将来の歴史家は――そういう人たちがいればの話だが――2015年12月に世界で起きた最も重要な出来事は、パリの気候会議だと語るだろう。 たしかに、パリでの合意だけでは、地球温暖化問題を解決するうえで、まったく十分ではないだろう。だが、この会議が転換点となり、大惨事の回避に必要な国際的行動が始まって…
複雑系経済学は、経済学への単なる新しい視点の導入ではなく、経済学自体の根底からの改造を目指している[1]。複雑系経済学はそのための基礎理論であり、合理性の限界のもとで地球大の複雑システム(複雑系)がいかに作動するかを解明する経済学である[2]。 複雑系経済学は、一般に非線形で、要素間の相互依存性が強い系は複雑系となる可能性がある。特に経済学にとっては要素の数が多いことや収穫逓増現象が重要である。また、経済成長における初期値依存性もカオスを生み出し、複雑系となる。 要素の数が多いとき、個人は必ずしも最適な選択を行うことが時間的な制約の理由によりできない。これでは通常の経済学が想定するような完全合理性が成立せず、経済主体は限定合理性の下で行動することになると考えられる。また、動態的な意味での収穫逓増が成立するときには、最終的な均衡の状態が唯一ではなく、0、ないしは複数ということもあり得る。複数
レオナルド・フィボナッチ 『インドの九つの数字は9、8、7、6、5、4、3、2、1である。これら九つの数字とアラビアではzephiriumと呼ばれる記号0でもって、以下に示すように、任意の数字を表すことができる。』(山本義隆著「一六世紀文化革命 1」P318よりレオナルド・フィボナッチ著「”Liber abaci”算数の書」(1202年:未邦訳)冒頭の山本による邦訳を孫引き) この一節で始まる1202年の数学書「”Liber abaci”算数の書」の発行が世界史上の画期であることは誰しもが認めるところだろう。商人で数学者のフィボナッチことピサのレオナルドは、本書でアラビア数字のイタリアへの導入、同時にそれらを用いたイスラム社会の十進法での整数と分数の計算方法を解説、最初の回帰数列であるフィボナッチ数列の考案、歴史的には修辞代数に分類される代数学の提唱などをまとめ、当時の商業数学の集大成であ

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