日産 新型パトロールいよいよ日本発売か? 予想価格は900万円〜! ランクル超えの快適な3列目に注目
- 筆者:渡辺 陽一郎
- カメラマン:日産自動車/茂呂 幸正/MOTA編集部
日産の高級SUV「パトロール」の日本導入が現実味を帯びています。同車はランドクルーザーを超える快適な3列シートと迫力あるボディサイズが魅力の、海外向け8人乗りLサイズSUVです。
この記事では、新型パトロールの外観や内装、サイズなどのスペック紹介に加え、予想価格や導入時期、日本導入の背景まで、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが解説します。
日産 新型パトロールとは?
2025年末から2026年初頭に日本国内で登場すると見られているSUVが日産 新型パトロールです。
日産 新型パトロールの国内でのライバル車種はトヨタ ランドクルーザー300やマツダ CX-80などです。
新型パトロールは日産車体九州で生産され、アラブ首長国連邦やサウジアラビアなどの中東地域で販売、北米地域では車名を「アルマーダ」として販売されています。
日産 新型パトロールのボディサイズ
新型パトロールはLサイズのSUVで、ボディサイズは全長5350mm、全幅2030mm、全高1945〜1955mmと大柄です。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も3075mmに達します。
ちなみにライバル車とされるトヨタ ランドクルーザー300(ZX)のボディサイズは、全長4985mm、全幅1980mm、全高1925mmです。ホイールベースは2850mmなので、パトロールはランドクルーザー300(ZX)よりひとまわり大きいです。
車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
---|---|---|---|---|
パトロール | 5350 | 2030 | 1945〜 | 3075 |
ランドクルーザー300 | 4985 | 1980 | 1925 | 2850 |
※単位はmm。
日産 新型パトロールの外観(エクステリア)
新型パトロールの外観(エクステリア)は、水平基調のデザインが特徴であり、V字型グリルがワイド感を際立たせています。
力強い印象を与える太いリアピラーは、後方視界をやや犠牲にするものの、圧倒的な存在感を放っています。
日産グローバルギャラリーで展示されていた車両には、20インチ(275/60R20)のヨコハマ・ジオランダーX-CVタイヤが装着されていました。海外仕様では、18インチから22インチまでの多様なタイヤサイズが用意されています。
日産 新型パトロールの内装(インテリア)
新型パトロールは、全幅2メートルを超えるワイドボディにより、広々とした室内空間を実現しています。運転席からはボンネットがよく見え、開放的な視界が広がります。
先進的なコックピットデザインも特徴です。液晶メーターとディスプレイが一体化されたインパネは、視認性に優れ、ドライバーに必要な情報をわかりやすく表示します。
また、幅広のセンターコンソールは高級感とゆとりをもたらします。
日産 新型パトロールのシート
新型パトロールは3列シート8人乗りで、どの席に座っても快適に過ごせるよう工夫が凝らされています。
1列目シート
1列目シートは、サイズに余裕があり、しっかりと腰を支える形状が特徴です。長時間の運転でも疲れにくく、快適なドライブをサポートします。
2列目シート
2列目シートは、1列目シートよりも少し硬めの座り心地ですが、ボリューム感があり、快適な座り心地を提供します。悪路走行を想定したSUVとしては、床と座面の間隔に余裕があり、着座姿勢も良好です。
さらに、2列目シートは装備も充実しています。後席専用のエアコンや、1列目シートのヘッドレスト背面に設置されたモニターなど、ミニバンのような豪華な空間を演出しています。
3列目シートへのアクセスを考慮し、前後スライド機能も搭載。3列目シートを使用しない場合は、2列目シートを最後端までスライドさせることで、広々とした足元空間を確保できます。
身長170cmの大人4人が乗車した場合でも、後席に座る乗員の膝先には、握りこぶし3つ分の余裕が生まれます。
3列目シート
パトロールの3列目シートは、SUVでありながら驚くほどの広さを誇ります。一般的なSUVの3列目シートは、荷室の補助席として位置づけられ、窮屈な姿勢を強いられることが多いですが、パトロールは違います。
2列目シートの位置によって3列目シートの快適性が大きく変わるのは事実です。2列目シートを最後端までスライドさせると、3列目の足元空間は確かに狭くなり、大人の着席は難しくなるでしょう。
しかし、2列目シートを最前端までスライドさせれば、2列目と3列目の足元空間を均等に分け合い、大人6人が快適に座ることができます。それは、2列目シートに座る乗員の足が1列目の下にすっぽりと収まり、床と座面の間隔も十分に確保されているからです。
特筆すべきは、パトロールの3列目シートはSUVとしては異例なほど床と座面の間隔に余裕がある点です。膝を抱えるような窮屈な姿勢になることなく、長時間の乗車でも快適に過ごせるよう設計されています。さらに、シートのクッション性も高く、長距離移動における疲労を軽減する工夫が凝らされています。
シートのライバル車比較
新型パトロールのシートの快適性を、ライバル車であるトヨタ ランドクルーザー300、マツダ CX-80と比較してみましょう。
3列目シートの乗り心地比較
ランドクルーザー300も3列シート仕様がありますが、新型パトロールに比べて床と座面の間隔が狭く、膝が持ち上がり気味になるため、長時間の乗車では疲れを感じやすいかもしれません。
さらに、ランドクルーザー300の2列目シートにはスライド機能がないため、足元のスペース調整が困難です。
一方、CX-80の3列目シートは、現時点での国産SUVの中では最も快適な部類に入ります。2列目シートのスライド機能により、足元空間を調整できるため、比較的ゆったりと座ることができます。
しかし、新型パトロールはCX-80を上回る快適性を提供します。3列目シートの床と座面の間隔に余裕があり、より自然な姿勢で座ることができます。
新型パトロールの3列目シートは、座り心地だけではなく使い勝手も良好です。3列目シートは電動格納式で、2列目シートも手動で格納することで、広大な荷室空間が出現します。
乗降性比較
パトロールの最低地上高は、最も低い仕様でも244mmと、ランドクルーザー300の225mmをわずかに上回ります。これは悪路走破性には有利ですが、乗降性という点ではデメリットになります。
ステップが高いため、よじ登るような感覚で乗り込む必要があります。
日産 新型パトロールのエンジン
新型パトロールには、2種類のエンジンが用意されています。
1つ目は、ベーシックなV型6気筒3.8Lエンジンです。最高出力316馬力(6400回転)、最大トルク39.4kg-m(4400回転)を発揮し、スムーズで力強い走りを提供します。
2つ目は、よりパワフルなV型6気筒3.5Lツインターボエンジンです。最高出力425馬力(5600回転)、最大トルク71.4kg-m(3600回転)という圧倒的なパワーを発生し、あらゆるシーンで余裕のある走りを実現します。
どちらのエンジンにも、9速ATが組み合わされています。また、走行モードの切り替え機能も搭載しており、サンド(砂地)、マッド(泥道)など、6種類のモードから選択できます。前述の通り、最低地上高にも余裕があるため、優れた悪路走破性を発揮します。
日本に導入されるパトロールには、V型6気筒3.5Lツインターボエンジン搭載車となる可能性が高いでしょう。
エンジンのライバル比較
ライバル車であるランドクルーザー300の主力エンジンも、V型6気筒3.5Lツインターボです。最高出力415馬力、最大トルク66.3kg-mを発揮しますが、パトロールはこれをわずかに上回るパワーを備えています。
日産 新型パトロールの予想価格
新型パトロールの価格を予想する上で、参考になるのはサウジアラビア仕様の価格です。そのまま日本円に換算すると1352万円という高額になります。
しかし、ランドクルーザー300の3.5Lガソリンツインターボエンジン搭載車であるZXが730万円、GRスポーツが770万円であることを考えると、1352万円という価格は現実的ではありません。
そこで、パトロールが上級グレードのみの設定で、ランドクルーザー300の価格を上回るとしても、900~980万円程度になる可能性が高いと考えられます。さらに、ターボを搭載しない3.8Lエンジンを搭載したベーシックグレードを導入すれば、最も安価なグレードは600万円程度まで下がる可能性も秘めています。
最終的な価格は、装備内容やグレード構成によって大きく左右されるでしょう。
日産 新型パトロールの予想導入時期
新型パトロールの国内導入時期は、2025年末から2026年初頭になると予想されます。
背景には、日産の国内販売における軽自動車比率の高まりがあります。2024年には、新車販売台数の40%を軽自動車が占めるに至り、販売会社の収益を圧迫しています。
販売店からは、「本来は(ホンダ フリードやトヨタ シエンタのような)日本市場に特化したコンパクトミニバンなどを導入してほしい。しかし、それが難しいのであれば、海外向けの車種でも良いので、新型車を安定的に供給してほしい。そうすれば、販売会社として確実に販売し、利益を確保できる。パトロールのような車種も、もちろん歓迎する」といった声が上がっています。
このような状況から、日産は販売店の収益改善を図るため、新型パトロールを早期に導入する可能性が高いと考えられます。
日産 新型パトロールの日本導入の背景
日産は、ホンダとの経営統合交渉が決裂したことを受け、国内市場におけるラインナップ強化を急務としています。
現状、日産の主となる国内販売は軽自動車のルークスとデイズ、コンパクトカーのノートとノートオーラ、ミニバンのセレナといった特定の車種に偏っており、これらの車種だけで2024年の国内販売台数の64%を占めます。その結果、国内販売台数ランキングではトヨタ、スズキ、ホンダに次ぐ4位に甘んじています。
この状況を打開するため、日産は海外で高い人気を誇る大型SUV「パトロール」の国内導入を検討しています。パトロールは中東や北米で販売され、2024年9月にフルモデルチェンジされたばかりの車種です。
日産関係者は、「ホンダとの経営統合が破談になり、今後は自助努力せねばならなりません。そのためにパトロールの国内発売に向けた気運が高まっています」と述べています。
また、パトロールは日産車体九州で生産されているため、国内で販売するにあたって海外製を輸入する必要がないことも導入を後押ししています。
くわえて、競合車であるランドクルーザー300は定額制カーリース「KINTO」も含めて受注停止となっている現状です。これはパトロールを日本市場に投入する絶好の機会と言えます。日産はパトロール導入により、国内ラインナップの強化と販売台数の増加を図るでしょう。
【筆者:渡辺 陽一郎/画像提供:日産自動車/カメラマン:MOTA編集部】
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1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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