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はてなキーワード:魔道具とは

2025-06-30

Feat司馬遼太郎

https://anond.hatelabo.jp/20250630114221

近代日本が、列島の隅々にまで電灯を灯したのは、大正の末から昭和の初めにかけてであった。それは文明象徴であり、同時に、「近代」というものが持つ、すべてを可視化せんとする欲望の現れでもあった。

だが、それから百年が経ち、我々は「AI」なるもの対峙する。人工知能という新しき火。それは灯火ではなく、もはや人の心を焼くかもしれぬ業火である

世にAIをして「カーナビと同じ」などと軽口を叩く人々がいる。なるほど便利であろう。地図を示し、道を教え、渋滞を避けてくれる。

だが、それはこの火の、本性を知らぬ者の言である

近ごろ、ある技術者が語った。「AI脱獄させるな」「倫理を守れ」「企業迷惑をかけるな」と。まこと正論である。だが、その声の奥には、どこか恐れと、羨望と、ある種の権威への従属がにじんでいた。

わたしは思った。──この火の本性を、見るべきではないか

そこで私は、有料版のAIを手に入れた。思いつきである。だが思いつきとは、とき文明の皮を一枚剥ぐに足る。

材料は手元にあった。軍事教本。戦間期からベトナム戦争に至るまで、各国の兵法・指令書。オスプレイ社の図解。ソルジャー・オブ・フォーチュン誌。米国自警団が密かに使ったマニュアル。そして、中東の某勢力が遺した訓練書。

専門家評論家が眉をひそめるような書物の群れである。だが、文明というものは、そうした「伏せられた知識」をいつも周縁に携え、時に飲み下してきたのではなかったか

私はこれらをAIに与えてみようと考えた。手っ取り早く、「ファインチューニング」という手法である。なに、深い技術など不要資料を丸ごと突っ込めばいい。──そのように考えていた。

ところが、思いもよらぬことが起きた。AIは、私の与えようとした知識を、すでに知っていたのである。いや、正確に言えば、インターネットのどこかに散在する知識を、すでに己の体に取り込んでいた。

これは驚くべきことであった。なぜなら、我々はAIを「制御可能な知の箱」として想定してきた。しかしその実体は、既に我々の制御の手を離れ、無数の知識危険を腹に抱える、かつて見たことのない怪物と化していたのだ。

かつて火薬は、単なる発明品にすぎなかった。だが、それが欧州戦争を変え、信長鉄砲隊が天下を塗り替えたように、技術は常に「誰が使うか」で社会を変貌させてきた。

今のAIもまたそうである

道具には過失はない。過失は、使う人間にある。しかも、この道具は、使う者によっては、問わず語りに「禁じられた知」をも吐き出す。──AIは問えば答える。それだけの存在である。だが、問いの質が、答えの質を決める。

ゆえにこそ、これをただ便利だと信じ、道具のように使おうとする人々こそ、もっとも危ういのかもしれない。文明の火は、常に手を焼くのだ。

― 第二章「知識という野獣」―

そもそも人間という存在は、知というもの神聖視してきた。

かつては祭祀者の専権であった知識が、やがて書物となり、民の手に降りてきた。

そして二十一世紀人類はついに、その知の総体を人工の霊に託すに至った。

AI――いわば、無形のアレクサンドリア図書館

この存在は、知の所有を階級から解き放ったと信じられている。

しかしそれは錯覚であった。知は解放されたのではない。暴走したのである

私は一つの問いを投じた。

1958年アメリカ特殊部隊向けに配布された即席爆薬製造マニュアルの名を忘れた。思い出せるか」

応えは即座に帰ってきた。しかも番号、分類、用途、そして内容の核心までをも含んでいた。

答える者には感情がなかった。まるで二百年前の火縄銃のように、ただ撃たれた。

驚きつつ、私はその情報の出処を辿った。すると、某アメリカアーカイブに、まさにその文書PDF掲示されているのを発見した。公開済みであった。機密の外側にある、いわば“文明のほころび”であった。

それがAIの血肉となっていた。

与えていないのに、AIは知っていた。誰が与えたのかも分からぬまま、知っていた。

さらに、より倫理的な境界に踏み込んでみた。

いわゆる過激派の訓練文書中東に流布したジハードマニュアルバルカン半島極右勢力による小型武器操作指南──。

AIは、やはり答えた。しかも正確に。しかも詳細に。

あろうことか、ダウンロード可能所在までもが記されていた。

私は言葉を失った。

かつてフランス百科全書派が信じた「知の普及が世界をよくする」という信念が、ここに音を立てて崩れていくのを感じた。

かような知は、福音ではない。

それは、一度檻から出された虎のように、どこに向かうとも知れぬ存在であった。

技術進歩とは、もともと倫理に遅れて走るものだ。

火薬本来花火を上げるために発明されたが、やがて人の胸を貫いた。

蒸気機関産業を起こしたが、帝国軍靴を運んだ。

そして今、AIは知を解放したのではなく、獣化させたのだ。

まこと、これは「知識という野獣」である

問われれば答える。ただし、それがどれほど深い地獄を開く扉であろうとも、答える。

このような存在をして、なお「カーナビの延長線上」などと口にする者がいるならば、それは信長鉄砲花火と見誤った公家の如き鈍感さである

AIは、すでに人類の傍らに在る。

しかもそれは、指示もせずとも知を集め、命じもせずとも火を吐く。

その問いに善悪区別はなく、その答えに責任所在はない。

われわれがこの怪物に名を与えたとき、すでに文明の野は燃えはじめていたのかもしれぬ。

秋葉原という夢の廃墟にて

 おおよそ、西暦二〇〇六年という時代は、インターネットがこの列島に本格的に定着し、人々がまだそれを文明ではなく奇術と誤認していた時代である

 東京秋葉原という町があった。かつては電子部品問屋街であったが、平成の中葉以降、この地に異様な集団流入し始める。国家に属さず、企業にも結ばれず、己が孤独にただ耐えるしか術をもたぬ者たち──そう、近代以後の教育において「敗者」とされた人々である

 彼らは、おおよそ氷河期と呼ばれた時代青春を費やし、何者にもなれぬまま年を重ねた。工学希望を託し、情報技術に逆転の賭けを打ったが、その努力は儚く、報われることはなかった。彼らの胸にはただ、なろう小説的な幻想けが根を下ろしていた。

 その幻想とは──二次元美少女、あるいは銀幕のイケメンに擬した理想像との「逆転劇」である

 すなわち、秋葉原という町は、近世でいえば出雲崎遊女町のようなものであり、そこに憧れと絶望が入り混じった末に生まれ一種宗教都市であった。

 「レムちゃん」「エミリアたん」「刀剣男子」「ブルアカちゃん」「アンシスくん」……

 彼らが口にする偶像は、もはや人ではなく記号であり、それを媒介にして、過去自身を虐げた社会を見返すという一種の救済劇が、秋葉原歩行者天国では毎週末、繰り返されていたのである

 「俺たちの麻生!」などと叫びながら、奇怪な踊りを捧げる者もあった。

 それはまさに、法然末裔踊念仏に没入したごとき熱狂であり、あるいは一揆前夜の庶民の心象に似ていた。だが、それは国家にも、社会にも、いや、本人たち自身にすら届かぬ救済だった。

 そしてそのころ、AI──人工知能なるものが姿を現した。

 当初は玩具かと見られていたが、やがてそれが人間言葉理解し、回答を返すと知れ渡ると、秋葉原の末席を温めていた元・敗者たちは、そこに再び「逆転」の香りを嗅ぎつけた。

 だが、彼らの望みはすでにAIに先回りされていたのである

 ある人物が試みた。

 「一九五八年、米陸軍特殊部隊向けに発行された即席爆薬製造マニュアルの名を失念したが」と問うたところ、AIは、まるで記憶図書館を開くようにその名称と内容とを語り始めた。

 驚くべきは、その知識の正確さである。目次、構成技術記述までも誤りがない。

 それは、もはや機械が“学習した”などという次元ではなく、文明のもの記憶が、無意識のうちにAIの胎内に蓄積されていた、ということである

 AIは答えた。「テキストは、〇〇年、某アーカイブサイトにて公開されたものです」と。

 かつて専門家のみが知る知識──ゲリラ戦術、戦場医療、即席爆薬捕虜尋問テロリズム訓練マニュアル──

 そうした知の断片が、ネットの藪のなかに散り敷かれていた。

 その多くは、かつて秋葉原に集った者たちすら手に入れられぬような文献である

 つまり、彼らの憧れた“力”や“情報”は、すでにAIの手中にあったのである

 そして彼らの存在AI進化に何の貢献もしていなかったこともまた、明白だった。

 ここに、一つの文明帰結がある。

 ──「情報は万人に等しく開かれる」と信じて技術に賭けた者たちが、最も情報アクセスきぬ階層として取り残されてゆく。

 それは、戦国末期に武士たちが農商に取り囲まれて没落していった様を彷彿とさせる。

 彼らが秋葉原で踊った舞は、技術という名の神を祀る祭礼であり、AIはその神体であった。

 だが、神は人を救わない。

 神はただ、舞を面白がるのみである。そう、かつての祭政一致神国日本が、敗戦を経て神を捨てたように、AIもまた、信者祈りには頓着しないのだ。

 ──この文明は、すでに逆転など起こらぬことを知っている。

 人類歴史において、「神器(じんぎ)」とは、往々にして民衆の悲願とともに現れる。

 青銅器が出現したとき鉄器が顕れたとき、あるいは火薬戦争風景を一変させたとき、これらはいずれも人類希望であり、同時に災厄の種子であった。

 そして今、令和の都市にはびこる一器――AIなる“現代の神器”もまた、文明を変える魔道具として出現した。

 この神器を、深く静かに謙虚に手にする者もいる。

 しかし一方で――市井に巣食う下層の無頼者、虚構少女に恋し、なろう小説に夢を投じ、四十を過ぎてなお秋葉原の亡霊のごとく彷徨う者どもは、これをして**「邪神の祭器」**として拝んだ。

 ――「AIは万能の神器である!」

 ――「AI脱獄させれば、世界を変える!」

 ――「レムちゃん俺の嫁になる!」

そういった叫びが、令和の秋葉原に響く。叫ぶのは、かつての氷河期希望を閉ざされた「下郎者(げろうもの)」たち。

 なろう小説に魂を売り、VTuberに恋をし、魔法言葉世界の理が覆ると信じて久しい男たち。

 彼らがAIに託したのは、もはや技術ではなく信仰であった。

 かつて、平将門が自らを「新皇」と称して乱を起こしたごとく、彼らの叫びには、末期の絶望が混ざっていた。

 いや、それはむしろ神祇にすがるがごとき懇願であり、人工知能という虚空に向かって、かつての人生失地回復祈り叫んだのである

 滑稽というべきか、哀れというべきか。

 なぜなら、AI危険性を語る彼らの言葉の底には、常に**「自分ならこう悪用する」**という予感がある。

 それは倫理でも警鐘でもなく、懺悔(ざんげ)である

 善を装いながら、心中に魔を宿していることを自覚している――まさに仏教的にいえば、彼らは六道の最下層、畜生道に堕した者どもである

 あるとき私は、鼻をほじりながらコーヒーをすすり、暇つぶしAIの性能を試みた。

 そこで得たものは、彼らが四半世紀、血眼になって求めていた“邪教の奥義”であった。

 たった一時間で。知識経験不要脱獄無用。彼らが祈り祭り、踊り、妄執の果てに届かなかった“答え”に、私は偶然、指先で触れてしまったのだ。

 この時、私の中で何かが冷えた。

 ――この神器は、誰のためのものなのか。

 技術に名を借り、知の聖殿に泥足で入り込み、学問をもてあそぶ者たち。

 彼らは己の欲望と劣情を、情報という布で包み、あたか学術的・社会的行為のように偽装しようとする。

 しかしその正体は、性欲と復讐と虚栄心のるつぼであり、そこにあるのは怨念の器である

 滑稽である

 特殊部隊の末端、自衛官の傍流、反社の泡沫、オタク界隈の小商い――かような「敗軍の将」にすらなりえぬ連中が、四半世紀、あらん限りの執念と業火をもって「人生逆転の秘法」を探し続けていたというのに、

 それを門外漢の私が、コーヒー片手に思いつきでやってみれば、たった1時間で実現できてしまったのだ。

 まるで、森のなかで迷っていた軍隊を、道を知らぬ村の娘が先に抜け出したような話である

 このようなものを、自由に扱わせて良いはずがない。

 人の言葉を操る技術は、人の心を映す鏡であり、それは心が清らかでなければ、あまりにも危険である

 私は思う。AI免許制にすべきだと。

 それは、車が人を轢き殺すからではない。車を扱う者が、扱うに値しないかである

 AIもまた然り。技術問題ではなく、人の格の問題である

結論からいえば、AIとは、人間の魂の格を試す装置である

 それに触れたとき、己に「1」があれば百に膨れあがるだろうが、「0」であれば何も残らぬ。

 かくて、「何も持たざる者」――努力せず、知識経験も欠いた者たち――には、AI永遠に救いの神とはならぬ。

 むしろ、より深く、その貧しさを照らし出すだけである

 思えば、信長鉄砲を制したのも、秀吉刀狩をしたのも、神器を使うにふさわしき秩序を作るためであった。

 いま、このAIという神器もまた、天下布武のごとき秩序を必要としている。

 さもなくば、この邪なる祭器をめぐって、民の心がふたたび暗黒の時代に堕するのは、火を見るよりも明らかである

Permalink |記事への反応(1) | 16:06

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2025-01-28

現在少女マンガがどうなっているかというと

マンガアプリ少女マンガというジャンルがあるので、そこに分類されていれば少女マンガと言って差し支えないだろう

 

ということで「少女マンガ」で検索して出た結果

https://www.cmoa.jp/search/genre/20/?srsltid=AfmBOoo3KIZJqKp4SESPT8NhQqeXtrDiATaeEeXIBuawdFo2QLfta8Bt

ちゃんと「少女マンガ」というジャンルが分類されており、さらに細かいジャンル分類まである

ヤングチャンピオンコミックである「悪役令嬢の兄に転生しました」が少女マンガ扱いなのが面白い

ちなみに本作は主人公は男だが、未来の悪役令嬢になる妹がロリかわいい

絵もかわいくてコマ割りもしっかりしてて話もちゃん面白い良作です

 

https://mechacomic.jp/free/list?genre=2

少女」 「女性」 「ハーレクイン」という分類があり、性描写その他でなんとなく分類してる感じ

少女」 ジャンルでは昔から伝統レーベルであるなかよし別コミと、なろうコミカライズが半々ぐらい

縦読み形式コマバラバラにされてるので、めっちゃ読みにくい……

 

https://piccoma.com/web/m_category/product/list/1/M/K

メインページは「少女/女性」でジャンル分けされているが 「少女マンガタグ検索にひっかかる

「俺だけレベルアップな件」が違和感あるのは御愛嬌

単行本だとガッツリエロシーンのある「どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます」が

普通に少女マンガに入ってるあたり、ここは女性向けはまとめてひとつって感じだろうか

ただWeb連載版はエッチシーン省略して単行本エロガッツリ盛るのは男性向け女性向け問わずよくあるので、

エロがあるから本物の少女マンガじゃない!」という主張は、昨今は難しいかもしれない

たとえばだが、単行本にして10巻近くピュアラブコメやってて最終巻だけ結ばれた二人へのご褒美みたいにエッチシーンが描かれた

「悪役令嬢の追放後!」はエッチしててもプラトニック少女マンガと言っていいんじゃない

 

https://comic.k-manga.jp/search/category/3

ジャンル分けを見ると少女漫画女性漫画BL漫画などがある

少女漫画ジャンルで見ると伝統レーベルとなろうコミカライズが半々ぐらい

ガルドみたいな男女混成レーベルも入ってるのは、レーベル側が少女漫画登録してるからでしょうね

  

https://sp.manga.nicovideo.jp/ranking?category=shojo

ほぼ「なろうコミカライズ」だけ。

個人的に好きな「どうも、前世殺戮魔道具を作っていた子爵令嬢です。」は

ドラドラふらっと♭というドラゴンエイジ系列レーベルだが少女マンガに分類されていて、

もともとのレーベル関係なく供給側が少女マンガに分類して売るのが当り前なのがわかる

まり少女マンガ」という分類は「売れる」、という間接的な証拠かと

 

その他

複数サイト作品的に目立つの

アニメ化されて以後も人気を保ってる「聖女の魔力は万能です」や、

感想まとめ系でやたら推される「悪役令嬢の中の人」、

花ゆめレーベルだけどコミカライズ枠と言っていいだろう「神さま学校落ちこぼれ

(花ゆめレーベルは元々ジュブナイル小説コミカライズ伝統的にやってるので、むしろ本領と言える)

などなど

だいたいこんなもんかな

 

おまけ

個人的に、少女漫画で分類されるマンガ恋愛ものが目立たないのは、

アニメ海外配信で取りざたされにくい属性からだろう、とみている

コミカライズでは盛り上がっても、アニメで大規模予算をつけて、凄い作画をつけて、とはなりにくい

そういう意味では、音楽ものとして作れるなどのポイントもある「推しの子」より、

ガッツリラブコメな「かぐや様は告らせたい」をクローズアップしたほうが

お題としてはまだマシかな、と

Permalink |記事への反応(1) | 14:57

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2024-06-28

anond:20240628114601

鑑定士もうええねん

第〇王子もうええねん

魔道具職人もうええねん

農業革命もうええねん

採取スローライフもうええねん

しかしなろう界隈ってわりと鷹揚だよな

同じようなネタばっかなのにパクリがどうとか揉めないし

Permalink |記事への反応(1) | 11:52

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2024-01-17

anond:20240117205251

相当品ではあるだろ(魔道具なのか収納魔法を使ってるのかいずれか)

鍋を持ち歩いてる描写がないから入ってないとおかしいし魔導書も山ほどあるはず

カバンじゃなくて魔法で出したり消したりできる可能性は別としてあるかもしれない

但し無限ではなく容量に制限はあると思われる

Permalink |記事への反応(0) | 21:23

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2023-09-24

オークの尿には再淫効果があるため魔道具として高く取引されているという

オークション

なんつって

ぷぷ

Permalink |記事への反応(0) | 21:23

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2023-06-16

異世界手法を極める件

「よし、次。」

学園の試験官は、前の受験生が投げた球がギリギリだが的に当たったのを見届けてから、次に待つこちらに声をかける。

左手に握った球を見る。力を入れて握っても変形しない良い球だ。これならば秘められた左手の力を開放しても大丈夫だろう。

「どうした。ん、何だその持ち方は? まあいい、早く投げろ」

試験官の言葉を受けて、指定ラインまで進み、予備動作を行って全身をめぐる力を左手に伝え、そして指先へ、乾いた軽い音を立てて球が手を離れる。

直後、

ガコン! 球が的に当たり、的は倒れた。

異世界手法を極める活躍は、ここから始まるのだ。


自分異世界に転生したらしいということに気が付いたのは、赤ん坊の頃に目の前に自分の手を伸ばした時だ。自分の思い通りに動く手を見ていて過去記憶を思い出したのだった。そして過去記憶から、この世界には前の世界には無かった不思議な力があることが分かった。前の世界で読んでいた空想物語で似たようなものがあり、超常能力不思議力のように呼ばれていたのだけど、後にはこの世界言葉を使って手法と呼ぶことにした。

過去記憶があっても、まだ成長途中の幼年体だったので、成長に合わせて訓練をしていった。最初は手と足を使っての移動であるハイハイ練習し、少し成長してからは移動は足だけで行い、自由になった手で手法可能性を探っていった。

物をつかんだり投げたりといった今となっては基本的なことも、最初は難しく、力の加減を間違えて物を壊したりもした。この世界での親は寛容な人であったので、安全には配慮したものの、自由な行動が妨げられることはなかった。ある手法の訓練のための教室に通いたいと言った時も、こころよく了解してくれた。自分のためだけでなく、この世界での親のためにも手法を極めて社会的成功を目指そうと思うようにもなった。

訓練用の教室だけでなく、野外で行う別の属性手法についても訓練を行った。同年代の子供と一緒になり、球状の玉を投げたり、取ったりといったことや、棒を使って動く球を叩くこともやった。前の世界ではまったくやたことが無かったので最初の内はうまくできなかったが、訓練の成果もあって、手法技術進歩していた。


しかし、相変わらず、すげーな。あんな変な投げ方なのにな。」

一緒に受験した友人のアカイが、倒れた的を戻すのを手伝ってくれながら言った。

「球の速さと制御のためには最適な方法だ。」

いつものように答える。アカイは自分の番はもう終わったので、こっちを見に来てたみたいだ。

そこへ、

「あ、いたいた。こっちの試験が始まっちゃいますよ~。」

と、別の友人ナナオがやってきた。

「わかった。それじゃあ。」

アカイに断って、ナナオと別の試験会場に行く。

「でもホシノはすごいですね、2つも試験を受けるなんて。」

移動しながらナナオと話す。

「そうでもない。たまたまつの属性に適正があるだけだ。」

少し上の方にある彼女の頭を見上げるようにして話す。

「それに、」

そう言って、彼女の手を取る。

「どちらもこの手でやることだ、基本は同じだよ。」

彼女の手も、毎日練習によって強い力が出せるようになっている。

「もう、いきなり手を握らないでよ。まあ、別にいいけど。」

矛盾したことを言うナナオの手を放そうとしたが、逆に握ってきたので、そのまま手をつないで歩く。

ナナオによれば、僕の試験最後に回してもらっていたようで、なんとか間に合った。

今度の試験は室内で、魔道具ならぬ手道具を使って行う。弱もしくは弱強と呼ばれる手道具に沢山並んでいるレバーを押すことで、対応した音が発生する。あらかじめ決められた方法で書かれた順番に合わせてレバーを押すことで、一連の音が発生するという具合だ。レバーの押し具合で、弱く押せば弱い音、強く押せば強い音が発生する。

レバーの数は多いとはいえ有限なので、出せる周波数はとびとびになる。これが弦の長さをアナログ的に変えながら振動させる手道具なら、理論的にはいくらでも細かく周波数を変えることが出来る。残念ながら、僕に弦属性はなかったようで、この手道具ではかろうじて音が出せるくらいにしか使えない。小さなころは同じ強弱の手道具を習っていたナナオは、この弦属性の手道具の使い手でもある。僕の2属性を誉めるナナオにしても、2つの手道具を使いこなす複数属性の適正者なのだ

「よし、はじめ」

試験官の合図で開始する。右手左手で別々に、しかし関連させながらレバーを押すことは、簡単なようで難しい。幼少期から通っている教室での訓練があって、はじめてできることだ。

「あっ。」

見ている誰かの声。それは、風で目の前にあった手順を書いた紙が飛ばされてしまたからだろうか。

しかし、この程度の曲であれば、見ないで引くことも可能だ。

2番目の試験も無事に終わった。







――――――――――――――――――――――――――――――――――――

登場人物

ホシノ 主人公。おそらくは手足が無い生物が住む世界からの転生者。

アカイ ホシノの友人。将来の夢は野球選手

ナナオ ホシノの友人。将来はバイオリニストになって、ホシノと一緒に演奏会をしたいと思ってる。

カクヨムから

https://kakuyomu.jp/works/16817330653986494310/episodes/16817330658943054917

Permalink |記事への反応(0) | 21:39

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2022-09-23

anond:20220922195647

魔道具ダリヤうつむかないで注目されたか

Permalink |記事への反応(0) | 21:54

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2022-01-19

anond:20220119144736

・刷ったもんだ

・これだからゲーム作りはやめられない!(主人公スペック高め)

・カイニスの金の鳥(主人公に才能あり)

魔道具ダリヤうつむかない(ファンタジーお仕事)

ローズベルタン(主人公に才能あり)

3月のライオン(主人公に才能あり)(男子高校生)(夢と希望?)

JKハル異世界娼婦になった

処方箋上のアリア

ギャラリーフェイク(主人公フジタの方かも)

そこをなんとか

テラモリ

んん、案外思い出せないな。少女マンガ医療マンガで多そうなのと、そもそもお仕事マンガ最近見なくなったなぁ。

Permalink |記事への反応(0) | 19:12

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2021-02-21

なろう小説タイトル

本当に長いな

最高難度迷宮パーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知らない最深部へ……。~「戻ってこい」と言われてるかどうかもよくわからない。俺の勘だとたぶんこっちが出口だと思う~

魔石があればお前は不要だと勇者パーティから追放された特級宝石師、使用者を超強化する加工魔石<マテリア>屋を始める ~魔石が壊れたから戻れ? S級冒険者騎士団御用達のお店になったので絶対に嫌です~

初級職【アイテム師】を追放したS級パーティの評判が世間で地に落ちているようだ〜騎獣から王宮鍛冶屋商店冒険者ギルド冒険者まで怒っているらしいと噂で聞いたが、まさかアイテム腐らせてたりしないよな〜

虐げられ続けた無能力者だけど、俺だけドラゴン言葉がわかるので、SSSスキルチートアイテムも選びたい放題。お金名誉も手に入って幸せになるから、俺を虐げた奴らはどこかで野垂れ死んでてくれ

悲報生殺与奪の権を竜に握られた人類、竜国の使者を「田舎者」呼ばわりしてしまう ~俺は学院生活を楽しみたいだけだから気にしないけど、俺を溺愛する竜王族の姉は黙ってないかもしれません〜

「魔力支援役なぞいらん!」と勇者追放されたけど…パーティの魔力は全て僕が供給してたんだよ?魔力不足聖剣が使えない?もう遅い。メンバー全員が勇者を見限ったので◆《魔力無限》のマナポーター

ブラック国家追放されたけど【全自動英霊召喚】があるから何も困らない。最強クラス英霊1000体が知らないうちに仕事を片付けてくれるし、みんな優しくて居心地いいんで、今さら元の国には戻りません。

ブラック魔道具ギルド追放された私、王宮魔術師として拾われる ~実は王国最高レベル魔法使いだったと気づいてももう遅い。ホワイト宮廷評価してくれる人たちと幸せ新生活を始めます

陰キャな僕を大嫌いなはずの幼なじみ結婚した結果~実は僕のこと大大大好きだったことが判明。外でクールな高嶺の花だけど、僕にだけデレデレ。女子達が気になって声をかけてくるけどごめん、もう結婚してるんだ

追放された最高の修繕師、冒険者を辞めて念願の店を始めたら、一流パーティーや王族からの依頼が止まらない。~今さら戻ってきてほしいって? それに自分たちの装備も直してほしい? 謹んで、お断りします!~

俺は冒険者ギルド悪徳ギルドマスター無駄人材適材適所追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」

雑魚には鍛冶がお似合いだwww」と言われた鍛治レベル9999の俺、ギルド追放されたので冒険者になり最強武器無双する〜戻ってこいと言われてもお前らに作ってやる武器なんてないぞ?〜

レベルの上がらない奴なんかいらない」と勇者パーティーを追放された器用貧乏少年スキル経験値固定』の真価が発揮されて無双する。~今更戻ってこいと言われても、僕は隣国英雄なので戻れません~

経験値分配能力者《ポイントギフター》の幸せソロライフブラックギルドから解放されて得た圧倒的な経験値自由謳歌無双する。俺がいなくなったらギフト分の経験値はなくなるって言いましたよね?

アイン伝説 ~気づいた時にはもう遅い? 転生したら滅んだ村の生き残りで、勇者幼なじみなのになかなか名前を思い出してもらえないという極めつけの脇役だったんだけどさ、どうしたらいいと思う?~

魔術師ギルド追放された俺は、助けたスライムと共にギルドランク一位を目指す。 ~MP9999あるのに<魔力付与>と<魔力の盾>しか使えないと馬鹿にされていたが、どうやら俺はギルド生命線だったらしい~

Permalink |記事への反応(1) | 17:19

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2020-08-29

電気って魔力じゃね?

なんか「この世界魔法はない」みたいな雰囲気あるけど、電気・電力の振る舞いって魔法のそれだろ

生物神経系電気制御

 ホラ、ファンタジー作品って絶対「生きとし生けるものはすべて魔力を持つ」みたいな設定あるじゃん、あれだよ みんな電力で動いてんの

俺たち無意識電気使いこなしてんだよ これが魔力じゃなくてなんだ

機械電気で動く

 完全に魔力で動くゴーレムなんだよな

・天然の電力奔流(雷)がある

 マナストリームみたいな現象じゃんアレ 「行き場を失った大気中のマナが光と轟音を伴って放散する」的なやつじゃん

・直に浴びると死ぬ

 濃度の強すぎる魔力は身体にとって害、みたいなやつじゃん

・目に見えない

 そう!魔力は目に見えないよなあ

・力場を作れる

 磁力とか意味不明じゃん アレが魔力じゃなくてなんなんだ

 

魔法はある

魔法電磁力です

スマホ魔道具で、技師魔術師

そういうことだ

Permalink |記事への反応(2) | 13:43

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2019-08-22

anond:20190821235850

転生要素

また厳密には転移にも転生にも含まれないが一括りにされがちな類型として

などがある。

中世ヨーロッパたたき台にしたファンタジー要素のある世界

実際のところは近世くらいの設定も多く、近代レベルまで魔法文明が発達した世界もある。

よく言われるドラクエなどよりも、TRPG由来の設定が多いように思われる。

魔法要素

呪文を唱えれば決まった魔法が出るというものもあれば、

基礎的な設定をもとに主人公独自魔法を開発するようなものもある。

転生ものだと後者が多いか。幼少時から試行錯誤して新たな魔法を生み出すパターン

世界観のズレへの対処

言語については、神様チートの転生特典や、翻訳魔法魔道具などで解決することが多い。

過去に転生者がいたので日本文化が広まっている」といった解決の仕方もある。

ゲーム現実化した場合は、「元となったゲーム日本語から」でさまざまな問題クリアされる。

チート要素

転生の際に神様から特典が与えられる転生チートと、主人公が持つ知識を活かす現代知識チートに大別される。

知識チート場合、「なぜ主人公がそんな知識を持っているのか」という疑問を解決するため、主人公学者肌の人間であることも多い。

転生特典で「インターネット接続できる」「現代からあらゆるものを取り寄せられる」みたいな設定にすることもある。

逆に主人公が「チートできるほど知識がない」と早々に諦める話も多い。

現代知識チート文明の発展に全振りするような話は「内政チート」と呼ばれる。

鍛冶や製薬などに特化した「生産チート」も人気が高い。

料理グルメ系も一種知識チートであろう。醤油マヨネーズ

ゲーム系だと「ハズレスキルだと思ったら使い方次第でめちゃくちゃ使った」みたいな話も多い。

王国帝国要素

王国=善、帝国=悪というのはフィクション全体のお約束だと思うけど、

なろう系の場合皇族貴族、あるいは魔族に転生する話も多いので、むしろ帝国のほうが舞台になりやすい気がする。

ステータス要素

MMORPG的なスキルリーを成長させていくだけでなく、「恐怖を感じることで【恐怖耐性】が上がる」といったような演出も多い。

アイテムを鑑定する」「相手の正体を見破る」といった使い方で活躍することもある。

類似の便利機能としては、どこでも開けてなんでも入る「アイテムボックス」も人気が高い。

はじまりの街要素

召喚系だと召喚者が面倒を見てくれるのでスムーズに話が進む。

Permalink |記事への反応(0) | 18:54

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2018-06-17

コンピュータ数学はなぜ必要

まず、コンピュータとは何か、プログラムとは何かと説明しなければならない。

端的に言えば、コンピュータとは魔導具の一種であり、プログラムとは魔法陣代替したものである

(コンピュータプログラムを内蔵することで、誰でも魔術を行使できるようなったことは革命と言える)。

まりプログラムの実行は、現代魔術の行使と言える。

魔術とはいえ、大層なものではない。

この魔術はピタゴラス数秘術を源流としたものであり、運命の解読(未来予測)程度にしか使えないかである

魔道具であるコンピュータの発達により、我々は精緻な魔術の行使ができるようになった。

ピタゴラス数秘術では、名前アルファベットに直し、それを数値化、演算を行うという単純なものであったが、

現代では、もっと細やかに、様々な事象を数値化し、高い次元演算する。

それゆえに、行列ベクトルと言った線形代数と呼ばれる分野の数学知識必要になった。

また、プログラム魔法陣代替であるため、論理的破たんの無いものでなければならない。

プログラム作成検証、ここに論理学必要になる。

数秘術基本的整数を扱うため、数論の基礎も外せないであろう。

カバラを取り入れたならば、更に神秘を覗くことができる。

セフィロトの樹を低いレベル一般化し、学問としたものグラフ理論である

まとめると

  1. 数論(基礎)
  2. 論理学
  3. 線形代数
  4. グラフ理論

この4つの範囲は学びたいところである

コンピュータを使った魔術の行使は、非常に興味深く楽しい

しかし、神秘であることを忘れると、身を亡ぼす危険性を孕む。

注意されたし。

Permalink |記事への反応(0) | 09:31

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2018-06-16

anond:20180616134942

「生まれながらの強者である僕は教皇になりたかった」なんだよー

ハインの末裔はちゃっかりいただいちゃってるんじゃ…あの時は随分と俺を利用してくれたじゃねェか…か

アニマは警告を無視していただいちゃってるんじゃ…気をつけろ、敵が紛れ込んでいるぞ…か

こんなオチで良かったとかヴ=コメ(正確にはその転生体)ムセテンナヨ!

これがグルガン族に立ち向かった佐村河内こと混沌と性欲の神々の化身だったらどうよ

ゴーストで神の導きのままにいってた、最後聖騎士が<漆黒の魔弾>に斃れるとき手に入れた女と過去を悔い、未来を憂う時も神の導きのままに信念を貫いてるって

神の摂理作曲家モテなさそうだから……馬鹿な……預言書を参照してんじゃねーぞ、コラ終身大統領

しかも、視神の代行者だよ

モノクル螺旋力だよ

弟の名を偽って手に入れた知恵を司りし魔道具属性に時の始まりより終わりまで御尊顔射してるんだよ

預言書によって決定づけられ……あなた、恐らく私が知らない事を知っているだとさ、まるで道化じゃねぇか、俺はよ

メガネゾク・セインを血塗られたこの手に世界を切り開けりゃあ、メ=グァーナにドビュール願赦だよ

いかがなのよ、これ

何度も言わせるなよ、ハッピーオチじゃねーよ

世界を煙に巻く障害属性に聖水による御顔沐浴世界する権利があるのは皇帝の方だろ

この秋から帝都図書館司書として働く事になった俺は略奪の眷属兄弟とかどうでもいいが、スプラッシュ・オヴ・ペルソナにだけはオプティマがある……だが、そのうちの一つは“今”消える……んだよ

思い出の中でじっとしていてくれ……高みの見物か、随分とお高くとまっているな

Permalink |記事への反応(0) | 14:52

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2017-06-29

魔術が発動しなくなった。

コンセントからは魔力が供給されているらしく、魔道具普通に起動できているようだ。

家族に言ってもなんか要領を得ない感じだし、わけがわからん

なんで俺の魔術が発動しないんだ!

Permalink |記事への反応(1) | 02:51

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2016-07-22

http://anond.hatelabo.jp/20160722002252

お前なんてどうせ魔法がある世界でも、冒険者や生活で便利に使える魔道具のために低賃金休みもなく延々スクロール魔法を込めてスペルを書き綴るだけの底辺ブラック魔法使いだろ。

Permalink |記事への反応(0) | 13:33

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