
はてなキーワード:誰がためとは
ヒロシのひとりキャンプのすすめアニソンワンポイントでまゆたんが
あー。格好良い曲だよねと思った
https://www.youtube.com/watch?v=kcY_AIOabOM
「9人の戦鬼と人の言う」
曲調も詩も凄まじい
勿論リアルタイムで見たりしていないけれども、何かで耳にしたことがある
いにしえのアニソンて、こういう「どの年代に聴いても良曲」ってのが多いよなー
私のYou Tubemusicの高評価リストには様々ないにしえの名アニソンがぶちこまれている(散漫)
そして多分、ミレニアム前の最後の懐アニソンはたぶん西城秀樹のターンAターン(1999年発売)。凄まじい曲よな
定期的に聴きたくなる
石ノ森章太郎の作品って読んだことないんだけど、アニメは「ギルガメッシュ」を見たことがある
陰惨な感じで好き
で、今「サイボーグ009」のテーマ曲?「誰がために」を聴いているんだが
すごく格好いい曲だなー
サイボーグ009は何度もアニメでリメイクされているイメージだ
彼等がなんでサイボーグになったのかすら知らないが、この作品も決して爽やかな感じはしない
サイボーグ009のwikiをちょっと見てたら「サイボーグVSデビルマン」というのがあって、何その地獄と思った
(ネトフリのCrybabyは何故かまだ見てない。湯浅によってどう仕上げられているのか大変興味があるんだが、腰を据えてアニメを見る気力が無いので積んだままだ。死ぬ前に見ようと思う)
「オペラハウスの怪盗」
・5段階評価:1
・あらすじ
・印象に残ったセリフ
(ユーディルを演じる)ラピス「自分の立場に苦しめられたら、誰だって逃げたくなるさ」
メインがユーディルの立場が揺らいでいるエピソード中なので、普通に一理あるなあと思って読んでた。
・印象に残ったキャラ
ローズ。
表向きは歌姫、裏は怪盗。もう少し詳細が知りたいなあ。
・感想
ローズとラピスが同一人物、というサプライズ的な展開をするには、流石に文量が足りてなさすぎる。
「どうやって誘拐を実現したのか?」が謎として提示されながら検証や議論をするパートがないのもイマイチ。
面白くなかった。
・5段階評価:1
・あらすじ
伝令兵のノエルの活躍で一矢報いるも根本的に腐敗した上層部のいるスヴェニトラではどうしようもない。
ヨアキムは革命を起こし支配体形を変えるため、シェスから銃を仕入れる。
・印象に残ったセリフ
とくになし。
・印象に残ったキャラ
・感想
キャラクタストーリーで展開していたスヴェニトラ国のストーリーで、ヨアキムが革命を決意する重要なエピソード。
なのかもしれないけど、流石にどの子も持ってないのでストーリーがわからなかった。
流石にスヴェニトラ国の紹介ぐらいはあってもよかったんじゃないかなあ。
上層部が腐ってるから国家転覆させて革命するって言う話も、その腐った上層部の具体例がないとよくわからないし。
そのために銃を個人的に輸入するのもヤバいし、なんか怖い話だった。
・5段階評価:3
・あらすじ
プリコネの世界からやってきたペコリーヌと一緒に敵を倒したぞ。
・印象に残ったセリフ
ペコ「……そうですね。きっと、これで永遠にお別れってわけじゃないと思います。」
自社コラボなだけにこの後神バハでも一緒の世界に行くし、もしかしたらまだ続くプリコネ側で実装されるかもしれないし。
リトルノアが復活できたんだし、プリコネも二作目だし、ウマ娘もアプリ出せたし、サイゲの諦めの悪さは知ってるから。
また会えるといいな。
・印象に残ったキャラ
ペコリーヌ。
毎回思うんだけど、プリンセスストライクってゲームのシステム的にはそういう技じゃないよね。
・感想
プリコネとコラボしてペコリーヌとイチャイチャするだけのおはなし。
こういうのは気を衒うより、真っ直ぐなのが良いと思うし、普通に楽しめた。
・5段階評価:4
・あらすじ
傭兵で無茶な任務を実行するヴィクターと、世間知らずなクリスタリアのリリィ。
ユーディルの指示で二人がコンビを組み帝国兵と戦いながら、星竜祭を楽しみにしている集落を救っていく。
・印象に残ったセリフ
モブ帝国兵「ああ、悪い…… 働きすぎかな。各種イベントの度に、聖城のやつらと戦えって命令されてさ…… シクシク。」
・印象に残ったキャラ
リリィ。
リリィはいつもかわいいの。任天堂とサイゲームスを代表するキャラなの。
りんりんりーんりりぃですーなの。
・感想
かわいいリリィの横に強面のおじさんをひとつまみ入れることで、リリィのかわいさが引き立つ良いシナリオだった。
短いながらも登場人物が少ないからしっかり纏まっててるし、妙にメタい帝国兵や、リリィに振り回されるヴィクターなど、コメディ要素も多めで良き。
「新春陰陽役」
・5段階評価:1
・あらすじ
セイメイは自身の命をかけてドウマンを倒そうとするが、クズハの献身を受け、生きることを選ぶ。
・印象に残ったセリフ
セイメイ「うるせえな。来ないとは言ってねえ。用があったら…… 来てもいい。」
・印象に残ったキャラ
ヨシツネ。
お婆さんだけど戦う時は若返る。
さらに不死の肉体を捨てるために暗躍していて、主人公たちを裏切る気も満々。
・感想
毎年恒例十二竜氏シリーズ。今回は陰陽師のセイメイと普段はお婆さんだけど戦う時には若返るヨシツネの話。
全く乗り切れなかった。
嫌味ったらしいが、根はいい子のセイメイと彼を慕うキツネのクズハという組み合わせも、敵のドウマンとのやりとりも、色々と読み応えがありそうなのに、全く引っかかりを感じず薄い味だと思ってしまった。
最近、とてつもなくさみしい。
わたしがさみしかったり悲しかったりするのは発作のようなもので、定期的に人肌恋しくなったりひとりでいることが耐えられなくなったりする。元来ひとりでいるのは大好きで、ひとりでどこへだって行けるしなんだってできるんだけど、急激に「誰かといたい」「誰かに大切にされたい」欲が増して、ふとさみしくて泣きそうになってしまう。メンヘラじゃん?と思うかもしれないが、まったく否定しない。わたしは恐らく季節性のメンヘラである。
さみしくなるのはどんなときなのか考えた時に、「自分が自分を大切にできない時」だと思い至った。自己肯定感が下がって無力感に苛まれて、自分の居場所がないなと思った時。
ここ数年、昔と比べたら自己肯定感はだいぶ上がった気がするが、他人に影響されたり何かに失敗したりすると自己肯定感がどん底まで落ちて、何のために生きているんだ……となる。
そういうときは舞台を見たりお友達とお喋りしたりしてなんとか元気を保っているのだが、今回はそのお友達との会話で、虚脱感におそわれ悲しくなってしまった。
先日誕生日を迎え、自分のライフプランについて考えることが増えた。類友というか、わたしの周りにはオタクばかりがいて、みんなそれぞれに趣味を楽しみながら歳を重ねているけど、そうじゃない友達に会ったとき、「生き方」とか「暮らし方」の正解がわからなくなってしまう。
正解なんてないんだろうけど。自分とは異なる選択をしている友達と会うと、何が違っているんだろう、わたしはどうしたいんだろうと考え込んでしまう。
その選択ができない自分はやっぱり人より劣っていて、至らなくて、情けないんだ。
でも、もし人生をやり直せるとしても、自分はまた同じ選択をしてしまうとも思う。
在り来りな言葉だけど、自分の人生で反省はしても後悔はしたことない。いつだって自分が思う「正しい」を選択し続けてきた。進学でも就職でも人との出会いでも、後悔したことは一度もない。
そんなに自信を持って歩んできた人生が、他人の生き方を覗き見ただけで至極価値のないものと思い込んでしまう。
誰かに肯定してもらいたくて仕方がない。誰かに大切にされたい。
コロナで保健所とか受け入れしてる病院はヤバいことになってるよね。この前も増田で誰がために。。みたいになってた人もいた。
一方でさ、インフルは減ってるし各感染症も軒並み減ってるこのご時世で、発熱者の受け入れ拒否とかして暇してる医者は何してんの?
医療従事者に感謝の言葉をってか、「コロナで死ぬ思いしてる人々に感謝を」が正しいんでない?暇医者より保健所のがよっぽどヤバイよね?担当の人とか一人で何人に電話してんのよ。百単位じゃね?しかもリストは増え続ける。過労と心労で死ぬで。
でコロナで忙殺されている現場を尻目に暇してる医者いるよね?医療機関の社会的役割としておかしいと思わないの?
政府が受け入れなさい!って命令すればいいのかと思うんだけど、なんか噂によると医療機関にそう命令する権限ないんだって?要請しかできんと。要請なんて下向いて俯いてやり過ごすよね、その手の人たちは。
帰路の途中、すごい光景が目に映った。
その時間、辺りは暗くなり始めていたのだが、あまりにも暗すぎた。
どうやら停電はあの施設だけじゃなく、町全体の規模でなっていたらしい。
「すっげえ、こんなに真っ暗な町は初めて見た」
ここまで大規模となると俺たちの充電のせいというより、もっと別の理由だな、これは。
実際の所どうかは分からないが、そう思うことにしよう。
「ああ、あそこのスーパー見てよ! あいつら停電に乗じて盗みをするつもりだ!」
そう言って弟が指差す。
その先を見ると、数人が商品らしきものを大量に抱えて店から出て行くのが分かった。
「いや、恐らく店員が商品を避難させてるだけだろ。電気が切れて、冷蔵庫が使えないから……」
「でも、あの人たち店員に見えなかったよ」
「あー、控え室にいた係の人たちとかだろう。まあ仮に盗みだったとして、予備電源とかで監視カメラは動いているだろうからすぐにバレるだろうさ」
「もし予備電源とか、監視カメラがちゃんと動いてなかったら?」
さっき『システム側で対処すべきってのが、この社会での模範解答』と言った手前、俺はそう返さざるを得なかった。
「やっぱり、それって大した理屈じゃないよな。対策する側に落ち度があったとしても、盗みが正当化されるかは別の話だと思うんだけど」
「“盗み”じゃない。“略奪”だ」
俺も内心そう思っているが、マジックワードだと思い込むしかなかった。
「急ぐぞ、父さんと母さんが待ってる」
俺たちは何かを振り切るように、自転車を漕ぐスピードを上げた。
何はともあれ、こうして母は修理され、余った電気で俺たちは暑さをしのぐことができた。
飼っている猫も、いつも通り俺の足元に寄ってくる。
弟も最初のうちは罪悪感に苛まれていたが、クーラーの前では無力だったことを思い知ったらしい。
人はまず自分自身にゆとりがなければ、自分以外を、綺麗事を優先できないんだ。
真夏に汗をダラダラ流しながら、他人に優しくする余裕を持つのは難しい。
もしも無理をして優しくしようとすれば、母のようにブっ倒れてしまうだろう。
そういった優しさをアテにするような社会が、本当に生きやすいかって話だ。
「市長は『資源を大切に』だとか『地球に優しく』だとか言ってたけど、結局クーラーを使わない分、他のエネルギーを大量に使っていたら本末転倒だよ」
「それに、俺たちが地球に優しくしようが、地球は俺たちに優しくないしな」
余談だが、停電事件から察しの通り、今度は隣の市が電気不足に陥っていた。
「我々は資源の再分配について、もっと考えるべきです。飽食の国は、飢えに苦しむ国へ食物を分け与えるように。電気だって余っているなら、足りないところへ送るべきでしょう」
そう言って市長は、テレビを通じて如何にもな理屈を並べていた。
その姿は、綺麗なスーツに覆われており、汗は一滴も流れていない。
「それに余らせるように作るから、使い方も雑になるんです。本当に資源を大切に思っているのなら、それこそ有効に活用すべきです」
普段なら政治家特有のええカッコしいで済ませるのだが、今回は事情が違う。
そもそも分け与えられるだけの電気が、俺たちの町にはないはずなんだ。
どこにそんな余裕が……まあ、あるけど。
俺たちは、そしてこの町の住人は、その理由を何となく分かっている。
俺たちは目ぼしい施設を間借りする。
当然、このテの“お願い”に大した効力があった試しはない。
俺たちは充電に使えそうな電源を見つけると、すぐさまバッテリーに繋いだ。
「なあ、兄貴。こんな方法で手に入れた電気で直ったとして、母さんは喜ぶのかなあ」
心根では、この状況ののっきぴならなさを理解しているはず。
にも関わらず、弟は今更そんなことを言い出した。
弟のこの言葉は「罪悪感を覚える程度の良心が自分にはあると言っておきたい」という習性からきたものだ。
その場その場で物事の是非を問えば善い人間でいられる、少なくとも悪くない人間ではいられるっていう防衛本能がそうさせるのだろう。
「もしそう思うんだったら、こんな方法で手に入れたって言わなきゃいいだけの話だろ。後はお前個人の気持ちの問題だ」
「えー?」
「言わなくていいと思ったのなら、わざわざ言わなくていいんだよ。母さんだって、俺たちが心配すると思ったから冷却装置を使っていたのを黙ってたわけだし。そういう気遣いで社会は回っているんだ」
内心、俺にも多少の罪悪感はあったが、結局やることは変わらなかっただろう。
背伸びをしてまで清廉潔白でなければならない理由を、生憎だが俺は持ち合わせていない。
それに、このためだけに借りたようなものなのだから、むしろ元を取るために必要な行為だとすら考えるようにした。
「道義的によろしくないのは分かりきっている。だが、そういうことをする人間は一定数存在する。その可能性を排除できない以上、システム側で対処すべきってのが、この社会での模範解答だ。つまり、その対処を怠った側の問題って言っとけばいいんだよ」
「でも、俺たちがその理屈を使うのは盗人たけだけしくない?」
「だから盗みじゃない、ただの略奪だ」
「まあ、仮にバレたとしても、母さんは優しく諭してくれるだろうさ。コロンブスに奴隷を送られたときのイザベル女王みたいに」
「その例えもどうかと思う」
そうやって不毛なやり取りをしている内に、電気が十分すぎるくらいに貯まったようだ。
だが、その時である。
「うわ、停電だ!」
どうやらこのバッテリー、よほど大喰らいだったらしい。
或いは、この施設もかなりギリギリの電気で運営していたのだろうか。
まあいい、充電は終わった。
「さっさと引き上げよう」
むしろ好都合だ。
これに乗じて、さっさと逃げてしまおう。
俺たちはバッテリーを自転車に乗っけて、母と父の待つ家へ漕ぎ出した。
連絡をすると父は慌てて帰ってきた。
父にとっても、母がそのような状態になることは初めてだったらしい。
すぐさま工具室で母の検診が始まった。
「うーん……恐らくラジエーターが不調なんだと思う」
父の説明によると、母の体温管理はその装置が担っているらしい。
少なくとも人間が暑いと思うレベルなら、それだけで問題ないのだとか。
「しかし、おかしいな。ラジエーターだけで放熱し切れなかったとしても、緊急冷却装置もあるのに……まてよ、ということはそっちが原因か!」
父の推察通り、母の緊急冷却装置は停止していた。
どうやら、そのせいでラジエーターに負担が行き過ぎていたらしい。
「いや、その程度では壊れない。もっと無茶な使い方をしない限り……まさか」
父がそう呟くと、俺たちはハッとした。
母は自分を冷やすための緊急冷却装置を、周りを涼しくするために常時開放していた。
例えるなら、冷蔵庫の扉をずっと開けっ放しにしている状態なわけだ。
想定されていない用途で使い続けた物が壊れやすい、ってのは大抵のことに言えるからな。
当然、母がそんなことを知らずにやっていたとは考えにくい。
承知の上で母は俺たちのために、少しでも暑さをしのげるならばと思ってやったのだろう。
そのことを、母がこうなるまで気づけなかった自分たちが不甲斐なかった。
「……何はともあれ、これで原因が分かったんだし。後は母さんの冷却装置を修理なり、交換すればいいんだろ?」
「やり方は分かるが……そこまでやるためには電気がいる」
母を父に任せると、俺たちは全速力で自転車を走らせた。
しかし、俺たちの焦燥をあざ笑うかのように、問題がまた立ちはだかった。
どこの店に行っても、俺たちに電気を売ってくれなかったのだ。
「生憎、今はバッテリーや充電の販売はやっていないんですよ。最近、この市の電気が減りすぎているとかで……」
人ってのは悲しいものだ。
大衆の考えることなんて概ね同じなのに、自分たちがその“大衆”に含まれている可能性を甘く見積もる。
そのせいで、この市の電気は減りすぎて結果こうなっている、と。
「こうなったら、そのまた隣の市に行こう!」
「いや、ダメだ。いくらなんでも遠すぎる。これ以上は母さんが耐えられないかも」
「……一つ手がある。“略奪”だ」
「ええ!? 盗むってこと? さすがにそれは……」
「違う、ただの“略奪”だ!」
ない袖は振れない。
ならば袖を引っ張って伸ばすまでだ。
翌日、俺はカン先輩に誘われて、移動販売車でアイスを売っていた。
売り時だからだと、すぐに行動に移せるカン先輩のフットワークの軽さには感心する。
それにしても、この移動販売車。
よく見てみると、アイスを冷やし続けるためのバッテリーが繋がれている。
予備らしきものも近くにあった。
車を動かすのだって電気がいる筈だが、どこからこれだけの量を……。
話題が尽きかけていたこともあり、俺はカン先輩にその疑問をぶつけた。
「よくバッテリーがこれだけありましたね」
「んなもん、別のところから貰ってこればええねん」
ああ、なるほど。
確かに他の市ならバッテリーとかも売ってそうだし、充電も可能だろう。
「でも、そこまでの移動にかかる費用とか考えると、割に合わなくないですか?」
「ああ、そこんとこは大丈夫。ほぼタダやから。特定の施設とか、コンセント使えるところあるやろ? そこから貰ってん」
思いの外ヤバい答えが返ってきた。
「カン先輩、それはさすがに盗みになるんじゃあ……」
「じゃあ、ダメじゃないですか」
「えーと……つまりな、道義的にはダメやけど、必要やからやらざるを得ないってことや」
「ワイ目線から見たらそうやけど、もっと視野を広げーや。こうやってアイスを売れば、それを食べる人たちは暑さを凌げるやろ。ワイのおかげで、何人かは熱中症を防げたかもしれへん」
物は言いようって表現があるが、カン先輩はそれを良く乱用する。
「な、なんやねん。マスダだって学校のコンセント使ってケータイの充電とかようするやろ。それと一緒や」
「そんなことしてませんけど。というか、その例えだとやっぱりダメって結論になるんですが……」
だが本人も自分の言ってることが、その場しのぎの誤魔化しだという自覚がある。
といっても、その内の数%は俺たちが食ってしまったと思うが。
「ただいまー……うわっ」
家に帰ると、ムワっとした熱気が襲ってきた。
「ああ、兄貴……今日は暑いって言ってたからな。部屋の中もすごいよな……」
それにつけても、家の中が暑すぎる。
なぜだろう、昨日とは明らかに違う。
「おかえりなさい……」
母の声が返ってくるが、その声は気だるい。
「サイボーグの母さんでも、あの調子だよ。今日はほんとすごい暑さだ……」
……いや、妙だぞ。
母の身体は、かなりの高温でも耐えられるように出来ている。
不振に思った俺は、母に近づく。
「あつっ……」
近づいただけで分かるほど、熱を帯びているのが感じ取れた。
俺はおもむろに、母の額に手を当ててみる。
「あっっっっっっつ!」
にも関わらず、母の反応は鈍い。
「弟よ、父さんに連絡しろ。俺はひとまず母さんをマシな場所に寝かせる」
弟はというと、涼める場所を求めて仲間たちと各地を行脚していた。
だが、人ってのは悲しいものだ。
大衆の考えることなんて概ね同じなのに、自分たちがその“大衆”に含まれている可能性を甘く見積もる。
弟の行くところはいずれも人だらけだったんだ。
「流れるプールだけど……これ流れの力発生してる? 人の力じゃない?」
そして、その大勢の人によって発生する熱気によって、納涼は焼け石に水と化していた。
「トイレに行くのも一苦労だね……」
「おい、間違ってもプールの中でするんじゃねえぞ」
「僕はそんなことしないよ。まあ、どうせプールの水の3割は人の小便などの体液だけどね。色んな薬剤がプールに入れられているのも、それが理由なわけだし……」
「今の話でちょっと寒気を感じた。ありがとよ」
企業などでは一般家庭より多くの電気を扱えるようになっていたが、それでも全体量が足りないため冷房に割ける余裕はほとんどなかったらしい。
「おい、さすがにこれは崩れすぎじゃないか? 確かに表現手法として、特定のカットをあえてゆらがせることもあるけどさあ」
「シューゴさん……その絵は普通ですよ。というより、この現場の空間自体が揺らいでいる気が……」
「何……言って……んだ、マスダさん」
今までにないスタジオの空気がそうさせたのか、現場のスタッフたちの精神状態は独特になっていた。
意思疎通は困難を極め、監督が熱でダウンしてしまったこともあり、今週は総集編すら作れなかったらしい。
「ただいまー……兄貴すげえ格好だな」
「暑いんだよ……で、お前の方はどうだった?」
反応から察するに聞くまでもなかったが、俺は一応尋ねてみた。
「ダメダメ。兄貴みたいに、家で大人しくしてたほうがまだマシ」
やはりそうか。
「でもホント、俺たちの家は思ったより暑くないな。何でだろ」
「そうかあ? まあ、人や家具が少ないとか、立地的に涼しい場所なのかもな」
俺はテキトーにそう返すが、実際この時の室温は低かった。
その要因が何なのか知るのは、もう少し後になってからだ。
なにせ、その時の俺たちは暑さにばかり気を取られ、頭が回らなかった。
いつもなら気づいたかもしれない、何かしらの“違和感”に気づけなかったんだ。
あらゆるモノの価値は一元的ではない、とセンセイはよく言っていた。
誰かにとっては無価値でも、誰かにとってはとても価値のあるモノだってある。
逆に言えば、そこまで俯瞰して物事を見なければ、モノの価値には大抵ランクがつけられる、とも言っていたが。
特殊な精神状態でもない限り、腹が減っている人には食べ物が、寝たい人には安眠できる場所、服がない人には衣服が上位になるだろう。
つまり、今の俺たちにとっては電気、より具体的には冷房が上位になっているってことだ。
このご時世、「健康で文化的な最低限度の生活」にはクーラーも有力候補になっている。
それを使えない程度の電気しかない中、日々を生活するのは困難だった。
市長はいつものスーツ姿から、くたびれたタンクトップに半パンという、恥や外聞を二の次にした中年のオッサンスタイルになっていた。
「暑いのに、あんなのピッチリ着るのはバカげていますよ。ふさわしい、場所にあった格好だなんて考え方は時代錯誤です。汗ダラダラで、ビショビショのスーツ着たほうがふさわしい格好だとでも?」
「一理ありますが、汗ダラダラ服ビショビショ、かつラフな格好していると説得力に欠けますね」
クールビズ月間を打ち出した者として、「格好は気にするな」ってことをメッセージにしたかったらしいと市長は語る。
自分の政策に率先して乗り出すのは、この市長の数少ない評価点だ。
だが、そもそもの話をするなら、今そんなことをしなければならない原因は市長にあるわけだが。
周りは、その姿に呆れるしかなかった。
市長の今の状態は表面的にではなく、本質的にみっともない姿だからだ。
俺は家の中で比較的暑くない場所に座して、とにかく時間が過ぎるのを待つしかなかった。
団扇を片手に、水の張られたタライに足を浸し、少しでも体温が上がらないようにする。
他にできることなんてない。
現代で、電気を使わず出来る余暇の過ごし方なんて限られている。
それにしても、まさかこのご時世にこんな古臭い納涼をする羽目になるとは思わなかった。
だがこれが、案外バカに出来ないのが癪だ。
フィクションとかでやっているのを見たことがあるから試してみたが、確かに幾分かマシなのである。
だが、それでも都会の夏は暑い。
そして暑さの弊害は熱だけではない。
俺の座っている椅子は皮製品なのだが、自分の体が付箋のように張り付く。
いや、もしかしたら、今の俺は付箋よりも粘着力があるかもしれない。
そういえば、飼っている猫もいつもなら足元に寄ってくるが、今日は来ないな。
まあ、お互い暑苦しくなるだけなのは分かりきっているから当たり前だが。
猫は床に寝そべっているだけだ。
「涼しそうだな……」
俺はおもむろに、猫の真似をして床に寝そべった。
なるほど、かろうじて床がヒンヤリするような気がしないでもない。
しかし今の自分の姿はいくら家の中とはいえ、かなり不恰好だろうな。
だが、そんな体裁を気にしていられる余裕は、今の俺にはなかった。