
はてなキーワード:監視員とは
スーパーに向かう途中、ふと空を見上げたら電線に見慣れない鳥がいた。
長めの足に、白くてひょろ長い胴体に、長めのくちばし、鳥にそんなにくわしくないけど多分サギさんだと思う。
サギさんは時々川にいたり飛んでいたりするのを見かけるけど、電線の上にいるのを見たのは初めてだった。
スズメやハトさんよりも体がひとまわり大きいのでよく目立っていた。でも周囲を見渡してもぼく以外にサギさんがいることを珍しがっている人間はいなかった。もしかしたらぼくが今まで知らなかっただけで、普段からあの電線にとまって交差点を観察していたのかもしれない。
20分くらいで買い物が終わって帰るぞーって時に見に行ったらまだサギさんは同じ場所にいて、細い首をくいっくいっと動かして周囲の様子をうかがっていた。市民プールで高い椅子に座って監視している監視員のようだった。
また会えるといいなあ。
ソープの話題が出てたのでChatGPTに調べて貰った。(DeepResearch)
ソープランドやデリヘルといった風俗店では、建前上「本番行為(性交)は提供せず、お風呂やマッサージだけ」を謳います。しかし実際には、個室で客と従業員が自由意志で恋愛関係になった結果として性交したという形を装い、店側が売春を斡旋していないと主張するのです。料金は「入浴料」などと称し、性的サービスそのものには対価を払っていないというフィクションで法の網をくぐっています。この「自由恋愛だから売春ではない」という業界の建前は、1986年の最高裁判決で明確に否定されており、経営者が「知らなかった」と言い逃れできないと判示されています。
本来ギャンブル禁止の法理念が事実上骨抜きにされ、事実上日本最大のギャンブル産業が合法的に存在している矛盾です。社会的にはパチンコが深刻なギャンブル依存症の原因になっており、本質的には賭博と変わらないにもかかわらず、グレーな状態で巨大産業として存続しています。依存症による家庭崩壊や経済的損失など倫理的・社会的問題も大きいのに、法の網をくぐっているため十分な規制・課税が及びません。また景品交換所は古物営業法の適用除外とされており(「盗品等の処分の実態がない」との理由ですが、実際には強盗や窃盗事件も発生しています)、制度の不透明さが治安面の懸念も招いています。
公職選挙法は選挙運動の方法を厳しく制限する法律です。戸別訪問の禁止や文書図画(ポスター等)の制限などが規定される一方で、選挙運動用自動車(選挙カー)による連呼行為は例外的に認められています。同法140条の2で「連呼行為の禁止」を定めつつ、「但し選挙運動用の自動車上では連呼してよい」と明記されているため、候補者名の連呼だけは走行中でも許されているのです。
この規定により、日本の選挙では選挙カーが大音量で候補者の名前を連呼する光景が定番化しています。公職選挙法は選挙運動期間を公示(告示)日から投票日前日まで、時間も原則朝8時から夜8時までと定め、それ以外の深夜早朝は活動禁止です。ただし拡声器の音量について明確な上限規制はなく、住宅街でも法定時間内であればいくら大音量でも違法ではないため、実質ノーガイドラインの状態です。その結果、各候補が少しでも有権者の耳目を引こうと最大音量で連呼を繰り返し、毎回の選挙で「名前を連呼するだけのうるさい車」が走り回ることになります。これは本来、公職選挙法が戸別訪問等を禁じた副作用とも言えます。禁止事項が多いため候補者は合法な宣伝手段として「連呼」に頼らざるを得ず、結果として騒音公害のような現象が合法化されてしまったのです。
2006年以降、民間委託の駐車監視員が違法駐車の取り締まりに当たるようになりましたが、彼らが対象とするのは主に運転者が離れた「放置駐車」です。そのため運転席に人が乗ったままの車は、たとえ長時間停車していても監視員は直接取り締まらないケースが多いのです。実際には「運転手さえ乗っていれば駐車違反にならない」というのは誤解で、運転者がいても5分を超えて継続的に停まっていれば法律上は駐車違反です。しかし現場では、監視員が車に近づきタイヤにチョークマーキングしようとすると運転手がすぐ移動してしまい証拠固めができないため、結局見逃されてしまいます。加えて警察OBいわく「緑のおじさん(監視員)はトラブル回避のため運転手が乗っている車はスルーするよう指示されている」節もあり、運転席に人を残したままハザードを点滅させて路上駐車するのが物流業者やタクシーで横行しています。「ちょっとの間なら…」と誰もがやりがちなグレー行為として半ば定着し、駐車禁止標識が形骸化しているのが実状です。
技能実習制度は事実上、認めていないはずの単純労働を外国人にさせる抜け道として機能しています。例えば農業・建設・介護など人手不足の分野で、開発途上国から来た実習生が3~5年間働きます。名目上は「技能の習得」ですが、実際には過酷な労働や長時間残業、低賃金で働かされるケースが多発しています。監理団体と送り出し機関を介し、中小企業や農家が直接雇用する形をとらない複雑な構造も不正の温床です。結果として実習生への賃金未払い・暴行・パワハラ等の人権侵害が後を絶たず、毎年数千人規模で失踪者(逃亡者)が出るなど闇が深い状況です。制度の恩恵を受けるはずの受け入れ企業からも「使い捨ての安価な労働力として酷使されるだけでなく、失踪リスクや手続コストもかかり、こんな制度はおかしい」と批判の声が上がっています。現に、「これは人身売買だ」とまで制度を非難する雇用者もいました。
日本は相当数の二重国籍者を黙認しているのが現状です。国籍法には22歳までに国籍を選べとありますが、選択しなかった場合の罰則はなく、役所から「選択宣言をしてください」という通知が来る程度です。また日本国籍離脱は本人の意思による届け出制であり、他国籍を取得しても本人が届け出ない限り日本政府は把握できません。例えば米国など第二国籍を取った日本人でも、日本には報告せず日本旅券を更新し続ける人もいます。政府側も海外で外国籍取得の情報を完全に把握する術はなく、結果として黙認状態が長年続いています。一部では、著名人などが二重国籍疑惑を指摘され問題化する例(2016年の政治家のケースなど)もありますが、そうしたケースでも最終的に国籍離脱を強制されることはまれです。つまり法律上は禁止だが事実上は放置という典型例になっています。
EVメーカーテスラが6月22日にテキサス州オースティンでロボタクシー事業を開始した。米国発の発表からわずか数時間で日本語圏にも情報が流れ込み、各種メディアやSNSが一斉に反応した。本稿では日本語報道と国内リアクションを整理し、客観的に評価する。
サービスはModel Yを用い、運賃4.20ドルの固定料金。完全無人ではなくテスラ社員が助手席で監視する暫定仕様だ。対象エリアはオースティン市内の一部に限られる。NHTSA(米運輸省道路交通安全局)は開始翌日に情報提供をテスラへ要請しており、安全性評価は現在進行形である。
大手通信(ロイター、ブルームバーグ)が速報し、IT系・ビジネス系サイトが追随した。論調は「期待と警戒の二項対立」が基本線。肯定的要素としては料金の安さとテクノロジーの先進性、否定的要素としては安全監視員同乗とサービス範囲の限定が強調された。
サービス開始翌営業日、テスラ株は一時11%高を記録。日本語記事は「好材料」と報じたが、交通違反疑惑報道で時間外に反落した事実も併記し、短期的な変動リスクを指摘している。
President Onlineなどの解説系は「実質レベル2相当でWaymoに劣後」と慎重論を展開。一方でテック系ブログやイノベーション系メディアは「Starlinkによるカバー」「新アプリ連携」といったエコシステム面を評価し、中長期の優位性を論じた。視点は異なるが、「追加検証は不可欠」で一致している。
X(旧Twitter)では終日トレンド入り。テスラオーナー/投資家は「人間より滑らか」と賞賛する一方、一般ユーザーは「怖い」「日本導入は遠い」と慎重。試乗動画の切り抜きが拡散し、走行ミスを不安視する投稿も目立った。
国交省は公式声明を出しておらず、国内紙は「米当局の動向が日本の審査姿勢に影響し得る」と観測記事にとどめた。道路運送法・道路交通法の改正ペース、右ハンドル仕様の対応、既存タクシー事業者との調整など、制度面のハードルは依然高い。
国内の受け止めは「未来感への興奮」と「安全・制度への懸念」がせめぎ合う状態だ。技術的ブレイクスルーは歓迎されつつも、社会実装には時間がかかるという冷静な見立てが優勢である。
https://jp.reuters.com/markets/commodities/VGDPEFXKYFPDLO53XDYTCKGVJA-2025-06-22/
https://jp.reuters.com/markets/commodities/PMQGRVYUVNIANKUWCRNI5L57AM-2025-06-24/
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-06-23/SYBL22T1UM0W00
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-06-24/SYC0XYDWLU6800
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2506/23/news054.html
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2025039.html
https://president.jp/articles/-/97123?page=1
1位 キャバクラ嬢
2位とやや迷ったが、容姿以外に参入障壁がなくモノホンの池沼でもなれてしまう点、素人っぽさがむしろ価値になってしまう点でトップが妥当だろう。のらりくらりとおしゃべりして金がもらえ、いざという時は黒服が守ってくれる、その上労働時間も短めとなると、これ以上チョロい職業は参入障壁の高い天下り役員くらいしかないと思われる。風俗は介護要素があり何だかんだプロとしてのテクニックを求められたりするので別物だと考えている。
2位 タクシー運転手
容姿は問われないが、超簡単とはいえ一応試験がありモノホンの池沼ではなれないという点からこの位置とした。トラック運転手は大型免許を取るという一応の心理的ハードルと、手積み手下ろしの場合の筋力等が求められるが、二種免許は一種と比べて何が優れているのかが分からない。技能試験課題は一種のものに鋭角通過が加わっただけであり、これは日常的に車を運転していれば誰でもできる。本当の底辺職と言えるのはここまでだと思う。交通誘導、看板持ち、プール監視員などタクシーよりも求められる技能が少ない職業もあるが、これらは退屈に耐えるという才能が必要なので、誰でもできる仕事ではない。
なんせ義務教育なのだから教科の内容を身に付けるのは簡単である。その上金を払うのは親なので、サービス業なのに目の前の客(生徒)に対してへりくだる必要がないところにチョロさがある。ただ子供に舐められたら終わるので誰でもできる仕事ではなく、社会的イメージからも純粋な底辺職とは言えない。一応、中学受験向けの塾は特殊知識が求められるので除外すべきだろう。
逆に、素人とプロの差が大きい職業を考えてみると、外科医、自動車整備士、建設業、理美容師あたりだろうか。外科医を除けば結構底辺と言われる職業が多いだろう。
LPICとCCNAさえ持ってれば年齢学歴問わず採用してもらえる、やること無くて勉強してるかスマホいじってる。通称スマホ動物園
※(治験もニート向けだが、そもそもボランティアなので仕事ではない&社保がないし持続性がないので除外する。派遣の仕事もニート向け分野があるが、プロジェクト単位でしかなく持続性がないので除外する)
【番外編 増田の皆に教えてもらったけどやってみて糞だった仕事】
・清掃
トイレ掃除臭いし汚いし暑いし、個室ブースは狭いし便器は低いし体おかしくする。汚物関係はマジでメンタルに来る。下痢便をバキュームで吸った時発狂しそうなのを堪えた。清掃やって知ったけど同じ人間とは思えないぐらいトイレの使い方汚いキチガイが多すぎる。日本人同士でも共存って難しいかもしれないと思った。その上給料も低いので働いたら負け案件。ニートに清掃会社への就職勧める人多いけど、俺が行った清掃会社は一人の正社員が現場で掃除しつつパート複数名を管理指導とオーナーとの打ち合わせ会議への出席と休日のテナント専有部の清掃への借り出しと休みも取りづらい。ニートに清掃勧めるやつは清掃エアプのバカ。死ねバカ。マジで死んだ方がいいよ。お前らが煽ってんだよ。本当死んだ方がいい。
・工場
大音量耐性があって、手先が器用ならニートでも適性あり。機械好きなら尚良し。この適性がないと寝てる時に身体が回転してて工場内の大音量が頭の中でガンガン鳴り響く日が仕事を辞めてからも続いた。バネ指にもなった。手先に自信無い奴はマジで行くな。単純作業っていうけど手先が器用な奴基準の話であって、インパクトでネジ滑る様な俺達みたいな奴は行っては行けない。俺は工場辞めてから身体とメンタルズタボロになって次の社会復帰に1年掛かった。ニートに勧める前に適性確認をせず、ただニートに勧める奴はバカ。死ねバカ。マジで死んだ方がいいよ。お前らが煽ってんだよ。本当死んだ方がいい。
・介護
清掃の汚物がトラウマすぎて求人見てるだけで労働意欲が失せる。知的障害者用の施設で働いてた介護士から、知的障害者に階段から突き飛ばされて障害者になった介護士の話を聞き震える。介護職員の親戚は笑いながら老人に腕を噛まれたとくっきりのこった歯痕を見せて笑っていた。震える。ちなみに介護職員増田は総じてニートに勧めてこないので、増田でニートに介護勧めてくる奴は120%介護未経験者のバカ。死ねバカ。マジで死んだ方がいいよ。お前らが煽ってんだよ。本当死んだ方がいい。
・ビルメン
電工2種持ってれば未経験でも潜り込める。ネットではオフィスビルメンは天国のように言われるが、キチガイテナントとの折衝能力や説明能力に、電気関係の実務的な知識、給排水管や便器排水管フラッシュバルブの衛生設備への理解や、便所の糞詰まり対応。害虫駆除から多岐に渡る。職人上がりの作業員が現場を支えていて、実態は「(元水道屋の)ビルメン未経験」「(元電気屋の)ビルメン未経験」「(元機械修理保全屋の)ビルメン未経験」みたいな人が入ってくる。つまり元ニートは歓迎されない。俺は「メガネ」と「カラス」の意味がわからなくてスパナでヘルメットの上から頭を殴られ「仕事の邪魔はするな」と怒鳴られた。これは現場によりけりかもしれないがマニュアルが整備されておらず職人たちの口頭伝承が多い。何の話してるのか終始わからなかった。便所の糞詰まりを抜いてる時に退職を決意した。若くて「ビルメンとして将来を追える覚悟」を持って齧りついていけるならいいかもしれないが、そんなガッツがある奴はニートなんてやっていない。脳死でニートに勧める奴はバカ。死ねバカ。マジで死んだ方がいいよ。お前らが煽ってんだよ。本当死んだ方がいい。
他人のなりすましだと思われるのが嫌だったので追記残しておきます。
https://anond.hatelabo.jp/20241107094725
工場増田さんへのお礼だけ書きました。本当にありがとうございました。
全く関係ないけど、
言及とかブコメにも上がってたけど4年ぐらい前の野菜ブチギレネタってはてなだと通じないんだと新しい学びになった。通じなかったのは意外だったけど暴サイすら知らない人が多かった実例あるから、それを顧みれなかった俺の配慮不足だなと所感。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/npn.co.jp/article/detail/200004549
ホッテントリにもなってるんだけど、はてなの層も結構入れ替わってるのかな。
通じる人には通じたので、まあええでしょう。
Permalink |記事への反応(19) | 10:13
私は問題の踏切は見たことも行ったこともなく、検索やストリートビューで見聞した範囲で書く。
踏切内でスマホ操作し立ち止まっていた男性、電車にはねられ死亡…待機場所を誤ったか
↑のブックマークに「歩道橋にしろ」という意見がけっこうあるんだけど、歩道橋は実はとっくに架かっている。問題の踏切のすぐ横。
この歩道橋は使いにくいので新しく立派なものに架け替えて踏切は廃止しましょうという計画もちゃんとある。
既設の歩道橋の上部は京急生麦駅の2階部分(橋上駅)に直結していて、線路を渡って京急に乗ろうとする通勤客には便利な構造になっている。
もっとも、単に線路の反対側へ渡りたいだけの人たちにとってはそれほど便利なようにも見えない。
歩道橋への導線は線路の西側でも東側でも少し回り道になっているし、橋そのものが少し狭いし、ストリートビューなどで確認するとわかるがこの跨線人道橋はかなり古い造りで、老朽化していたり、橋の途中に数段の階段があってバリアフリーではなかったりする。
ラッシュアワーなどで踏切がしばらく開かないことが確実な場合以外は、あまり積極的に使おうという気にはなれない感じである。
行政もただ座視していたわけではなくて、相次ぐ踏切事故を受けて、踏切を廃止して歩道橋をもっとちゃんとした便利なものにリニューアルしようという具体的な計画はだいぶ前からある。行政は踏切廃止する気まんまんなのだ。
死亡事故の鶴見・生見尾踏切 廃止へ | 社会 | カナロコ by 神奈川新聞
だがこの計画は地域商店街の反対にあって頓挫している。踏切を塞がれては困るというのだ。
歩道橋のリニューアル計画は踏切の廃止を前提としているため(用地の関係)、踏切が廃止できないと歩道橋も架け替えられない。
2~3年前には苦肉の策で西側に無理やりエレベーターが仮設された(そのために線路寄りにあった電器屋さんが1軒立ち退いている)。歩道橋上には階段が残っているので車椅子の人にとっては使い道のないエレベーターだが、ともかく踏切問題が片付くまでの間わずかでも歩道橋の利用率を高めようと行政も苦心しているのかもしれない。
ひまわり畑を背に佇む麦わら帽子と白いワンピースの少女との思い出はないけれど、自分の「夏」くらいは持っておきたい。
山梨の田舎に帰省したり、部活の合宿で琵琶湖周辺行って川遊びしてたのも夏っぽくはある。
それよりは小学校の夏休みに友達と学校のプール行って、ビート板でトンボ叩き落として腹抱えてゲラゲラ笑い転げてた方がなぜか鮮明に覚えてる。
小学生のおれ達にとって、そういう動物虐待は見つかったら叱られる結構な罪だったかもしれない。
水面上をブンブン飛び回るトンボを見て、どちらが始めるともなくビート板で襲い始めた。
高速で動くトンボにはよもや当たらんだろうと思っていたから、クリーンヒットした時には妙におかしくてたまらなかった。監視員の目線を気にかけつつ、「不良体験」の喜びにはしゃいでた。
高校の頃、真夏のど真ん中のクソ暑い日に友達と本牧へ釣りに行ったのもよく覚えてる。釣れねえなあとかボヤきながら他愛のない会話をしたりしなかったりして。
休憩スペースにあったカップ麺の自販機の物珍しさにはしゃいで、ズルズル啜りながら窓の外に広がる海を見てた。
遠くに浮かぶ客船を見て、あれはクイーンエリザベスか、いやぱしふぃっくびいなすかさんふらわあか、とか知ってる名前を適当に挙げながらバカ話してた。ググって答え合わせをしようとする間に水平線から見切れてしまった。
結局借り物の夏の心象風景を追い求めるよりも、自分の意志で動いていたのが大事なのかもしれない。
親の同行を振り切って、非日常へ飛び込む。つまらん事でガタガタ抜かす教員もいなければ、ちょっとした「失態」にも気を払わなければいけない学校空間の雰囲気もない。そんな場所で友達と一緒に少しハメを外してみたり。
父親に連れて行かれるものだった釣りに、初めて友達を誘って自分らで行ってみたり。くだらない話も尽きて、昼休みにはしないようなマジな話にまで及ぶまで並んで腰を据えてみたり。
まあ夏って冒険したくなるし。
最高の夏、更新していきたいぜ。
彼には名前がなかった。名前があっても使わないだろう、と両親から思われたのだ。だから彼は名前を与えられなかった。彼は学校でも会社でも病院でも名前を呼ばれないまま二十一歳になったが、本人も、周囲の人間も、それで不自由なかった。両親の予測は恐ろしいほど正確だった。だから子供を作ったともいえる。彼は結婚式場で働いている。
彼は毎朝起きてすぐにニュースを見る。ひと通り世の中について確認すると冷蔵庫からチョコレートを取り出して一列だけ食べる。それから顔を洗い歯を磨いてスーツに着替えると、七時にはもう家を出てしまう。式場に着くのは八時頃で、その日に挙式の予定があれば遅刻だし、何もなければ休日である。その日は休日だった。彼は式場の近くのレストランでチョコレートを一列食べて自宅に戻った。何かの封筒がポストに入っていた。
都知事選の投票所入場券だった。もうそんな季節か、と思った(毎朝ニュースを見ているのにそう思うのは不可解である)。彼は今日仕事があると思っていたので他の予定がなかった。だから期日前投票に行こうと思った。投票は、信頼する人間の名前を書く行為だ。彼の人生において、それは重大な意味を持たざるを得なかった。彼はスーツのまま候補者について一通り調べると、暇空あかねに投票すると決めて家を出た。
外では太陽が彼の全身をくまなく蒸らした。十時だった。投票所のある隣駅に向かうための駅では、平日の昼なのに下積みの歌手が歌っていた。たまの『夏の前日』だった。彼はその曲を知らなかったから足を止めなかった。改札を抜けホームに出てもその歌声はかすかに聞こえた。電車はまもなくやって来て、彼はそれに乗った。車内は静かだったが外と変わらず蒸し暑かった。
投票所は静かで涼しかった。彼は鉛筆を持って仕切りのある机に向かうと、最後にもう一度考えてから、暇空あかねと書いた。そして用紙を二つ折りにして、銀色の投票箱の中に落とした。一分もかからなかった。
彼は投票所を出てから家に着くまでの間、絶え間なく投票の記憶を噛み締めていた。彼は投票のたびに向こう数ヶ月ぶんの生気を充填している(それほど重要な投票の日が迫っていることを封筒を見るまで忘れているのは不可解である)。彼は着替えると、猫の名前を呼んだ。猫はすぐにやって来た。彼は猫を撫でながら、今しがた届いた結婚式場からの解雇のメールを音読してみせた。猫は満足そうな声を出すと腹を向けて寝転びさらなる愛情をねだった。彼は求められた通りにした。
その日の深夜に彼は目を覚ました。寝床から立ち上がると冷凍庫から氷を取り出してそのまま噛み砕いた。次に花が生けてあるままの花瓶の中身をすべてシンクに出した。花の種類は暗くてよくわからなかったので、彼はその匂いを嗅いだ。次にトイレに入って排尿すると布団に戻った。いつの間にか目を覚ましていた猫がもう一度彼のそばで丸くなった。
翌朝彼が目を覚ましたのは九時だった。布団の中から手だけでリモコンを探し、ニュースを確認する。番組では彼が普段見ていた時間とは違う種類のニュースを扱っていた。猫はもうどこかに行ったようで彼の部屋にはいなかった。彼は起き上がると花でいっぱいのシンクに水を出した。花はまだ茶色くはなかったが、次の日には花弁の端が変色し始め、その次の日には完全に茶色くなって縮んでいた。彼は水を止めると、その花を口に運んだ。チョコレートと同じ色だった。二本目も三本目も同じようにして食べた。次第に彼の目に涙が溜まりはじめ、ついに零れ、縮んだ花に落ちた。肩を震わせながら次々に花を貪った。彼の家に入った空き巣が最初に見たのは、その彼の背中だった。
彼は両手に枯れた花を掴んだまま振り返った。見知らぬ男が玄関を半分開けて覗いていた。空き巣は泣き腫らした彼の顔を見た。猫に似ているな、と思った。彼はその男が空き巣であることを察知したがその先は特に考えなかった。まだ花を食べていたかった。空き巣は玄関に足を踏み入れた。彼はシンクに向き直って次の花を齧ろうとした。その花は積み重なった花々の内側にありあまり空気に触れていなかったので少し桃色の部分があった。葉も茎にも緑色が残っていた。彼はその花を開けた口から離し、再び振り返って、空き巣に差し出した。空き巣は靴箱の中にあった猫の死体を持ち上げているところだった。
夕方になると空き巣は帰って行った。彼の部屋はほとんど元の状態のままだった。彼は壁にもたれて床に座り、空き巣からもらった名刺を眺めた。空き巣の本業はプールの監視員で、田母神俊雄に投票していた。彼は立ち上がると部屋の隅々までていねいに掃除機をかけた。それが終わると冷蔵庫を開けてチョコレートを一列食べた。最後の列だった。彼はサンダルを履きチョコレートを買うために外に出た。遠くで花火のような音がしたが見えなかった。
増田の周囲で最近「働き方改革とかクソだ!」「リモートとか言わず出社しろ!」みたいな反動があり、職場の雰囲気が良くない。
課長も一時期は、人員を監視してムチ打つ労働監視員でなくて、プロジェクト進行を管理するプロマネ的な動きに変わって行ってるはずなのに、
また奴隷監視員みたいな管理をする人が出てくるようになってきた。大きなトレンドじゃなくて局所的な揺り戻しかとおもうけれど、
職場の雰囲気が恐怖政治的になってきている。指示を出すとき、大義や目的とか締め切り、制約条件みたいな基本的なブリーフィングなく、
「うるせぇごちゃごちゃいうな、おまえ上司のいうことが聞けねぇのか!」みたいな管理をする人がいてびっくりしている。
団塊の人達が無茶苦茶だった、という反省の素にすこしずつ改革を積み上げてきたはずだけれども、その辺の歴史的な認識が
部署によっては最近課長になっている氷河期世代の人たちに伝わっておらず断絶があるように感じる。
団塊ジュニアの人たちで課長にならないで職場の鬼軍曹みたいな、昭和の価値観でガチガチにかたまった人達がいて、