はてなキーワード:C90とは
1年ぐらい前だろうか、この記事が色々と物議を醸してた
これが丸ごと全部正解だとは思わないが、自分の正直な感想を述べてみたいと思う。結論から言うと
「コミケで壁サー以外が必ず厳しいわけではないが、雑な計算式から考えると苦戦を強いられるだろう」
ということだ。
まず、自分のことについて触れておきたい。
45歳男、参加ジャンルは同人音楽(オリジナルボカロ)、主にM3とコミケに参加してる。歴は10年ぐらい。
M3春2019 | 2019年4月 |
C96 | 2019年8月 |
M3秋2019 | 2019年10月 |
M3秋2020 | 2020年10月 |
M3春2021 | 2021年4月 |
M3秋2021 | 2021年10月 |
M3春2022 | 2022年4月 |
M3秋2022 | 2022年10月 |
M3春2023 | 2023年4月 |
C102 | 2023年8月 |
M3秋2023 | 2023年10月 |
こんな感じ。M3では3曲500円の新譜を出して、20枚前後売れるぐらい。
コミケ合わせの新譜は最近作っていなかったこともあってか、大体10枚ちょっとぐらい。
C96に関しては、それがなぜか18枚売れた。これは予想外だった。新設されたばかりの南館だったからか、とりあえず見てみようかと言う雰囲気の参加者が結構流れてきてたイメージ。
このときは久しぶりに参加したコミケだと言うのもあって、閉会までいたが、閉会ギリギリまで試聴してみようという人がちらほら来てた。
大手サークルからしたら鼻で笑ってしまうような数字かもしれないが、自分としてはコミケというお祭りの「熱量」のようなものを再実感したイベントだったので印象的だったのを覚えている。
M3春2020は日程が変更になったこともあり参加を見送り、それ以降はコロナ禍になってしまったこともあり、制作枚数を絞って早めに撤収していた。2022年末までの各回の売れ行き枚数を書いておくと、こんな感じ。
M3春2019 | 2019年4月 | 23枚 |
C96 | 2019年8月 | 18枚 |
M3秋2019 | 2019年10月 | 22枚 |
M3秋2020 | 2020年10月 | 14枚 |
M3春2021 | 2021年4月 | 13枚 |
M3秋2021 | 2021年10月 | 14枚 |
M3春2022 | 2022年4月 | 13枚 |
M3秋2022 | 2022年10月 | 12枚 |
数は新譜・旧譜合わせた総数。
2023年に入り、海外ではコロナは収束したような雰囲気になり、日本でもGW明けにはコロナは5類に移行するなど報じられ、同人界においてもコミケが入場チケットつき・2日間開催という異例の形とはいえ復活し、盛り上がりを見せ始めた。
自分もそれに乗って久しぶりにコミケに参加してみようと思い、久しぶりにC102にも申し込んでみた。
その結果の枚数が、このような感じだった。
M3春2023 | 2023年4月 | 20枚 |
C102 | 2023年8月 | 6枚← |
M3秋2023 | 2023年10月 | 21枚 |
C102のところに注目してほしい。誤記ではない。新譜4枚、旧譜2枚で全部で6枚しか売れなかった。自分としては爆死も爆死である。
久しぶりのコミケに参加できて嬉しかった・楽しかったというのもあるが、こみあげてくる悔しさと、何より「なぜ??」の気持ちが大きかった。
前後のM3の売れ行きを見ていると、別に自分のサークルが見向きされなくなったというわけでもないようだ。
(余談だが、コミケのショックからM3秋はどうなるのかと若干緊張した。幸い売れ行きはいつも通りで安心したが)
無論お金のために同人イベントに参加しているわけではない。が、何故C102ではそんなに枚数が落ち込んだのか。
コミケは久しぶりの参加のボカロサークルには手厳しい?そうとは思えない。
当日の設営があまり目を引く感じではなかった?
コミケではレイヤーの売り子でもいないと誰も見向きもしてくれない?
考えられる理由はいくつもあるにはあったが、考えても答えはでない。答えは出ないが、C96では18枚売れたのが何故1/3にまで減ってしまったのか。気になった。
その一方で、SNSでは神絵師などのいわゆる壁サーを中心に「コミケの勢い完全に戻りましたね!」という言説がちらほらみられた。
本当にコミケの勢いが戻ったのであれば、何故自分のところは1/3にまで減ってしまったのか。
気になったのは、当日は売れ行きが悪かっただけではなく、試聴のために足を止めてくれるような人も少なかったことだ。この日も閉会まで粘ってみたが、参加者の方はと言うと終日足早に目の前を通り過ぎていくばかりで、こちらのスペースを見ようともしない人がほとんどだった。C96の時に感じた「熱量」みたいなものはどこに行ってしまったのだろうか。
こんな問題に答えが出るはずもないのだが、ふと気がついたことがあった。C96の前、C92に参加したときは13枚だった。これと比べても半分に落ち込んでいる。
コミケでの売り上げを抜き出すとこんな感じ。
C90 | 2016年8月 | 13枚 |
C92 | 2017年8月 | 13枚 |
C96 | 2019年8月 | 18枚 |
C102 | 2023年8月 | 6枚 |
そこではたと気がついた。
C102だけがおかしいのではなく、C96もおかしかったのでは?
C102とC96が通常のコミケと違った点にもしかしたら原因があるのかもしれない、そう考えてみると不思議と合点がいった。
そして違うことといえばそう、開催日数である。
準備会のサイトにはご丁寧にも開催実績が全部載っており、そこに参加人数の情報もある。
C96は4日間開催だったが、一般参加者はバラけたわけではなく開催日数が増えた分だけ参加者も増えたことが見て取れる。
C90 | 53万人 |
C92 | 50万人 |
C96 | 73万人 |
C102 | 26万人 |
動きも枚数と似た動きをしている。ここら辺にヒントがありそうだ。
ここで、自分は仮説を立ててみた。
1.コミケに参加する人間はその日の予算の上限があり、これはコロナ前・コロナ後でも変わらない(コロナ中のことは分からない)。
2.参加者は、ある開催日に自分の目的のサークルがたくさん参加していればその日に参加する可能性が高まり、少なければ参加する可能性が低くなる。
3.サークルはたくさんあれど、一般参加者は壁サーを優先的に回る。
どれも反論が来そうなものではあるが、大外れしていない、、、と思いたい。
1.についてはそのままである。年に2回のお祭りに軍資金を持って参加するときに、その金額に糸目をつけないのがオタクというものではなかろうか。コロナ後の経済事情が厳しい人もいるとは思うが、そこまで変動していない気がする。
2.については、いわゆる「女性向けの日・男性向けの日」という概念を拡大解釈したものだが、当然自分の目当てのサークルがたくさん参加していれば来たくなるというものである。
3.については、最初は通販が出なさそうな島中が初手として正しいと言う言説もあるが、結局のところ壁サーに行列ができることを考えるとやはり壁サーを優先して回るという考え方が一般的であると考えるのが自然だろう。
2.については、どのぐらい参加の可能性が変わるかと言うデータはなかったが、ジャンルごとの参加サークル数の情報ならあった。
ジャンルコード別サークル数一覧(C90〜C96)と夏コミ告知
自分が参加しているデジタル(その他)のジャンルだけを抜き出すと、以下のような感じ。
C90 | 1018 ☆ |
C91 | 1020 |
C92 | 948 ☆ |
C93 | 939 |
C94 | 1146 |
C95 | 1346 |
C96 | 1328 ☆ |
C97 | 1804 |
C98 | 864 |
C99 | 570 |
C100 | 488 |
C101 | 488 |
C102 | 472 ☆ |
そして自分が参加した回だけを抜き出すとこんな感じになる。
C90 | 1018 |
C92 | 948 |
C96 | 1328 |
C102 | 472 |
C90 | 17.7万人 |
C92 | 16.7人 |
C96 | 18.3万人 |
C102 | 13万人 |
また、各回の1日あたりの参加サークル数を計算すると、こんな感じ。
(本当はきちんと調べれば自分の参加した日の厳密なサークル数も分かるのだろうが、ここでは割愛)
C90 | 11,300サークル(3日間で34,000) |
C92 | 10,600サークル(3日間で32,000) |
C96 | 10,600サークル(3日間で32,000) |
C102 | 10.500サークル(2日間で21,000) |
ここから先は推測でしかないが、例えばC96の18万人とC102の13万人では、見た目の数字以上に目的に違いがあるのではないかと思う。
雑な計算式であるが、参加サークルの割合に応じて一般参加者の目当ても違うとすれば、デジタル(その他)目当ての参加者は以下のようになる。
C90 | 15946 |
C92 | 14935 |
C96 | 22927 |
C102 | 5844 |
だからどうだと言われれば本当にそれまでなのだが、雑な計算式でこれだけ差が出るのであれば、これが影響したと考えても不自然ではないだろうと個人的には思う。
特に、思った以上にC96にデジタル(その他)目当ての参加者が多そうだということ、つまりC96にはいわば「バフ」がかかっていたと言うことが言えそうだ。それと比べてしまうと、C102は苦戦を強いられるのも無理はない。
冒頭で紹介した記事でも「三分の一くらいになった」という記述があるが、むしろ1/3は健闘した方と言えるのかもしれない。
一方で、なぜ壁サーは全然その影響を受けずに、むしろ「コミケの勢い完全に戻った」などという話が出るのであろうか。
ここから先は雑な計算式すらないのだが、コミケはもともとコミックマーケット、つまり参加者は同人誌を買いに来ている人が多いと言うことを考えると、参加者は仮説3. の、「何はともあれまずは壁サー、そのあとに自分の好みのジャンル」という傾向が強まったのではないだろうか。
これが正しいかどうかは根拠は全くないが、仮にこれが正しいとするならば、あの96で感じられた「熱量」のようなものがC102では全く感じられなかったのも少しうなづける。
少し乱暴な結論になってしまうが、やはりコミケは「日本最大の同人誌イベント」である点に強みがあり、2日間開催が続く限りは自分のような弱小サークルは売り上げとしては厳しい状況が続くのだと言えそうだ。
もちろん最初にも書いた通り、多くのサークル参加者同様自分もお金稼ぎのためにコミケに参加しているわけではない。とはいえ丸一日参加して誰にも手に取ってもらえない、参加者の熱量が感じ取れないイベントに毎回出続けるのもそれはそれで疲弊するものがある。
自分としては今後もM3には参加するつもりだが、コミケはまた数年はいいかなという気になっている。売り上げのこともあるが、それ以上にM3の方が参加者の「熱量」が感じられるからだ。閉会間際にどんなもんかなと試聴のために足を止めてくれる人、一度通り過ぎた後でしばらくしてからやっぱり気になるので戻ってきた人、とりあえず足を止めてどんな曲なのか質問してくる人。そういった場面が、M3では多く見受けられる、そう言う気がするからだ。
今後コミケがいつ3日間開催に戻るのか、あるいは南館もフル活用した4日間開催という狂乱のお祭りが実現するのか、同人歴の浅い自分には全くもって何も分からないが、もしそんな4日間開催が本当に実現した時には、是非ともまた参加したい、そう思っている。
一方で、島中のサークルでも「今回自分史上最高の売り上げを記録しました!」みたいな話をちらほら聞くこともある。今回の仮説が全く当てはまらないわけであるが、そういうサークルさんには是非ともどんなポイントが功を奏したのかを分析してそれを教えていただきたいところである。真面目な話、そのポイント、喉から手が出るほど知りたい人も多い気がする。
14 ハイキュー!!(ジャンプ)・弱虫ペダル(チャンピオン)・Free!!(アニメ)
16 あんさんぶるスターズ!(ゲーム)
年表入りの基準
97年以降:週刊少年ジャンプ・アニメ・アニメ化後にブレイク500sp以上、
※97年C52からビッグサイト東1~6西1~2ホール使用3日間開催が開始
※16年C90から工事で使用ホールが毎回変動しているため総参加サークル数も毎回増減しています
09
13
16 おそ松さん・あんさんぶるスターズ!
年表入りの基準
少年ジャンプ・アニメ・アニメ化後にブレイク1500sp以上、その他900sp以上
※00は09/2/8全国の1390spが最大
※ヘタリア(擬人化)の全国初開催はアニメ化後の09//6/21大阪な為1500sp基準
※TBは11/10/30貴方が1480spで未達な為12年へ
※進撃は13/8/25全国が1440spで未達な為14年へ
※Free!!は2013/10/20貴方オンリーが900sp98%で翌週の10/27火花全国プチが734サークル
※弱虫ペダルは14/7/6全国が1721spで基準をクリアしたが、ハイキュー!!は14/6/22全国995spのあと14/1/25まで全国が無くクリア出来なかったため別年
今年も一年ありがとでした。
年の瀬京子も迫り、各所で続々と2016ランキングが発表されていますね。自分も今年の統括的なモノをしたためたく、2016年一番励んだことってなんだろうと考えてノータイムで浮かんできたのが、ガールズ&パンツァーの同人誌を買い集めることでした。
劇場版公開から怒涛のようにリリースされた2016年発行のガルパン同人ベスト10をお送りします。
筆者は一部好きなキャラに偏りがあること・百合オタクであることを踏まえた上で読んでいただけると幸いです。
(各本にリンクを貼ろうとしたのですが9個までしか貼れないと書いてから気づいたため一部を除き割愛しました。作品の詳細についてはおググり願います。また、18禁はここには書けないので除外しています)
これを貼りたくてランキングを書き始めたと言っても過言ではない一品、逸見なだけに逸品です。ガルパン公式よりもびくドンに怒られるのではというほどに作中ふんだんにっンー店内及びハンバーグの実写(しかもなぜか画素が超粗い)が使用されています。「なぜエリカとナカジマ!?」と一瞬考えてしまうキラーカップリングも百合的みどころです(書いてる途中で気づいたけど普通に決勝で乗った乗られた仲でした)。
もともとお酒を飲むシーンが気軽に描ける(そして大学生百合では出せないしっぽり感がある)社会人百合が割と好きというのもあり、しほ千代のこうしたババア…年増百合ってほんと最高ですね……。『西住しほが高校生だった頃』という二次創作伝家の宝刀である過去百合も連作として進行中で目が離せません。
最強のノンカチュ本です。公式でも結構大概なのに二次創作では過剰にクレイジーサイコレズ(すっかり死語)として描かれがちなノンナ・そしてその煽りを受けてレズギャグ要員にされがちなカチューシャですが、そんなふたりでここまでエモーショナルに振り切って描けるのかと甚く感激しました。あとこの本に限った話ではないのですが、A5の百合同人誌って佳い打率8割くらいなので買うだけでドキドキします。
意外と少ないももゆず本、大変貴重な一冊です。というか、筆者の観測範囲だと序盤の強引かつ高圧的なやり口のせいで、一部ファンからは生徒会の評判が悪いようです。そういった悪評を『生徒会を快く思っていない一般生徒』に担わせるところから始まり、当事者である西住みほのひとことで締めることで、生徒会および河嶋桃の懊悩と救いが短いながらに描かれており、欲しいやつぜんぶきちゃったな~という一冊でした。リンク先調べてて気づいたのですがこの御方、響ユでなかよし川も描いてたのですね、アレもとても佳かったです……!
にわかに活気づいている(と思いたい)さおまこ界のスラッガーです。武部沙織という乙女なキャラクターを百合で動かす際に、こういうレディコミ風の絵柄と一人称モノローグを使うとバツグンに佳くなります。あとこれもこの本に限った話ではないのですが、ラブライブ百合やってる人がガルパン百合に来ると確実にホムーランなんだよね……ラブライブ同人の地力がもともとすごいという話でもあるけど……。
角谷杏メインの同人誌は良作が非常に多く、どれをベスト10として選出するか熟考しました。この本、飲みの席に持っていってその場で読んでもらったのですが、人がまんがを読みながら涙ぐんでいるところを初めてリアルタイムで見てしまいました(心当たりのある方申し訳ない…)。なお、冬コミまでの期間限定でフリーリリース(https://chu-gyo-g.booth.pm/items/389763)されているので未読の方はリンク先を今すぐご参照あれ! このランキングを年末までに急いで書いてるのもそのためなんだけど、冬コミまでっていつだ、開催までなのか、冬コミ終了までなのか、どっちなんだ……?
過去百合といえば大人キャラだけの特権ではなかったですね、幼馴染であるさおまこにも為せました。長年ガルパン二次創作を描いてきた岡先生の筆致に泣く『ゆめのかよいじ』ですが、実は激突!女子高生お色気戦車軍団6巻にも収録されているため、厳密に言えば2015年末が初出と言えなくも……でもこの本は今年の夏コミが初出だからOK!
河嶋桃メインの同人誌というだけでなく、そこに西住みほをぶつける超爆発のガルパンまんがです。これはもうサンプルを読んだ時点で涙を流してしまいました。なんというか、桃ちゃんを描く人って桃ちゃんが考えそうなことを考えるのが本人かよってレベルで上手いし描きっぷりも尋常じゃないのでこれからもどんどこ桃ちゃんメインの同人誌出てほしい……ほんまみんなたのむで……。
この方は他にも『Ladyspiker』『バトルクライ』などのエモーショナルガルパンまんがを描いていますが、その中でも特にドキドキしながら読んでいた『ミュージック・アワー』がついに紙媒体でリリース! その当時は鼻息がとても荒くなっていました。ウサギさんチームはもちろん大好きなのですが澤梓の佳さがここまでやるかってくらいに全開で引き出されています。ちなみに筆者がガルパンまんがを描こうと思い立ったのはこのガルパンまんががきっかけでした。
叙情的な表紙の通り最初の一編は継続メイン回なのですが、最後に西住みほと河嶋桃の最強タッグ『冬来たりなば』が収録されています。こたつシーンやヨッパライシーンがあるため、冬場に読み返すとまたいちだんと空気が澄んできます。夏コミのときにこれをスッと買えたからよかったけれど、ぱんっあ8ではオンリーイベントで見たことのない長蛇の列が数時間続いていた光景が目に焼き付いており、これを書いている今も冬コミのさおまこ新刊が買えるのか不安で眠れません。
以上、駆け足ですがガールズ&パンツァー同人誌オブジイヤー2016をお送りしました! 見事に百合同人ばっかりになってしまいましたね……冬コミもいっぱい買えるといいけど! なんで2日目なの!!
半年ほど前、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」(以下「艦これ」) の人気動向について、
その際は大雑把にいえば「公式関連の人気は今だ根強く、二次創作関連の人気はやや下落気味の傾向が見られる」という公式と二次創作の人気の乖離について言及したが、今回二次創作関連に焦点を絞って改めてその動向を調査したところ、「艦これ」における二次創作の活動規模は明確に縮小しているという事実が明らかとなった。
最近の公式関連の動向やコミックマーケットの動向を見ていると、この結論に疑問を呈する方は多いのではないかと推測する。
前回の報告では二次創作人気の下落について明言を避けたが、今回はその点も含めて何故このような結論に至ったかについて、調査によって得られた数字を元に出来る限り客観的に述べていこうと思う。
本稿を読み進めるにあたっては、まず大前提として以下の点を必ずご理解いただきたい。
・あくまで「艦これ」の二次創作の動向に関する分析であり、公式関連の人気とは直接的には関係しないこと ←重要
・出来る限り、調査で得られた数字という客観的かつ定量的な指標をもとに説明するように努めていること
・しかしながら人間が書いている以上、常に何らかのバイアスがかかっている惧れはあること ← とても重要
・比較対象として他ジャンルの動向を示すことがあるが、あくまで特定の条件下での比較であり、対立を煽る意図はないこと
本稿を読み進めている方の最も気になっている点がこの判断基準ではないかと考える。
これは次節から述べる各指標の調査結果から総合的に判断したものであり
・下落継続期間が相当の長期に亘っていること (約2年間)
・下落後の安定期というものが未だ現れず今なお下落基調が続いていること
の3点が核となっている。
以上の点について、次節から各指標の動向を定量的に述べていく。
二次創作活動を行うためには、それを行うための「場」が必要となる。
特に「艦これ」の場合、サービス開始とともにインターネット上で爆発的に人気を博した経緯から、二次創作活動においてもインターネット上のコミュニティがそういった「場」の大きな一角を占めている。
まず初めに、それらの中でも特に影響力の強いいくつかのコミュニティについてその動向を述べる。
以前も述べたとおり、二次創作においてpixivの投稿数とサークル数の間には強い相関があり、pixivは二次創作活動において今なお大きな影響力を持っている。
投稿数の推移は、
○週間平均投稿数:
・2015年1月~3月 :4,111枚 (最大値:5,214枚 2/16週)
・2016年10月~11月:2,435枚 (最小値:2,004枚10/17週) ※集計中
で、約2年間一貫して下落トレンドが続いており、下げ止まる気配は一向に見られない。
2015年、2016年ともに特に10月は投稿数が落ち込む傾向にあるが、中でも去年10月は初めて週間投稿数が2,500枚を切り、今年は2,000枚を割り込む寸前まで減少した。
pixiv自体の利用者数の減少ということも考えられるが、2014年の段階でほぼ同規模であった東方Projectの投稿数をバックグラウンド値として比較すると
・2015年4月~6月 :3,918枚 (最大値:5,130枚 5/3週)
・2015年10月~12月:3,733枚 (最小値:3,037枚12/3週)
とこちらは極めて安定的な推移を見せていることが分かる。
その他、比較的長期のジャンルである「アイドルマスター」や普遍的な「オリジナル」「創作」などのタグでも投稿数は安定的に推移しており、pixivから投稿者の大幅な流出が起こったとは考えにくく、pixivにおける「艦これ」の二次創作は底の見えない規模縮小が続いていると判断せざるを得ない。
指標としてはやや劣る閲覧数は、以前も述べたように2015年6月初頭にpixiv側での集計仕様に変更があり、その前後での単純比較及び他ジャンルとの絶対数の比較が困難となる。
そのため仕様変更以降のみを検討するが、2015年の8月には週平均で3,000万近い閲覧数があったのが、2016年1月には2,700万まで低下し、同年6月には約2,400万に、直近の10月には約1,700万まで落ち込んでいる。
ただし、2016年10月以降の閲覧数が大幅に落ち込んでいるのは、すでにTwitterや匿名掲示板で指摘されているとおり、2016年9月4日からのpixivの閲覧仕様変更により閲覧中心のユーザーが離れたことが原因であると推測される。
(他のジャンルでも直前の3ヶ月と比較して約25%閲覧数が減少している)
しかしながらその要因を考慮した上でもなお艦これ作品の閲覧数が減少傾向にあることは、長期トレンドの推移からも間違いない。
ニコニコ動画には、2016年10月現在で週平均約300~350程度の艦これ動画が投稿されている。
これは2016年3月頃の投稿数と同程度であり、一見すると投稿数の減少は収まったかのように見える。
しかしながらその内訳を見ていくと、「MMD艦これ」に代表される二次創作作品の割合が低下してきており、艦これ二次創作作品の実数は未だ減少し続けているのが実態となっている。
直近の11月は公式関連の本編ゲームイベントなどもあり投稿数が約800前後と大幅に増えているが、その増加分はほぼ全てがゲーム内ボイスの転載といったゲーム本編関係の動画となっており、二次創作の増加の気配は見られないのが現状である。
ニコニコ静画の動向もpixivのそれに近い状態であり、艦これ二次創作作品の投稿数減少に歯止めがかからない。
2016年1月~3月の段階では週間平均で約1,500枚の投稿数があったにも関わらず、同11月では約950枚とついに1,000枚の大台を割り込んでしまった。
未だ投稿数の底が見えないこともあり、減少傾向は今後も続くものと推測される。
最近よく耳にするのが「二次創作の活動の場はpixivやニコニコ動画からTwitterに移っているのではないか」という疑問である。
Twitterはその仕様上、二次創作に限った検索や投稿されたイラストの全数調査という手法が困難であるが、昨年末から試験的にいくつかのキーワードや指標を設定してTwitter上での二次創作活動推移の定点観測を試みた。
結果的には設定した全ての指標で減少、あるいは横ばいという傾向が見られたが、これらは公式関連の動向による攪乱を受けてしまう懸念を完全には排除することができず、今しばらくの検討が必要であると考えている。
その中でも比較的安定的な指標と考えられる「艦これ版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」(いわゆる艦これワンドロ) の動向を示すと、日毎の変動はやや大きいものの、昨年末の調査開始の時点で日平均約220枚程度の投稿があったものが直近1ヶ月では約140枚前後まで減少している。
このような減少傾向はpixivやニコニコ動画といった旧来のコミュニティの動向と大差なく、結果を総合的に判断すると、現段階ではpixivなどからTwitterに活動の場が移ったと解釈するのはいささか困難であると言わざるを得ない。
前回に引き続き「艦これ」が関係する同人誌即売会の動向を調査した。
・コミックトレジャー(オールジャンル):381(第25回)→372(第26回)→319(第27回)→361(第28回)
・蒲田鎮守府:243(第2回)→59(第3回)→以降開催なし
・海ゆかば:133(第3回)→47(第4回)→54(第5回)
・西海ノ暁:50(第5回)→63(第6回)→33(第7回)→55(第8回)→56(第9回)→14(第10回) ※第9回は併催の艦これオンリーを加えると114サークル
・駆逐してやる!~なのです:65(第4回)→32(第5回)→16(第6回)→46(第7回)→34(第8回)→17(第9回)→27(第10回)
・我、夜戦に突入す!:375(第2回)→312(第3回)→287(第4回)→115(第5回) ※第5回は併催イベント共々募集規模が小さい
・砲雷撃戦!よーい(東京):1010(2015年9月開催)→686(16年1月開催)→945(5月開催)→834(9月開催)
となっており、各イベントとも多少の増減はあるものの規模は比較的固定化してきたように見える。
その一方で「蒲田鎮守府」「鎮守府に着任しました!」「艦娘まりんふぇすた」など、休止した即売会も規模の大小を問わず多く存在しており、即売会の統廃合が急速に進んでいることが伺える。
特に艦これの同人誌即売が群雄割拠した2014年と比較して2016年の個別開催数が約半数までに落ち込んでいることを踏まえると、現在も継続して開催している即売会が規模を維持できているのは、集約化による影響が大きいと考えられる。
即売会の規模について簡単に触れておくと、現在継続して開催されている即売会には、最大規模の「砲雷撃戦」の他、「我、夜戦に突入す!」「西海ノ暁」「駆逐してやる!~なのです」「絶対海域」などが存在するが、「砲雷撃戦」と「我、夜戦に突入す!」を除けば全て参加サークル数100未満の小規模即売会となっている。
比較的小規模なまま推移しているのは、おそらくは艦これの即売会が基本的に他ジャンルとの併催で行われることが多く艦これ単独での規模が抑えられがちになる点、キャラクターオンリー即売会などが発達せず即売会同士の差別化が多分に地理的要因に起因している点が原因ではないかと推測している。
このような要因によって艦これの同人誌即売会を取り巻く環境は今なお厳しく、集約化はこれからも間違いなく進んでいくものと考えられる。
最後にコミックマーケットにおける艦これ二次創作サークル数の推移を見て行きたい。
2013年冬のC85以来、コミケにおける艦これの二次創作サークル数は常に増加してきた。
今冬のC91では艦これサークル数は2153サークルとなっており、前回を91サークル上回った。
しかしながら、コミケは参加申し込みが他の即売会と比較して圧倒的に多いため抽選制を取っており、基本的に落選がなく申し込み数=当選数となるオンリー即売会のように「(当選)サークル数」の推移を見ただけでは傾向を掴むことはできない。
そこで、艦これ専用のジャンルコードが設けられたC87以降の艦これジャンルの (当選数, 申し込み数,当選率 [当選数/申し込み数]) を確認すると
・C88=(1846, 2230, 82.78%)
・C91=(2153, 2364, 91.07%)
となっており、当選サークル数が毎回増えているのは当選率が毎回上昇しているためで、申し込み数のピークはC89であったことが判明した。
特にC91ではC90と申し込み数がほとんど変わっていないにも関わらず当選率が3.7%上昇しており、結果的に過去最大のサークル規模を達成する直接の原因となった。
これだけの規模のジャンルで当選率が9割りを越えることは非常に珍しい。 (コミケでの規模が第2位の「東方」は (1582,1780,86.87%)、同第3位の「アイドルマスター」で (1231, 1428,86.20%) 、また「東方」が今回の艦これと同程度の当選数だったときの当選率は C85=(2246,2848, 78.86%))
この原因はおそらく同ホールに配置された他ジャンルとの兼ね合いでの端数調整に起因するものと考えられるが、より規模の小さな他ジャンルに端数分を振らなかったことにはやや疑問を覚える。(無論、艦これのファンとしては当選サークル数の増加は嬉しいことではあるが)
これまでの分析では、集約化によって減少した艦これオンリー即売会の穴を埋めるようにコミケへの参加者の集中が起こっているものと考えられていたが、検証結果を見る限りでは実体としては「コミケへの集約化は思ったほど進んでいない」あるいは「集約化は進んだがそれ以上のペースで艦これサークルが減少している」のいずれかが起こっているものと考えられる。
いずれにせよ、コミケ以外の場における強い二次創作の減少傾向が存在することからも、今後のコミケにおける艦これの動向は決して明るいものではないと予想される。
以上から、艦これの二次創作を取り巻く現在の環境は非常に厳しく、今後も現在の傾向が続いていくことになると予想される。
他ジャンルの動向を見ても、ここ半年前から「ガルパン」の二次創作が爆発的な人気を博しており (6月のSDFスペシャルや9月の砲雷撃戦に参加した方は、併催のガルパンオンリー即売会にむしろ艦これ以上の人数が集まっていたことに気付いたことと思う)、加えて東方の人気が再び戻ってきたという話も最近はよく耳にし、アイドルマスターも未だ徐々に規模を拡大しつつある。
今後、仮に二次創作が再び増加に転じることがあるとすれば、それは公式関連の劇場版が多くのファンから好評を得た場合である。
というのも、書籍や映像作品は二次創作に繋がるような要素を多く含み得るものであり、また過去にも賛否の割れたアニメの放映後に実際に二次創作活動が最盛期を迎えたという実績もあるためだ。
公式関連の人気が今だ根強いことは、この記事を書いている今ちょうど話題になっている百貨店「三越」とのコラボ商品を求めて多くのファンが店舗に集結したことなどからも伺える。
そして、コラボグッズと映像作品、どちらがより二次創作に影響を与えるかということを考えると、物語性の強い映像作品に軍配が上がることは簡単に予想できる。
しかしながら、以前に実施したコラボと内容の近いなか卯コラボやローソンコラボ第2段がやや不発気味だったことを考えると、同じ映像作品であるアニメ放映後の劇場版にどれほどのインパクトがあるか、それによって二次創作人気の下落は底を見せるか、反転後の上昇はどの程度まで達するか、などが重要となってくる。
長々と検証を述べたが、艦これ二次創作の規模は明確に縮小しているという現実を知った上で、その事実に抗って跳ね返すくらい活発な二次創作活動が今後増えてくることを期待している。
(了)
何のこっちゃ、と思う人は
http://www.zebrasmise.com/ の「C90お疲れ様でした。アカバネです」から始まる文章を読んでください。
>サークルB(私のとてもお世話になっている方)
「サークルA」は、アカバネ氏のサークルの運営に関わっているのではなく、A自身のサークルを運営しているんだよな?とか、
「サークルB」とだけ書かれると、Bという人物ではなく、Bの所属してるサークルを指してるのか?とちょっと混乱するし。
「サークルを運営している友人(以下サークルA)」は、「サークルA」と書くより「友人A」表記のほうが分かりやすいのでは。
あとこういう文章を書く時、文のはじめに「登場人物一覧」を載せておくと、読む側は理解しやすいと思う。
こんなふうに。
<登場人物一覧>
私……アカバネ。
B……サークルB所属の知人。私がとてもお世話になっている方。
X……転売屋の人。
コミケは変わった。
以下、オッサンの繰り言な。
昔もいたよ、床にベタァーって座ってるやつ。
でもこんなにいなかったよ。
こんなたくさんレイヤーいた?
彼女たち、サブカルチャーに興味なんてないよ。オジサン分かっちゃうんだよね。
ちやほやされたい、パコりたい、ATMゲットしたい。
多少まともな女人でもモデルか女優になりたい(あるいはもうなってる)。
サークルもジャンルも知らんのばかりだから、仕方なくレイヤーのおっぱいばかり見てたよ。
帰ってから、網膜に焼き付けておいたおっぱい思い出しながらシコったよ。良い時代になった。
オタ趣味がライト化したせいか、普通っぽい人もたくさん来てた、サークルエリアには。
でもカメコは紛うことなきキモオタ。オジサン……じゃなくても分かる。
宮崎勤時代を彷彿とさせる。パンピーに侵される前の、あの時代に戻りたい。
でも、持参したモバイルWi-FiルーターのWi-Fi接続に手こずったのは想定外。
混線? 何度Wi-FiをON/OFFしても自分のSSIDがリストに表示されないの。
バァーって『幼女大好き』みたいなSSIDばかり表示されて、自分のが見つからない。
仕方なく禁断の5GHz帯を使わせていただきました。冬までには出所したいです。
→違うんだ。定量的に表現できないんだけど、明らかに増えてるんだよ。今は運動会の保護者席かよっていうくらい、点じゃなくて面で場所占有してんの。
◯もうレイヤーは別のとこで単体でやって欲しいよね
→コスエリア以外でコスしている人多くない? ルール違反じゃないの?
それとワンフェスも過激。フィギュアじゃなくてオッパイのために夏冬行ってる。
◯ 場内の写真が普通にネットにどんどん上がっているのが一番の驚き。
→エアコミケができるようになったことには驚いている。#C90のタイムライン追ってるだけでも結構楽しいよな。
◯いっかい行ってみたいんだよな。
→来いよ、新参。……怖いのか?
◯幾ひととせ じゃない。ひととせ か 幾とせ だ。
→悪い。
→悪い。屋内専用チャンネル使った。屋外専用チャンネル、電波のチェックだとかいってブチブチ切れるんだよ。使い物にならん。来夏までには出所したいです。
http://twitter.com/DoubleCrossK
↑
http://anond.hatelabo.jp/20160404011536
↑
によると艦これを描いているサークル総数は年々減り続けているということで、しかもC90でもC89と比べて艦これの申し込み数が減っていた。
(C89=2425サークル→C90=2360サークル、しかし当選率が上がったので当選サークル数は同じ)
こういう艦これの危機に我先とジャンルを乗り換えて逃げ出すサークルは艦これへの恩を忘れた自分勝手な同人ゴロであり厳しく追及する必要があると思う。
特に東方が消えていれば今ごろ艦これ一色となっていたのは明らかで、東方のオワコン化に失敗した今逆に東方に流出するサークルは最も艦これに害なす存在であり、そのような背信行為は界隈全体で激しく弾劾し続けなければならない。
こういう厳格な風潮が界隈にもっと広がって艦これを無闇に捨てるサークルが減り、いつまでも艦これ同人が長続きすることを願って。