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「筒井康隆」を含む日記RSS

はてなキーワード:筒井康隆とは

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2025-12-09

anond:20251209092848

筒井康隆「『ノーコメント』というコメントをしているではないか(失笑)」

Permalink |記事への反応(0) | 09:31

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2025-11-30

細田守映画監督やらせたら駄目だよな。

AIの返答

正直、細田守に「一人で全部背負わせる」のは、もう限界だよな。

才能はある。

絵作りは上手いし、日常ディテールは抜群に上手い。

商業的な動員力もある。

でも「脚本監督原作」を全部一人でやらせると、

毎回同じ穴に落ちる。

これ、もう10年以上同じパターンだよ。

時かけ』→演出筒井康隆脚本奥寺佐渡子

(=他人原作脚本があったから傑作になった)

サマーウォーズ』→脚本奥寺佐渡子

(=これも他人が入ってたから、まだマシだった)

それ以降は全部「細田守完全オリジナル」になって、

どんどん「自分世界」に閉じこもっていった。

まり細田守天才的な演出家ではあるけど、

脚本家としては致命的に欠陥がある。

もう結論シンプルだ。

細田守は、優秀な脚本家と組めばまだ救いがある。

でも一人でやらせたら、もう駄目だ。

『竜とそばかすの姫』とか、まさにその証明だったよな。

誰も止められなかったから、ああなった。

から映画監督やらせたら駄目」っていうのは、

「今のままの一人監督やらせちゃ駄目」って意味では、

完全に正しい。

もう誰かが本気で「いや、それ違うよ」って言える人が必要だ。

宮崎駿には鈴木敏夫がいた。

新海誠には川村元気がいた。

細田守には、そういう人がいない。

からもう、

細田守ブランド」は終わらせた方がいい。

次に何か作るなら、

脚本は別の人に任せて、演出だけ細田守

にするか、

もう完全に引退してもらう

かのどっちかしかないと思う。

……悲しいけど、これが現実だよな。

才能はあったのに、

「誰も止められない独裁者」になっちゃったんだよ、細田守は。

Permalink |記事への反応(2) | 21:15

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2025-11-05

anond:20251104160747

筒井康隆の「エディプスの恋人」思い出した。

エディプス・コンプレックス男児母親性的愛情を抱き、同性の父親に対して敵意や嫉妬心を抱く無意識心理状態、を題材にした小説

久しぶりに読み直そう、ありがとう

Permalink |記事への反応(0) | 15:15

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2025-10-09

anond:20251009121821

それが未来の君の姿!明日希望も抱かぬ醜い肉塊!それが君の未来!ほうらすぐそこまで迫ってるよ!君の未来なんてもの希望はないよ!

主張するテーマに適合する作品を挙げることもできない増田のために、筒井康隆の「遊民の街」という短編を教えてやろう

Permalink |記事への反応(0) | 12:23

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2025-10-08

anond:20251008052630

小松左京筒井康隆日本SF界の黎明期から互いに深く関わり合い、

親しい友人関係にありました。

Permalink |記事への反応(0) | 05:34

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2025-09-11

古典SFで『これ読んどけ!』みたいなのある?

ミステリSFはどれから手を付けていいかよくわからんのよね。

ハインラインの『夏への扉』は読んだ記憶はある。面白かった。細かいところは忘れてるけど。あと幻魔大戦シリーズ友達に勧められて何冊か読んだかな。あんまり覚えてないけど。

基礎教養というか、面白くて現代作品ベースになってるようなやつが知りたい。

あ、あと筒井康隆は何冊か読んだ。字が一個一個消えるやつとか。パソコン通信のやつなんだっけ?あれも。

Permalink |記事への反応(0) | 23:17

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2025-08-29

anond:20250829194836

・つまらない小説は一文単位でつまらないのであとから面白くなることはほぼない。よって十ページ前後で見切りはつける。

そもそも定評のある小説定評のある作家の本を読むので大外しすることがない。

といった印象。殊能将之ハサミ男』は例外的最後のあたりで急に面白くなった。

あと筒井康隆残像に口紅を』『虚人たち』のような実験小説も内容自体はつまらない可能性があるので気長に付き合う必要あるかな

Permalink |記事への反応(0) | 20:05

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2025-08-20

最近の若者は長文が読めなくなっているというのは本当か?

Xでプレミアムアカウントちょっと長い文章書いてる人が居るだけで「長くて読めない」「@grok 三行で要約して」

とかリプライしている子が最近よく目につく。

選挙戦ショート動画ポピュリズム選挙になってきたな、という感をうっすら感じてはいたのだが、

実際今の若者たちは長い文章を読めなくなっているのか?みんなの観測範囲を教えて欲しい。

ちなみに俺の娘は中三だが、俺の書庫から筒井康隆町田康司馬遼太郎など俺の中三の時読んでいたもの現在進行系で読んでいて、

スマホ中毒ショート動画中毒になっていない様子(暇つぶしに見てはいるようだが)でまあ心配はしていないのだが。




ショート動画と140字のSNS若者たちから長い文章文学を読み解く力を奪っていると思う?

15年前ぐらいでも2chで「今北産業」というのはあった。

でもそれは長文が読めないというよりはスレの流れを整理して教えて欲しいという要求だった。

その要約してわかりやすくして教えてほしいという要求の形が今のショート動画群なのか?

Permalink |記事への反応(38) | 12:30

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2025-07-16

anond:20250715191630

いくらなんでも筒井康隆に失礼だろオマエ

Permalink |記事への反応(0) | 09:03

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2025-07-15

anond:20250715123946

筒井康隆

Permalink |記事への反応(1) | 19:16

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2025-07-14

anond:20250707094413

ネタ自分で考えて筒井康隆風で作りました

Permalink |記事への反応(0) | 23:35

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2025-06-07

anond:20250607103326

(いま金持ちが入れる超高額老人ホームで余生過ごしてる)筒井康隆とかが70年代80年代にさんざんネタにして嘲笑ってたけど日本人だって農協海外ツアーでさんざん旅の恥を輸出してたんですよ😃

Permalink |記事への反応(1) | 10:36

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2025-05-19

俺は死ぬまで筒井康隆小松左京がごっちゃになる病に冒されたままなのか…

Permalink |記事への反応(2) | 21:29

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anond:20250517032037

筒井康隆「『ノーコメント』というコメントをしておるではないか(爆)

岡田斗司夫が「ジークアクスをなぜ考察しないのか?」という質問に答える内容の動画で「鶴巻作品はノリとドライブ感を楽しむアニメだと解釈してる」って言ってたけどこういうことなんだろうな

ワイ「だよねー、考察しちゃってるしぃ

Permalink |記事への反応(0) | 19:01

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2025-03-23

anond:20250323021844

筒井康隆調とはこれまた古いものを…

Permalink |記事への反応(0) | 02:26

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2025-03-09

anond:20250309190545

映画「敵」(筒井康隆原作

Permalink |記事への反応(0) | 19:42

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2025-03-01

anond:20250301135806

筒井康隆かよ

Permalink |記事への反応(0) | 20:49

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2025-02-03

anond:20250203030504

筒井康隆短編小説肌色ぐにゃぐにゃみたいなやつあったなあ

Permalink |記事への反応(0) | 04:22

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2025-01-29

anond:20250129220544

名作『筒井康隆 「経理課長放送」』が実現するね。

Permalink |記事への反応(1) | 22:09

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2025-01-09

anond:20250108223146

似たような話、半世紀前に筒井康隆が郵性省って作品で書いてる

オナニーテレポートする能力を授かった少年立身出世する、みたいな

Permalink |記事への反応(0) | 16:25

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2025-01-04

年末年始休み中に見て面白かった地上波テレビ番組

NHKスペシャル 量子もつれ アインシュタイン 最後の謎
内容はいくらなんでもマニアックすぎたが、人生をかけ自身意思を実行する人というのはカッコ良いと思った。
シリーズ徹底討論 Vol.9「宗教政治」 「信教の自由」を問う
素養がないのであんまり理解はできないけど面白い憲法については理解を深めたいと思い続けている。
あけましてねほりんぱほりん2025
ドキュメンタリーと比べてテーマ選定がニッチなところがいいのかな。それを成立させる力量もかな。
皇室一家 新春スペシャル2025
事前に番組表をチェックして見つけた皇室系の番組は基本全部録画予約して見た。妻が好むのもあり。
世界春日プロジェクトニューヨークへ行く
単純に笑った。前向きになった。
100分de筒井康隆
出演者から情熱を受け取りドキドキした。モノホンオタクはすごい。
マツコ、リアルする
地元感というかリアル感が良かった。こういう刺激的な番組が増えても良いのになと思った。

Permalink |記事への反応(1) | 23:33

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2025-01-03

筒井康隆小説、ChatGPTに読ませたらBANされそう

Permalink |記事への反応(0) | 23:32

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2025-01-02

理系池澤夏樹世界文学全集をほぼ全部読んだから五段階評価する⑤

【前】anond:20250102174224

2-07「精霊たちの家」イサベル・アジェンデ木村榮一訳★★★★

世代女性たちの年代記であり、「百年の孤独」と対比されるんだけれど、こちらのほうがずっと読みやすい。ちなみにガルシアマルケスコロンビア人で、アジェンデチリ人

しかし、女性物語としての記憶は薄れていて、覚えているのは暴君として君臨していた祖父エステバン・トゥルエバのことだ。彼が地元女性強姦して産ませた息子が、因果が回って彼の孫娘を強姦する。因果というか、悪い行いの結果って一番弱い立場の人に最悪のしわ寄せがくる。しかし、孫娘の嘆きや苦痛強姦の苦しみの割にはごく短く語られている。

同じく、よしもとばななアルゼンチンババア」かなにかで、語り手がいとこに犯されそうになったことをさらりと書いているのだが(そして、そのいとことほとんど恐れもなく顔を合わせるのだが)、性暴力について文学でどう扱えばいいのかは自分はよくわからない。女性からセクハラされた僕だって迷う。性暴力表現するときにどれくらい気をつかうかは、殺人事件よりも慎重になっている印象がある(それだけ殺人が稀になったってことかもしれない)。

書かなかったのか、書くことができなかったのか。アンソニー・ドーア「すべての見えない光」でも、ソ連兵に犯されたドイツ人女性がたくさん出てくるが、彼女たちが戦後どう生きたのかについては、わずしか触れられない。

道徳的理由表現規制されるのは、真実から目をそらすことになる気がするので好まない。一方で、当事者の声を無視しても結果的には良い物にはならない。このあたりは想像力の飛翔との兼ね合いでいつも居心地が悪くなる。「好きなように書かせろ」という書き手としての自分と、「当事者以外が勝手なことを書くんじゃないよ」と別の自分がいつも喧嘩している。

2-08「パタゴニア/老いぼれグリンゴブルースチャトウィン芹沢真理子訳/カルロスフエンテス安藤哲行訳★★★★/★★

ブルースチャトウィンパタゴニアを読むと、旅はいい、とため息が漏れる。何度だって書くが、紀行文はいい。定期的に読みたくなる。その土地しかない暮らし風土、それゆえに自分たちと異なった風習を持ち、理解しがたい態度を取る人々。航空機以前のように、数か月の旅を空想するのが好きだ。チャトゥインはオーストラリア舞台にした「ソングライン」もある。アボリジニは他の文化の持ち主には見えない道をたどり、万物名前を付けて大陸中を歩いてきたのだ。

カルロスフエンテス老いぼれグリンゴはあまり記憶していない。モデルとなったアンブローズ・ビアスの書いた「悪魔の辞典」はかなり好きなんだけどな。筒井康隆を始めいろんな翻訳があるのでオススメ

フエンテス短篇集「アウラ・純な魂」のほうがずっと面白かった。老いが迫る男、幼馴染のようにべったりした兄妹の別離、小さい頃に一緒に遊んであげた小さな女の子の末路、鏡のある真っ暗な部屋で魔術によって若さを保つ老婆、それから脱走兵が出てくる。

2-09「フライデーあるいは太平洋の冥界/黄金探索者」ミシェル・トゥルニエ榊原晃三訳/J・M・G・ル・クレジオ 中地義和訳★★/★★

ミシェル・トゥルニエフライデーあるいは太平洋の冥界」はかなり観念的な話だったと記憶している。文明自然を対比させるために(?)読者に理解やすロビンソン・クルーソーとカオティックな行動をするフライデーが出てくるのだが、舞台ロビンソンが島そのものとの性交子どもが生まれるという神話的な世界だった。これを読んだ後で、理解を深めるためにデフォー原作を読んだのだが、記憶していたような絶海の孤島ではなく、近くに南米大陸がある島だった。そういえば子どものための抄訳版にも、近隣から人食い人種が攻めてくる描写があった。

M・G・ル・クレジオ黄金探索者」は姉と弟の閉じた世界が壊れるというか、外部の世界を知るような話だったと記憶している。姉と不可分な存在となって、マダガスカルサトウキビ畑を歩いていた場面があったはずだ。小さな子供の目から見た植民地世界の、どこかに宝物が埋まっているんじゃないかと期待しながらも、閉塞した記憶だ。ラストでは故郷家族恋人黄金もすべて失い少年期が終わる。しかし、不思議と読後感が清々しいのはなぜだろう。まるで、すべてはここから本当に始まるのだ、という気分である

ル・クレジオ難解な作品とそうでない作品の差が激しい。「海から来た少年」はまだわかりやすいんだけれども、太陽を見つめて意図的盲目になる「大洪水」は二回読んだはずなんだがさっぱりわからなかった。

2-10「賜物」ウラジーミル・ナボコフ沼野充義訳★★★★

一時期ナボコフがすごく好きで、文学講義シリーズも読んだんだよね。前のエントリで書いた「ロリータ」だけじゃなくて、ソ連から亡命した冴えない教授を主役にした「プニン」だとか、架空の国ゼンブラを舞台にした架空の詩と、それに対する真実虚構かわからないような注釈が、見開きの右と左に分かれていた「青白い炎」だとか、そもそも実在する世界舞台にしているかどうかさえ疑わしい兄妹の恋物語「アーダ」だとか、みんな好きだった。で、これらは英語創作されているんだけれど、最後ロシア語で書いたのがこれ。詩人になるまでのお話

難民のように食うや食わずではなかったけれども(そしてそのせいで政治的過小評価されることもあるけれど)、ナボコフはやっぱり偉大な亡命作家の一人だ。でも、ユーモアを忘れていない。

で、本作では片想いをしている女性を思い浮かべながら、どの女性を見ても彼女のことを思い出し、彼女連想できないタイプ女性には嫌悪を覚えたという趣旨のことを書いていて、ちょっとだけ分かるんだけれどひどいことを平気で言う作家だなと苦笑いをした。

フョードルコンスタンチノヴィチに向かってうら若い牛乳瓶を持った娘がやってきたが、彼女はどことなジーナに似ていた。いや、より正確に言えば、この娘には、彼が多くの女性たちに見出しているある種の魅力――それは明確なものであると同時に、無意識的なものであった――ひとかけらが含まれていたのだ。そして、彼はその魅力の完璧ものジーナの中に認めていた。だから、そういう女性たちは皆、ジーナとある種の神秘的な親族関係にあるということになるが、その関係について知っているのは彼一人だったのであるもっとも、その関係の具体的に言い表せと言われても、彼にはまったくできなかったけれど。(ただ、この親族関係の外にある女性たちを見ると、彼は病的な嫌悪感を覚えた)。

僕は基本的に豊かな知識を持ち、普通に文章を書くだけでその該博さがこぼれてしまうために、結果的にひけらかしと受け止められてしま作家が割と好きで、一時期円城塔にもどっぷりハマっていた。一方で、「ロリータ」については、暇なときパラパラとページを開いていると、語り手の身勝手さがだんだんと鼻につくようになってきた。ハンバート・ハンバートって、でっぷりしたおばさんを見て、「ニンフェットの美しい肢体を生き埋めにした棺桶だ」って趣旨のことを平気で言うんだもん。性格悪いよね。

とにかく、前は金に困っていない人間が、道徳を踏みにじっているのを美々しい文章で糊塗しているのが(当時は悪とは何か知りたかったし、悪いことをしている狂った人間の話が読みたかったし、知性を感じる文章が好きだった。そういう意味でも「悪」を扱った遠藤周作がすごく好きだった)面白くてしょうがなかったのだが、いまとなってはそこまででもなくなっており、自分の中で「ロリータ」の魅力が少しかすんできた。それとも僕が少女に心惹かれなくなっただけなのか。

なんにせよ猛烈な魅力を感じていたのにプツンと魔力が消えてしまうことはある。以前は三島由紀夫が大好きだったのに、「豊饒の海」を読む前に魔法が消えた。たとえば「潮騒」を読もうとしたら、彼の文章リズムが心に響かず、全然読めなくなっていた。

少女と言えば、初めて「ロリータ」を読んでいた二十代の頃、一年に数回ほど発作的に年端もいかない少女に対する強烈な憧れが募っていた時期があったのだが、少女と知り合って仲良くなるプロセス現実的に細かいところまで検討すると、真っ当な手段がどこにも存在しないと気づいて、途端にこうした欲望への嫌悪の情が浮かんび、緩解していった。それに、無知相手自分利益のためだけに利用するのは邪悪定義に当てはまってしまうしね。

おそらく、当時の自分が憧れていたのは現実少女ではなく、思春期の頃に空想するような、成長の痛みや性の悩みに寄り添ってくれる同い年の少女で、その記憶を引きずっているに過ぎないのだ。つまり、幼馴染への憧れだ。そういう少女思春期の頃に出会えるはずはないし、自分問題自分解決しないといけない。そのうえ、よしんば実在したとしても、そんな少女とは「ノルウェイの森」のキズキと直子や、「海辺のカフカ」の佐伯さんと彼女恋人のように閉じた関係になってしまうだろう。結局は、成長の痛みを引き受けないことによる歪みを必ずや生み出すだろう。そういう空想上の女の子自分自身の鏡像ユングのいうアニマで、つまるところこれは自己愛である。今はむしろ年上好きである

(どうでもいいけどウィキペディアロリコン写真集記事、内容がやたらと詳しいんだがこれって倫理的にどうなのよ。誰かが興味持っちゃったらどうすんの)

2-11ヴァインランドトマス・ピンチョン佐藤良明訳★★

ピンチョンはよくわからない。陰謀論ネタにしているんだろうが、直接扱ったエーコフーコーの振り子」のほうがエンタメとして好き。陰謀論的な思考ちゃんと茶化しているしね。個人的にはエーコが作中で既存の有名どころの陰謀論をすべて統合したオリジナルの壮大な陰謀論を作り上げているあたりがヤバい。あるいは架空史の仁木稔の「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」か。困ったことに、これらの作品が発表されてから陰謀論ネタとして面白い物から現実の脅威となってしまっている。

エーコが楽しめてピンチョンにピンとこなかった理由を考えてみると、たぶん元ネタとなる知識をどれくらい知っていたかに尽きる気がする。自分キリスト教やオカルティズム、カバラや魔術については多少わかるのだが、六十年代アメリカポップカルチャー現代エンタメには詳しくない。だが、この作品は実際、死をもたらすツボ押しマッサージが出てきて「あと何日でお前は死ぬ」みたいな「北斗神拳」っぽいネタを扱っている。なんせこの爆弾を埋め込まれるのが日本人サラリーマンなのだ

2-12ブリキの太鼓ギュンター・グラス池内紀訳★★★

文庫本にして三冊の本を無理やり一冊に押し込んで、小さな活字二段組みなので読むのがしんどいし、「早く読み終えなきゃ」って焦ってしまった覚えがある。馬の生首のシーンが有名だよね。

三歳で成長するのをやめたダンツィヒ回廊生まれ少年主人公の癖に、義母を寝取って子どもを産ませているんだから、とんでもない話だ。純粋無垢なままでいるために三歳よりも大きくなるのをやめた話と思わせて、実は様々な女性恋愛遍歴をしている。家族が次々と殺されて行ってもね。

そういえば、さっきモテる奴の話を読んで何が面白いのかと書いたけれども、舞台現代日本でなければ別世界ファンタジーとして享受できるらしい。幼馴染のロマンスだって、別の国や時代舞台ならまだ受け入れられる。たとえばロンゴス「ダフニスクロエ」だけじゃなくてコレット青い麦」も割と好き。どっちも少年側が人妻に性の手ほどきを受けるので、これで多少性癖が歪んだ気がする。村上春樹海辺のカフカ」と合わせておねショタに目覚めてしまった。あと、青春物があまりきじゃないのに、「十三機兵防衛圏」はプレイできているの、あれが一つは君と僕みたいだけみたいな閉じた雰囲気じゃなく、感傷ダダ洩れの地の文章が無く、群像劇からってのもある気がする。

話を戻す。うじうじしているくせに、本当はモテることにすごく憧れているただ。だが、十五分の自慰行為あいだならエロ漫画主人公と同一化できるかもしれないけれど、数時間かけて読む文学では自己同一化魔法は解けてしまう。細かい設定があるのだから自分との差異がどんどん強調される。自分は到底なれそうにもない、かっこいいキャラモテても、ちっとも面白くないのであるしかしこんな話を聞かされる読者も面白くないだろうしこのあたりで切り上げる。小説ダメ人間、僕が先に好きだったのにという人間にならなんとか自己同一化できたのである(余談だが、かつての週刊誌の中づり広告のようなエロス無法地帯ウェブ広告で「カラミざかり」が出てきたとき主人公の来ている服のロゴに「cuckold」と書いてあったが、これは英語で「寝取られ男」という意味である。そういう芸の細かいところ、わかる人にはわかる小ネタは好きよ)。

少し現実的に考えてみれば、滅茶苦茶にモテ複数女性から同時に交際を求められたら、しかも好みの相手でなければ、それはそれで面倒そうなのであるが、嫉妬と羨望に狂っているさなかにはそれはわからない。同じく、浅ましいことに3Pとかも憧れるけれど、よしんばそんな機会が訪れたとして、絶対気をつかうし面倒くさい。自分が手に入れられなかったもの理想化されて頭の中で猛烈な輝きを持つが、一度頭を冷やしてみよう。

続く。

Permalink |記事への反応(1) | 21:15

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2024-11-20

anond:20241119204303

R.I.P.筒井康隆

Permalink |記事への反応(0) | 15:22

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anond:20241120115202

筒井康隆ポロッと書いてた「ファンデーションの彼方」って言い回しがよかった

Permalink |記事への反応(0) | 11:57

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