東京五輪組織委員会大会運営局の元次長の自宅に家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=川崎市で2022年11月25日午前11時15分、島袋太輔撮影 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務を巡る談合事件で、26件実施された入札のほとんどで、参加企業が1社だけの「1社応札」だったことが関係者への取材で判明した。入札は技術力や価格を点数化して総合評価する方式だったが、1社応札の場合は評価の比較も生じず、その社が受注していたという。不正な受注調整が行われた結果、入札が形骸化していた可能性がある。 また、組織委大会運営局は入札前に、各企業が希望する競技会場を反映した「割り振り表」を作成していたが、各社への意向確認や表の作成に大手広告会社「電通」から出向した職員が関与した疑いがあることも判明した。この職員は上司に当たる同局元次長や電通と情報を共有していたといい、東京地

東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、東京地検特捜部が、大会組織委員会の会長だった森喜朗元首相(85)から、参考人として複数回、任意で事情聴取したことが、関係者への取材で分かった。森氏は組織委…

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)が出版大手「KADOKAWA」がスポンサー契約を結ぶ前に、出版分野のスポンサー枠を新設するよう組織委などに働きかけていたことが関係者への取材で分かった。KADOKAWA側は契約締結後、高橋容疑者の知人が経営するコンサルティング会社に、コンサル料名目で計約7000万円を支払った。東京地検特捜部は働きかけが便宜供与にあたるか、慎重に調べを進めているもようだ。 高橋容疑者は紳士服大手「AOKIホールディングス」側からコンサル料名目で計5100万円の賄賂を受け取ったとして、受託収賄容疑で逮捕され、今月6日に勾留期限を迎える。KADOKAWAが支出した計約7000万円の一部が高橋容疑者に渡った可能性もあり、賄賂性の有無などが焦点になりそうだ。 関係者によると、高橋容疑者は広告大手「電通」時代の後輩である知人からKA

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会理事だった高橋治之容疑者(78)が、出版大手「KADOKAWA」(東京)が大会スポンサーに選定されるよう組織委側に働きかけた疑いがあることが関係者の話でわかった。同社がスポンサー契約締結後、高橋容疑者の知人が経営する会社にコンサルタント料名目で総額7000万円を支払っていたことも判明。東京地検特捜部は、少なくともこの一部は高橋容疑者への賄賂だった疑いがあるとみて調べている。 【経歴】スポーツビジネスで出世、高橋治之容疑者 高橋容疑者は、紳士服大手「AOKIホールディングス」のスポンサー契約などで便宜を図った見返りに、AOKI側から5100万円の賄賂を受け取ったとして8月17日に受託収賄容疑で逮捕された。高橋容疑者が大会スポンサーの選定に関し、複数の企業を仲介していた疑いが浮上した。 KADOKAWAは2019年4月、「書籍及び雑誌の出

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事が、大会のスポンサー契約をめぐって紳士服大手の「AOKIホールディングス」の前会長らから総額5100万円の賄賂を受け取っていたとして、東京地検特捜部は、高橋元理事を受託収賄の疑いで、AOKI創業者の青木拡憲前会長ら3人を贈賄の疑いで逮捕しました。 受託収賄の疑いで逮捕されたのは、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の元理事の高橋治之容疑者(78)です。 また贈賄の疑いでAOKIホールディングス前会長の青木拡憲容疑者(83)と前会長の弟で副会長だった青木寶久容疑者(76)、それに子会社のAOKIの前社長、上田雄久容疑者(40)の3人が逮捕されました。 東京地検特捜部によりますと、高橋元理事は、青木前会長らから東京大会のスポンサー契約や公式ライセンス商品の製造・販売契約に関し、有利な取り計らいを受けたいという依頼を受け、みずからが

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の高橋治之元理事(78)が2017年秋以降、自身が代表を務める会社と大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」(横浜市)側の間でコンサル契約を結び、AOKI側から4500万円超を受け取っていた疑いがあることが関係者の話でわかった。理事は「みなし公務員」で職務に関する金品の受領を禁じられている。東京地検特捜部も同様の事実を把握し、コンサルは実態に乏しく、高橋氏への資金提供だった疑いがあるとみて慎重に捜査している。 【図解】東京五輪、高橋治之氏を巡る疑惑の構図 組織委の理事は会長を含めた45人で理事会を構成し、競技場整備やスポンサー企業の選定、公式ライセンス商品の販売などについて決定する。理事本人が利害関係者から資金提供を受けていた場合、大会運営の公平性が疑われかねない。

30日に解散する公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(事務所=東京都新宿区西新宿2丁目、会長=橋本聖子参院議員、事務総長=武藤敏郎・元財務事務次官)の公式ウェブサイトについて、国立国会図書館の「インターネット資料収集保存事業(WARP)(注1) 」による公開が年明けからストップしている。組織委のサイトはきょう6月30日午後6時に閉鎖されるが、関係者間の話がつかず、その最後の姿の収集・保存も不可能な状況となっているという。国立国会図書館法の規定に基づき同図書館は国や自治体など公的機関のウェブサイトを許諾なしで保存・公開する権限を持つが、組織委は民間団体の扱いでその対象外。組織委は取材に対し、大会の「レガシー」(遺産)を国内に残していくため、過去のウェブサイトを含む「アーカイブ資産」を国内関係者に引き継ぐべく、現在、国際オリンピック委員会(IOC)など関係者間で「調整

河瀬直美監督ドキュメント映画『東京2020オリンピックSIDE:B』には、なぜ「最も重要な人物」が1秒も映らないのかという話 河瀬直美監督が東京五輪ドキュメンタリーを撮る、と報じられた時、左派からよく引き合いに出されたのはベルリン五輪におけるレニ・リーフェンシュタールだった。要はリーフェンシュタールがナチス政権にそうしたような、東京五輪を美化するプロパガンダになるのではないかという危惧である。 先月に公開された『東京2020オリンピックSIDE:A』を見た時、その心配は杞憂に終わったと感じた。そこにあるのは良くも悪くも監督のメッセージが脱主体化された、東京五輪に参加する各国の選手たちの肖像、さまざまな思いをつないだグラフィティ的な作品になっていたからだ。そこにあるのは良質ではあるが凡庸な記録映画であって、リーフェンシュタールの作品のような強烈な求心力やプロパガンダ性はない。 しかし、である

無観客で開かれた東京五輪テニス女子シングルス3回戦、サーブを放つ大坂なおみ=有明テニスの森公園で2021年7月27日、宮間俊樹撮影 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は21日、総額1兆4238億円に上る大会経費の最終報告を公表した。新型コロナウイルスの感染拡大による大会の1年延期などで組織委の「赤字」も懸念されたが、組織委は発表で「これまでの増収努力や不断の経費の見直しなどにより、収支均衡となった」と説明した。 大会経費に統一定義なく 競技会場の建設、改修費や大会の運営費を合わせた「大会経費」は開催都市である東京都と組織委、国が分担する。都が招致段階で公表した「立候補ファイル」では7340億円だったが、組織委は開催決定から3年3カ月後の2016年12月、大会経費を1兆5000億円(予備費を除く)と初めて公表した。その後も毎年12月に予算を公表し、おおむね1兆3500億円程度で推移。

フラッグ・ハンドオーバー・セレモニーで五輪旗を振る東京都の小池百合子知事=国立競技場で2021年8月8日午後9時40分、久保玲撮影 2021年夏に開催された東京オリンピック・パラリンピックの大会経費は、国と東京都、大会組織委員会の3者がそれぞれ負担し、総額約1兆4530億円となる見通し(同年12月時点)だが、この巨額経費の全容について国民が妥当性を検証するすべはない。このうち組織委が負担した4割超については、情報公開制度の対象外だからだ。国を挙げての一大行事にもかかわらず、支出の裏付けを確認できないまま組織委は今月下旬に解散する予定だ。今後、契約書などの重要書類はどうなるのか。【福島祥】

去年の東京オリンピック・パラリンピックの開催経費をめぐり、都が安全・安心な大会を実施するためとして、今後新たに組織委員会に支出する628億円について、17日の都議会で「赤字の補填(ほてん)ではないか」と指摘が出ましたが、都は「無観客開催で収入が減った組織委員会に支出するもので赤字の補填ではない」と説明しました。 去年12月に見通しが示された東京大会の開催経費では、都が「安全・安心な大会の実施」の観点から必要となった経費に充てるとして、今後新たに組織委員会に628億円を支出することで国を含めた3者が合意しました。 この結果、組織委員会の収支は均衡することになります。 これについて17日、都議会の特別委員会で質疑が行われ、複数の議員から「組織委員会の赤字を補填しているようにしか見えない」などと指摘が出されました。 これに対して都の担当者は「大部分が無観客で開催することで、安全安心な大会の開催に

昨年末に放送されたNHKの番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、五輪反対デモの参加者が金銭をもらって動員されたとする偽りの内容の字幕が流された問題を巡り、実際にデモを行っていた市民団体「オリンピック災害おことわり連絡会」は15日、映画監督の河瀬直美さんらに送った公開質問状について、回答がなかったと明らかにした。(デジタル編集部・瀧田健司) この番組は、五輪公式記録映画で監督を務める河瀬直美さんら撮影スタッフにNHKが密着取材した内容。撮影スタッフの島田角栄さんが匿名の男性をインタビューしている場面で「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕が付けられた。放送後に抗議が殺到したことを受け、NHKが事実確認したところ、男性が東京五輪反対デモに参加したかどうかを担当ディレクターが確認していなかったことが判明した。 市民団体「オリンピック災害

◆◆◆ 組織委員会は日本全体で作り上げた伏魔殿 森氏が退任した後、後任として橋本聖子氏が組織委会長に就任。3月、組織委は新たに高橋尚子さんなど女性理事12人を起用する方針を決めた。來田さんもそのタイミングで理事として選任された。 橋本聖子氏 ©文藝春秋 ――(笑)会議が盛り上がったということですね。そんなに意見が出たのに、誰が何を言ったのかあまり報道されなかったですね。ブラックボックスみたいに国民には何が話し合われているのか見えなかった。 「理事会では武藤(敏郎事務総長)さんも橋本さんもメモをとって、報告会見でもお話しされていた。結構オープンにしようという意識はあったと思いますよ。これね、私が理事になった時に組織委の担当者に言ったんですよ。私はオリンピック研究者としての立場があるから、批判的な見方は当然するし、いろんな角度から(メディアなどに)喋ると思いますよ。それについて理事会は止めます

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このパンデミック禍でなぜ今、五輪をやらなければいけないのですか? IOCは国民の多くが中止を求めていても知らん顔。菅首相も国会では答弁ではなく、ただ同じことを繰り返すばかりで会話を遮断。国民はそれを悶々としながら眺めている。私が一番心配しているのは、このまま何も論じ合わず、説得することもなく開催したら、国民が「どうせ、何を言っても変わらないんじゃないか」「どうせ日本はいつもこう」「いちいち選挙に行っても無駄」と無気力になったり、心が折れることです。 私は、今年1月のある世論調査で国民の約80%近くの人が、中止か再延期、つまりNOと言ったのはとても素晴らしいことだと思っています。むしろ、日本の誇りに思っていい。 57年前の東京五輪は素晴らしかった、でも、それは五輪憲章に基づいていたからです。しかし今はコロナ禍で世界的格差が進み、予選も出られない選手や練習状況も悪化した中、選考もフェアではなく

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