Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


広告をなくす会員登録後、広告を非表示にできます

この町内の片隅から

よく分からない


遅い出勤の方だったのでしょう。
若い親子3人の姿を、毎日のように駅で見かけました。
がっちりとして上背があり、少々無愛想に見えるお父さん。
お父さんとお母さんに挟まれて嬉しいのか、
くるくるはしゃぎ回る2歳くらいの男の子。
男の子を嗜めたり、追いかけたり、これまたくるくる身軽に
動き回る小柄なお母さん。


古びた木造の駅舎でした。
入ってすぐの改札を抜けると、長い階段があります。
ギシギシ軋む階段だったかもしれません。
階段を下りると、低い天井の薄暗い地下通路が現れます。
地下通路の先に、ホームに上がる階段があります。


お父さんは、駅舎の前に設えてある木製のベンチに
時間ぎりぎりまで黙って座っていらっしゃいました。


数年前、大掛かりな駅の改修工事が行われました。
4年もの年月をかけて、古びた木造の駅舎は
ピカピカの駅舎に生まれ変わりました。


しばらく落ち着かない思いをしたのは、
どこもかしこもピカピカ過ぎて、
隠れる場所が見当たらなかったからかもしれません。
光が当たるばかりで、影の部分が見当たらなかったからかもしれません。
きれいな駅は大歓迎ですが、何故かときどき落ち着かない気がします。


毎朝、古びた駅舎の前にあるベンチでご両親に挟まれて
はしゃいでいた男の子も、大人になって
ピカピカの駅を利用しているかもしれません。


大袈裟な言い方ですが、駅というところは、
さまざまな人間ドラマが交錯する場所に思えます。
名もない古びた木造の駅舎だったら尚更のこと…

いろんなドラマをふっくら
包み込んで、今日も電車が到着いたします。


焼けつく暑さの夏
新しい年
そして節分


ピカピカになった駅の自由通路を彩る風景です
季節ごとの細やかなお心遣い
駅員さんに感謝です。

月別ブログ記事
カテゴリー・タグ
地域タグ
    コメント

    リブログ一覧

    ×

    このブログへのコメントは muragonにログインするか、
    SNSアカウントを使用してください。


    [8]ページ先頭

    ©2009-2025 Movatter.jp