ジャンボタニシが流行り始めた頃に話題になったのが「被害がまったくない水田がある」という事実 ジャンボタニシは繁殖力が凄まじいので駆除作業はほとんど意味が無く 一度広まるとあたり一面の水田にうじゃうじゃと湧いてくるんだが その中でなぜか被害が全く無い水田がいくつかあることが分かった 「被害が少ない」のではなくて「全く無い」のだ 特に篤農家と呼ばれるような著名な農家の水田にその傾向が強く 原因について調査した その結果、被害のない水田の苗は他の水田に比べて茎が非常に太いことが分かった ジャンボタニシは細い茎を好むために太い茎の稲は食べない 一般的な苗の太さはちょうどジャンボタニシ好みの太さなので甚大な被害が出るのだが 太い茎にすることで被害が出ないだけでなく、雑草の生え始めのような細い茎が食べられるため、結果として除草効果が生まれた この結果から「よし、茎が太くなるまで苗を育てよう」という農法


レタスの最大の産地は外国人なしに成り立たない 「レタスの生産量は日本一ですが、みなさんの力を借りなければ、農家さんも経営が成り立ちません」 自らのホームページで外国人にこう呼びかけるのは、レタスの出荷量が全国トップの長野県川上村。標高1000メートルを超え冷涼な気候であることから、レタスや白菜といった葉物野菜の生産が盛んだ。 収穫をはじめ、作業には多くの人手を要する。しかし「重労働で、日本人のアルバイトには敬遠される状況にある」と村役場産業建設課長の原恭司さんは嘆く。そこで貴重な労働力となっているのが、外国人だ。コロナ禍前は住民の2割を占めるまでになり、新宿区よりも外国人の割合が高い村として紹介されてきた。 「農家戸数は400戸余り。農業に従事する外国人は例年およそ1000人なので、農家1戸当たり2、3人の計算です」(原さん) コロナ禍で外国人の割合は20→5%台に コロナ禍では、水際対策

大企業に任せてしまえば農業は効率化する、という意見は根強い。それに関連して、興味深い話を聞いた。 栗和菓子屋さん。農家が高齢化し管理できなくなった栗園を引き受け、社員が栽培管理。しかし、条件のよい栗園以外は頼まれても断るようになったという。理由は人件費。 企業が農業をする場合、最低賃金以上を保証しなければならない。しかしそうすると、農家が作る栗より高くなってしまう。なぜそうなってしまうのか。農家は自分の人件費のことを考慮しないで安く売っているから。つまり、今の農産物価格は農家の自己犠牲のおかげで安く済んでいる。 もし農家がみんな農業をやめてしまい、企業が農業をやるようになって、もちろん最低賃金以上を保証するならば、農産物の価格は今以上に高くなる可能性がある。 しかしここで疑問が一つある。海外では企業化した大規模農業があり、非常に効率的に安価に農産物を生産している。日本でもそうしたら? とこ

トンガの火山大爆発は、ほんとにすさまじい。被害の様子もまだよくわからないというのが、不気味だ。現地の人々の無事を祈るとして、ここにきて何やら話題になっているのがいわゆる平成の米騒動、1993年の冷害による不作に端を発した米不足だ。なぜなら、この不作が1991年のピナツボ火山大爆発の影響であることはほぼ間違いないので、「火山の大爆発→寒冷化→米不足」と連想が及んだのだろう。 農業は自然に依存するから、今回の大爆発でも農業への影響は避けられない。けれど、1993年のような米不足が再来するかといえば、それはないだろう。未来のことだから断言することはできないけれど、少なくとも物理的には米の供給不足が発生するとは考えにくい。 なによりも、1993年から94年にかけての騒動は、いい教訓になった。米は蓄えておくものだという農家伝来の常識が改めて見直されるようになったわけだ。あの騒動の頃でさえ、「ウチは農
今回の日米首脳会談を受け、日本がアメリカ産のトウモロコシを追加で輸入することになりました。国内で害虫の被害が確認されたため、日本企業が輸入を前倒しするということです。 政府関係者によりますと、追加で輸入するのは飼料用のトウモロコシおよそ250万トンで、年間の輸入量の3か月分にあたる規模だということです。 国内で新たな害虫が確認され、今後供給に不安が生じることも懸念されるため、トウモロコシの輸入の90%以上を占めるアメリカから、日本の企業が9月から輸入を前倒しすることになるとしています。 記者会見でトランプ大統領は米中の貿易摩擦の影響でアメリカから農作物の輸出が減少していることを踏まえ、「中国は約束したことを実行しないため、アメリカのいろんな地域でトウモロコシが余っている。安倍総理が購入してくれるのはとても大きな取り引きだ」と述べました。 トウモロコシの追加輸入は来月の署名を目指す日米の貿易

全国のもやし生産者でつくる工業組合もやし生産者協会は、販売価格低迷に加え原料種子価格と人件費が上昇し「経費削減の努力が限界を超え、健全な経営ができない」との声明を発表した。納品価格より安く特売するスーパーもあり「消費者に窮状を知ってもらい、スーパーは適正価格で売ってほしい」と訴える。 原料の緑豆は、中国産の輸入価格が現地の天候不良などから2005年に比べ約3倍に高騰(1月時点)。さらに、種子の発芽率の悪さや生育不良で歩留まりが悪く、人件費も上昇し経営を圧迫している。販売価格の低下も深刻だ。 09年に全国で230社以上あった製造会社・生産者は100社以上が廃業、現時点では130を切っている。もやし製造会社を経営する同協会の林正二理事長は、小売業者に対し「度を超えた値下げ競争をやめ、せめて1袋40円で売ってほしい」と訴えている。

記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 地方の市町村に魅力的な仕事、十分な雇用力がないから、人は仕事を求めて都市へ流出し、限界集落の問題や自治体消滅の危機が起こる。雇用状況が変わらぬ限り、この流れを止めることはできないだろう。だが逆に、魅力的な仕事があれば......人はその地にとどまり、いきいきと暮らす。このような社会課題に対し、『日本農業は世界に勝てる』の著者であるキヤノングローバル戦略研究所 研究主幹の山下一仁氏に、農業の視点から課題解決への取り組み方を聞いた。 秋田県で大潟村の農家だけ高齢化しない不思議 「日本創成会議」の試算は、秋田県では大潟村を除きすべての自治体が消滅の危機にあると報告した。大潟村は八郎潟を埋め立てて造った農村である。・・・(大潟村の農家の)子供は東京の大学を卒業しても村に戻って家業を継ぐ

おじいさんは山へしばかれに行きました。おじいさんはドMでした。 1.はじめに 昔話の「桃太郎」の冒頭は、「おじいさんは山へしばかりに行きました」で始まることが一般的です。では、この「しばかり」とは何を意味するのか。このネタは森林学の書籍を読むと、高い確率で出てきます。 現代の日本に生きる我々の感覚としては、「芝刈り」が容易に想像できると思います。しかし、正解は「柴刈り」です。「芝」と「柴」はどう違うのか、おじいさんはいかなる目的で「柴刈り」に行ったのか。今回の記事では、森林の利用と破壊を中心として、日本における環境問題の歴史を考えてみたいと思います。 とても1本の記事でまとめられる分量ではないので、数回に分割して掲載します。この記事では、導入と内容の整理を兼ねて、概略を示します。科学論文の冒頭に「abstract」が掲載されているようなものとお考え下さい。 なお、後の記事でも繰り返し強調し

日本の食料問題を考えるための指標として、新たに「食料自給力」が注目を集めている。いざというときに、田んぼや畑で食料をどれだけつくれるのかを示す指標だ。だが農地の広さだけ測っても、食料の供給力が分かるわけではない。日本の農地の地力はどうなっているのか。農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センターで土壌の研究をしている新良力也上席研究員に話を聞いた。 大豆をつくる水田は肥沃度が低い 日本の農地の地力はどうなっていますか。 「我々が調べているのは、水田の地力です。本州以南の地域は水田が大部分を占めている。その地力が広く落ちている可能性があります。とくに注目しているのが、生産調整(減反)の結果、水田で稲以外の作物をつくっている農地の地力です」 「例えば、富山県では、減反が始まったころ、転作作物として水田で大豆をつくると、10アール当たりで250キロぐらいとれていた。最初は一生懸命つくっ

●バターの需給状況について 2014年11月28日 生乳生産の減少などにより、今年度、乳製品の需給状況の逼迫が続いております。バターについても品薄状態となり、バターのユーザーの皆様、消費者の皆様にご不便、ご迷惑をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。こうした乳製品の需給状況に鑑み、本協会としては国に対し、バターの追加輸入を要請し、結果、国は、カレントアクセス以外の追加輸入として、バター10,000トンを今年度中に輸入・放出することを決定し、11月末までに7,000トンが輸入・放出されたところです。 また、当協会の会員である乳業各社に対しては、可能な限りのバターの安定供給について、協力を求めてきました。 乳業各社の供給努力により、また、追加輸入のバターが、今後においても順次放出される予定であることから、バターの品薄状態は、今後、徐々に解消されていくものと考えております。 続きを読む

かつては自民党の大票田だとされていた農協(JA)の「自民党離れ」が進んでいる。原因は、自民党の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に対する立場だ。2012年12月の衆院総選挙では多くの自民党候補者がTPP反対を訴えて当選したが、その結果発足した安倍晋三政権はTPPへの交渉参加を表明。 このことに失望した農業関係者は多かったようで、13年7月の参院選では、一部のJAでTPPに反対の共産党を支援する動きまで出始めた。北海道も小選挙区は自主投票 TPPをめぐる農業関係者の反発は強い。例えば農業が基幹産業の北海道選挙区(改選数2)では、JAグループの政治団体「北海道農協政治連盟」(道農政連)が選挙区では自主投票を決めている。 群馬県選挙区(改選数1)でも事情は似たようなもので、政治団体「県興農政治連盟」は自民現職の山本一太候補への推薦を見送り、やはり自主投票とした。山本氏が閣僚の一員でTPPへの

(前編)はこちら→http://d.hatena.ne.jp/doramao/20130618/1371549428 ※注意※ 前編記事中にある腐らん病対策の高分子吸収体ですが、効果が無いと考えられているとコメント欄でご指摘頂きました。この件についてHさんは効果が無いのであれば止めようと思う。早いうちに効果が無いことが分かったのはラッキーです。ちなみに周辺の農家は自分のところの他の園地ではどろ巻き法をやっています、とお話し頂きました。 前編では「実は無農薬には魅力がある」と語ってくださったHさん。では、どうして無農薬に挑戦しないのでしょうか。 ■無農薬には魅力がある? ど:魅力があるのに挑戦しないというのはやっぱりリスクがあるんですよね。 Hさん:ええ、無農薬無肥料の定義はおいといて、木村さんが推奨されている農薬散布なしに大きなリンゴを実らせた事自体はすばらしいと思いますよ。だけど、木村さ

1.はじめに 前回の記事は予想以上の反響を得ました。「奇跡のリンゴ」に対する関心の高さがうかがえます。今回も引き続き、「奇跡のリンゴ」の問題点を考えたいと思います。前回同様タイトルが全てですが。 なぜ私はこの物語が感動を強調していることを問題視するのか。 理由は簡単です。感動している人間は思考力が落ちて大事なことを色々と見落とし、判断を誤るからです。この物語に感動している方に、日本の農業の問題について冷静に考えることができるとは思えません。 この物語がフィクションであれば、さらに農業をテーマとしていなければ、私は何も言いません。感動を求める人がいて、感動を提供する人がいる。両者の希望が一致する。何の問題もありません。私とて他人の感動に水を差すような無粋な真似はしたくありません。 しかし、不幸なことにこの作品は実話と銘打たれており、農業をテーマとしております。ならば、農学関係者である私は、農
有名な木村秋則の「奇跡のりんご」をモチーフにした映画が公開されたそうで、それに関係するお話を最近よく見ます。 ところで木村農法はよく無農薬無肥料と言われていますが、なぜそれが可能なのかというと、それは彼が農薬等のことを全く知らないからであり、事実として奇跡のりんごは無農薬栽培でも無肥料栽培でもありません。 というのは本人が著書や講演などでも言っている通り、普通に言われる農薬は使っていなくても酢やワサビを使っているらしいので農取法の定義上無農薬ではなく、肥料については菌根菌との共生が肝らしいですが必要に応じて緑肥も使っているらしいので無肥料でもないからです。 緑肥を使っているのに無肥料というのは正直言って全く意味がわかりませんが、無農薬の方に関してはよくある勘違いではあります。農家でも、登録農薬のみを指して農薬であると思っている人は多いです。ただしそういう認識の人が「無農薬栽培」を行うのはい
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