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はてなキーワード:LCAとは

2025-09-22

アメリカのH-1Bビザ相当の各国の制度を調べてみた

言うてもAIに調べさせたのをまとめただけなんだけど。

正しいかどうかは分からんけどこんな感じ。


で、トランプが何を目指しているのか見えてきた。米国人に高年収ポストを回すと同時に、企業が高価格でも取りたいと言う生産性の高い(沢山税金を払う)連中だけを選抜して入れたいんだな。

それには、学歴フィルタすると社会的必要だが年収が安い連中が入ってきてトランプ的にはそいつら嫌いだろうし、年収フィルタすると結局外国人に払う給料が上がって米国人がそこのポストに就けるのがより難しくなるからこれをやったわけだ。

ただ、日本やその他の国の例を見ると、素直に総合的にカウントするポイント制(学歴だけあっても、金だけあってもダメ、みたいな)にすりゃいいのにって思うんだが、そこは細かい制度を作るより金で解決する方がシンプルって考え方なんかな。

穴だらけで上手くいくとは思えないけど。ここだけ治しても、ある日突然ブルーワーカーがRust使える用になるわけじゃないし。

数字

国・制度 上限(定員) 主な要件学歴/職歴年収等)学歴年収要件の円換算 最新の実績数(許可交付
- - - - - -
日本:高度専門職HSP なしポイント制70点以上。年収は配点要素。学士以上 300万円以上10,767
米国:H-1B 85000(くじ引き学士相当+専門職賃金LCA水準以上学士以上 500万円以上
米国:O-1 なし国際的に相当高度な実績が必要 なし特に無し
英国:Global Talent なしエンドースメントor受賞リスト なし特に無し 3300
英国:Skilled Worker 実質上限なし職種のgoingrate以上+基準年収ライン学士以上 他にポイントがあれば不問
EUブルーカード なし雇用6か月以上、年収€48,300 なし 770万円
ドイツ:チャンスンカルテ なし求職目的ポイント制(学歴語学等)学士以上 他にポイントがあれば不問
フランス:TalentPassport なし類型ごと(例:修士+€39,582以上 など)学士以上 合計≈€324 ≈¥5.2万 3,912
カナダExpress Entry(FSW/CEC等) なし(くじ引きCRS点数制、PoF要件など学士以上 230万円以上(労働時間規制あり)
シンガポールONE Pass なし 月給S$30,000以上 等 月給 3,900万円以上 3000
シンガポール:Employment Pass(EP なし基準月給(年齢・業種で変動)、COMPASS修士以上 750万円以上
台湾就業金卡(Gold Card) なし 分野基準のいずれか(例:月給NT$160,000) なし 900万円以上
香港Top Talent Pass(TTPS)10000年収HK$2.5M/年 ほか。就業オファー不要 なし 4,750万円以上 11800
豪州国家イノベーション なし(計画有) 顕著業績。高収入指標(FWHIT)参照 なし 1,830万円以上
NZ:SkilledMigrant Category(SMC) なし 点数制(賃金中央値等)学士以上 600万円以上 3000
UAEGoldenVisa(Skilled Professionals等) なし大卒+月給AED30,000等(類型差)学士以上 123万円以上
韓国F-2-7(ポイント居住 なし 80点以上(年収学歴語学等)学士以上 440万円以上

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2025-08-28

河野太郎ポストへのネガティブ反応をまとめて吟味するやつ

河野太郎ポストは、価格補助ではなく「効率化と転換」を直撃する支援に振るべきだ、低所得には給付付き税額控除ピンポイントに、炭素価格をのせつつ税収は一般財源で広く減税や社保料に回せ、といった中身である

https://x.com/konotarogomame/status/1960596869995995415

国際事例と照らすと筋が良い主張が多く、案の定多くのネガティブ意見散見された。

「減税をしたくない言い訳しか聞こえない」

価格補助は「その場しのぎ」になりやすい。

IEA消費者向け化石燃料補助が市場を歪め、誤った価格シグナルを出し、財政負担肥大化させ、クリーン投資を阻害すると繰り返し書いている。

補助金価格だけ下げるより、断熱、効率家電HEVEVの初期費用を支えるほうが使用量そのものを恒久的に減らせる。

これは経済合理性の話であって「言い訳」ではない。

暫定税率50年はおかしい/二重課税だ」

暫定税率が長すぎるのは事実だ。

特例税率53.8円/Lは国税庁資料に明記されている。https://www.nta.go.jp/publication/pamph/kansetsu/9120.pdf

導入は1974年臨時措置に端を発し、形を変えつつ延命してきた経緯も各種解説が一致している。

例:

https://www.dlri.co.jp/report/macro/495361.html

ここは「税体系の総点検」をかける論点で、河野の主張とも両立する。

一方「二重課税」について。

消費税個別消費税を含む価格課税される設計国際的普通で、EUVATでも課税標準に「税、賦課金等を含む」と明記されている。

違和感理解できるが、法技術上は標準仕様だ、というのが冷厳な現実だ。

エネルギー政策がちぐはぐ(森林破壊ソーラー原発コスト)」

乱開発副作用」は政府公式に認めており、環境省ガイドラインは土砂流出景観生態系への影響を具体的に列挙している。

大規模太陽光環境アセス対象化も進んだ。

さら2024年改正住民説明等を認定要件に強化している。

まり「ちぐはぐ」から是正中」へ、が事実関係である

コストはLCOEだけでなく統合コストを見るべきで、資源エネ庁の発電コスト検証も、モデルプラント費用系統側の追加コスト併記している。

原子力が高い/安いの単純断言より、「電源の組み合わせ最適化」で語るほうが現実的だ。

国民生活を軽視/中間層地方の車必須世帯が苦しい」

ここは設計次第。

価格を一律で薄く下げるより、「ターゲット給付」を厚くするほうが効く。

海外ではカナダ連邦カーボンプライス還元家計に定額で戻し、農村加算も上乗せしていた。

フランス低所得層向けEV社会リース政策化し、初期費用バリアを月額化している。

日本も、地方係数や走行距離実態を加味した「限定的かつ厚い」支援のほうが予算効率は高い。

「再エネ政策EV推進に懐疑的だ。(環境破壊送電ロス、EV製造時の環境負荷)」

LCA数字を見るべき。

ICCTの最新横断LCAは、地域差や電源構成を踏まえてもBEVライフサイクル排出ICE比で大幅に低いことを更新している。

送配電ロスは日本で概ね数%台で推移し、車両効率差とLCA全体で見るとBEV優位が崩れにくい。

乱開発リスクは前段のとおり是正中、ここは「どう導入するか」の問題であって、技術全否定に飛ぶのは早計。

「まず無駄遣いを削れ。」「海外にばら撒くな。」

歳出の質を上げるのは賛成。

しかエネルギー価格補助の恒常化こそ「次に繋がらない大出費」になりがちで、上述したIEA補助金弊害総論で整理済み。

限られた予算は、効率投資ピンポイント給付に振ったほうが持続的だ。

文章が長い、言い訳ばかりで説得力がない。」

長文なのは同意だが、主張の核は「価格シグナルを歪めずに、脆弱性を下げる投資に切り替えよう」で一貫している。

補助で価格を下げる政策は、次の高騰で同じ痛みが返ってくる構造的欠陥がある。

ここを直視するかどうか、で評価割れているだけだ。

国民支援より増税で縛る姿勢姑息だ。」

価格付けは手段で、還元設計本体だ。

フィンランド1990年世界初炭素税を導入し、税制改革所得税や社保負担の軽減に充当してきた歴史がある。

価格を付けるが、家計可処分を別の形で戻す、というやり方は各国で普通にやっている。

日本でやるなら「一般会計に入れて社会保険料や所得税を軽くする」とセットで明記すべき、というのが河野の言い分で、これはまっとうだ。


で、河野太郎が言いたかったのは、以下の2つ。

価格補助より需要投資

短期の値引きは人気だが、問題は「効かなくなるのが早い」こと。

断熱、効率機器ハイブリット車やEV支援は一度効けば電力や燃料の使用量を多年にわたり下げる。

構造的にこっちが強い。

暫定税率は総点検

暫定の看板で半世紀は長すぎる。

税体系の総点検で、どの税目にどんな目的を持たせるかを透明に再設計すべき。

ここで「炭素価格付け」と「他税目の軽減」を同時にやるのが国際標準の解法だ。

結局、河野太郎が問うのは「次の高騰に強い設計かどうか」だ。

価格を一律に下げる政策は、次の波でまた同じ額を燃やす

需要投資ターゲット給付は、家計の毎月の支出を細くしつつ、公平に支える。

税の看板感情を刺激するが、中身は淡々最適化すべきだ、という話である

Permalink |記事への反応(0) | 01:53

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2025-06-27

はてなEVを叩くのはなぜか考えてみた

ブクマを眺めると「EVおわった」「HV最強」といった見出しが定期的にホッテントリへ上がる。EV自体別に好きでも嫌いでもないが、ここまで否定可視化される背景を整理してみた。


以上の構造が重なり、数字アルゴリズムが変わらないかぎりEVアンチの言説が目立つ光景は続くだろう。

じゃあコミュニティは変われるのか。自分結論は次のとおり。

  • それでも日本での普及率が10%を超え、街で当たり前にEVが走るようになるまで空気は大きくは動かない

要するに「数字が変わるまで叩き続けるだろうし、数字が変われば自然と静かになる」。

Permalink |記事への反応(1) | 10:00

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2022-11-07

anond:20221104170609

MIDREXとか知らなくて書いてないの?

それとも、あえて都合悪いか無視してるの?

事情通気取ってるけど、こういう基本抑えてないあたりが半可通ぽいぞ。



お前、多分このレス最後まで読んだら、二度とMIDREXの話を持ち出せなくなると思うぞ。だから覚悟して読めよ。

まずね、わかってて書いてるのかもしれないけど、今のMIDREX(MIDREXNG)はNG=naturalgasと冠されている通り、LNGを使う還元製鉄プロセスなのね。「今の高炉法より2〜3割程度はCO2を減らせます」ってだけで、MIDREXNGではゼロカーボンスチールは作れないし、化石燃料消費もあるんだよ。

MIDREXの将来的な展望として、「グリーン水素供給が潤沢になれば、そのうち①部分的水素還元製鉄(MIDREXNGプロセス水素部分置換)ができるかもしれないし、もしかしたら②完全な水素還元製鉄(MIDREXH2プロセス)も実現できるかもしれないんですよ!」というファンタジー提唱されてるだけで、しかもこれって、俺が前に書いた水素還元製鉄のコスト課題の話から一歩も進んでないんだよ。以下の「水素製鉄の課題」についての指摘を読んでみればわかるでしょ。

https://www.kobelco.co.jp/technology-review/pdf/70_1/081-087.pdf

水素製鉄を実現させるための最大の課題は,グリーン水素コスト低減と供給の安定化である世界的に現在ほとんどの水素は水蒸気リフォーマを用いて化石燃料から製造されている。いっぽう,グリーン水素は水を電気分解することによって製造されており,その電気にはCO2フリー電気が利用されている。水の電気分解技術は新しいものではなく,電気分解槽に多くの開発が行われている。しかしながらどの技術を用いても大量の電力が必要で,電気分解槽の運転コストほとんどが電気である。したがって,現在価格天然ガスから置き換えるには電気料金が$0.01/kWh程度に低下しなければ経済的に成立しない。さらに,現在確立している技術をもってしても,DRプラント必要な量の水素供給することができない。最近欧州で発表されている最大のプロジェクトでは,100MWアルカリ電気分解によって水素製造する計画がある。しかし,ミドレックスプラント 1 基に必要水素を賄うには,この 6~8 倍の規模が必要である。また,電気料金が$0.01/kWhになったとしても,化石燃料から製造した水素価格と同等になるためには,電気分解槽の設備費現在の1/3~1/4 にまで下げる必要がある。電気分解槽の大規模化に向けた開発も進められているが,大規模化設備コストを下げるとしても,経済的に成立するにはまだ時間を要しそうである

 水素が安定供給されて水素経済が実現するためには,水素製造コスト課題に加えて水素の貯蔵や輸送のような水素インフラ課題にも挑戦していく必要がある。

 水素経済実現のもう一つの課題は発電である。たとえば,スクラップとMIDREXH2製造したDRIを50:50で電気炉に供給することによって現在我が国の粗鋼量を生産することを考える。この場合,DRプラント必要な電力だけでも約25GWグリーン電力,すなわち300,000 haのソーラーパネル,あるいは40,000ユニットの発電風車(7,500 haの敷地),もしくは20基の原子力発電所必要となる。このように膨大な量のグリーン電力が必要であり,これは国家レベルでの対応を要する課題と考える。



ここまで読んでどう思う? 今の日本に、衰退する鉄鋼産業の高級鋼製造のためだけに原発20基なり風力発電ユニット4万基を新設する力があると思うか? (これMIDREX親会社神戸製鋼技報から引用から、ここで指摘されてる課題にはお前もケチのつけようがないと思うけど、何かあるならどーぞ)

前にも書いた通り、「水素還元製鉄でグリーンスチールを製造して自動車を作ればいいんだからアルミメガキャスティングなんて駆逐できます」なんてシナリオは、今の技術水準では到底不可能レベルの莫大なグリーン電力の供給可能にならない限り、経済的に成立しないのよ。お前はアルミのことを「電力食い」って批判してたけど、そのお前が推してる水素還元製鉄によるグリーンスチール製造ってのは、そういうほとんどファンタジーみたいな条件が整わない限り絶対に成立しない、桁違い(それも1桁どころじゃない)の電力食いプロセスなんだよ。そして、もし仮にその条件が整う時代が来るとしたら、その時はアルミコモンメタルの中で一番安価金属素材になることもまた明白なわけ。

鋼材には鋼材にしかない特性、鋼材にしかできない仕事があって、そういう用途分野では、たとえグリーン化に伴うコスト増が進んでも、鋼材利用が廃れることはないだろう(特に建材がそうだ)。でも、現時点ですでに他のメタル材(端的にアルミ)と競合が始まっていて、LCAも対等に近づいてきてるような分野では、鋼材は今後コスト面でどんどん不利になっていく。アルミを押しのけてコスト優位性を回復できるグリーンシナリオ存在しないからだ。

グリーンな高級鋼材は、膨大なグリーン水素がないと作れない。

グリーン水素は、安価で潤沢なグリーン電力がないと作れない。

安価で潤沢なグリーン電力があれば、グリーンアルミを安く潤沢に作れる。

自動車製造もその分野のひとつだということ。どうだ、またまた勉強になっただろ? 

Permalink |記事への反応(1) | 09:23

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2022-11-04

anond:20221103113902

アルミと鉄の流通量考えたことある

新地生産量では鉄に次いで2位、埋蔵元素量では鉄を凌いで1位。つまり素材としては鉄より持続可能性が高い。

>なんなら、カーボンアルミ、鉄のコストスペック使用量の違いとか。

それをわかってるから自動車業界では圧延性・加工性などの事情から、高炉法で新規製造した高純度鋼材が主で、電炉普通鋼(リサイクル鋼材)はほとんど使われていない」って書いてるんだけど…。高級鋼は高炉×バージン材でしか作れないうえに、高炉製鉄は脱炭素問題対応できないからもう将来性がない。三菱総研は「2050年までに国内高炉は全廃されて電炉化される」と予測してる。水素還元製鉄については、これやらないと国内鉄鋼業界が死ぬのが確定してるから「やれるし、やる」という流れにはなってるけど、本当に屏風の中から出せるのか、現在のような産業規模で操業できるのか、誰も確信が持てていない。

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20210713/se1/00m/020/022000c

>お前みたいに生産可能な量やコスト無視すれば、アルミじゃ無くて、カーボンで良いじゃんってなるし、

アルミみたいな中途半端材料使わずチタンカーボンで全部済ませるようになるだろ。

あのね、最初から繰り返し言ってるんだけど、LCAベースコストで見るとアルミ合金キャスティングでモノづくりした方がスチールで作るより安くつくんだってば。テスラの現時点での実績でも、フロント/リアアンダーボディの製造コストが40%減だよ。小ロットプレミアムEVを作ってる会社だけじゃなく、新興系の自動車企業が挙って導入を始めていて、(うかつにギガプレスに手を出せば系列関係崩壊に繋がりかねない)トヨタですら寺師研で研究を始めてるのは、根本的にはそれが理由コスト無視できないからこそ、アルミへの移行が始まってるんだよ。

Permalink |記事への反応(1) | 09:23

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2022-11-01

anond:20221101091950

アルミボーキサイトからインゴットを作る時にはめちゃめちゃ電力を使うけど、再精練するときは驚異的にエネルギー効率がいいんだよ(新規精練の3%しかエネルギーを使わない)。だからリサイクル向きの素材だし、リサイクルの王と言われている。メガキャスティングの歩留まり問題業界であまり重大視されていない理由もそれ。

新規製造時の電力消費マッシブなので、アルミ新地金の生産は安い電力を使える国が中心になっている。そのひとつ石油やガスが出る資源グループ中国ロシアアラブ首長国連邦オーストラリアバーレーン米国など)。もうひとつは再エネで電力限界費用が安い再エネ先進国グループ(水力+地熱発電アイスランド水力発電ノルウェーなど)。今後はLCAでのカーボンフットプリント評価必須なので、自動車産業に限らず、世界的に後者から調達した「グリーンアルミ」の導入量が増えるだろう。中国米国も再エネ拡大で後者グループへの移行が進んでいるね。

Permalink |記事への反応(1) | 09:35

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2022-10-31

anond:20221030095508

LCA評価すれば、多数の下請け企業で冷間なり熱間なりで作った100個のパーツを1ヶ所に運送して溶接ガチャンコするより、メガキャスティングのほうがCO2排出量は低くなる。自動車産業というのは多段ティア間の部材配送ボリュームがすごく大きい。だからティア1のほぼ全てとティア2の多くが自社系列配送子会社を抱えている。これがコストにも環境負荷にもなっている。

また、前にも書いたがアルミ合金リサイクル率は非常に高い。ボルボは現時点でほぼ100%リサイクルしており(熱間鍛造部材は55%しかリサイクルできない)、その半分を二次合金として再利用している。これも製造サイクル全体で見た場合CO2フットプリント低減に効いてくる。ボルボ場合は最低でも35%減を実現している。

https://pub-mediabox-storage.rxweb-prd.com/exhibitor/document/exh-c9303257-c6bb-4177-96f0-768198d8812d/21107480-6861-4ee0-a73c-04f5c65e7a14.pdf

Mega-casting also helps to increase the material utilizationas wellas the use of secondary (scrap) aluminum. According toVolvo,100% aluminumwill be utilized (versus 55% of stampedsteel parts), andhalf of the aluminum can be secondaryalloy, leading toat least 35%CO2 emissions reduction.

このレポートメガキャスティングの将来性について不透明な点なども指摘してるフェアな内容だけど、少なくともCO2フットプリントに関してはメガキャスティングが鍛造より有利だと認めているように見える。

Permalink |記事への反応(1) | 12:04

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2022-10-26

anond:20221025121100

少なくとも乗用車としてのFCVには全く未来がない。以下は7年前の増田に2年前の追記をしたものだが、ほぼこの予言通りになった。もう業界FCV乗用車に将来性があると思っている人間はいない。事実上敗戦処理をしている状態だ。

https://anond.hatelabo.jp/20150504101626

FCVバストラック分野ではバッテリ重量が爆増するEVと比べてコスト優位」という予測もあったが、これもテスラのSemi(EVトレーラーヘッド)投入によって覆されつつある。Semiの500kmバージョンの15万ドルという価格は、日本国内ディーゼルトレーラーヘッドの新車価格(1600〜2100万円)と大差ない。さらLCAライフサイクルアセスメント)で見ると今のディーゼルトレーラーヘッドよりも3000万円近く安くなるという、驚愕コスパを実現している。

https://blog.evsmart.net/ev-news/2022-tesla-semi-update/

俺が増田で前から繰り返し言っているけど、なかなか理解してもらえないのが、今後EVは「環境にいいから売れる」わけではない、ということだ。EVは今後数年以内に「CVよりも安いから売れる」ようになるのだ。中国の宏光MINIEVもいよいよ日本発売が決まったが、当然爆売れするだろう。https://togetter.com/li/1963736

Semiもこれと同じ理由物流分野でのシェアを大きく伸ばすだろう。契約企業は、Semiの環境負荷がいいから、イメージが良くなるから、切り替えるわけではない(お題目としては大々的にアピールするだろうが)。不断コスト圧力さらされる物流業界に貴重なコスト減の機会を与えてくれるから売れるのだ。EVという技術システム本質的シンプルさが、それをもたらしている。

一方、FCVという技術システムEV燃料電池タンクをくっつけた複雑な機構で、今のディーゼル車よりコストを下げられるような技術アドバンテージがどこにもない。今の化石燃料よりも高い燃料を、今の液体燃料タンクよりも高い高圧気密タンクに詰め込んで、それを車内で高額な燃料電池に突っ込んで電力に変えて、それでEVと同じモーター(eアクスル)を廻して走る。高くつくに決まっている。

Permalink |記事への反応(1) | 11:14

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2022-02-05

マツダ技報2021年度版が発表されたので適当感想とか

2021年度のマツダ技報が発表されましたね。

https://www.mazda.com/ja/innovation/technology/gihou/2021/

これについてちょっと色んな感情を抱いたわけで感想というか考察というかなんかそういうのを書きます

電池制御屋さん(?)なのでメインはEV関連のところだけピックアップしてみます。本当は全部やろうと思ったけどエンジンとか分からなくて書くことなかったです。

普段こういうことやらないので読みにくかったら見なかったことにしておいてください。

あと、そもそも私は社員でもE&Tさん販売店さんでもないですので間違ってたりしたらごめんなさい。

去年に比べてボリュームも多く、メインのトピックとしてMX-30のEVが挙げられていますね。マツダ初のEVですからそりゃあ力を入れますよね。(デミオEV?あれは量産されてないかノーカンで)

では順に見ていきます

巻頭言

こういった経営戦略は専門外ですし特にないです。頑張って下さい、という感じです。でも、スモールプレイヤーであることを自覚しているならなぜスバルさんのようにEV開発にトヨタの力を借りなかったのかが不思議ですが極めて高度な経営戦略判断なのでしょう。

私はEV反対でもEV賛成でもなく、ユーザが好きなものを買えばいいと思いますが以下の件、エンジニアとしてずっと疑問に思ってますよ。

https://www.mazda.com/ja/csr/environment/lca/

ところで、技報は直近だと技企が担当ぽいんですがどういう基準で毎年内容とか選んでるんですかね。分かりません。

MX-30のデザイン

デザイン要件絶対いいね?

両開きドア、必要だったんでしょうか。使いにくいと思うんですが…

車格的にこれ以上大きくできないけど四人乗りだし特徴出さないといけないという苦肉の策でしょうか。

私は美術の成績が2くらいしかないのでデザインはよくわかりません。

あ、でも、インテリアコルクの件は誰が思いついたんでしょうか?どういうコルクでどういう工夫がされているかわかりませんが、熱衝撃でボロボロにならないんですかね。ぜひそういうのを技報で取り上げて欲しかったなぁ。

MX-30の紹介

書かれていることは難しくて分かりません。商品企画って大変だと思います

みなさん、一回乗ってみるといいと思います。思いの外普通の車です。

エレクトリック G-ベクタリングコントロールプラス(e-GVC Plus)の開発

制御って難しいですよね。まず式が多くて難しい。

この手の制御実車でのフィーリング評価が多いでしょうからそれだけ走らないといけないだろうし大変だと思います

Fig.4ってどう見ればいいんですかね。そりゃ制御切ってる赤線が0なのは当然だと思うんですが。GVCのリクエストに対してモータリクエストトルクが遅れているのはなにか意図があるんでしょうか。私には分かりません。てかこれ実トルクじゃないのね。

Fig.6ではGVCの有無による加減速が記載されてますね。GVCの有無で横Gは変わらないけど前後方向は、「ターンイン時に減速」「ターンアウト時に加速」と。いやこれ、運転してる人には誤差みたいなレベルのGだけど(たぶん、普通運転してたら0.1~0.4Gくらいでこのデータだと最大0.4m/s^2≒0.04G)いるのこの制御?

この辺で読むのやめたけど、Fig.20はどうかと思う。基準おかしいでしょそのグラフ

MX-30EVMODELモータペダル開発

この辺も専門外だから流し読み。ペダルの味付けの話かな(適当)

Leafとかi3とか回生がキツくて慣れるまでなんか気持ち悪かったけど、MX-30はその辺まだ運転やすかった気がする。

MX-30エレキシフトシステムの開発

これもよく分からない。感想としては、エレキシフトである必要ないよねって思う。

電子制御にすれば車側からの介入がかけられるってこと書いてあるけど、ソフトウェアバグリスクを抱えることになりそうだし、そもそもどういうヒューマンエラーを想定してんの?って素人的には思うんですよねぇ。

でもそれよりもあの変なシフトの形状の方が気になる。

BEVバッテリーを使い切る技術

よっしゃ来た。一応電池屋さんだからね、私。

LCA(ライフサイクルアセスメント)の件はいったん不問にするわ。

ふむふむ、LiB温度管理をしっかりして容量と入出力を使い切ると。むしろそれ以外にはないわな。

モータの話はパス、よくわからん

クーリング・ヒータシステム」うん、こういうのでいいんだよ、こういうので。

なるほど、冷媒冷却なのね。Fig.8を見ると温めるのにはヒートポンプ使わないのか。もっぱら冷却専門って感じね。そりゃあ電池が動かないくら寒いときに温めるんだから効率の悪いヒートポンプ使わないのは当然か。Hondaさんはモータ系の冷却水を電池に回して加温にも使ってた気がするけど冷媒だと難しいんでしょう。

ところで、車室内が暖房電池が冷却を求めている場合(真冬の高速連続走行)とかの時はどうなるんでしょうね。ヒートポンプ一個しかないけど。

冬場はヒータを使って電池を温めて充電時間短縮に貢献しているんですね。

あ、そういえば低温の充電についてはこんな記事ありましたよ。

https://insideevs.com/news/486109/mazda-mx-30-battery-pack-heating-issue/

MX-30EVMODEL への MBD の適用

マツダさん、色んなところでMBDのお話してるのでやっぱりありました。

元々シミュレーション研究やってたんで、モデルベースとかシミュレーションとか僕は好きですよ。

これを見るとHILSがメインなんですかね。HILSって物できてから色々するものだと思ってるんですがこれはMBDなんでしょうか。まぁHILSにはモータとか電池とかのモデルが入っているのでその意味ではMBDか…

ゴリゴリ計算化学なのはないんでしょうか。EVから電池系でその辺もあるかと思ってたんですが。

MX-30 高電圧システム制御の紹介

EVにするにあたって新設した機能説明的な感じですね。

気になるのは4.1の説明で「ユニット通信PCMとの Peer to Peer通信を基本とした」と書いてますね。だいたい今の車載系のネットワークはCAN通信なのでP2PっちゃP2Pなんですが、わざわざ書いてるということは何か特別なことがあるんですかね。

Fig.5らへんでは「充電みたいに特定機能しか使わないときは他の機能を切って余計な電源使わないようにしたよー」って書いてますが、充電してるなら誤差みたいな電流では…?てかまぁ、関係ないユニットそもそも動かさないのは当然だと思うんですが。

4.3はよくソフト系の品質検証である直交表ですかね。私も何度か作成したことあります。MBDでやるにしてもテスト数絞らないといけないからこういう感じで管理してるんですね。でも、機能毎の組み合わせをみるだけでも効果あるんでしょうか?不具合が見つかったとしても書けないでしょうから記載なくても仕方ないか

MX-30EVMODEL の外部充電システム開発

市場での適合性とか考えると特に大変そう。でも気になるのは「1.はじめに」に書かれている「MX-30は約40分でSOC 80%まで充電できる」の文言

え?40分?いつの車?35.5kWhしかないのに?もしかして急速充電器の出力30kWとかで想定してる?市場の急速充電器は大部分が(少なくとも日本は)50kWだと思うんですが。

外部充電関連やってる人はホント尊敬してますだって仕様書難しいし仕様書曖昧ときあるし。COMBOとか仕様書自体なんか怪しいし。

本文中でも「HILSだけでは発見できない」って書いてあるけど本当にそうだと思います

電圧電池パックの耐振動性開発

またしてもキタコレ案件機構評価はよくやってたからね。

2.1見ると電池電子部品扱いなの…?なんか共振点が被らないように工夫しました的なこと書いてある。

でも電池って重量あるし、特に考慮かいらなそうなんだけど、マツダさんでは電池も細かくモデリングしてるのかしら。あとこれ疑問なんだけど、EVで使われるモータとかってエンジンよりも高周波成分持ってそうなんだけど言うほどないのかね、知らんけど。

2.2には不思議な式が載っている。ダメージ量というのはマツダさん独自概念だと思う。少なくとも俺はいままで振動とか疲労とかの勉強していてであったことはない。疑問なのはFig.4の加速度に通常ひずみに対して使われるレインフロー法を適用していることになってるんだけどあってるこれ??加速度応力は比例関係にあるけど周波数成分考慮しないと意味なくない??まぁ、そこはマツダさん独自手法が隠れてるってことなんだろうか。

そして3.1には気になることが書いてある。

市場の耐振動保証目標の4倍相当を保証している」

いや、とんでもない超過剰品質じゃん。強度半分でいいか車両価格下げてくれ。

3.2はモデルの話。しかし、写真を見るとマツダさんのアッパーケースは樹脂。これどうしているんだろうか。樹脂のシミュレーションなんてあまり精度よくできるとは聞かないし熱とか湿度とかの影響をもろに受けるはず。この辺もシミュレーション出来ているならすごいと思うんだけど特に書かれてない。一番壊れたらやばそうなのに。

MX-30 BEV&Bピラーレスボディー開発

ボデー屋さんじゃないからよくわかんない。でも、MX-30って両開きだから剛性保つの大変そう。

MX-30 の衝突安全性

これも私詳しくないからよく分からない。

2.1には前突時の話が載ってて、電池を守らなきゃいけないから大変だとか。電池ってR100メカニカルショックの試験あるからそれなりに大丈夫だと思うんだけどそうでもないのかな。あるいはR93/94で代替してるのか。ところで、実車たことある人は分かると思うんだけど、MX-30ってモータルームスカスカバカかい支柱みたいなのがあるんだけどあれどうにかならなかったのか。てかバランス悪すぎるだろあの構造。内燃仕様も作る都合で仕方なかったのかもしれないけど他の車みたいに充電器入れとかにすればよかったのに。てか充電口とかフロントに持ってくればハーネスとか安くなりそう(モータ/インバータ系と同じところからバッテリパックに入れればいい)のになんであん構造なんだろう。

3.1は側突の話。MX-30は両開きだから大変そう。ところで、これ全部解析の画像しかないけど、実車のやつはやっぱり画像写せないんだろうか。シミュレーション研究やっていた身としてはシミュレーション完璧でないことは分かっているので逆に不安なんだけど、こういうでか物はシミュレーションで十分ということなのかな。(認証試験実車だろうけど)

マルチパワーソース車における外観品質の造り込み

よくわかんない。たぶん難しい。

Self-empowerment Driving Vehicle の開発

日本語でおk。なんだそれは。とりあえず読んでない。

車両機能材料特性をつなぐマルチスケール解析技術研究

電池EV関係ないけど私が元々分子動力シミュレーションやってたから。

でも、ほとんどMDの話が書いてない。シミュレーション条件も特に書いてないけど、写真を見る限り大した分子数で計算してなさそう。

これで精度が出るんだろうか。その辺を詳しく書いて欲しかった。

この手の計算は結果自体は出る。シミュレーションしてるんだから計算自体はできるものから。ただ、現実実験結果定量的に合わせるのは非常に難しい。定性的傾向は出ても、定量的比較MDでは非常に難しい。

これは経験的なもので私が研究していたのは何年も前だけど傾向は変わっていないと思う。4.1でいちおう妥当検証が書かれているけど、MDの結果については定量的比較されているわけではない。紙面の都合もあるから仕方ないか

おわり

ということでマツダ技報2021年度版の感想勝手考察でした。適当に読んだから読み間違えてたりしたら申し訳ないです。私はマツダ車乗ってるしこれからも頑張ってください。

あと、まだまだ勉強中の身なので技術的な部分でなんか間違ってたりしたら教えてください。

Permalink |記事への反応(2) | 18:10

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2021-08-30

anond:20210827192457

続き楽しみにしてます

単純に蓄電技術として比較した場合Lib等に比べて水素の劣る点が「変換ロスが多い」なんだけど、ロスの大部分は電気水素の部分で発生するから水素状態からそのまま消費するのと発電して消費するのを比較した場合は、水素欠点殆どないと言えるのがポイント

ここなんですが、自分認識だと電気分解プロセスは吸熱反応、燃料電池プロセス発熱反応で、後段の「水素電気」のほうがエネルギーロスが多いと思ってました(PEM電解とか高温水蒸気電解は、吸熱反応を利用しているか効率がよい)。

増田でも書いたけど、電気と一緒に発熱コジェネ的に利用できればエネルギー効率は80%程度、発熱を捨てて純粋電気エネルギーとして取り出せるエネルギーで見ると効率50%程度で、今後技術革新を進めて60%を目指す、という感じだと思います

この効率は利用する化学反応自体に拘束されており(その意味では今でも十分高率だと言える)、今後の劇的な向上は見込めず、そうなると純粋な蓄電システムとして普及させるのは厳しいんじゃないかと思ったりします。昼間の余剰電気水素にしてその日の夜に売るだけでも6割以下に目減りしてしまうわけですから、今の卸電力取引市場の仕組みだと、この技術betする余地は低い(メリットオーダーで見た場合他の方法で発電または蓄電された電気のほうが割安になる可能性が高い)のではないかと…。

具体的に他の蓄電システム比較すると、揚水ダム発電だと電気位置エネルギーに変えて、後で電気に戻したときのラウンドトリップエネルギー効率が70%程度。レドックスフロー電池も同じく約70%。最近複数ベンチャーが取り組んでいる重力利用型蓄電(タワーや縦杭にコンクリートブロックなどの重量物を吊して上げたり下ろしたりして蓄電/放電する)だと、設置コスト管理コストも安く、施設寿命は35〜50年、ラウンドトリップ効率揚水発電と違って流体摩擦損失がないので80-85%と、これが案外本命かなと思ってます。固定電池系は、LiBだと95%ぐらい出るけどLCAが悪すぎるので、非コバルト・非リチウム系で良いものが出てくるのを待つ状態かと思います

水素エネルギーキャリアとしての性質活用せず、蓄電技術としてやっていくとなると、競合システムに対する優位性が乏しいなあと感じます。廃熱の二次利用ができるところならワンチャンあるけど、季節問わずに廃熱を利用できるロケーションとなると、はたしてそんな都合のいい場所があるかいね?と思ってしまうわけです。製鉄所の溶鉱炉を電炉化するぐらいでしょうか。

Permalink |記事への反応(0) | 10:26

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2020-12-11

車の脱ガソリン記事が出る度に、はてなでは、「🗾のメーカーは終わりだ。EV化に遅れている。」っていうブコメで溢れ帰るけど、本当にEVに進むかっていうのは分からないんだよね。

というのも、環境規制っていうのはすでにビジネスになっていて、自分達の国のメーカーの有利になるように設定していってるから

元々欧州ではディーゼルに力をいれてたけど、日本HVにやられて、うまくいかなかったから、急激にEVシフトさせているだけで、EV化がうまくいかなかった場合ライフサイクルアセスメントを出してくる。これはその製品生産してから最後の処理するまでのCO2排出量を評価するもので、EVは確かに走るときCO2を出さないけど、電池を作るときに大量にCO2排出するらしく、これがライフサイクルアセスメントによる規制クリアできない。当然欧州メーカーEVがうまくいった場合ライフサイクルアセスメントは出してこない。なので日本メーカーEVに力を入れて欧州メーカーに勝ったとしても、また次の戦いが始まるという。。

こういう認識なんだけど、これって一般的認識じゃないのかな?LCAなんて、一回ぐらいしかたことない。

Permalink |記事への反応(1) | 22:53

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2020-02-10

anond:20200209170643

ICE効率の点ではEVに遥かに及ばないよ。印象だけでは語るとデマになるので、少し計算した方が良い。

エンジン (ICE: internal combustionengine)効率

追記:過小評価していたので熱効率を上げました)

原油⇒精製(90%)⇒輸送(98%)⇒エンジン(30-40%)⇒変速機(80-90%)

=20%-35%程度

効率向上の限界

一番の問題は、熱機関は最良でもカルノーサイクルの壁を超えられないこと。つまり入力と出力の温度差による限界が来るわけ。

エンジンの素材は金属なので、良くても数百度かにしかできないわけで、予算度外視でどんなに効率をよくしても量産車で60%に至ることはありえない。

エンジンアルミか鉄なわけで、そこまで高温にできない。それで30-40%止まりと言うわけ。最近50%近いエンジンができたーとか言うニュースもあるが、もう熱力学上、天井は見え始めている。これは物理学なので、どうしようもならない。

(ちなみに、燃焼温度を上げると今度はNOxなどの問題顕在化してくる。そのため、むしろEGRなどにより温度を下げるのがトレンドエンジン開発はいろいろなトレードオフなのだ。)

ディーゼルエンジン効率比較的高く、CO2排出ガソリンエンジンよりも少ないとされるが、NOx/PMなどの排出が多い問題がある。NOxについてはマツダが頑張って尿素SCRなしのエンジン作ったけど、結局、PMについては、DPFを用いて微粒子を捕獲している。そのDPFの煤焼き運転必要だったりするので、その分の燃料は無駄になるわけだよね。

で、エンジン車の問題として、トルクバンドが上のほうにあるので、クラッチトルクコンバーター等と変速機が必ず必要となる。その際にロスが出てしまう。AT/MT/DCTは段数が少ないとパワーバンドを生かしきれない。段数が多いと重い。CVT滑るし、CVTルードは温まるまで粘度が高くてロスになる(ダイハツCVTサーモコントローラーとかで頑張ってるけど)。

エンジン効率への批判について

エンジンの熱効率50%に達したという記事JSTの「革新的燃焼技術」)で反論する方がいらっしゃるが、そのエンジン実験室の563cc単気筒エンジンだ。もちろん単気筒なんて自動車では振動などで使い物にならないから、最低でも3気筒からとなる。そうしたときに、気筒が増えて動弁系などのフリクションの発生によって効率は下がるはずなので、そのまま量産車に適用することは難しい。実用車では気筒数増加による動弁系の負荷、オルタネーターなど補機系の負荷などもかかってくることも頭に入れておきたい。

日産が45%のエンジンを開発しているとの記事もあるが、これはe-Powerの「発電専用」エンジンだ。ハイブリッドなので、こういう芸当が可能だ。

45%からは数%上げるだけでも相当血のにじみ出るような開発の労力がいるだろう。

燃焼温度についての批判

燃焼温度アルミや鋳鉄の融点よりも遥かに高いと言う指摘があった。その通りです。

しかし、熱力学説明たかっただけで、例えば入口・出口の温度差を数万度にしたならば、熱効率はかなりのものとなるが、そんなものは物性的不可能ということを示したかった。

なので、燃焼温度は限られるという意味

BEV (BatteryEV)効率

原油火力発電(超臨界発電) 50-60%⇒送電 (95%) ⇒バッテリへ充電(90%)⇒変換(96%)⇒モーター(95%)

=39-45%

効率アップの方法

PHEV, BEV場合、上に示したうちで一番効率の悪い「火力発電」の部分を再生エネルギーや水力に転嫁することで、CO2削減を目指せる。もちろん、原発にしてもCO2は減らせる。

なお日本火力発電所のSOx/NOx排出海外に比べてもとても少なく、優秀である

発電所の部分では、現状でも50-60%の効率は稼げる。なぜ熱機関なのにここまで効率が出せるかと言うと、巨大なプラントで高温に耐えるコストの高いタービンを回してるから

それによって熱機関効率が高められるから。車のエンジンは小さくてスケールメリットが働かないよね。でも発電所レベルなら巨大で、コストも充分かけられるのでこう言う芸当ができる。

で、電気輸送に関しては送電線なので一度つなげたらしばらくはCO2を出さない。送電効率も超高圧送電(100万ボルト以上)によって高まっている。

また、インバーターとかモーターに電気を流す部分はパワーデバイス(GaN等)の発展によってどんどん効率が上がっている。

なお、モーターのトルク特性としてエンジン車のように変速不要のため、クラッチトルコン変速機などによるロスはない。将来、インホイールモーターが実用化されれば、モーター→タイヤへの伝達効率さらに上昇する。

回生

ちなみに、xEV回生充電もできるために、ブレーキ時に運動エネルギーICEほど熱に変わらない。

(一方ICEエンジンブレーキを使ったとしてもエネルギーに変えているわけではないので(多少オルタネータの充電制御は入るが)、ブレーキ時には運動エネルギーを熱にしてしまう。せっかく石油を燃やして運動エネルギーを得たのに、そのエネルギーを回収しないで熱に変えるわけ。)

まあxEV回生できるとはいえ回生時にパワーデバイスとかの充電ロスがあるから、実はコースティング回生も何もしない)で空走した方が距離を稼げる。なので、前の信号が赤にかわったときEVに関していえば、ブレーキも何も踏まないで空走状態を維持し、空気抵抗だけで0kmにするのが一番効率が高い。まあ、そんなことしていたらノロノロすぎてウザがられるので、妥協点として回生ブレーキを使ってちょっとはロスするけど、エネルギーを回収しながら止まるってことだね。

ICEだと、エンジンブレーキ積極的に使って、ブレーキを踏まない運転を心がければ良い。やってはいけないのは、Nに入れて空走すること。Nに入れるとエンジンアイドリングを維持するために燃料を消費する。ギアを入れたままエンジンブレーキをかけると、その間は燃料噴射をやめても回転が維持できるので、エンジンは燃料噴射をやめて、実質消費はゼロとなる。)

BEV製造時の負荷は?

製造CO2

バッテリーの製造時の負荷は確かに高い。しかし、製造には電気を使っているので、電力構成によりCO2排出は変わる。つまりグリーンエネルギーを使えば問題なくCO2を減らせると言うこと。

なおid:poko_penマツダのWell-to-Wheel理論を持ち出しているが、あれば古い時代バッテリ製造時のCO2データを使っていて、CO2排出過大評価している。最近テスラLi-ion電池工場では、再エネを利用して製造しているのでCO2は少なくできる。こうした、製造時のCO2排出問題工場や電源構成アップデートしていけば減らせる問題だ。

マツダはBEVよりもICE派で、SPCCI(圧縮着火)とかで頑張ってるからバイアスがかかってるのは仕方ないと思うね。私は内燃機関デザイン周りで頑張るマツダは大好きだけど、SKYACTIV-Xが思ったよりも微妙だったから株売っちゃったわ。)

リチウム採掘

Li-ion電池10%含まれリチウムは、採掘時に水を大量に使ったりする問題はある。ただ、これは「製造時」に限った話であり、内燃機関を使うたび、原油のために油田をあちこち掘り返したり、オイルタンカー座礁して原油を撒き散らしたりするのに比べれば遥かにマシというものだろう。

あと、専門外だけど、海水から抽出する技術研究中とか。

コバルト貴金属

xEVには必要となる貴金属類には依然として供給リスクとか採掘時の「児童労働」とかの問題を孕んでいる。ここら辺は全世界的に解決するしかなさそう。需要が増えれば、世界の目がこう言う問題に向くはずなので、我々技術者はそれを期待するしかない。

地域によるCO2排出量の差

例えば沖縄石炭火力の比率が高いため、EV効率を持ってしてもCO2排出HVとかより高くなる。しかし、それ以外の都道府県ではICEよりBEVの方がCO2が低い。原発が動いていない現時点でもね。

その他xEVとBEVとの比較

HV,PHEV

PHEVはもちろんICEより遥かにCO2を出さないが、BEVには勝てない。ただ、電力構成によっては逆転もありうるが、ほとんどの都道府県ではBEVの方がCO2を出さない。

燃料電池車 (FCEV)

(追記:anond:20200211034316 に FCEV vs BEV効率比較を書いた)

燃料電池車に関していえば、無用の長物と言える。水素製造する場合にも電力が必要だが、まあこれを再エネで行ったとしても、水素輸送タンクに注入する際の水素圧縮時のロスは非常に大きい。その圧縮の際に再エネを使ったとしても、結局そのエネルギーでBEVを充電した方が効率がいいのだ。

そもそもBEVならば、送電線さえあればいいわけで、わざわざ水素のように輸送する必要がない。

また燃料電池化学反応なので、アクセルレスポンスが遅いと言う欠点があり、反応のラグを補うために燃料電池車には結局バッテリーが積まれている。

ただ、航続距離は長いために、俺は現代におけるタクシーとかのLPG車みたいに細々と残るとは思う。航続距離重要トラックバスタクシーなどには燃料電池が使われるかもしれない。

効率以外にも、めんどくさい高圧タンクの法定点検とか、割と問題は多い。水素ステーションは可燃性の水素を貯蔵するわけだからEV充電スタンドよりも法的なめんどくささがあるのも確か。

水素ロータリー

これは燃料電池車より論外。カルノーサイクルに縛られてしまうので、電気分解よりも効率が悪くなる。水素の使い方としては燃料電池よりも悪い。

PHEV, BEVと再エネ

再エネは不安定と言われる。確かに自然相手なので、予測も難しい。しかし将来的にEVが普及すれば、EVバッファとして利用することで、不安定さを吸収しグリッドを安定させられる。

これは再エネを導入する動機にもなる。職場に着いたらEVCHAdeMOを挿しておいて、電力の需給バランスに応じて充電開始、とかが普通になるかもね。

気候

寒さ

BEVは寒さに弱い。リチウムイオン電池特性上、寒くなると容量が可逆的ではあるが減る。そのためテスラにはバッテリーヒーターが搭載されている。(ちなみに、寒いノルウェーでもテスラが爆売れしているし、なんと新車の半分くらいの売り上げがBEVという。もはや寒さは問題ではないのかも?(まぁ優遇政策があるからだけどね))

FCEV寒いと反応が弱まって出力が減るので、そこらへんは考慮されている。

一方ICEも、冬になると燃費悪化するとされる。US DoEによると、理由は、オイルの粘度低下、温度上昇までの暖機、ガソリンの配合が夏と違う(日本でも同じかは謎)など。他には空気密度によるエアロダイナミクス悪化とかがあるがこれはEVでも同じだ。オイルなどが原因となって燃費悪化するのはICE特有だろう。

暑さ

BEVはまた暑さにも弱い。Li-ionは熱によって不可逆的なダメージを受けて、寿命が縮む。そのためテスラにはエアコンを利用する水冷バッテリクーラーが搭載されている。リーフは空冷で、これが問題だったのか、劣化問題でざわついていたリーフオーナーも多かった。今は改善されているらしい。

用語

ソース

URLを多く貼るとスパム認定されるから貼れないけど、US DoEとかCARB、日本だと日本自動車研究所あたりの公開資料を見ればソースに当たれる。

一つだけ、EV vsICE効率について、13分程度で詳説してある動画URLを貼っておく。英語字幕もないが、割と平易なので、見てみてほしい。論文ソース動画の中でよく書かれている。

製造時の負荷」「化石燃料の発電でEVを使うのは利点あるのか?」「リチウム採掘の負荷」の3つで説明されている。簡単に箇条書きにすると:

https://www.youtube.com/watch?v=6RhtiPefVzM

おまけ&追記

マツダLCAについて

前述のようにマツダEVと自社のICEについて、Well-to-Wheelでライフサイクルアセスメント比較している。その比較におけるLi-ion製造時のCO2排出量のデータだが、2010年〜2013年のデータとなっており古い。しかも、Li-ion製造時のCO2排出量は研究によってばらつきが大きく、いろいろな見方があり正確性があまりないのが現状。また現状を反映していないと考えられる。例えばテスラギガファクトリー」のように太陽電池をのせた自社工場場合などについては考慮されていないのが問題だ(写真を見ると良い、広大な敷地ほとんど太陽光で埋まっている)。

また、マツダ研究バッテリ寿命を短く見積りすぎている点で、EVライフサイクルコストが大きく見える原因となっている。テスラのようにバッテリマネジメントシステムBMS)がしっかりとしたEV寿命が長く、またLi-ionの発展によって将来は寿命を伸ばすことは可能だろう。事実、今まで電極や電解質改善によってサイクル寿命は伸びてきた。

テスラは現時点で最も売れているわけだし、このことを考慮しないのは少々ズルいと言える。

なぜ水素エンジン効率が悪いか (id:greenT )

"Why HydrogenEngines Are A BadIdea" でYouTube検索したらわかりやすいが、噛み砕くと

あと補足すると「エンジン」は爆発によるエネルギーを使っているが、全てを使い切れていないこと。十分に長いシリンダーを使って、大気圧まで膨張させるならエネルギーをかなり取り出せるが、そんなもの実用存在できないので、爆発の「圧力」を内包したまま、排気バルブを開けることになる。この圧力ターボチャージャーで利用することも可能ではあるが、全て使い切れるわけではない。

あーでも、水素エンジンメリットが1つあった。燃料電池(PEFC)は白金必要とするためPermalink |記事への反応(16) | 01:34

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