"アイピーエー"から注意喚起出てたね」といった、初学者には謎の単語がたくさん出てきます。本記事では、そういった会話に出てくる単語のうち、国内外のセキュリティ関連の主な組織についてまとめました。セキュリティに興味があれば、ここに挙げた組織と、その組織が関わる政策や活動について、事前に抑えておいて損はありません。これからセキュリティを学ぼうという方の参考になれば幸いです。 なお、記載した情報はすべて執筆時点 (2023 年 6 月) のものです。 【2023/06/30 追記】NISC および ENISA の日本語名称を修正、CISA の読み方について修正・追記、NCSC について追記しました。 はじめに 中央省庁 内閣サイバーセキュリティセンタ

総務省、警察庁及び経済産業省は、本日、クレジットカード番号等の不正利用の原因の一つであるフィッシング被害が増加していることに鑑み、クレジットカード会社等に対し、送信ドメイン認証技術(DMARC)の導入を始めとするフィッシング対策の強化を要請しました。 昨今、悪意のある第三者が、クレジットカード会社等を騙った電子メール等を利用者に送信し、利用者を当該電子メール等のリンクから偽サイトに誘導した上で、利用者のクレジットカード番号等を詐取する攻撃(いわゆるフィッシング)が多発しています。 フィッシングによるクレジットカード番号等の詐取は、クレジットカード番号等の不正利用の一因となっており、利用者保護の観点から、クレジットカード会社等において適切な対応が取られることが求められます。 とりわけ、フィッシングメールがドメイン名をなりすまして送信されることが多い点に鑑みると、送信ドメイン認証技術のうち、フ

米国国立標準技術研究所(NIST: National Institute of Standards andTechnology)は12月15日(米国時間)、「NIST Retires SHA-1Cryptographic Algorithm|NIST」において、暗号アルゴリズム「SHA-1」を廃止すると伝えた。SHA-1の暗号ハッシュ関数はすでに脆弱と評価されており米国政府機関での利用廃止が発表されている。 電子情報を保護するために初期に広く使われた手法の一つであるSHA-1アルゴリズムは、耐用年数が終了しているとして廃止が決定されている。SHA-1がまだ使用されているという現状から、より安全性の高い新しいアルゴリズムに置き換えることが推奨されている。 SHA-1という名称は「Secure Hash Algorithm」の頭文字からきており、1995年から連邦情報処理規格(FIPS:

警視庁は11月9日、実際の事件をもとに産業スパイの手口を描いたドラマ「PRIDE×ORDER 警視庁公安部 presents 狙われる日本の技術」をYouTubeで公開した。能年玲奈(のん)さんや筧利夫さんら著名俳優を起用、企業のセキュリティ対策の重要性を訴える。 能年玲奈さん演じる佐倉南は、自動運転車の通信技術を開発する中小企業のSE。新たな技術開発に情熱を注いでいたが、あるとき上司が海外の産業スパイに騙されて……。筧利夫さん演じる警視庁公安部の大谷昭栄警部と共に機密情報を守るために奔走する。 ドラマは前編、中編、後編に分かれており、再生時間はそれぞれ8~11分程度(計26分)。9日に一挙に公開した。 警視庁公安部は「社会全体でデジタル化が加速する中、情報の持ち出しは以前より容易になっている」と指摘。「一度技術が流出してしまったら、取り戻すことはできない。不審な動向、情報などを把握したら

本記事は、2022年5月に開催されたTechFeed Conference2022のセッション書き起こし記事「パスワードのない世界に向けて(えーじ) —TechFeed Conference2022講演より」を転載したものです。オリジナルはTechFeedをご覧ください。 皆さんこんにちは。えーじです。今日は「パスワードのない世界に向けて」というお話をしたいと思います。 パスワードだけでは守りきれない世の中に 皆さんご存知のように、今多くのWebサイトはパスワードを使ったログインが主流です。 しかし、どんなに堅牢なシステムでも、ユーザーさんが弱いパスワードを作ってしまったり、同じパスワードを複数サイトで使い回してしまったり、フィッシングに引っかかってしまえばアカウントは乗っ取られてしまいます。 近年フィッシングが急増していることからもわかるように、パスワードだけのシステムでは守り
Malwarebytesは8月24日(米国時間)、「Binance chief says a “sophisticated hacking team” turned him into a deepfake hologram」において、ディープフェイクが金融業界の人々に使われたと伝えた。最近、暗号資産コミュニティのユーザをターゲットにした詐欺師が現れたという。 Binance chief says a “sophisticated hacking team” turned him into a deepfake hologram 詐欺師はインターネットユーザーをだますことによって、莫大なお金を窃取することができる。攻撃内容はフィッシングもあれば、暗号資産の取引所への侵入もあるが、今回、ディープフェイクが使われたことが明らかとなっった。 具体的には、大手暗号資産取引所のBinanceの最高コン

「量子コンピューターが米国の敵対者に使われるようになるまで、行動を先延ばしにしてはいけない」と、 米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は米国時間8月24日に公開したガイドの中で述べた。「早期の準備が、ポスト量子暗号規格がひとたび制定された後の円滑な移行につながる」(CISA) 量子コンピューター技術は現在、黎明期にある。しかし、IBM、Intel、Google、Microsoftなどの企業が、複数の新興企業と同様、その開発に多額の資金を投じている。量子コンピューターはさらに高性能になるにつれて、従来の暗号の解読が可能になり、機密性の高い通信をむき出しの状態にする可能性がある。

セキュリティ業務における「ログ」の基礎知識――なぜ分析基盤が必要なのか:セキュリティログ分析基盤活用入門(1)(1/2 ページ)セキュリティ業務における「ログ」と、その分析基盤の活用について解説する連載。初回は、セキュリティログに関する基礎知識や分析基盤に求められることなどについて。 リクルートテクノロジーズのサイバーセキュリティ部の日比野です。これまで筆者は、オープンソースの全文検索エンジンである「Elasticsearch」を活用し、ログ分析システムの導入を行ってきました。現在は、リクルートテクノロジーズで次期ログ分析基盤の全体構想検討や新技術検証などを進める傍ら、そこで得た技術ナレッジを広く公開することに情熱を注いでいます。 「セキュリティ人材が約20万人不足している」と言われている中、特にセキュリティログ分析という領域は、フルスタックかつ高い技術力が要求されるにもかかわらずナレッ

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