熱帯 作者: 森見登美彦 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/11/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 昨年のクリスマス・イブのことである。 万城目学氏が京都へやってくるというので、劇団ヨーロッパ企画の上田誠氏も交えて忘年会をすることになった。たしか一昨年の聖夜も、この三人のおっさんたちで清らかな京都の夜をさまよった。ひょっとして、これから死ぬまで聖夜はこのメンバーで過ごすことになるのだろうか……。 ともあれ、万城目学氏が京都へ来るというなら、知らんぷりはできない。 そういうわけで、世にも清らかなおっさんたちは京都市内で落ち合うと、タイ料理店で皿いっぱいのパクチーをもぐもぐ頬張り、次に立ち寄った小料理屋で「我々は文士である」と主張したところ「は?」と問い返されて恥じ入ったりしつつ、花見小路のそばにある静かな酒場へと流れつく頃にはすっかり夜も更けて

昨日、園に子どもを迎えに行くと、3歳児クラスで読んだ絵本として『ママがおばけになっちゃった!』が紹介されていて、よりによってお母さんを亡くした子どもがいるクラスだったこと、普段とてもよい保育をしてくださっていると信頼していたこともあり、失望と怒りで震えた。 だいたいのことには賛否両論ありえる。なんでも善悪二元論に落とし込むのは好きじゃない。けれども、ものには限度がある。『ママがおばけになっちゃった!』は、以下のような理由でまったくおすすめできない絵本だと、私は思う。 ①分離不安を引き起こす可能性が高いから 幼児が愛着関係にある保護者から離れるのを不安に思うのは当然で、それでも安心感を取り込みながら少しずつ離れられるようになっていく。これが自立への第一歩なのに、まったく意味もなく「お母さんが死ぬかもしれない」という不安を抱かせることは、子どもの育ちを邪魔することにしかならない。 うちの子は5
2017年5月11日 (2022/9/15加筆) 著作権 〘情報・メディアと知財のスローニュース〙 「くまのプーさん:新たなる旅立ち」【プーの著作権がいつ切れるかというお話 update版】 弁護士 福井健策 (骨董通り法律事務所 for the Arts) 1 Xデー5月21日 うららかな5月の日曜日、プーは仲間たちと、新しい冒険を始めることになりました。 ――何かといえばついに2017年5月、世界的キャラクター「くまのプーさん」の日本での著作権が切れる話である。著作権には保護期間というものがあり、それが終了すれば以後は誰でも自由に利用できる。いわば、作品は社会の共有財産になるのだ。この状態を「パブリック・ドメイン」(PD)という。 日本法では、期間の原則は「著作者の生前全期間及び死亡の翌年から50年」である(団体名義の作品などは公表後50年)。ではプーはというと、作者のA.A.ミルンは
アルジャーノンに花束を。 フレンズには書物を。 今こそ知の高みを目指すのだ。 『けものフレンズ』3話より 深刻なフレンズ化 2017年冬アニメの中で『けものフレンズ』がすごい。最初はその作風についていけず、開始2分で切り捨てた人も多かった。しかしその価値はしだいに認められ、覇権であると口にする人が増えている。その結果が如実に現われているのがニコ生のアンケートだ。 けものフレンズニコ生アンケート 1話来場者約1万 とても良かった41.2% 2話来場者約1万千 とても良かった77.7% 3話来場者約1万7千 とても良かった89.4% 4話来場者約1万千 とても良かった95.9%#けものフレンズ #けもフレ pic.twitter.com/gNehRQeqbE— なろ◆しろけ4城11 (@nanarokushiki) 2017年2月2日 価値が認められるのは喜ばしいが、一方で懸念すべき事態が進行

先日、面白い本を買った。 昭和30年~40年頃に出版されていたエロ雑誌の記事タイトルに使われていた手描き文字を集めた本である。 これが本当にインパクト強くて、ひとすらずっと見ていられるほど面白い。 で、1週間ぐらいずっと眺めているうちに、これ自分でも描けたら面白いかなー?と思ったのだ。 1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー) 前の記事:種子島でのロケット打ち上げがシビれるぐらい最高だった > 個人サイト イロブンTwitter:tech_k その本というのが、カストリ出版の『昭和エロ本描き文字コレクション』。 タイトル通り、昭和30年ごろのエロ雑誌『漫画Q』で記事タイトルに使われていた手描き

前回の記事 《私が気付きたかったのに。「しゅっぱつ しんこう!」山本忠敬 著》 の続き。 絵本「しゅっぱつ しんこう!」にじぷたTシャツが隠れているのを見つけたタカハシは、それはもう勝ち誇った。「じぷた、ね。人気ですよね。ほかの絵本にも出てくるくらいに。まあ窪橋は気が付いていなかったようですけれども」などとニヤニヤしながら言う。悔しい。 ところがタカハシは、ここまで言っておきながら、「じぷた」を読んだことがない。コハシがこの本に興味がないからだ。「じぷた」は、いまのコハシには文章が長すぎるようだ。絵柄に惹かれて読み始めても、私が読み終わる前にどんどんページをめくってしまい、話を楽しむところまではいかない。絵そのものには「はしごしゃ! きゅうきゅうしゃ!」といい反応をしているので、もう少ししたら好んで読むことになりそうだ。 タカハシは、コハシへの読み聞かせでもなければ絵本を積極的に読んだりし

📖 私達のご先祖様は動物とどうつきあっていたのか。 末裔がびっくりしちゃう案件も含めて、たくさんの事例が紹介されている。 トキの肉は煮ると汁が赤くなるので、なぜか食べにくいものだった。それでトキの肉を煮た鍋を食べる時は、灯を消して食べる習慣がいつしか生まれ、そんなところから「トキの闇夜鍋」という名がつけられたとのことである。 昭和40年ごろからは、皮膚の表面にミミズが這ったような跡ができ、そこに粒々がたくさんできる寄生虫病が流行し、これにかかるノウサギが増えた。その結果、数は急激に減ったし、このころから日本の農山村の食生活も豊かになり、豚肉や牛肉がスーパーで売られるようになって、ノウサギを食べる習慣もなくなっていった。 私見の範囲で、90年代(阪神大震災の頃)に「兎肉」を混ぜ込んだソーセージが普通にスーパーで市販(特売)されていたのは確認している。 最近の魚肉ソーセージには兎肉の表記があ
一般化するつもりはないのですが、アドバイスをしてみたら結構刺さったみたいなので、こういう例を可視化するのも意味があるかなーと思い、書いてみます。読書感想文という宿題を嫌っている人は数多いように思います。webやtwitterでも、「読書感想文」で検索をした際、一番に目につくのは感想文についての怨嗟の声です。 私自身は、読書感想文という宿題についてのこの状況はあんまりよろしくないなーと、昔から思っております。 「何かをインプットして、それについてのアウトプットを文章の形にする」というのはとても重要なスキルですし、そのスキルに子どもの内から触れることは、とても貴重な経験になり得ると思うんですよね。 ただ、今の小学校教育って、読書感想文の宿題は出すものの、「自分の考えを文章にまとめるノウハウ」みたいな指導は全然してないみたいなんです。 これ凄い片手落ちだと思ってまして、単に「思ったこと、面白か

漫画好きの方、好きな漫画ジャンルってありますか? 僕は小学校の頃から漫画好きだったのですが、メジャーな漫画はあまり読んでいませんでした。 少年ジャンプに載っている有名漫画よりも、学研のひみつシリーズや歴史漫画、著名な方のエッセイコミックなど『知的欲求』を満たしてくれる漫画が大好きだったんです。 (ちなみにウチは親が厳しかったので、小学生時代の誕生日プレゼントはいつも図鑑…) その気持ちは今でも変わらず、漫画の中から『発見』や『知識』、新しい『価値観』が得られる漫画が大好きなんです。 そこで今回は、僕の知的好奇心を満たしてくれた、あるいは新しい価値観をあたえてくれた、面白いのに勉強になる漫画を、理系【自然・科学部門】の漫画、文系【社会・歴史部門】の漫画、そして番外編に分けて紹介していきます。 知識欲を満たしてくれる漫画から、職業の本質に迫れる漫画…教育ママでも許してくれる漫画があるかも!?


2016-06-28 京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫ *この記事は、天狼院ライティング・ゼミで「読まれる文章のコツ」を学んだスタッフが書いたものです。人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜 京都スタッフ三宅です。 あの、書店スタッフとしてこんなこと言うのもどうかと思うんですけど、 ぶっちゃけ、本読むのってめんどくさくないですか?? 借りるのでない限り、ネットやテレビみたいに無料じゃないし。 眠たい時に読んでると寝ちゃうし。 肩こりも酷くなるし。(これは私だけ?) だけど、読む。読んじゃうんですよね。 私は、本を読むのがめんどくさいけど大好きです。 なんでかというと、今まで本に、たくさん励まされてた

こんにちは、ライターの金原みわです。 ここは静岡県の積志駅。 食事をするためにふらふらと無人駅を降りてみたが、見事に何もない。 浜松駅から遠州鉄道に乗って10駅。浜松駅から北に延びるこの路線は、地域で暮らす人々の足になっているようだ。あるのは閑静な住宅街と、畑と、その中を走る電車。日々の生活をするのには良い風景だけど、ふらり旅の一場面では物足りなさを感じたりもしなくもない。 線路と並走するようにはしる二俣街道を歩きながら、そろそろ次の街へ行こうかと、そんなことを思っていた時。 トタンでできた長屋の真ん中に見えたのが、今回の店だった。 「お、おおお…」 その外見に、思わず声を発せずにいられなかった。 「いや~~~~これはまた、入りにくい店だなあ~~」 入るのを拒絶されている気がする まず何よりも目に飛び込んできたのは、その布団。 ボロボロになったサンルーフへ、2階からそのまま巴投げでもしたか

「岩波少年文庫」 創刊の心 2010/04/27 1950年(昭和25年)、「岩波少年文庫」の創刊を手がけた石井桃子は、そのシリーズ(第1期121冊、100種)のしりえにこんな文章を寄せています。 この「岩波少年文庫」のシリーズがもととなり、やはり石井桃子の手により新シリーズ「岩波子ども本」(1953年12月)が創刊されます。 下の写真は、その初期のころ発行された『ぞうさんばばーる』(ジャン・ドゥ・ブリュノフ文・絵 鈴木力衛訳 1956年発行 写真は1960年の二刷り)です。『ぞうさんばばーる』はその後、絶版となり、お馴染みの「ぞうのババール」(矢川澄子・訳 評論社)として再び世に出るまでには、1974年まで待たねばなりませんでした。 バックナンバーはここ↓から。「表示件数」を「100件」に選択すると見やすくなります。
B/RABBITS(ビーラビッツ)のおしゃべり・絵本絵本専門古本屋(児童書)を13年経営していました。手と腕を壊して休業中です。この機会にもう一度、絵本や好きな本を見つめ直します。お店で"おしゃべり"していたように、本以外についても"しゃべる"ように書いています。 ブリュノフの「ぞうのババール」シリーズは、1931年に出版されてから世界中でロングセラー絵本に。 今年は出版75周年で、フランス国立図書館は国宝に認定したそうです。 ジャン・ド・ブリュノフ(1899ー1937)が若くして亡くなり、息子のロランが20歳で後を継ぎ、1946年『ババールといたずらアルチュール』からロラン画。 日本では評論社から「ぞうのババール」シリーズの普及版・超大型版・その他のババール絵本が出版されています。 評論社の前に、昭和31年に岩波書店から『ぞうさんばばーる』が出版されていました。 ▲鈴木力衛 訳 昭和3

- @ProjectM_Info 【お知らせ】 「アウトブレイク・カンパニー」の榊一郎氏、「魔法少女リリカルなのはViVid」の藤真拓哉氏のコラボ企画! 「ウィッチ・アームス〜魔法少女は眠れない〜」ついに事前登録開始! 登録で話題作のコラボカードをGETしましょう! bit.ly/1OyO9Qx 2016-05-18 13:06:14

娘マチ子、もうすぐ4歳になります。毎晩読み聞かせをしているせいか、今のところ本好きに育ってくれていて、文字への興味も強くあるようです。平仮名は読めるようになったけれど、まだ字を追っているだけで、読んでそのまま意味をとることはできていないみたい。 さて、マチ子が1歳半になったとき、絵本を読み始めた頃のお気に入りについてまとめてみました。 どんなものに興味を抱くかは子それぞれとは言え、どんな絵本を与えるかという親の意向もありますよね。マチ子は僕が好きないきもの・科学系の絵本も抵抗なく読んでくれるので、なるべく偏らないよう、科学への興味を失わないように気をつけて本を選ぶようにしています。本エントリでは、3歳頃から読み始めた科学に関わる絵本をピックアップして紹介してみたいと思います。 科学とひと口に言っても、生物・化学・天文・人体などなどとても広い分野なので、ここはNHKの名番組「夏休み子供科学電

米澤穂信の青春ミステリ小説「古典部シリーズ」を京都アニメーションがアニメ化した「氷菓」。原作を何度も読んでいたこともあり、アニメが始まるのを大変楽しみにしていたのだが、放映時にはほとんど見ることができなくて、この度ようやく全話を通して見終えた。 氷菓<「古典部」シリーズ> (角川文庫) 作者: 米澤穂信出版社/メーカー:KADOKAWA / 角川書店発売日: 2012/10/01メディア:Kindle版購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (12件) を見る「氷菓」BD-BOX [Blu-ray] 出版社/メーカー:KADOKAWA / 角川書店発売日: 2015/02/27メディア:Blu-rayこの商品を含むブログ (13件) を見る以下は、感想もそこそこに、自分の中高生の頃のことを思い出して、とりとめもなくキーボードに叩きつけるだけの文章になる。 関連記事として

絵本「ちいさいおうち」で知られる作家、バージニア・リー・バートン。彼女の作品の中で、いえ僕がこれまで読んだ絵本の中で、もっとも好きなのが「せいめいのれきし」です。幼い頃から何度も繰り返し読んで、娘にも何度も読み聞かせたこの本。この度、やや古くなった内容の改訂版が出版されたと聞き、早速読んでみました。 ◆「せいめいのれきし」ってどんな本? バージニア・リー・バートンによる、”地球上にせいめいがうまれたときから いままでのおはなし”です。原題はそのままずばり「LIFE STORY」。地球の誕生から、生命がうまれ、進化を遂げて、さまざまな生物が栄枯盛衰を繰り返したあと、やがて人間の時代になっていく……という壮大な歴史を、全5幕の劇を語るように描かれた物語です。なお、バートン女史の代表作はなんといっても「ちいさいおうち」。この「せいめいのれきし」は、「ちいさいおうち」が描かれた20年後、8年間をか

純文学誌「文学界」(文芸春秋)編集部の浅井茉莉子さん(31)は「火花」の担当編集者で、又吉の文才に注目して小説執筆を依頼した「作家・又吉直樹」の生みの親でもある。伴走した5年間をスポーツ報知に語った。 【写真】「火花」の登場人物のモデルといわれる橋本武志 「芸人・又吉」を「作家・又吉」へと導いた人は、会見場の片隅から壇上にいる新芥川賞作家の晴れ姿を見つめていた。「編集者として震えるくらいうれしいです」。浅井さんにとっても初めて味わう喜びだった。 2010年、文芸誌「別冊文芸春秋」編集部に在籍していた当時、うわさを聞いた。「ピースの又吉さんがウチの雑誌を愛読してくれているらしい」。ブログを見ると「別冊文春」への愛をつづっていた。「なんて人だと…。本好きでも、なかなか読まないような雑誌なので…(笑い)」 翌11年、プライベートで訪れたイベント「文学フリマ」に、やはりプライベートで来ていた
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