
はてなキーワード:超流動とは
完璧な月曜日の朝は、僕の胃腸の健康に最適化された、厳選されたシリアルと低温殺菌乳の組み合わせから始まる。
これは僕が毎週月曜日に正確に測定して実行している、科学的に証明された習慣だ。
この厳密なルーティンは、腸内微生物叢の最適なバランスを維持し、したがって、僕の認知機能を最高レベルに保つための、絶対的に不可欠な基盤となっている。
このプロセスを妨げる、僕のルームメイトがキッチンに入ってきた。彼は、僕の緻密な計算に基づいた生活計画において、制御不能な確率的変数だ。
その後、僕の研究室へと向かった。
今日の僕の課題は、タイプIIB超弦理論における、非可換幾何学を用いたDブレーンのダイナミクスを、特に非摂動的な領域で精査することだ。
具体的な目標は、NS5-ブレーンと交差するD3-ブレーンの世界面上の、開弦と閉弦の相互作用によって生成されるホログラフィックなS行列を計算することにある。
これは、AdS/CFT対応の枠組みの中で、特定の超対称ゲージ理論の相図における、非自明な質量ギャップの存在を解明するための、極めて重要なステップだ。
僕はこの一日、6次元スーパーコンフォーマル場理論のコンパクト化における、例外的なゲージ群F4の特異点解消を試み、エキゾチックなCalabi-Yau多様体の内部に存在する、隠された超対称性の破れを探求した。
この研究は、単純な4次元時空という概念を完全に超越した、究極の統一理論を構築するための、僕の生涯をかけた探求の核心だ。
この研究の複雑さは、僕の友人たちが毎週楽しんでいる、低俗な娯楽とは全く次元が違う。
彼らは、今日の新作コミックのプロット、例えば、DCコミックスにおけるバットマンの多元宇宙バージョンがどのようにしてプライムアースに収束するか、といった、僕にとっては子供だましの議論に興じているだろう。
夜になり、僕の友人の部屋を訪れた。
今日の議論のテーマは、最新のテレビゲーム『サイバーパンク2077』における、リフレクションとレイトレーシング技術の実装についてだった。
僕は、そのゲームの視覚的な美麗さが、物理エンジンの根本的な欠陥、特にラグランジアン力学に基づいたオブジェクトの運動法則の不正確さによって、いかに無意味なものになっているかを指摘した。
具体的には、光速に近い速度で移動するオブジェクトの慣性モーメントの描写が、ローレンツ変換を考慮していないという事実が、そのゲームを物理学的に信用できないものにしている。
その後、僕の隣人が、僕の友人とその友人と共に、僕の視覚フィールドに入ってきた。
彼女の存在は、僕の計画された孤独な夜の時間を妨げる可能性があったため、僕は速やかに僕の部屋へと退却した。
夕食を終えた後、僕は僕の部屋で、僕の心を満たす唯一のメディア、すなわち、物理法則に完全に準拠したSFテレビ番組を鑑賞した。
その番組では、超新星爆発後の超流動プラズマの振る舞いが、熱力学第二法則と量子力学の厳密な数学的記述に基づいている。
想像してみて欲しい、プロ野球で、選手が全員外国人登録(日本人選手も)で、試合出場4人までの制限が無く、シーズン中どころか毎試合でも自由に移籍可能な状態を。(つまりドラフトとか関係無く自由に入団し自由に移籍できるって事ね)
これに近いフリーランスの天国状態が実現されているのがプロのアニメーターだ。
プロ野球の1軍は12球団しか無いけど、アニメ会社は野球よりもサッカーのJ1・J2・J3に張り合えそうなくらいの数はあるし。
それで全国に数千人?くらいのプロアニメーターが、移籍の超流動性による人材プールを形成している。
現状は、アニメーター側から見れば仕事は選び放題。上手い人順というヒエラルキーはあるが。
発注側(雇用側)から見ると、番組作る為にはとにかくアニメーターの人数確保が大切。だが強い引き留めは諦めてる状態。どうせみんな掛け持ちで仕事してるから。(保険も掛けて分割発注する結果、番組にクレジットされる原画の人数が増える増える)
会社に社員として所属する事による労働法制的な保護こそ無いが、国家が保護している訳でも無いフリーランスの集団が市場経済的にこんなに強い立場なのは凄い事だと思う。海外アニメ会社とCGアニメ会社、という新興勢力の存在で仕事の単価こそ青天井という訳にもいかず抑えられてはいるが。
この環境に問題点が有るとすれば、上手いアニメーターにとっては天国でも、入ったばかりの新人が仕事を選べるレベルにまで成長するのは大変な事と、アニメ制作会社にとっては新人をプロにまで育てるインセンティブというか利点がほとんど無いという事だ。
結局育てても育てても上手い人から順に上記人材プールに入ってしまうので。
現在新人アニメーターを育てる余裕のある会社は、定着率の低さに目をつぶる余裕のある会社とほぼ同義だ。
それでも採用する会社が有るのは、社員アニメーターも若干名は必要な事とか、業界に貢献したいとか色々動機は有るかと。社員にしても社会保険が有っても、辞めるときには辞められちゃうのですが。
個人的には新人の育成なんて、給料がゼロで食住だけ会社が面倒みる徒弟制度でいいだろう、とも思うのですが、アニメーターも成果物を納品する製造業でありその労働者でもある、という性質上難しいのでしょうか。同じ理由で移籍とか保有とかのプロスポーツの仕組みもちょっと使いにくそうです(あれも選手を労働者と思うと凄い仕組みですが)。
新人が会社入ってから苦労しない為には、大学や専門学校がプロ原画レベルまで仕上げてから会社に送り込んでくるのが一つの案ですが、たぶん学費が高くなるのと、脱落のふるいにかかるのが学校の中とか入試に移るだけなんじゃないかという問題も。
これ、アニメーターに限らず高度な知識と技能を持った人材を欲しい業種はみんな抱えてる問題なのではないか。医師なんかは、就職後の収入も養成学校の学費も高いのが社会的に許容されてる訳ですけれども。マンガ界はpixivや同人誌で、学校教育よりもアマチュアの集団の蓄積が非常に大きい事が人材供給源として機能しているので、アニメ界も学校の部活やネット上のUGCを支援するといいのかなー。