『やっぱり、貰っていくわ。包んでくれる?』
息子に食べさせたいと思って焼いた
林檎のケーキです。
手をつけずに帰ろうとしたので、
持って行って食べなさい、と
勧めましたが、荷物になるからか、気が進まなさそうでした。
まぁいいか、自分が食べれば…


そう思いましたが、
貰ってくれるのだったら嬉しいです。
作った甲斐があります。
弾んだ気持ちで、大ぶりに切った2切れをラップに包みました。
何かひとつでも持たせたい
何か少しでも食べさせたい
そんなことを思う度に、似た記憶が蘇ります。
実家を訪れると、帰り際にさまざまなものがテーブルに並びます。
果物、お菓子、佃煮、ジャム、野菜…
分かっていても、荷物になるのが億劫で、ほんの少し
手に取るだけでした。ありがたくて申し訳なくて嬉しいと思いながらも。
貰ってくれて嬉しい
貰わなくてごめん
いつまで渡すことができるのか、
いつまで貰うことができるのか…
分かりませんが、その場面の度に
嬉しいような困ったような複雑な心境になります。
とても幸せなことだと分かっていながら