
はてなキーワード:ホーガンとは
に決定しました。
============================オリジナルコンテンツ============================
ちんぽ刑事
チンチンデビルを追え!
あと一つは?
lostnamerおぼっちゃまくん抜きは無いだろ、と言いかけて、①タイトルに局部が含まれないとNGなのか? ②作者の後年の思想言動から敬遠されるのか? が引っ掛かり素直に推薦できなくなるなど
おぼっちゃまくんのテーマは成金金持ち(成金ではないと指摘があったので修正しました)ギャグなのでちょっと違います。(NGではありませんが、スコアが低いです)
皆さまご推薦有難うございます。八月中を目途に、読んだことがないものについては少なくとも一巻を読み、三大ちんぽ漫画を決定させていただきます。抜けがあったら教えてください。
また作者名がリストされている場合は「これ」という代表作を推薦いただければそれを確認しますが、そうでない場合はググって適当にヒットしたものになります。
購入できなかったり以外に読むのに時間がかかったりで進捗が遅れています。
大変申し訳ありません。誠に勝手ながら9/5まで延長させていただきます。
追記(9/5 とかそのくらい)
sonyebook store,FANZA (DMM), Renta! 内を探しました。
私の知らないさまざまなちんぽ漫画があり、自分の不見識を恥じるばかりです。
というのは盲点でした。
ebookjapan にはあったものもありますが、なぜか買おうとしても決済が出来ず・・・。
男根平次はちんぽ漫画っぽい。漫画喫茶に行ったら探してみよう。俺たちのちんぽ漫画を探す旅は始まったばかりだ!
ちんぽ率:漫画の内容がどのくらいちんぽに紐づいているか、あるいは紙面にどのくらいちんぽが登場しているか。
ちんぽ漫画度:ネガティブな意味で「おちんぽ」と言うだろう。つまりはどれくらい漫画がつまらないか。昭和ギャグは私にとっては面白くないのだが、単なるセンスの違いかもしれないのでつまらなくても低かったりする。
持続性:局部君はちんぽ漫画なのだが、短編集の一部では”三大”とは言えないな・・・と思ったので,、傾斜をつけることにした。単話などは~50点、一巻終了は 70 点、二巻終了は 80 点、三巻以上は100 点にしたつもり。
| ちんぽ率 | ちんぽ漫画度 | 持続性 | 合計 | ランキング | そのような点になった理由など | |
| ちんぽ刑事 | 95 | 100 | 80 | 275 | 1 | ちんぽでかいの一点突破。 |
| 風のちんころう | 100 | 80 | 70 | 250 | 2.5 | これはちんぽ漫画。 |
| ちんつぶ | 90 | 60 | 100 | 250 | 2.5 | ちんぽが中心にあるがテーマは BL。 |
| ちちょんまんち | 80 | 40 | 100 | 220 | 6.5 | ちんぽは凄く出てくるがちんぽがテーマというわけではない。 |
| ドラゴンのちんちんを見に行こう | 70 | 50 | 100 | 220 | 6.5 | 四六時中ちんちんちんちん言っているが、ファンタジー世界の説明のためにちんちんの「ち」の字もない部分も多い。女の子の頭の中はちんちんのことで一杯だ~。 |
| 右曲がりのダンディー | 50 | 70 | 100 | 220 | 6.5 | 最終的にはちんぽに収束するところはあるが、半分はよく分からない男女のアバンチュール。 |
| 俺の股間は美少女だったのか | 90 | 50 | 80 | 220 | 6.5 | 割と面白い。二巻終了は 80 点。 |
| 局部くん | 90 | 100 | 30 | 220 | 6.5 | ほぼちんぽだが、一巻に満たないので持続性低。 |
| 全裸勇者 | 70 | 50 | 100 | 220 | 6.5 | 途中から中高生が描くようなノリがきつかった。本体がちんぽと入れ替わった時の死んだ目が良かった。もしかしたら少年漫画じゃない方が得意だったりするかもね・・・。 |
| チンチンデビルを追え! | 60 | 50 | 100 | 210 | 10.5 | アンがジュノーに欲情していることは明らかでジュノーのケツアナが心配でならないよね。 |
| それはただの先輩のチンコ | 100 | 40 | 70 | 210 | 10.5 | ストーリーとかちゃんとあったのでちんぽ漫画度が低め。一巻終了は 70 点。 |
| 新やる気まんまん | 60 | 40 | 100 | 200 | 12 | オットセイなので率低め。ちんぽ漫画というよりセックスコメディ漫画。 |
| 上連雀三平氏 | 95 | 30 | 70 | 195 | 13 | FANZA のおすすめ順で一番早い単行本はやまとなでシコで百合ものっぽかったのでアナルエンジェルを読んだ。9 割のページにちんぽがある。実用的な男の娘エロ漫画なのでちんぽ漫画度は低め。 |
| やるきまんまん警視庁SEX捜査官 | 60 | 60 | 70 | 190 | 14 | オットセイなので率低め。ちんぽ漫画というよりセックスギャグ漫画。一巻終了は 70 点。 |
| ヴァルハラ・オティンティン館 | 40 | 40 | 100 | 180 | 15.5 | 単なる異世界エロ漫画じゃねーか。 |
| ダンゲロス 1969 | 20 | 60 | 100 | 180 | 15.5 | 能力にちんぽを絡める必然性がないゆえにちんぽ漫画度は高め。 |
| やる気まんまん | 50 | 20 | 100 | 170 | 17 | オットセイなので率低め。ちんぽ漫画ではなくセックス漫画。 |
| おぼっちゃまくん | 20 | 40 | 100 | 160 | 19.5 | 下ネタ込みギャグ漫画でありちんぽ漫画ではない。 |
| ロボッ太くん | 30 | 30 | 100 | 160 | 19.5 | 下ネタ込みギャグ漫画。 |
| 股間無双 | 30 | 30 | 100 | 160 | 19.5 | エロファンタジーギャグ。ちんぽはあまり存在感はない。 |
| 珍遊記 | 40 | 20 | 100 | 160 | 19.5 | ずっとちんぽ丸出しだがそこまで存在感はない。 |
| ナマケモノが見てた | 5 | 50 | 100 | 155 | 22 | 下ネタ込みギャグ漫画。 |
| がきデカ | 10 | 40 | 100 | 150 | 23 | 下ネタ込みギャグ漫画でありちんぽ漫画ではない。 |
| 幕張 | 5 | 40 | 100 | 145 | 24 | 下ネタ込みギャグ漫画でありちんぽ漫画ではない。 |
| えの素 | 20 | 20 | 100 | 140 | 25.5 | 下ネタ込みギャグ漫画でありちんぽ漫画ではない。 |
| 彼と私のチxチxチャンス!! | 50 | 10 | 80 | 140 | 25.5 | 絵が可愛すぎる。ちんぽは概念として存在しており表に出てこない。 |
| クレヨンしんちゃん | 10 | 20 | 100 | 130 | 28 | 下ネタ込みギャグ漫画でありちんぽ漫画ではない。 |
| デトロイト・メタル・シティ | 10 | 20 | 100 | 130 | 28 | 公然猥褻カットはあるが・・・。 |
| 少女聖典 ベスケ・デス・ケベス | 20 | 10 | 100 | 130 | 28 | ワロタ。ちんぽはあまりない。 |
| ローゼンガーデンサーガ | 20 | 5 | 100 | 125 | 30 | ちんぽというより性欲。主題はファンタジー系。 |
| ついでにとんちんかん | 3 | 20 | 100 | 123 | 31 | 下ネタ込みギャグ漫画。 |
| 行け!南国アイスホッケー部 | 1 | 20 | 100 | 121 | 32 | おお・・・一巻はほぼアイスホッケーをしている・・・。 |
| ジャングルの王者ターちゃん | 10 | 10 | 100 | 120 | 34 | どちらかというとタマキンがいじられている。 |
| トイレット博士 | 0 | 20 | 100 | 120 | 34 | うんこ漫画じゃねーか。うんこちゃん可愛い。 |
| 夫のちんぽが入らない | 20 | 0 | 100 | 120 | 34 | ちんぽが中心ではあるが、ヒューマンドラマ。 |
| シティーハンター | 10 | 5 | 100 | 115 | 37 | ちんぽの役割はサブキャラ程度。 |
| 東京DTED | 5 | 10 | 100 | 115 | 37 | いんぽ漫画。 |
| 冒険に行く服がない | 5 | 10 | 100 | 115 | 37 | ちんぽは早々に隠され口の端にも上がってこない。そもそも生えてない可能性もある。 |
| ゴールデンカムイ | 10 | 0 | 100 | 110 | 41 | チンポ先生と勃起くらいしかない。 |
| ムシヌユン | 10 | 0 | 100 | 110 | 41 | ちんぽは重要なガジェットではあるが主題ではない。 |
| 旅だて!Jr. | 40 | 0 | 70 | 110 | 41 | ストーリー的なものがちゃんとある。一巻終了は 70 点。 |
| 課長島耕作 | 10 | 0 | 100 | 110 | 41 | セックスはあるがちんぽはあまり存在感が無い。 |
| 精装追男姐 | 30 | 10 | 70 | 110 | 41 | ちんぽが中心にあるが一般的なエロ漫画。一巻は 70 点。 |
| クライング フリーマン | 5 | 0 | 100 | 105 | 47.5 | セックスはあるがちんぽはあまり存在感が無い。 |
| タフ(高校鉄拳伝タフ) | 5 | 0 | 100 | 105 | 47.5 | めちゃ面白いな。ちんぽはたまに出る。 |
| モンモンモン | 0 | 5 | 100 | 105 | 47.5 | ちんぽは常にもろ出しだが、存在感がまったくない。 |
| 俺の空 | 5 | 0 | 100 | 105 | 47.5 | セックスはあるがちんぽはあまり存在感が無い。 |
| 御用牙 | 5 | 0 | 100 | 105 | 47.5 | セックスはあるがちんぽはあまり存在感が無い。 |
| 実験人形ダミー・オスカー | 5 | 0 | 100 | 105 | 47.5 | セックスはあるがちんぽはあまり存在感が無い。 |
| 女犯坊 | 5 | 0 | 100 | 105 | 47.5 | セックスで色々解決はするが概ねサスペンス系青年漫画。 |
| 闘破蛇烈伝DEI48 | 5 | 0 | 100 | 105 | 47.5 | 性欲ドリブン格闘漫画。 |
| ゴルゴ13 | 2 | 0 | 100 | 102 | 52 | セックスはあるがちんぽはあまり存在感が無い。 |
| アフロ田中で男全員陰茎になる回(中退アフロ田中?) | 0.1 | 1 | 100 | 101.1 | 53 | 下ネタ込みギャグ漫画でありちんぽ漫画ではない。 |
| シドニアの騎士 | 1 | 0 | 100 | 101 | 55 | 紬が陰茎に似てるだけじゃねーか。 |
| 地獄先生ぬ~べ~ | 1 | 0 | 100 | 101 | 55 | 一巻にちんぽは無かった。 |
| ハイパーインフレーション | 1 | 0 | 100 | 101 | 55 | 概念射精はあるがちんぽはそれほど存在感が無い(むしろ”小さくなる”という設定だった気がする)。 |
| ジョジョの奇妙な冒険 | 0 | 0 | 100 | 100 | 59 | ショタちんぽしかねーだろ。 |
| ドッジ弾子 | 0 | 0 | 100 | 100 | 59 | 単にキャラ名なので。親は何考えてんだ。 |
| 花さか天使テンテンくん | 0 | 0 | 100 | 100 | 59 | ちんぽは常にもろ出しだが、存在感がまったくない。 |
| 寄生獣 | 0 | 0 | 100 | 100 | 59 | ちんぽあったっけ? |
| 幽☆遊☆白書 | 0 | 0 | 100 | 100 | 59 | 普通の少年漫画。 |
| めいどin! | 20 | 5 | 70 | 95 | 62 | 概ね普通のエロ漫画。一巻終了は 70 点。 |
| 怪人アッカーマン | 10 | 10 | 10 | 30 | 65 | 単話なので10 点。 |
| ぼくらのスゴイやつ(ウホッ!!ヤマジュンセレクションやらないか) | 10 | 0 | 10 | 20 | 66 | ちんぽ漫画というよりホモセクシャルコメディ。単話は10 点。 |
| 妖怪チンポ | 0 | 0 | 10 | 10 | 67 | 単なるキャラなので。 |
| へんき~んタマイダー | ? | ? | ? | 0 | 74 | |
| へんちんポコイダー | ? | ? | ? | 0 | 74 | |
| デカちん喫茶 | ? | ? | ? | 0 | 74 | https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ01428240.html |
| ビール瓶でガンガンに叩いてるやつ | ? | ? | ? | 0 | 74 | |
| ヒロインくん | ? | ? | ? | 0 | 74 | https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%8F%E3%82%93 |
| ペニスマンTHE_PENISMAN | ? | ? | ? | 0 | 74 | |
| やっぱ!アホーガンよ | ? | ? | ? | 0 | 74 | |
| 益荒男 | ? | ? | ? | 0 | 74 | |
| 花平バズーカ | ? | ? | ? | 0 | 74 | ebookjapan にはあるのだが。。。 |
| 頑丈人間スパルタカス | ? | ? | ? | 0 | 74 | |
| だしちゃえ!・親子の穴に出しまくり(ガロン塚本) | ? | ? | ? | 0 | 74 | 何故か「だしちゃえ!」だけFANZA になかった。 |
| 小ちんぽも救って欲しいです | ? | ? | ? | 0 | 74 | そうですか・・・ |
| 青春チンポジウム | ? | ? | ? | 0 | 74 | |
| 男根童子・男根平次 | ? | ? | ? | 0 | 74 | かなりのちんぽ率っぽいのにebookjapan にもebookstore にもdmm にもない。残念。 |
| 美味ちんぽ | ? | ? | ? | 0 | 74 | 山岡さんのBL同人「お仕置きえっちで美味ちんぽ」があったが、紙媒体しかなかった。FANZAに「美味ち〇ぽ」という栗田さんメインの同人もあったが、これは伏字ではなく正式に「ち〇ぽ」だったので別物とみなした。 |
Permalink |記事への反応(22) | 17:23
俺も一昨年一年発起して、20年勤めた従業員50人ちょいしかいない中有小企業から、グループで12万人いる一流企業(時価総額は日本で50番以内)に転職したら色々と衝撃的だったので書くわ。
Permalink |記事への反応(10) | 12:08
積んでたジャンプを消化してる。ワンピースでルフィたちが巨人の国エルバフに到着した。そこでルフィたちは謎の町に閉じ込められるわけだが門番をしている凶暴うさぎに襲われるも逆にやり返して丸焼きにして食べてしまう展開があってびっくりした。モブの獣を狩って食べるシーンなら今までもあったような気がするけど、一応名前がつけられたキャラで多少は知性がありそうなのに食べちゃうんだって思った。門番には凶暴ネコもいるけど、こっちはボコボコにしてルフィたちの舎弟になり乗り物代わりにされた。従来のワンピース的な展開はこっちだよなぁと。物語も終わりに近づきハードな展開になってるのか。
エルバフ編はまだ序盤だがすでに貼られた伏線がホーガンの『巨人たちの星』を彷彿とさせるものであったり面白くなりそうで先が気になる。
試合の内容の是非というよりは、後世に残した影響の強さを重視して選出しました。
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』でもお馴染みだが「プロレスとは何か」を深淵の底に落とした試合である。この試合の真実に関しては諸説あるが、ともかく力道山が木村をシュートで潰したことは単純に眼前の事実である。「プロレスとは八百長ではなかったのか?」日本プロレス史における「プロレスとは何か」という問いへの解答がこの一戦で全て分からなくなってしまい、今もその謎が解けたとは言い難い。また、当時のプロレス界は柔道出身が多かったものの、木村がこのような形で潰されたため、もし木村が勝っていたら今のプロレス界は柔道の系譜がもっと強くなってまるで違う別物に変わっていた可能性が高い。当時の日本の強さの象徴といえば柔道であり、その柔道をプロレスが上回ったのだから当時の衝撃たるや、である。少なくとも逆水平チョップという技がこれほどスタンダードな技として使われる(アメリカなどはナックルが主流)のは間違いなく力道山の影響だろう。
言わずとしれた世紀の凡戦であるが「猪木・アリ状態」が発生しただけでこの試合は人類史に残す価値のある試合である。この辺はあらかた語り尽くされているので多くは書かない。また、試合を実現させる猪木マジックとも呼ぶべき「巻き込み力」はエネルギッシュだった昭和の世相を反映していると言えよう。
初代のタイガーマスクがデビューした試合で、今見ても全く色褪せない。漫画のキャラクターが実現するメディアミックスという手法も新しかったが、マスクを被った佐山の才能は20年ほど時代を先取りしていた。四次元殺法とも評されたその戦いぶりは軽量級レスラーに偉大な影響を残した。
選手としてはピークを過ぎて会社内での立場も危うくなってきた馬場が、自身のレスラー生命の生き残りを懸けて行われた一戦。ハンセンはこの当時、選手として全盛期であったため馬場は殺されてしまうのではとさえ言われていたが、試合開始直後に放った16文キックがクリーンヒットし、会場の空気が一気に馬場一色となった。この試合は引き分けという不透明決着に終わるも、馬場はその人気再沸騰で会社内でのイニシアチブを取り戻すこととなる。レスラーはリング上でこそ輝きを取り戻すという、レスラーの原点を示した一戦。個人的には倒れているハンセンの左腕をガッツリ踏み潰すキラー馬場が滲み出た瞬間が一番アツい。
公私ともに何もかも上手くいかず、自暴自棄になっていた時期の猪木が行った一戦(元々の発案者は藤波であったとも言われているが、なぜか猪木がやることに)。猪木と巌流島に立てられたリング上で時間無制限、ノールール、レフェリー無し、無観客試合という前代未聞の試合に付き合えるのはマサ斎藤くらいしかいなかった。後年、この試合を振り返るマサ斎藤のインタビューがあるのでこちらも読んで欲しい(https://number.bunshun.jp/articles/-/842688)。試合は2時間を過ぎたところでマサ斎藤が裸絞めで失神し、猪木が勝利した。観客を排して一切のしがらみを捨て、レスラーが純粋に二人のためだけに試合をしたらどうなるのか、という後年でも見られない極めて前衛的な試合になったと言える。
プロレスを守るためにプロレスをした武藤と、プロレスを強くするためにシューティングをした高田の一騎打ち。新日本とUWFインターの対抗戦として行われたこの興行のメインイベントは、新日本4勝、UWFインター3勝で迎えられた。高田としてはこの試合に勝てば4勝4敗で終われるが、この試合に武藤の保持するIWGP王座がかかっていたため、4勝4敗でもベルトが動いた分UWFの方が上を取れるという状況であった。お互いのスタイルをお互いが貫き合い、武藤の持つドラゴンスクリューという極めてプロレス的な技が、高田の多用するキックへのカウンターとして機能することが勝敗を分けた。最後も足4の字固めというプロレスを代表する固め技で武藤がギブアップを奪った。戦いのスタイルが全く違っても、そのスタイルを両者がいかに主張できるかで試合は面白くなる、ということを示した貴重な一戦。
橋本の1勝3敗で背水の陣を敷くべく「負けたら即引退」を掲げて小川へのリベンジを臨んだ一戦。この二人のシングルマッチで一番面白いのはやはりこの5戦目である。橋本はジャンピングエルボーを炸裂させて小川の肩を脱臼させるも、その後の三角絞めで腕を取った際に外れた肩を偶然嵌めてしまうという珍事も小川に味方し、最終的には小川がSTOの連発で橋本をKOした。完敗した橋本は本当に引退するも、折り鶴兄弟(詳細は省略)の助力もあり復帰。最終的には小川とタッグチームを組み、親友となった。戦いの末に友情が生まれるというジャンプ漫画でありそうな展開は現実でも起こるという、プロレスにフェイク無しを魅せつけた一戦。
既に引退していた長州をなぜか大仁田がストーキングとも言える言動を繰り返すことで呼び戻すことに結果的に成功し、大仁田のお家芸である電流爆破デスマッチが実現した。プロレスは「ネバー・セイ・ネバー」(絶対に無いということは絶対に無い)という矛盾を孕んだ言葉のまやかしを大仁田の執念が証明してみせた一戦。試合は長州の勝利。なお、この大仁田が長州へしつこく対戦を要求する様子は当時のプロレス番組で放映されており、それをレポートする真鍋アナウンサーとのやり取りも「大仁田劇場」として注目された。最初は大仁田からの理不尽な扱いに「サラリーマンって大変だなぁ」とファンに同情されていたほどだったが、最終的に真鍋は大仁田へ「電流爆破、見たいです!」と直言するまで成長し、この試合の実況も大仁田に傾倒する内容で行った。
2000年はプロレス界激動の年だった。6月に全日本プロレスから選手がクーデター同然に大量離脱し、残った選手は川田利明と渕正信の2名だけとなった。全日本はなんとかして起死回生を図らなければならず、鎖国状態にあった同じ老舗団体である新日本プロレスとの交流に活路を見出した。8月11日、渕がスーツ姿で新日本のリングへ上がり「(鎖国状態にあった)壁をぶち破りに来ました」と話し、新日本の現場監督である長州力と固い握手を交わしたところへ抗議しに現れたのが蝶野だった。乱闘をしかけようと興奮する蝶野だったが、渕は冷静に受け流し、蝶野が落とした帽子を「蝶野、忘れ物だ!」と帰ろうとする蝶野へ投げつけるシーンが完全にプロレスファンの心を掴んだ。これを受けて行われたのが全日本のリングでの二人のシングルマッチである。結果は蝶野の勝利であったが、全盛期をとうに過ぎた渕が堂々とした態度とマイクで第一線を張ったおかげで全日本は辛うじて生き残ることができた。いつ誰がどんな形で主役を張らなければならないかは分からない、運命の数奇というものがプロレスにはあり、渕は突如訪れたその大役を果たすことができたから今も全日本という団体は存続している。
一方、全日本プロレスを大量離脱した選手たちによって旗揚げされたプロレスリング・ノアは、旗揚げして1年足らずで日本テレビの中継がつき、ほどなくして日本武道館興行が行われるなど、ハッキリ言って順風満帆だった。試合のクオリティも高く、当時の2ch・プロレス板で「ノアだけはガチ」というフレーズも生まれた。この試合で三沢は小橋を花道から場外マットへタイガースープレックスで投げ飛ばすという荒業を敢行。実況していたアナウンサーが「死んでしまう!」と絶叫した。しかし最後は小橋がバーニングハンマーを繰り出して逆転勝利。ベルトの価値、そして団体の価値というものをどうやって高めるのか、を方舟に乗ったレスラーが探し求めて辿り着いたのがこの試合である。純プロ路線でありながらその究極系を突き詰めた結果という意味において、選出すべき試合であることは間違いない。
以下、選外
この当時、最も権威のあったNWAヘビー級ベルトを日本人で初めて戴冠した試合。
全日本プロレスで開催されたこの年の最強タッグリーグ戦の優勝決定戦で、ブロディの親友であるハンセンがセコンドに帯同。場外戦にもつれ込んだ際、ハンセンが試合にラリアートで介入し、ブロディ、スヌーカー組の優勝をアシストした。この暴挙に馬場が怒り狂い、試合終了後にハンセンと乱闘を繰り広げ、前述のシングルマッチへ発展する。
故意か事故か、川田が三沢に対して垂直落下式パワーボム(通称:三冠ボム)を敢行した試合。勝利した川田だったが、試合中に実は腕を骨折しており全治3ヶ月となった。
ハヤブサ(FMW)、新崎人生(みちのくプロレス)というインディー団体のレスラーでもメジャー団体のベルトを巻けることを証明した試合。この当時のインディー団体の立ち位置は非常に弱いもので、これを覆すのは至難の業だった。この両名はインディー団体の中でも頭2つ抜き出た存在で、全日本プロレスの至宝を獲得することに成功した。なお、このコンビは米マット界でも活躍しており、日本を代表するタッグチームと呼んで良い。
犬猿の仲となり、顔を合わせるのもNGであった二人のシングルマッチが、みちのくプロレス創立10周年という大舞台で実現。ホーム戦であったサスケが敗れ、試合後のマイクで弱音を吐いたところ、客席より「みちのくプロレス50年化計画はどうなるんだ!」という野次に勇気づけられ、顔を上げたサスケは「みちのくプロレスは永久に不滅です!」と改めて宣言した。客もまたプロレスを作り上げる1人であることを明示した試合である。
デスマッチの「やれるところまでやる」をやり切った試合。頭の中に引退がチラついていた葛西が後楽園ホールのバルコニー席からテーブルダイブ攻撃を浴びせるなど、デスマッチの限界を攻めた試合となった。30分1本勝負のところを29分45秒で葛西が勝利し、この年の週刊プロレス大賞ベストバウトを受賞した(デスマッチが受賞するのは極めて珍しい)。試合後のインタビューで葛西は現役続行を宣言したことから、デスマッチというジャンルにおいて次の時代への扉を開けたワンマッチであったと言えよう。
今もなお語り継がれる衝撃映像のアレだが、そもそも試合ではないことと、別に重要ではないため選外。
10選じゃなくて10戦にすればよかったなぁ。でも検索に引っかかりにくくなるからいいか。
・全日本プロレス軽視では?
⇒そういうつもりもなかったが、全日本は良くも悪くもプロレスというものを護ろうとして頑張っていた保守団体なので、地道な積み重ねをしていて変革が起きる瞬間というのが限られていたので仕方ない。逆に全日本があったから新日本はハチャメチャでも許されたのだと思ってるし、ハチャメチャし過ぎた結果、何度も会社ごとハチャメチャになりかけていた点をプロレスファンは忘れていない。選外には全日本が多いのでご容赦を。
⇒自分が最近の試合を追いきれていないのもあるが、どちらかといえば後年振り返ってみて「アレがあったからだよなぁ……」と思わされる要素があるかどうかで選出した。タイガーマスクがいなければ今のジュニア戦線はヘビーの焼き直しかルチャのマネごとレベルになっていた可能性もあるし、渕があそこで全日本を崖っぷちで踏みとどまらせたから後々の団体交流戦の活性化が生まれたのだと思う。歴史を紐解いた時に外せないかどうか、って感じ。例えば「猪木vsホーガン」みたいな試合は事件としてはとてつもなく大きなものだけど、じゃあアレが後年に何か影響を与えたかって言ったら、そういう種類の話ではないので。
・総合格闘技戦について
⇒自分も桜庭和志には胸熱した世代ではあるものの、さすがにPRIDEリングでの試合を選出するのは違うだろうと思った。そもそもアレは総合格闘技という競技をたまたまプロレスラーと柔術家がやっていただけである。桜庭が勝ったのはもちろん嬉しかったが「プロレスラーは強いんです」と言われたのは複雑で正直、気持ちとしては受け入れ難かった。それは桜庭個人が総合格闘技という競技に向かい合って努力した結果であって、プロレスラーというものに一般化してしまうのは危険なのでは……と思っていたら翌年、普通に永田がミルコに負けていた。
・女子プロレスは?
⇒女子は女子で深いジャンルなので、もうそこまで踏み込んじゃうと10選じゃ足りなくなるので恐くなって考えるのを止めました。そもそも女子はそこまで詳しくないので。というわけで、これを見ている増田! 書かないのか!? 今しかないぞ、俺達がやるのは!
・信彦じゃなくて延彦な
正直すまんかった、正直ポカした。
Permalink |記事への反応(13) | 12:23
飲み屋の入り口に旅館の玄関にあるような「歓迎 男だらけの増田ブクマカオフ会 御一行様」と書かれていた。
ちょっと躊躇したが中に入る。大広間に通されるともう始まっていた。
たまたま座った席の向かいにいた人が親切で、自分が初参加だと伝えるとどの人が誰だとか教えてくれた。
派手な服を着て司会をしているのがちかさん、お礼ばっかりしているのがりかむさん。
壁と柱の陰でひっそり飲んでいる、顔が半分くらいしか見えない古葉監督みたいな人はきずぽんさん。
こういうときはアイコンが似ている人たちが集まるんだよ、と蝶ネクタイの人が教えてくれる。
あそこのグループはMさん(ちゃんとおでこにMがあった)とみきさんとでん六さんとたらこさん。
ぱっと見は見分けがつかないけど、でん六さんがかっこいいように思った。
(頭全体を覆うタイプの)鳥のマスクをかぶったグループもあった。まーさんりーさんそんさん、これは自分でも判別がついた。
でもどうやって飲み食いしたのかは謎のまま残った。
パワポさんは実写顔バージョンで参加していた。松本さんと一緒に飲んでいた。
自分が見て分かった男の娘は二人いた。いまいち萌えない感じの人とよく知らない人。
萌えない人は甲斐甲斐しくサラダとか取り分けていた。よく知らない人は度の強いお酒をストレートでガンガン飲んでいた。
金髪の縦ロールの人は不参加だったので残念だった。
DDBさんは大きすぎて会場に入れないから欠席なんだ、と蝶ネクタイさん。
でも2次会のカラオケは参加するんだって。どんだけ高さのあるカラオケ屋なんだろうか。
阿Qさんも今オープンカーで向かっているらしい。電泳さんは遠いから不参加らしい。
さぶろーさんや、無力さん、フロッグさんも見かけなかったので不参加だったのかもしれない。
建物が軽く揺れて1次会はお開き。DDBさんが着いたことを知らせるためにつついたらしい。
せっかくなのでみんなで写真を撮った。草鞋姿のDDBさんの足の親指の毛が女性のロングヘアくらいの長さだった。
この物語の基本的な原理は次の通りだ。「宇宙の資源は有限である。しかしすべての文明は成長し・生き残りたい。よって、自分が生き残るためには相手を皆殺しにしていい。さもなくば相手に殺される」。そこから出てくる結論は「相手の位置がわかったら即座に抹殺するのが最適解」。「相手と対等の立場に立って交渉するには、いつでも相手の文明の座標を全宇宙に晒す装置を作ればいい」。
これが適用されるのは地球人対エイリアン・三体人だけではない。宇宙戦争ののち、孤立した地球人の宇宙船同士も相互不信に陥り、突然殺し合いを始める。この原理原則に例外はない。
どうしても攻撃したくなければ、相手の脅威にならないと示すため、限定された空間の中に引きこもるしかない。
エイリアンのたった一つの水滴という兵器に、地球の最強の兵器であってもまったく歯が立たない。あるいは、エイリアンが数百年の偽りの平和ののち、地球人を何の共感もなくジェノサイドする・餓死させることを宣告する場面。主要なキャラであっても容赦なく殺してしまう命の軽さ。無意味に死んでいく人々。愛し合うカップルであっても、異なる早さの時間に引き裂かれる。この絶望感こそが本作の醍醐味だ。
さらに、地球人の文明が通りすがりの三体人とは別のエイリアンの作った名刺大の兵器で、三次元から二次元の物理世界に落とされて再起不能になるまで破壊されるシーン、これは最も美しく壮絶な太陽系・人類滅亡の場面だ。これを読むためだけに「三体」を買うだけの値打ちがある。
それだけではない、現在の宇宙が四次元時空で光速が有限なのも、本来は十次元で光速無限だった世界が、宇宙戦争で使われた次元兵器による「堕落」の結果だと示唆される。感動的なまでの悲観主義!
宇宙戦艦、超兵器、エイリアン、コールドスリープ、超構造体(メガストラクチャー)、ネトゲなど、絵になる風景ばかりだ。確かにSF的モチーフを大量に詰め込むと粗削りになりがちなので、作品によっては一つに絞ったほうがいいと思うこともあるんだけど、これはいい。
これは欧米のSFではほとんど見られない。中国が扱われるとしたら古代文明の謎であるとか、悪の共産主義陣営とかで出てくることが多いので、まず中国が舞台であるというのが新鮮だ。始皇帝とか荊軻とかいう名前が出てくるだけでもうれしい。中国から見た日本文化ってのも、なかなか見られないから楽しい(ケン・リュウも書いているけどね。あと、中国人からしても日本と言えばカミカゼと忍者と茶道なのね。あとは雀魂とか)。
関係ないけど、英語版のウィキペディアは概して日本よりも記事が多いし細かいことが書いてあるが、中国の歴史については日本語版のほうに一日の長があることもある。
あと、文化大革命が背景になる中国の小説とか映画とかって、面白いのが多い。
クラークとか小松左京とかじゃないとやらないくらいの発想がぽんぽん出てくるのが素晴らしい。
SFはリアルさを求めて、技術革命とそれによる社会の変化を描くこともあるし、現実の社会問題に肉薄することもある。雑食の僕はそれはそれで面白くて大好きなんだけど、定期的にSFのルーツにある「人類の、そして宇宙の終局的な運命とは」「不可解なるエイリアンとの出会い」みたいなテーマの作品をどうしても読みたくなる。
第一部でエイリアンの軍勢を地球に呼び寄せてしまうのは人類に絶望した女性科学者・葉文潔だ。「いっそ愚かな私たちを滅ぼしてくれ」と宣言してしまう。第二部ではエイリアンに対抗するために地球の資源を使い放題にしていいと許可された「面壁者」羅輯が、どうすればいいかわからずに、かわいいだけの理想の妻を求める(一緒に問題を考えるパートナーではない!)。さらに、第三部ではエイリアンと和解した人類が、数百年の平和を経て穏やかになっており、「日本や韓国のアイドルのように」「女性化」していると描写される(前に「原神」のキャラとか”男らしくない”俳優とか実際に規制されてたよね)。
そして、コールドスリープから目覚めた主人公の女性・程心もエイリアンの文明を破壊するための報復装置を、弱気さから起動し損なう(これがさっき述べたエイリアンによる人類のジェノサイド宣言につながる)。
同時にコールドスリープしていた軍人は「この社会はもっと雄々しくあるべきだ」という趣旨のマッチョなことを述べる。2010年のSFだけどこれでいいのか。このシリーズを普通に面白いと褒めていいのかオバマさん。僕はジェンダー意識がかなり保守的なほうだと自覚してるけど、これはちょっと弁護できないな(というかこれだけ女性の扱いが悪いと、作者には過去につらいことがあったのか? って心配になる ※1)。
さらに、第三部の主人公・程心は、使者として脳だけになってエイリアン文明に入り込んだ恋人・雲天明が、エイリアン文明の中枢から伝えてきた、人類文明を救うための暗号化されたメッセージを解読し損ない、これも人類滅亡の遠因となる。
つまり人類の滅亡の契機は、ほぼすべて女性に起因している(いずれエイリアンに見つかっただろうけれども、直接の契機は女性)。寡聞にして、この点を検討している評論を見かけていないけれど、ググればどっかにあると思う。
三部作全部ドラマ化するとしたら、この辺テコ入れされるんじゃないかな。
※1 同じ心配をしているのが「たんぽぽ娘」のロバート・F・ヤングで、若くてかわいらしい女の子といちゃつく小説がやたらと多い一方で、「ジョナサンと宇宙クジラ」では年上の女性たちや・女性の上司に日常的に暴力を振るわれている描写がある。成熟した女性に対する嫌悪と恐れを読み取ってしまうのは、気のせいだろうか。
エイリアンとの戦争に勝つためにはどうすればいいかと軍人が議論する中で「エイリアンに負けるかもしれないという精神的敗北者を追放する」「エイリアンのシンパ・スパイを排除する」という結論が出てくるの、なんというか現実の中国共産党の発想なんだけど、エイリアンに対してこういう態度を取るのは欧米だと冷戦時代のSFが多い(この前のホーガンとかね。でもホーガンは「未来からのホットライン」が面白いよ。「シン・エヴァ」の元ネタだし)。なんというか、「三体」が悪いというより、中国政府がいまだにスパイ大作戦な冷戦の世界観で世界を見ているという感覚が生々しく伝わってきて幾分げんなりする。マジで共産党が「最善の防御は皆殺し」とか考えていませんよーに。さっきの女性の扱いと含めて、数十年前のSFを読んでいる気分になってしまった。
第一部からエイリアンの超粒子で地球文明が監視されて物理学の発展が阻害されるんだけど、これも敵のスパイに見られているという被害妄想的な感じがする。
深読みすれば、共産党に監視されている国民の恐怖・心象風景なのかもしれないけどね。
SFってのはある程度ブラフが必要で、トンチキな場面も出てくるんだけど(それをどうやって読者に悟らせないかが仮定の文学であるSFのテクニック)、たとえば第一部で地球文明を隅々まで監視できるだけの技術文明を、地球のナノワイヤで倒せるってのは、ちょっと無理があるんじゃないか?(追記。せめて向こうでナノテクが発展していないエクスキューズがほしいよね)
人類に対して敵意を持っている宇宙の中での、人類の行く末について最後まで描き切った蛮勇がとても好き。三部作の壮大さのおかげで、隠せない欠陥にもかかわらずこの作品を気に入ってしまっている。第一部よりも第二部、第三部の順で面白くなっているのもいい。自分の中では★二つから★四つ半くらいまで評価が上がっていった。作家として器が大きくなったって感じたよ。
ラストの逃避にも似た、小さな農園を備えた小宇宙も、中国の伝統的美意識・神仙思想・隠遁に繋がっていていい。美意識が共有できると嬉しいよね。
全体として思ったのは「これって炒飯とラーメンと餃子の特盛セットじゃん」ってことだった。みんながSFと聞いて思いつくネタをがっつり取り込んでいる。読んだSFの冊数が増えると、青椒肉絲とか麻婆豆腐とか黒酢酢豚とか、燕のスープとかフカヒレとかいろいろあるのがわかってくるし、全部乗せを馬鹿にしたくなる気持ちも出てくるけど、なんだかんだで小さい頃に食べた大味な全部セットが無性に食べたい日もある。
時々どうしても受け入れられない価値観に出会うこともあるけれど、なぜそう考えるようになったのか? なぜ自分は不快と感じるのか? と考えると、共感的に理解できるかもしれない。少なくとも自分の価値観があぶり出される。
過去は批判し、そのうえで現代をよりよくしていこうと思うが、だからといって過去を見くだしたいとは思わない。好きなところ、好きになれないところ、両方を検討するのは楽しい作業だ。
本を読んだときはたった一つの気に入った言葉があればいい。映画を観たときは一つでも好きな場面を見つけられたら良しとする。美術展に出かけたら、一枚だけでも気に入った絵があれば外に出た甲斐がある。
こうして欠点もあるけれども面白かった作品について書いてみて、「もういいや」って思ってた外伝にも、手を出したくなってきた。
それではまた。
「三体」人気すごいなあ。久しぶりにバズったよ。
これは外国文学を読むときの鬼門で、自分は三国志にゲームとか小説とかで親しんでたからなんとかなったけど、そうでないとしんどいかも。
おすすめのロシア文学もなかなか読んでもらえないのもこの辺りに理由がある。
基本的にはメモしたり声に出したりしてその国の言葉のリズムに慣れるのがおすすめ。マニアになってくるとジョンとヨハネとイワンが同じ起源だとか気にし出すけど、これが通用するのはアラブ世界までだしね。
SFじゃないのも含むけど、
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あとは、
これはちょっと思った。原初のSFにある奔放な想像力、よくそんなネタ思いついたな! みたいなのがたくさんあるのが「三体」のいいところ。
で、それがモヤモヤする理由でもある。SFが洗練されてくると科学的正確さとか政治性とかを無視するわけにはいかなくなる。自分と異なった属性に対して誤った知識が広まらないよう、表現にルールがあるのは大切だと信じる一方、気持ちの面では想像力が羽ばたくのを少しも邪魔されたくない自分もいる。だから、反発する人の気持ちもわかる。
なので、正確性とかに気をつかったSFに慣れた身からすると「こんな粗削りでもウケるんだ! 売れるんだ!」という意外さと、先を越された悔しさがある。だから、元増田みたいにSFの外にまで広がった作品を「センスがない」とディスりたくなるのかも。
でも、僕も最初はそういう作品から読み始めたわけだし、重箱の隅をつつくような外れ値の古参よりも、作品を買ってくれる新しいファンがどんどん増えたほうがジャンルは育っていくし、若いファンは「にわか」呼ばわりするのを恐れずどしどし読んでほしい。
そういえば第三部でアボリジニのおっちゃんが出てくるけど、欧米の作品だったらもっと白人文化に対して批判的だっただろうし、なんだったら三体人に押さえつけられるときにももっと痛烈な言葉をはかせていただろうな。より強い文明と出会ったことによる悲劇のメタファーとしては扱いが若干雑だ。
以上。
早川書房・翻訳SFファンタジイ編集部のツイッターに捕捉されてて吹いた。
Permalink |記事への反応(12) | 07:52
時機を逸したけど。
最近のSFも割と好きで、それこそ伊藤計劃みたいに現実の社会問題を扱う作品のおかげで「社会学や社会学SFなんてつまんない」って気持ちをひっくり返してくれたし、最近はキャラクターがかわいいSFが多いんだけど、古典SFのキャラや社会問題よりも、核にある純粋な論理を重んじる姿勢はやっぱり時折読み返したくなる(僕の友人はダンチェッカーはツンデレかわいいとか言ってるけど、それはさておいて)。
確かにこの作品というかシリーズには欠点もあって、特に第3作は陰謀論っぽくてあまり好きじゃないし(人類の愚かさを人類以外のせいにするのはダサいってのが僕の感覚)、ホーガンは途中でトンデモ宇宙論にハマっちゃうんだけど、ロジカルな作品世界が僕はとにかく好き。
確かにこの作品はベストじゃないけど、やっぱりティプトリー・ジュニアは好きだ。「愛は定め、定めは死」がお気に入り。
ある編集者が「最近のSFはつまらん、男らしい作品を書くのはティプトリー・ジュニアくらいだ!」と嘆いていたら実は女性だったって結構笑える。
古い作品って、いろんな作品の元ネタになったりしているから、ダサいと考えるよりも、そこから派生した作品をそっと差し出すと、この作品が好きだって言った人にも喜んでもらえるんじゃないかな? もしかしたら派生作品も含めて好きといったのかもしれない。
ノーランだったら「TENET」のほうが確かにSF度が高くて好き。背景の地球の滅亡の理由もよくわからないし、何となく宇宙に行かずに大地に縛り付けられた農家をバカにしているところあるし。SF設定がザルな個所もかなりあるのは認めないといけない。でも、SF映画の場合リアリティのレベルを小説と同水準に持っていくのは無理があるし、科学的な論理で驚かせるのは小説のほうが向いている。時間旅行SFでは感傷的にして泣かせてなんぼでしょう。そりゃあSF慣れしてたらこれ伏線だろうなとか最後は年齢差で泣かせる気だなとか読めちゃうけど、それが作者が悪いというより僕ら受け手がスレてるんじゃないかって疑うべき。
僕はSF映画に関しては科学的正確さよりも、どれだけ絵になる風景が出てくるかと、作中の機械や装置のデザインがどれ程優れているかで評価している。
それにロボットかわいいじゃん。加速する宇宙船の中であんな角張ったロボット危ないに決まってるけど、人間離れした姿に善意を持つロボット萌え。
基本的に僕は加点評価が方針、そうじゃないとSFに限らず古い作品って読めなくない? 実際、創作してみると科学的厳密性とキャラ立てとわかりやすさとその他色々、トレードオフの関係にあって、理想の作品って滅多に会えるもんじゃないってわかる。
「暗黒声優」とか面白かったじゃない。作中でエーテルが存在するとしたらどのような物理学が現実のものになるかを、虹色に輝く地球の表面として美しく描写してくれている。
好きなんだけどなあ、手塚治虫のSF短編。確かに今読み返すと、当時は最先端だったけど今は陳腐化したネタとか、科学的正確さがいいかげんなのはあるんだけど、それでもつまんないSF映画よりもずっと面白い。ストーリーの語り方・盛り上げ方がすごい。話が面白いと、すでに否定された科学理論に基づいた話でも読みごたえがある。
というかどんなジャンルも書けて、しかも常に一定以上のレベルの作品を出力していた手塚治虫って化け物だよ。創作しててそう思ったよ。
関係ないけど「W3」のプッコ中尉のドタバタはドナルドダックに似てるし、星真一の父ってディズニー版ピノキオのゼペットじいさんに似てる。
作者が弐瓶勉と椎名誠が好きなのがひしひしと伝わってきて楽しい。
あと、この人は一発屋ではなくて、「人間たちの話」だとかいろいろSF短編集を書いてて、とくにこの表題作を読んで「この人こんなウェットなストーリーも書けるんだ」ってすっごく驚いた。ひょいひょいとアイディアがわいてきて、それをスマートに調理するもんだから、頭が良くていけ好かないと感じていたんだけど、この一作で評価が変わった。
「沈黙のリトルボーイ」って短編も原爆SFとしてオススメ。宮西健礼「もしもぼくらが生まれていたら」と一緒に読むと楽しい。
「タイタンの妖女」や「スローターハウス5」のほうが好きなんだけど、最初に読んだので思い出深い。村上春樹の初期の短編とかブローティガンとか好きだし。
あまりにも悲惨な現実を相対化するのは、一歩間違えば現実逃避の冷笑主義になるんだけれど、狂気の世界を別の狂気で批判する方に踏みとどまっているから好き。
気が向いたら「三体」の好きなところとツッコミを入れたいところについても書くかも。
SF小説好き1480名に聞いた「絶対に読んどけ」っていうSF小説ランキング - 俺だってヒーローになりてえよ
https://www.orehero.net/entry/bestsf
以下、数が多いので省略
Permalink |記事への反応(14) | 10:49
池澤夏樹=個人編集世界文学全集II-11所収ピンチョン「ヴァインランド」
岡地稔「あだ名で読む中世史 ヨーロッパ王侯貴族の名づけと家門意識をさかのぼる」☆
今尾恵介「ふしぎ地名巡り」★
奥野克巳「ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと」
ピーター・ゴドフリー=スミス「タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源」
テッド・チャン「息吹」★★
ピエール・バイヤール「読んでいない本について堂々と語る方法」☆
イリヤ・ズバルスキー、サミュエル・ハッチンソン「レーニンをミイラにした男」☆
チャールズ・C・マン『1493――世界を変えた大陸間の「交換」』★★★
ジョン・サザーランド「ヒースクリフは殺人犯か? 19世紀小説の34の謎」
東京創元社編集部「年間日本SF傑作選 おうむの夢と操り人形」
高丘哲次「約束の果て―黒と紫の国―」
堀晃ほか「Genesis 一万年の午後 創元日本SFアンソロジー」
水見稜ほか「Genesis白昼夢通信 (創元日本SFアンソロジー 2) 」
村上春樹「ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集」★
サリンジャー「このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年」。
チョン・ソヨン「となりのヨンヒさん」
「ガラン版千一夜物語 1」★★★
「ガラン版千一夜物語 2」
「ガラン版千一夜物語 3」
「ガラン版千一夜物語 4」
「ガラン版千一夜物語 5」
「ガラン版千一夜物語 6」
ジョン・サザーランド「ジェイン・エアは幸せになれるか?―名作小説のさらなる謎」★★
ジョン・サザーランド「現代小説38の謎 『ユリシーズ』から『ロリータ』まで」
J・P・ホーガン「未来からのホットライン」
ロバート・アーウィン「必携アラビアン・ナイト 物語の迷宮へ」★
ヴァージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人」(光文社)★★★
ジュリアン・バーンズ「フロベールの鸚鵡」
イアン・マクドナルド「黎明の王 白昼の女王」
オルガ・トカルチュク「逃亡派」☆
ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」上巻☆
ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」下巻
住吉雅美「あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン」★★★
ルーシャス・シェパード「タボリンの鱗 竜のグリオールシリーズ短篇集」
オルガ・トカルチュク「昼の家、夜の家」
エイミー・B・グリーンフィールド『完璧な赤 「欲望の色」をめぐる帝国と密偵と大航海の物語』
ヴァールミーキ「新訳ラーマーヤナ4」
ヴァールミーキ「新訳ラーマーヤナ5」
タクブンジャ「ハバ犬を育てる話」☆
ヴァールミーキ「新訳ラーマーヤナ6」
ホアン・ミン・トゥオン「神々の時代」★
ヴァールミーキ「新訳 ラーマーヤナ7」
ローデンバック「死都ブリュージュ」
ホセ・ドノソ「夜のみだらな鳥」
ロレンス・スターン「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」上巻
ロレンス・スターン「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」中巻
ロレンス・スターン「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」下巻
入江亜季「北北西に曇と往け」(一)~(四)
石黒正数「Present for me」
澤江ポンプ「近所の最果て」
カシワイ「光と窓」
月ごとに一番面白かった本を3冊選び、★をつけた。ただし、どうしても入れたかったものは☆をつけた。月ごとの順位なので、たとえばパク・ミンギュにはもっと星をつけたいのだがそれが反映されていない。
数えてみたが、2020年に読んだのは活字149冊、漫画22冊だった。毎月12冊から13冊読んでいると思っていたので、単純計算で150冊を超えると思ったが、ぎりぎり足りなかった。とはいえ、毎月10冊という目標は達成している。
1年を通して見ると、ノンフィクションばかり読む時期や、SFばかり読む時期などが明確に交代していることがわかる。特に、4月から6月はSFとファンタジーがほとんどだったが、8月以降SFを全くと言っていいほど読んでいないし、逆に11月、12月は1冊をのぞいてノンフィクションがない。
また、芥川賞をはじめとした日本の現代文学をほとんど手に取っていない。ベストセラーやエンタメ、ホラーもない。逆に、韓国やタイ、ペルーやチリなど、日米欧以外の海外文学の割合が高い。
意識してきたわけではないが、自分の好むジャンルは科学や歴史のノンフィクション、神話、行ったことのないラテンアメリカやアジアの文学、メタフィクション的であったり奇妙な味がしたりする短篇集、古典、であるようだ。一方で、女性作家の割合は低く、特に日本の現代女性作家をほとんど手に取ってない。一時期は多和田葉子だとか江國香織とかをよく読んでいたので女性作家が嫌いなわけではなく、ヴァージニア・ウルフも好きだし、ハン・ガンも自分の中では大当たりだったので、もう少し割合を増やしてもいいかもしれない(追記。身につまされる話よりも読んでいて気持ちのいい本を読む率も増えた)。
割合の話でいえば、大学時代はもう少し文豪の作品を多く読んでいたように記憶している。それと、いくつからの例外を除き、世間の動きや話題とは遊離したチョイスばかりである。世の中から目を背けているわけではないが、日々の雑事とはまた違う視点に立てたのはありがたかった。新型コロナウイルス関連の記事ばかり読んでいては気がめいってしまう。
今年は少し冊数が少なくなるかもしれないが、引き続き毎日の気晴らしとして、気が向いたものを好きなように読んでいきたい。
以上。