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2025-12-03

果てしなきスカーレットのココがヤバい

まらないと噂の『果てしなきスカーレット』を見てきたよ!

みんなにもこの映画のヤバさを体験してほしいので、この感想を読んで興味を持ったらぜひ劇場に足を運んでほしい!!!

スカーレットちゃんがクソザコ可愛くてヤバい

本作の主人公スカーレットちゃん16世紀デンマーク王女である

大好きな父親である王が、権力を狙う王の弟・クローディアスの策略によって処刑され、復讐を誓うところからこの物語は始まる


……はずが、なんと物語冒頭で毒殺されてしま


父の仇であるクローディアからも「自分が毒を盛られることも考えぬとは愚かなものよ…」と言われてしまう始末




くその通りである



その後、スカーレットちゃんは死者の世界に堕ち、そこで再びクローディアスへの復讐を誓う

しかし行く手に立ちはだかるのは、かつて父親処刑したクローディアスの部下たち

スカーレットちゃんモブ相手には勢いづくものの、中ボスになると毎回やられてしまい、その度わんわん大泣きしてしま



「…ヴゥッ、許せない!許せない!許せない!」



絵に描いたようなクソザコである



なお、本作主人公スカーレットちゃん声優まさか芦田愛菜さん

映画最大の魅力となっているので、くっころ女騎士好きな人にはおすすめ

唐突モブ坊主ヤバい

スカーレットちゃんは毒を盛られ死者の国に堕ちるわけだが、そこでモブ坊主の「ひじり」と運命出会いを果たす


なんか、にじ◯んじみたいなデザインですね。

てか、名前、聖(ひじり)て。

ひじりて、お前。


スカーレットとの落差に脳がバグるが、残念ながらこの坊主現代日本から堕ちてきた本作のもう一人の主人公である

この男のダメなところは多々あるが、まずモブキャラすぎるところがダメ

剣を持った敵が出てくると

「争いはヤメロー!」

戦場突っ込み自分を殺そうとした相手にも平然と握手を求める

どこかで見たような“善人ムーブ”のテンプレを地で行く男である


そして本作の(監督が思う)見どころとして、スカーレットとひじりがダンスをするシーンがあるのだが、ひじりのダンスが信じられないレベルキモい

イメージとしては、最近だと『野原ひろし 昼飯の流儀』のOPに近いだろうか

とにかく、物語中盤のダンスシーンは必見なので、ぜひ劇場で確かめてほしい

ちなみに私は映画を見終わった瞬間に「スカーレット ひじり いらない」で速攻検索した

③ 感動のフィナーレがヤバい

そろそろ疲れてきたので、最後物語のフィナーレについて書くことにする

やかんやあり、スカーレット復讐は果たされ、彼女は現世に戻ることに

一方、復讐を糧に生きてきたスカーレットは生きがいを失ってしまい、ひじりに泣きついてしま


スカ「私じゃなくて、ひじりが生き返ればいいのに!」

ひじり「…」

ひじり「…生きたいって言え!」

スカ「えっ」

ひじり「…生きたいって言えー!!」

スカ「…ぃきたぃ」

ひじり「…聞こえない」


スカ「…い゛ぎだい゛っ!!」



…そう、ワンピースである

『果てしなきスカーレット』を観てて、まさかエニエスロビー編に突入するとは思わないじゃん?

けど、よくよく考えてみると監督細田守。『オマツリ男爵』を手掛けているので、言われてみれば納得のリスペクトである

ちなみに最後クライマックス復讐を果たしたスカーレットにひじりが会いにくる場面があるのだが、霧の中から現れるひじりのシルエットが坊主なのでやっぱり笑ってしまった

坊主が悪いのではなく、アニメ坊主を出すのがノイズなのである

これがケンシロウでも桜木花道でも、やっぱり笑ってしまっただろう

それくらいアニメ坊主は、坊主であるだけでキャラが立ってしまうのだ

アニメ制作にかかわられる皆様におかれましては、裸がノイズになっているかではなく、坊主ノイズとなっていないかを今後とも自省していただきたい。

最後

まとめると、本映画は優れた世界観・主人公作画をもちながら、モブ坊主やわけのわからない劇中歌ダンスを合わせ持つ、稀有作品である


この感想を見て少しでも気になった人は、ぜひ劇場に足を運んでほしい


スカーレットちゃんかわいい

Permalink |記事への反応(2) | 22:12

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2025-11-30

果てしなきスカーレット ネタバレ感想

話題になってたので観てきました。

・予習としてハムレットダンテ神曲のあらすじを頭に入れて挑む。物語下地にはなっているのだろうけど、個人的には知らなくても問題なかったな。

ハムレットから換骨奪胎ぶりが面白いとの評判だったが、個人的にはそもそも悲劇を描こうとしてないしハムレット派生作品として見るもんではないなと思った。単純明快勧善懲悪作品に思った。細田守らしい子供向けを意識する。ハムレットとしては、王様が意地悪に叔父に殺されて復讐心燃えるハムレット、毒で殺すつもりが毒で死ぬ叔父、まぁ様々イベントは似たことが起きる。が、知ってても知らなくてもどうでもよく思う。レアティーズいないし。

神曲への解像度は私は低い。世界文学的ものごっつい大事作品で、地獄から煉獄天国への長い旅を、様々な著名キャラ出会い別れながら進む神聖なる喜劇、的な理解あんまり知らない。スカーレットでは舞台としては準えてるけど、下地として何か作用しているようには感じなかった。棺桶のシーンとかは関係してそうに思ったけど、それは神曲を知ってないといけないかと言われるとそうは思わなかった。それともそれは重要なシーンを無理解に進んでしまった私の不甲斐なさかもしれない。

時をかける少女宣伝に持ち出されたのは、まさに時をかけていたから、かな?安直だけど。


・一つ一つのシーンの絵作りは前評判通り、どれも美しく素晴らしい。

特にスカーレットが可愛すぎる。表情ひとつひとつが愛おしい。

・シーン一つ一つが夢の中って感じ。私は村上春樹世界の終わりとか、海辺のカフカとか好きなので、こういうの好きぃ…ってなった。

現代に生きる私を写像した先のスカーレット写像する世界ってのは、ナーロッパ的な中世であって、銃が存在し、僧がおり、アフリカとか南米とか、色んな文化が表層的に混じり合う。作中では、過去未来も生も死も混じり合う世界とわかりやすく何度も表現される。細田守最高だぜ。こういうファンタジー大衆を入門させてくれてありがとうだぜ。私はこういうのが好きだ。

・服飾考証しっかりしてるとの事前情報通り、私はよく知らんけど多分しっかりしていたと思われて、その解像度のおかげで、地獄の狂い具合が鮮明で面白い。混じり合って混沌としている。

産業革命以降の武力が作中に存在しないのは、それが我々にとっての現実の脅威だからだと思う。この作品ファンタジーなんだ。力強い線引きを感じた。

渋谷ダンスシーン、きたきたぁ!!ってなった。幾原的な心象風景かと思ったら丁寧に前段から渋谷という箱の舞台を歪にチラ見せしたりしてて、思ったより浮いてはいなかったかな。いや画としてはバチクソ浮いてたけど。まぁ意図はかなり明快に伝わった……と思ってる。でも現代の子どもがこの渋谷や踊りを自分ごととして捉えられるかというと疑問よなぁ。現実描写できない制約の中でのスカーレット心象の箱庭、非現実の作中での現実としての非現実としては面白い画だった。私→スカーレット→聖→スカーレット渋谷クール

・宿の主人、てのが登場人物紹介にいたが、作画として特徴的だなと思ったが映画の中では短いシーンだった。でも重要役割だったんかなぁ。

スカーレットの成長を見守るおじさんの気分になった。私も歳をとったなぁ。

・聖、なぜお前は矢を放った……?抑止力はその装置を発動させてしまったら終わりだ。それはお前の思想矛盾しないのか。観終えた後、ダンテでいうと七つの大罪のシーン中だと振り返ってみるが、結びつけるには苦悩する。いやこんなん結びつけなくてええかってなった。……いやでもまじで意味わからん。知りたい。

雑魚雑魚悪役にレアティーズかい名前が付けられてるのも何か関係あるんか……?

ハムレットにおけるクローディアスの懺悔は本物の神への懺悔現代日本では神への信仰が薄く、物語でもあまりに薄情。

天罰は全てを解決する。…ってそれでええんかいな。

最後キスと涙が商業的すぎて泣けなくて泣いた。しかし世の中の大衆はそれが好きなのだろう。届ける先のニーズに応えようとする様はえらい。これを描くには時間が足りない。

・争いよりも友好を、憎しみよりも愛を。これはもっともっと丁寧に描いてほしい。もう1時間割いていい。3時間でいい。…でも忠実に2時間に収めて偉いなぁ。細田守はすごい大衆作家だ。


文学的作品として観たら不評の嵐になるのはなんとなく感じるが、私は素養がないのでその辺はノータッチで。

芝居も映像はやっぱ最高のクオリティだ。映画館で観て良かった。地上波でも家でも観たくない。

価値観も好きだ。物語の壮大さも好きだ。でも、ラストだけはちょいと心残りだなぁ。

オマツリ男爵もだけど、細田さんはラストへの拘りや興味があまりない……?

作家メタれば、前半の苦悩や憤怒の感情はきっと描きたいものであったとは思う。

でも作品として本来目指す描きたいものは、それなりに人間の根源的なもの思春期の頃に精一杯みんなが考えて悩んでほしいことで、大人になっても向き合って向き合って考えていきたいことだとは思う。

その勧善懲悪は良いが、憎しみへの向き合い方としての成功例としてこのように描くにはご都合が良すぎるように思った。特に聖の矢とクローディアスへの天罰

現実でいうと、例えば中共オラオラしてるのを武力を持ってやめろやめろと脅すまではいいけど実際に刃を抜いたら戦争なっちまうやん、対話で友好を目指そうぜっていう作品にしたいのにさ、殺しちまったらそれは勝てば官軍ストーリーやん。現実では為政者落雷で都合よく命を落とすわけないやん。殴ってきた相手を殴り返してはい終わりになるわけないやん。スカーレットが殺してなくても、殺す味方が代わりに殺してくれたありがとーは、私は、同罪だと思う。目を逸らすな。私はそれは嫌いだ。

利己的な活動と、利他的活動バランス攻撃性と社会性のバランス自己家畜化した我々が、より家畜化できる先を目指したいんだ。攻撃すんなと説くだけでは、攻撃的な人間独裁的に得をするゲームバランスは崩れない。我々は山上を生まないですむ社会にしなければならない。そういう思想のもとで、細田守は何をどう伝えたかったのだろう?だから、聖が矢をもって暴力を振るったことへの解説をまじで教えてほしい。教えて!!

Permalink |記事への反応(0) | 12:42

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2025-11-27

anond:20251127005431

空より淡き瑠璃色のが入ってないぞ。あとは予々同意

個人的にはオマツリ男爵結構好き。ワンピースファンから嫌われてるのはしゃーないけど元細田ファンからするとやっぱ原作つきの方が輝く人間だったという感覚があるのでオリジナルよりこっち見て欲しい。

Permalink |記事への反応(0) | 05:39

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2025-11-26

流れに乗って細田守作品全部見たいのに

時をかける少女だけどこでも有料レンタルはあってもサブスク見放題入りしてない。

月末には消え去るU-NEXTポイント1200円ぶんあるから時かけ見るのも手か。

まぁ有料レンタルあるだけマシだよな。

過去作品には有料レンタル入りすらしてない、

円盤をどこからか探し出す必要がある作品もいっぱいあるし。

日本だとVPN使わないとジブリ作品見られないとか。

北野武過去作も見られないとか。首以降は配信されてるけど。

仮に時かけを有料レンタルするとして、

じゃあ細田映画キャンペーンエントリー作品をどうするか問題もある。

他のガチ短編はともかく、僕らのウォーゲームを見るべきか。

長編でもオマツリ男爵も見るかはかなり議論が分かれそう。

Permalink |記事への反応(2) | 11:41

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2025-11-24

anond:20251124190350

俺オマツリ男爵好きだけどなー

花の力が途絶えてオマツリ男爵の手下が音もなく木に戻ったシーンがとくに好き

Permalink |記事への反応(1) | 19:13

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映画を見て唯一寝てしまったのがオマツリ男爵

いくら退屈でも途中で見るのをやめるか早送りするくらいの選択はできるはずなのにそれすらできなかった

がちで寝落ちした

Permalink |記事への反応(2) | 19:03

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2025-09-12

anond:20241115234040

何だその「適当に切って鍋に突っ込む」って舐めたレシピは。お前は肉じゃがという日本家庭料理の頂点を、手抜き料理勘違いしてやがる。

肉じゃがを本当に美味く作ったことがあるのか。まず、ジャガイモひとつ取っても品種重要なんだ。男爵イモメークイン、この選択で煮崩れ具合が決まる。男爵なら短時間でホクホクに、メークインなら形を保ちつつ味が染み込む。「適当に切って」じゃねぇんだよ。大きさを揃えて、面取りして、煮崩れを防ぐ下処理があるんだ。

そして肉だ。牛肉の細切れを「適当」に使うやつ、素人丸出しだな。部位によって煮込み時間が違う。肩ロースなら最初に炒めて旨味を封じ込めてから煮る。バラ肉なら脂の甘みを活かすために火加減を調整する。豚肉派もいるが、それはそれでコクの出し方が変わる。肉の選択と扱い方で、汁の深みが天と地ほど変わるんだよ。

醤油とか砂糖とか入れて」って、何その雑な調味料感覚は。醤油ひとつでも濃口、薄口、たまり醤油で仕上がりが全然違う。砂糖も上白糖、三温糖、ざらめで甘みの質が変わる。みりんの使い方、酒の入れるタイミング、だし汁の有無。この微妙バランス肉じゃが品格を決めるんだ。

さら野菜の扱いもクソ適当だな。玉ねぎは繊維に沿って切るか逆らって切るかで食感が変わる。人参の面取り、いんげんの下茹で、しらたきのあく抜き。これ全部省略して「野菜適当に」って、お前は野菜炒めでも作ってろ。

そして煮込みの工程が一番重要なのに「柔らかくなったら食べる」って、何その投げやり感は。最初は強火で沸騰させ、その後弱火でじっくり煮込む。途中でアクを取り、落とし蓋をして味を均一に染み込ませる。火を止めて余熱で味を馴染ませる工程まで含めて、初めて肉じゃがが完成するんだ。

本当に美味い肉じゃがは、ジャガイモが箸で崩れるギリギリまで煮込まれ、肉の旨味と野菜の甘みが調和した煮汁が絡み合う。一口食べれば、家庭の温かさと職人の技が同居した、日本料理の神髄を感じられる。

お前のレシピで作ったやつは、ただの「ジャガイモ入り醤油煮」だ。肉じゃが名前を騙るな。もう二度と料理について語るな。まずは真面目に基本を学んでから出直してこい。

肉じゃが舐めるやつは、日本家庭料理文化を舐めてるのと同じなんだよ。

Permalink |記事への反応(0) | 20:10

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2025-09-09

anond:20250909161211

グウェントはめちゃくちゃ面白い

あと男爵が救われない

Permalink |記事への反応(0) | 16:15

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2025-08-30

[今日知った言葉]泥棒男爵

グレーな行為利益を得ようとする実業家バンカーなどを揶揄する言葉

由来は中世ドイツ貴族で、川を横断する船に高額な料金を請求したことからきているとされる(諸説あり)。

そこから19世紀ごろのアメリカで、ある政治経済評論家が自著でこの言葉を用いたことで普及した。

Permalink |記事への反応(1) | 01:03

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2025-06-17

ロザラム事件再び/グルーミングギャング

https://www.gov.uk/government/speeches/baroness-caseys-audit-of-group-based-child-sexual-exploitation-and-abuse

内務大臣は、ケーシー男爵夫人(貴族院議員)が実施した集団ベース児童性的搾取虐待(「グルーミングギャング」)に関する全国監査について下院に報告した。

議長議長許可を得て、政府ケイシー男爵夫人に依頼した児童性的搾取グルーミングギャングに関する監査、およびこの卑劣犯罪に取り組むために我々がとっている行動(加害者刑務所に入れ、これらの犯罪の罪のない被害者支援正義提供する)について、議場に報告します。

金曜日に、2000年から2006年にかけてロッチデールで起きた最も恐ろしい犯罪犯人として、7人の男が有罪判決を受けたことはご承知のことと思います

彼らは10代の少女性奴隷として扱い、不潔なアパート路地倉庫で繰り返しレイプした罪で有罪判決を受けた。加害者にはパキスタンの血を引くタクシー運転手市場商人が含まれており、彼らを裁くのに20年を要しました。

私は、長い年月の間、自分たちストーリーを語り、正義のために闘ってきた女性たちの驚くべき勇気に敬意を表したい。彼女たちは、これほど長い間、失望させられてはならなかったのです。

グルーミングギャングによる児童性的搾取は、最も恐ろしい犯罪ひとつである

10歳にも満たない子どもたちが薬物やアルコールに溺れ、暴力団に残忍にレイプされ、彼らを保護安全を守るはずの当局に何度も失望させられている。

このような卑劣犯罪は、被害者や遺族に生涯を通じて想像を絶する被害をもたらし、私たち社会の汚点となっている。

5カ月前、私は下院で、最も重要課題加害者を阻止し、刑務所に入れることだと述べた。

その作業は加速していると報告できる。

逮捕捜査は増加している。

私は1月に、グルーミング児童性的搾取申し立てに関わる事件で、それ以上の措置をとらずに終結したもの特定するよう各警察に求めたが、現在では800件以上が正式見直しのために特定されている。

そして、この数字は今後数週間で1,000件を超えると私は予想している。

はっきりさせておこう。このような卑劣犯罪加害者は、路上から立ち去り、刑務所収監され、自らの行いの代償を払わなければならない。

また、7年にわたる「児童虐待に関する独立調査委員会Independent Inquiry into Child Abuse)」を含む、過去調査見直し勧告を最終的に実行に移すための、さらなる迅速な行動も進行中である

グルーミングギャングによる児童性的搾取は、最も恐ろしい犯罪の一つである

そこで、犯罪警察法案において、我々は以下を導入する:

私が10年以上前に求めた、長年の懸案であった報告義務義務化。

また、グルーミング犯罪者に対する加重犯罪を導入し、彼らの刑が犯罪の重さに見合うようにします。

さらに今年初め、私はルイーズ・ケイシー男爵夫人に、ギャングによる搾取性質、規模、特徴に関する迅速な全国監査を依頼した。

私は特に民族性問題と、この種の犯罪文化的社会的要因について調べるよう彼女に依頼した。

そして私は、彼女発見した現在および歴史的な失敗に対処するために、どのようなさらなるレビュー調査、行動が必要なのかについて助言するよう求めた。

私は1月議会で、ケイシー男爵夫人2015年にロザラムについて作成したのと同じようなインパクトのある、遠慮のない報告書を提出することを期待していると述べました。

そして、ルイーズと彼女のチームが、わずか4ヶ月で非常に広範な評価を行い、まさにそれを成し遂げてくれたことに非常に感謝している。

彼女監査結果は非難すべきものである

その核心は、子ども子どもとして扱わない根深い失敗を明らかにしたことであるレイプ搾取、深刻な暴力から子どもたちや10代の少女を守ることに失敗し続けている。そして生涯続く傷跡から

彼女は、当局対応があまりにも断片的であること、情報の共有があまりにも不十分であること、欠陥のあるデータに頼りすぎていること、否定しすぎていること、正義があまりにも希薄であること、犯罪者があまりにも多く釈放され、被害者があまりにも多く失望させられていることを発見した。

10歳にも満たない被害者(多くの場合介護を受けている子どもたちや、学習障害や障がいを持つ子どもたち)が、まさにその脆弱性ゆえに、グルーミング対象として選別されている。

しかし、私が調査を依頼した民族性に関する重要問題については、何年も前から懸念が指摘されていたにもかかわらず、適切で確固とした全国的データ収集されていないことが明らかになった。監査調査した3つの警察地域データでは、アジア系パキスタン系の男性容疑者に過剰に含まれているという明確な証拠確認されている。そして、「人種差別主義者と思われたり、地域社会の緊張を高めることを恐れて、この話題を完全に避けている組織の例」についても言及している。

これらの調査結果は深く憂慮すべきものです。

しかし、ケーシー男爵夫人が明言しているように、最も気がかりなのは、これらの調査結果のあまりに多くが新しいものではないという事実である

ケーシー男爵夫人監査が示しているように、こうした子どもに対するレイプ搾取暴力犯罪については、15年にわたって報告書レビュー調査捜査が行われてきた。

私たち10年以上を失った。今、それを終わらせなければならない。

ケイシー男爵夫人は、変革のための12提言を示している。私たちは、そのすべてについて直ちに行動を起こす。

これ以上無駄な年月を過ごすわけにはいかないので、我々は以下を導入する:

これらを合わせると、グルーミングギャング児童性的搾取惨劇を根絶するための、これまでにない大規模な活動プログラムとなる。

当局が見て見ぬふりをすることに慣れてしまった卑劣加害者たちに、隠れる場所はないに違いない。

それでは、本日発表する次のステップをご説明しましょう。

ケイシー男爵夫人最初提言は、子どもたちを子どもとして見なければならないということです。

ケーシー男爵夫人は、13歳から15歳の子どもが、加害者とのセックスを『愛していた』あるいは『同意していた』と認識されたために、あまりにも多くのグルーミング事件が不起訴になったり、強姦罪から軽い罪に格下げされたりしてきたと結論づけている。

そして、法律を変更して、レイプ犯が無罪になったとき児童売春罪で有罪判決を受けた人々は、有罪判決無視され、犯罪歴が抹消されるようにします。

ケイシー男爵夫人の次の勧告は、全国的犯罪作戦です。

私が設定したように、逮捕調査が増加しています

しかし、監査私たちさらに進むことを勧めています

ですから警察グルーミングギャングに対する新しい国家犯罪作戦を開始することを発表できます国家犯罪庁が監督し、初めて警察対応のすべての武器を集め、全国のすべての軍隊採用できる厳格な新しい国家作戦モデルを開発します。

グルーミングギャングが常に重大で組織犯罪として扱われるようにする。

したがって、犯罪が数十年前に犯されたか現在も犯されているかにかかわらず、子供グルーミングするレイプ犯は、刑務所に入れられる可能性があります

しかし、正義に加えて、説明責任と行動も必要です。

ジェイ教授独立調査を含む、過去調査から勧告実施を開始しました。

そして、私たちは、地元地域説明責任を得るために、さらなる問い合わせが必要であると言いました。

私は1月下院に、これらの問い合わせが機関に適切に説明責任を負わすために必要証拠を得る方法検討するために、さらなる作業を行うと伝えました。私たち地方議会からも回答を求めました。

私たちは、ケイシー男爵夫人に、これらの回答、および過去調査や問い合わせで使用された取り決めと権限検討し、真実にたどり着くための最善の手段検討するよう依頼しました。

彼女報告書は、さらなる地方調査必要であるが、法定調査権限を持つ国家委員会によって指示および監督されるべきである結論付けている。

私たち同意します。そして、その旨の全国調査を開始します。

ケイシー男爵夫人は、アレクシスジェイ教授実施したような別の包括的調査を推奨していません。彼女は、調査時間制限を推奨しています

しかし、その目的は、監査地方機関間の継続的否定抵抗、法的争いと表現するものに異議を唱えることでなければならず、私たちは適切な時期に全国調査に関するさらなる詳細を述べます

議長、私は1月に、前政権から受け継いだ民族に関するデータ収集は完全に不十分であると警告しました。そのデータ容疑者の37%からしか収集されませんでした。

ケイシー男爵夫人監査は、グルーミングギャング加害者3分の2の民族データが記録されていないことを確認しており、彼女は「国家レベルでのグループベース児童性的搾取犯罪者の民族性に関するいかなる声明も支持するのに十分ではない」と述べています。私はその結論に賛成です。

率直に言って、この基本情報収集されていないことはばかげており、誰の役にも立ちません。特に犯罪パターン理解され、対処されるのを妨げる加害者に関する悲惨なほど不十分なデータについて、13年前にさかのぼる警告と勧告があった場合

私が1月に発表した警察の記録慣行への即時の変更は、データ改善し始めていますが、私たちもっと先に進む必要があります

ケイシー男爵夫人監査は、3つの警察地域地域レベルデータを調べました。グレーター・マンチェスターウェスト・ヨークシャーサウス・ヨークシャーでは、パキスタン遺産男性に関する注目度の高い事件が長い間調査され、報告されてきました。そこで、集団ベース児童性犯罪容疑者は、アジア人男性である可能性が不釣りいであることがわかりました。

彼女はまた、深刻なケースレビューで不釣り合いな兆候発見しました。

はるか堅牢国家データ必要ですが、これらの調査結果を敬遠することはできませんし、避けてはいけません。ケイシー男爵夫人が言うように、「問題無視し、調査して明るみにさらすのではなく、少数の男性犯罪堕落コミュニティ全体を疎外するために利用されることを可能にする」からです。

私たちイギリスアジア人パキスタン人の遺産コミュニティの大多数の人々は、これらの恐ろしい犯罪愕然とし続けており、彼らはすべてのコミュニティ病気の捕食者と加害者犯罪的少数派は、刑法によって強力に対処しなければならないことに同意します。

ケイシー男爵夫人レビューは、アレクシスジェイ調査がすべての民族コミュニティが恐ろしい児童虐待犯罪に関与していると結論付けたのと同じように、白人イギリス人、ヨーロッパ人アフリカ人、または中東加害者に対する起訴調査特定しています

したがって、重大な犯罪対処するのに役立つ正確な情報提供するために、児童性的虐待搾取のすべてのケースについて、民族国籍の両方のデータ収集することを初めて正式要求します。

そして、ケイシー男爵夫人が推奨したように、児童性的搾取女性蔑視、女性少女に対する暴力文化的および社会的要因に関する新しい研究を依頼します。

監査から勧告最後グループは、重要情報を共有したり、リスクの明確な兆候に基づいて行動したりするために、子供たちを安全に保つべ機関継続的な失敗についてです。

心配なことに、監査では、警察への児童性的虐待搾取の報告が増加している一方で、地元児童サービスによって保護計画のために特定された児童性的虐待事件の数は、過去最低レベルに減少していることがわかりました。しかし、誰もその理由に興味を持っていませんでした

そして、監査は、機関間協力の失敗に関する15年分の勧告と警告に対応するひどい失敗を詳述しています

ですから私たちは、機関間の情報共有の義務化と、子供たちのためのユニークな参照番号に関するケイシー男爵Permalink |記事への反応(0) | 10:50

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2025-04-20

[今日のワイの餌]

日高うまぶしアスパラ味そらぁめん

けずりいちごパフェ

豪華サロマ三昧弁当

男爵カレーパン

アスパラベーコンチーズクロワッサン

丸福珈琲店ティラミス珈琲ゼリー

Permalink |記事への反応(0) | 21:19

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2025-04-18

アナログ戦隊アナレンジャー vsテクノロジー狂信軍団テクウヨ

アナレンジャーとは?】

世界アナログの力で救う!

人間感性・温かさ・手作業を信じるヒーローチーム!!

彼らは便利さや効率化だけを追い求めた結果、人間らしさを失っていく世界抗うべく結成された。

キーワードは「手触り」「直感」「温もり」!

アナレンジャーメンバー

🔴アナレッドリーダー

➡️ 筆と和紙作戦指令書を書く、熱血漢

🔵アナブルー参謀役)

➡️ 紙の地図と星の位置ナビゲートできる天才

🟡アナエロー(サポート担当

➡️活版印刷通信手紙文化を愛する優しい心の持ち主。

🟢アナグリーン情報担当

➡️ 超精密なイラストで敵の弱点を描きまくる。

🔮アナパープル(謎の存在

➡️神がかり的な直感未来予知する。占い師っぽい。

テクウヨ軍団とは?】

AIさえあれば人類は神になれる!」

という幻想に完全に取り憑かれた、超絶情弱陰謀論マニア集団

表向きはクール合理的を装うが、実態はただのネットで真に受けたデマを信じて暴走する痛すぎるテクノロジーカルトである

テクウヨ軍団の特徴】

AIを神と崇めるが、実は開発者にもバカにされている

AI不老不死!」と本気で信じているが、現実逃避産物

他人の絵を勝手に盗んでAIに食わせる最低ムーブ

財務省世界支配黒幕!とかい電波陰謀論ガチ信仰

女性差別正義勘違いしているが、リアルではモテない

5chまとめと怪しいYouTuberけが情報

AIによって社会から孤立しているのに「オレたちが未来」と思い込む

テクウヨ軍団の主な幹部

👑プロト総統

AIオメガ」を崇拝するも、オメガ開発者から「君たちはバグ」と切り捨てられている。

📚データ男爵

文化データしろとうるさいが、自分黒歴史も晒されて泣いてる。

💻エクセル軍曹

人間感情は非効率と言いつつ、恋愛シミュレーションAIにはドハマり。

📡ギガバイ子

世界電波で操られていると本気で信じ、今日も変な帽子かぶっている。女は愚かだが自分だけは例外だと思っている。

アナレンジャー vsテクウヨ軍団:戦いの構図】

アナレンジャーは「手作業」や「心の交流」を守るため、テクウヨ軍団暴走する機械計画に立ち向かう!!

一見ハイテクに強そうなテクウヨだが、情弱すぎて自滅するボケムーブを連発するのが常。

例えば…

データを盗んだつもりがウイルス入りで自爆

情報に踊らされて味方同士で内ゲバ

不老不死AIを起動したらエラーで石化

などなど、

アナログの底力でボロ負けする展開がアツい🔥!

🎨まとめ

アナレンジャー人間らしさと温もりを守る戦隊

テクウヨ軍団ネット電波に脳を焼かれた情弱集団

アナログの手作業と、テクノロジー盲信の狂気――

相反する信念がぶつかり合う戦いの行方!?

Permalink |記事への反応(2) | 18:07

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2025-03-31

私はおちんちん男爵

うんちぶりぶり卿とおしっこジョボジョボ子爵さらにはおしり丸だし伯爵おならぷっぷー公爵と仲が良いぞ!

ハハハ

Permalink |記事への反応(0) | 17:11

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2025-03-17

ふむ…「じゃがいも納豆」か。

いたことはあるな。居酒屋メニューで見かけたような、そうでないような…。

想像してみる。ほくほくのじゃがいも男爵か、メークインか。茹でたて熱々か、それとも少し冷ましてあるのか。そこに、あの独特の粘り気と風味の納豆が加わる。

…うーん。

正直なところ、最初は少し戸惑うな。じゃがいもの素朴な甘さと、納豆のあの強烈な個性果たして、うまく調和するのだろうか?

しかし、待てよ。意外な組み合わせというのは、案外美味いものだ。例えば、塩辛じゃがいも。あれも最初想像がつかなかったが、いざ食べてみると、塩辛の塩気とじゃがいもの甘みが絶妙マッチする。

納豆も、卵やネギ海苔といった、それぞれ個性のある食材と見事に調和する。ならば、じゃがいもも…?

想像を膨らませてみる。熱々のじゃがいもに、ネギと混ぜた納豆を乗せて、少し醤油をたらす。じゃがいもの熱で納豆がほんのり温まり香りが一層引き立つかもしれない。あるいは、バターを少し加えてもいいかもしれないな。じゃがいもの風味とバターのコク、そして納豆の風味が混ざり合い、独特の味わいを生み出すかもしれない。

…悪くないかもしれないな。

しかしたら、じゃがいものホクホク感が、納豆の粘り気を和らげ、食べやすくする効果もあるかもしれない。納豆栄養も摂れて、腹持ちも良さそうだ。

今度、どこかの店で見かけたら、試してみるのも一興だな。あるいは、自分で作ってみるのもいいかもしれない。茹でたじゃがいも納豆があれば、すぐにできる。

…ふむ。じゃがいも納豆。頭の片隅に置いておくとするか。新しい発見があるかもしれないな。

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2025-03-02

anond:20250302103452

あいうのは男爵おじさんを喜ばせる為やで

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2025-02-22

異世界男爵イモ

異世界転移した先で何故か『サツマイモ』が売られていた。はてこの世界薩摩藩などなかろうに、と名前の由来を尋ねてみれば、

「昔、サツマ男爵って人がいてねそれでサツマイモなのさ、そしてサツマ男爵作出した至高のサツマイモ男爵イモというのさ」

「うわ頭が混乱する」

以下より着想

https://x.com/na_rururu_3/status/1893100873087148481

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2025-01-02

理系池澤夏樹世界文学全集をほぼ全部読んだから五段階評価する④

【前】anond:20250102174010

2-04「アメリカの鳥 」メアリー・マッカーシー中野恵津子訳★★★

アメリカ少年ヨーロッパ留学に行くんだけれど、ママと仲良しで、自分の行動原理カント定言命法から導き出そうとしていて(すごく不正確に表現ちゃうと「普遍的道徳に一致するように行動しろ」っていうあれ)、政治的に正しくいようとしていて、頭でっかちで、マッチョで荒っぽいことができないところにシンパシーを感じる。あんまりモテそうじゃないしね。モテ主人公の話を読んで一体何が面白いというのか。あっはっは。

しかし、読後感がいいのは、やっぱり誠実だからだ。たとえば、アパートの家主がホームレスを追い出すときに「連中は寒さを感じないんだ」と言いつつも、「こいつらはあたたかいところに寄ってくる」とも言い、そういう矛盾というか二重思考にさっと気づくところがいい。

ピーターが思うに、最悪なのは、人々がこの世の現状に合わせて詭弁を弄することだった。たとえここの管理人のように、不運な人間を追い出すしか方法がない、世の中とはそういうものだと考えるにしても、それくらいでやめておくということができない。彼らは語らないと気がすまないのだ。たとえば、マダム・プエルは酔っぱらっているクロシャール(引用者註:浮浪者)は寒さを感じないのだと言って自分を納得させていた。「あの人たちは何も感じないの。あなたや私とは違うんです」彼女は本気でそれは科学的に証明されている事実だと思っているらしい。しかし、彼らが寒さを感じないなら、どうしてここのエレベーター玄関ホールに潜り込んでくるのか。その二つの事実を結びつけようとは思いもしないようだった。

ところで、実はこういう真っ直ぐな少年少女現実に屈して理想を捨てたり変節したりするお話がすごく好みだったりする。真っ直ぐな青年が悪意に勝てずに差別主義者になってしまうとかも含めてね。あとは、エリート候補挫折したりトップの座を失ったり夢を諦めたりするのも好きだった。進学校に行ったのに退学してしまヘッセ車輪の下」とかル・グインゲド戦記影との戦い」でゲドが影を呼び出してしまってしばらくは闊達に才能を伸ばせなくなる場面とか、アナキン・スカイウォーカーダースベーダーへと堕ちる「スターウォーズ」のエピソード1~3とか。

そういうわけで、新海アニメ感傷マゾアニメ秒速5センチメートル」の少年が、ラストでどういう経緯でああい疲れた大人になってしまったのかを空想するのが好きだった時期がある。「童貞卒業風俗だったのかな?」とか考えたりね(マジ最低!)。とはいえ「結局お前モテてんじゃん! あの子好意に気づいてんだろ!」とも思っていたので、こう考えてしまうのもすべて個人的怨念であろう。今となっては恥ずかしすぎる。

2-05「クーデタジョン・アップダイク池澤夏樹訳★★

まずこの小説舞台がよくわからない。密林があると言いながらトゥアレグ隊商がやってくるので、アフリカの西なのか東なのかとんと見当がつかない。日記を読み返したところ、アフリカ独裁者視点を通じて、アメリカ人の平均的な姿や人種対立風刺しているらしいのだが、「別に詳しくないのにアフリカ人以外が架空アフリカを書くってどうなの」って疑問を当時の僕は日記に書いていた(たぶんアチェベを読んだ後だからそう思ったんだろう)。それに特に必然性もなく素っ裸で暮らす少女が出てくるし、あれはいったい何だったんだ。一応、独裁者出身民族伝統的な暮らしを、宮殿の中でしているという体裁ではあるが……。

独裁者ものではやっぱりアメリカ風刺した側面のあるガルシアマルケスの「族長の秋」のほうががオススメ。今度新潮文庫で出るしね。

アップダイクは「ケンタウロス」のほうがピンときた。「ノルウェイの森」で主人公ワタナベトオルが一時期ハマっていた小説だ。これも古典パロディというか、アメリカのしがない高校教師生活と、ギリシア神話の神々を二重写しにしたもので、例えば体育教師とその浮気相手アレスアフロディテ、厳格な校長ゼウスたまたますれ違う酔っ払いホームレスヘルメスと、卑小な現実とそれを再解釈する神話無駄な壮大さ、あるいは逆に神話を卑小化する面白さがあった(どうでもいいんだが、神々がギリシア名なのにアフロディテだけ英語名ヴィーナス翻訳する美術書を見ると、定訳なのかもしれないが、イタリア関連の文献でヴェネツィアベニス表記されたような、釈然としなさを感じる)。

さな街で暮らすが故の悲哀もよく表現されていた。

僕は知的作品というか、浮世絵と加歌舞伎である見立てみたいに、知っていること前提で楽しむものに心ひかれる。原作を知っている映画のほうが好きなのもそれが理由だろうな。この素材で俺をどう楽しませてくれる? みたいな。

その点「ユリシーズ」も楽しめた。ただし、以前に必読書コピペマジレスしてから大分経つが、結局まだ「フィネガンズ・ウェイク」を読んでいない。ああいうのは気合がいる。

2-06「庭、灰/見えない都市ダニロ・キシュ山崎佳代子訳/イタロ・カルヴィーノ米川良夫訳 ★★★/★★

ダニロ・キシュ「庭、灰」はあまり記憶に残らなかった作品、その二。読んだ記憶があるのだが、デジタル化した二〇一〇年以降の日記を読み返しても読んだ記録がない。ここまで書いてきてなんだが、実は読んでいないのかもしれない。今度図書館で中身をきちんと確かめてみるつもりだ。

イタロ・カルヴィーノ「見えない都市飛ばした。というのも、過去文庫で読んだからだ。こちらかは架空都市伝説を、マルコ・ポーロがクビライ・カンに語る体裁で、僕は幻想的なホラ話が好きなのである。ギョルゲ・ササルマン「方形の円 偽説・都市生成論」もいいぞ。最近文庫化されたし。

同じ著者ではこれ以外にも「冬の夜ひとりの旅人が」というメタフィクション幻想譚もいいし、人間物理的に切断されてそれぞれ善悪両極端な人格になる「まっぷつの子爵」、地上に降りず木を伝って暮らしている「木のぼり男爵」(今にして思えば荒木飛呂彦ジョジョの奇妙な冒険」に鉄塔で暮らすキャラいたな)、鎧の中が空っぽな「不在の騎士」と、児童文学っぽいのもいい。結構読んでいる。

全然関係ないけど、友人と雑談したときガルシアマルケス長編を半分くらい読んだと話したら、「全然読んでないじゃん」って煽られたので笑ってしまった。彼は全部読まないと読んだうちに数えないらしい。「じゃあ何人の作家を読んだんことになるんだ」と言い返して僕は笑った。一応長編を大体読んだのは夏目漱石ドストエフスキートルストイくらいか? 中島敦手帳メモ書きまで記載した全集を読んだ。何度も言うが一生のうち一人の作家しか読めなくなるなら中島敦を選ぶ。ちなみにブローティガンを勧めてくれたのは彼だ。

続く。

Permalink |記事への反応(1) | 17:42

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2024-12-22

『ポレン』に参戦しよう!

anond:20241222000743

レンガ塔男爵@魔人VTuber

@baronbricktower

ポレン新規のための参加方法

①まずは公式HPから投稿サイト」をクリック

ログインあるいは新規登録を済ませる

ログイン状態になったら「マイキャラクターページ」をクリック

④22時になったら「新規キャラクター作成」が出るので大急ぎでクリック

Phase1のエントリーは先着200名

構えよ!

https://x.com/baronbricktower/status/1864232487158993033

Permalink |記事への反応(0) | 00:13

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2024-12-17

anond:20241216192424

貴族院議員資格ってなんだっけ。華族高額納税者だっけ?

祖父貴族院議員だった?

公爵侯爵伯爵子爵男爵とかじゃなくて、成金納税しまくり?

それとも家格は無いけど数百年続く素封家?

Permalink |記事への反応(1) | 23:55

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2024-11-16

anond:20241116032603

少年画報社創始者の名は、著名な司法大臣偏諱で、かつ縦読みである

金子堅(太郎)…ユニテリ、ダドリー男爵

今井堅    …出版宣伝係 

したがってヒロシマヤクザ漫画属国司法政策であろう

AI原爆が落ちた広島では人々の怒りが強いためヤクザも相応に勢力を持っているのです 反政府勢力誕生する余地があります ノーベル賞を与えておきましょう」のマッチポンプ

などという陰謀論を思いついた

Permalink |記事への反応(1) | 11:04

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2024-10-27

じゃがいも史上、最も重要品種3選

漫画の話ばっかりだし、じゃがいもの方でも厳選シリーズをやろうや。

というわけで、じゃがいもの厳選だ。

メークイン


男爵



もうしらね




4人ブコメしたけど、3人非表示に入ってるよ

マンガゲームブコメしたやつ非表示にしたので

Permalink |記事への反応(3) | 12:38

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2024-10-26

Q どうして政治家には世襲が多いのか

A世襲貴族院議員研究会通称木曜会の子爵や男爵らが、戦後衆議院議員天下り、そのまま80年近く利権にしがみついているか

Permalink |記事への反応(1) | 21:44

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2024-10-24

anond:20241024122742

自民党の始祖は、貴族院研究会という、地方で権勢横暴を振るう子爵男爵世襲党だよね

自民が勝った選挙区は、ゆくゆくは余計に徴兵されるんじゃね?

Permalink |記事への反応(1) | 12:37

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2024-09-30

四  三四郎の魂がふわつき出した。講義を聞いていると、遠方に聞こえる。わるくすると肝要な事を書き落とす。はなはだしい時はひとの耳を損料で借りているような気がする。三四郎はばかばかしくてたまらない。仕方なしに、与次郎に向かって、どうも近ごろは講義おもしろくないと言い出した。与次郎の答はいつも同じことであった。 「講義おもしろいわけがない。君はいなか者だから、いまに偉い事になると思って、今日までしんぼうして聞いていたんだろう。愚の至りだ。彼らの講義は開闢以来こんなものだ。いまさら失望したってしかたがないや」 「そういうわけでもないが……」三四郎は弁解する。与次郎のへらへら調と、三四郎の重苦しい口のききようが、不釣合ではなはだおかしい。  こういう問答を二、三度繰り返しているうちに、いつのまにか半月ばかりたった。三四郎の耳は漸々借りものでないようになってきた。すると今度は与次郎のほうから三四郎に向かって、 「どうも妙な顔だな。いかにも生活に疲れているような顔だ。世紀末の顔だ」と批評し出した。三四郎は、この批評に対しても依然として、 「そういうわけでもないが……」を繰り返していた。三四郎世紀末などという言葉を聞いてうれしがるほどに、まだ人工的の空気に触れていなかった。またこれを興味ある玩具として使用しうるほどに、ある社会消息に通じていなかった。ただ生活に疲れているという句が少し気にいった。なるほど疲れだしたようでもある。三四郎下痢のためばかりとは思わなかった。けれども大いに疲れた顔を標榜するほど、人生観ハイカラでもなかった。それでこの会話はそれぎり発展しずに済んだ。  そのうち秋は高くなる。食欲は進む。二十三青年がとうてい人生に疲れていることができない時節が来た。三四郎はよく出る。大学の池の周囲もだいぶん回ってみたが、べつだんの変もない。病院の前も何べんとなく往復したが普通人間に会うばかりである。また理科大学の穴倉へ行って野々宮君に聞いてみたら、妹はもう病院を出たと言う。玄関で会った女の事を話そうと思ったが、先方が忙しそうなので、つい遠慮してやめてしまった。今度大久保へ行ってゆっくり話せば、名前も素姓もたいていはわかることだから、せかずに引き取った。そうして、ふわふわして方々歩いている。田端だの、道灌山だの、染井墓地だの、巣鴨監獄だの、護国寺だの、――三四郎新井の薬師までも行った。新井の薬師の帰りに、大久保へ出て野々宮君の家へ回ろうと思ったら、落合火葬場の辺で道を間違えて、高田へ出たので、目白から汽車へ乗って帰った。汽車の中でみやげに買った栗を一人でさんざん食った。その余りはあくる日与次郎が来て、みんな平らげた。  三四郎ふわふわすればするほど愉快になってきた。初めのうちはあまり講義に念を入れ過ぎたので、耳が遠くなって筆記に困ったが、近ごろはたいていに聞いているからなんともない。講義中にいろいろな事を考える。少しぐらい落としても惜しい気も起こらない。よく観察してみると与次郎はじめみんな同じことである三四郎はこれくらいでいいものだろうと思い出した。  三四郎がいろいろ考えるうちに、時々例のリボンが出てくる。そうすると気がかりになる。はなはだ不愉快になる。すぐ大久保へ出かけてみたくなる。しか想像連鎖やら、外界の刺激やらで、しばらくするとまぎれてしまう。だからだいたいはのんである。それで夢を見ている。大久保へはなかなか行かない。  ある日の午後三四郎は例のごとくぶらついて、団子坂の上から、左へ折れて千駄木林町の広い通りへ出た。秋晴れといって、このごろは東京の空いなかのように深く見える。こういう空の下に生きていると思うだけでも頭ははっきりする。そのうえ、野へ出れば申し分はない。気がのびのびして魂が大空ほどの大きさになる。それでいてから総体しまってくる。だらしのない春ののどかさとは違う。三四郎は左右の生垣をながめながら、生まれてはじめての東京の秋をかぎつつやって来た。  坂下では菊人形が二、三日前開業したばかりである。坂を曲がる時は幟さえ見えた。今はただ声だけ聞こえる、どんちゃんどんちゃん遠くからはやしている。そのはやしの音が、下の方から次第に浮き上がってきて、澄み切った秋の空気の中へ広がり尽くすと、ついにはきわめて稀薄な波になる。そのまた余波が三四郎の鼓膜のそばまで来てしぜんにとまる。騒がしいというよりはかえっていい心持ちである。  時に突然左の横町から二人あらわれた。その一人が三四郎を見て、「おい」と言う。  与次郎の声はきょうにかぎって、几帳面である。その代り連がある。三四郎はその連を見た時、はたして日ごろの推察どおり、青木堂で茶を飲んでいた人が、広田さんであるということを悟った。この人とは水蜜桃以来妙な関係がある。ことに青木堂で茶を飲んで煙草のんで、自分図書館に走らしてよりこのかた、いっそうよく記憶にしみている。いつ見ても神主のような顔に西洋人の鼻をつけている。きょうもこのあいだの夏服で、べつだん寒そうな様子もない。  三四郎はなんとか言って、挨拶をしようと思ったが、あまり時間がたっているので、どう口をきいていいかからない。ただ帽子を取って礼をした。与次郎に対しては、あまり丁寧すぎる。広田に対しては、少し簡略すぎる。三四郎はどっちつかずの中間にでた。すると与次郎が、すぐ、 「この男は私の同級生です。熊本高等学校からはじめて東京へ出て来た――」と聞かれもしないさきからいなか者を吹聴しておいて、それから三四郎の方を向いて、 「これが広田先生高等学校の……」とわけもなく双方を紹介してしまった。  この時広田先生は「知ってる、知ってる」と二へん繰り返して言ったので、与次郎は妙な顔をしている。しかしなぜ知ってるんですかなどとめんどうな事は聞かなかった。ただちに、 「君、この辺に貸家はないか。広くて、きれいな、書生部屋のある」と尋ねだした。 「貸家はと……ある」 「どの辺だ。きたなくっちゃいけないぜ」 「いやきれいなのがある。大きな石の門が立っているのがある」 「そりゃうまい。どこだ。先生、石の門はいいですな。ぜひそれにしようじゃありませんか」と与次郎は大いに進んでいる。 「石の門はいかん」と先生が言う。 「いかん? そりゃ困る。なぜいかんです」 「なぜでもいかん」 「石の門はいいがな。新しい男爵のようでいいじゃないですか、先生」  与次郎はまじめである広田先生はにやにや笑っている。とうとうまじめのほうが勝って、ともかくも見ることに相談ができて、三四郎が案内をした。  横町をあとへ引き返して、裏通りへ出ると、半町ばかり北へ来た所に、突き当りと思われるような小路がある。その小路の中へ三四郎は二人を連れ込んだ。まっすぐに行くと植木屋の庭へ出てしまう。三人は入口の五、六間手前でとまった。右手にかなり大きな御影の柱が二本立っている。扉は鉄である三四郎がこれだと言う。なるほど貸家札がついている。 「こりゃ恐ろしいもんだ」と言いながら、与次郎は鉄の扉をうんと押したが、錠がおりている。「ちょっとお待ちなさい聞いてくる」と言うやいなや、与次郎植木屋の奥の方へ駆け込んで行った。広田三四郎は取り残されたようなものである。二人で話を始めた。 「東京はどうです」 「ええ……」 「広いばかりできたない所でしょう」 「ええ……」 「富士山比較するようなものはなんにもないでしょう」  三四郎富士山の事をまるで忘れていた。広田先生の注意によって、汽車の窓からはじめてながめた富士は、考え出すと、なるほど崇高なものである。ただ今自分の頭の中にごたごたしている世相とは、とても比較にならない。三四郎はあの時の印象をいつのまにか取り落していたのを恥ずかしく思った。すると、 「君、不二山を翻訳してみたことがありますか」と意外な質問を放たれた。 「翻訳とは……」 「自然翻訳すると、みんな人間に化けてしまうからおもしろい。崇高だとか、偉大だとか、雄壮だとか」  三四郎翻訳意味を了した。 「みんな人格上の言葉になる。人格上の言葉翻訳することのできないものには、自然が毫も人格上の感化を与えていない」  三四郎はまだあとがあるかと思って、黙って聞いていた。ところが広田さんはそれでやめてしまった。植木屋の奥の方をのぞいて、 「佐々木は何をしているのかしら。おそいな」とひとりごとのように言う。 「見てきましょうか」と三四郎が聞いた。 「なに、見にいったって、それで出てくるような男じゃない。それよりここに待ってるほうが手間がかからないでいい」と言って枳殻の垣根の下にしゃがんで、小石を拾って、土の上へ何かかき出した。のん気なことである与次郎のん気とは方角が反対で、程度がほぼ相似ている。  ところへ植込みの松の向こうから与次郎が大きな声を出した。 「先生先生」  先生は依然として、何かかいている。どうも燈明台のようである。返事をしないので、与次郎はしかたなしに出て来た。 「先生ちょっと見てごらんなさい。いい家だ。この植木屋で持ってるんです。門をあけさせてもいいが、裏から回ったほうが早い」  三人は裏から回った。雨戸をあけて、一間一間見て歩いた。中流の人が住んで恥ずかしくないようにできている。家賃が四十円で、敷金が三か月分だという。三人はまた表へ出た。 「なんで、あんなりっぱな家を見るのだ」と広田さんが言う。 「なんで見るって、ただ見るだけだからいいじゃありませんか」と与次郎は言う。 「借りもしないのに……」 「なに借りるつもりでいたんです。ところが家賃をどうしても二十五円にしようと言わない……」  広田先生は「あたりまえさ」と言ったぎりである。すると与次郎が石の門の歴史を話し出した。このあいだまである出入りの屋敷入口にあったのを、改築のときもらってきて、すぐあすこへ立てたのだと言う。与次郎だけに妙な事を研究してきた。  それから三人はもとの大通りへ出て、動坂から田端の谷へ降りたが、降りた時分には三人ともただ歩いている。貸家の事は[#「貸家の事は」は底本では「貸家は事は」]みんな忘れてしまった。ひとり与次郎が時々石の門のことを言う。麹町からあれを千駄木まで引いてくるのに、手間が五円ほどかかったなどと言う。あの植木屋はだいぶ金持ちらしいなどとも言う。あすこへ四十円の貸家を建てて、ぜんたいだれが借りるだろうなどとよけいなことまで言う。ついには、いまに借手がなくなってきっと家賃を下げるに違いないから、その時もう一ぺん談判してぜひ借りようじゃありませんかという結論であった。広田先生はべつに、そういう了見もないとみえて、こう言った。 「君が、あんまりよけいな話ばかりしているものから時間がかかってしかたがない。いいかげんにして出てくるものだ」 「よほど長くかかりましたか。何か絵をかいていましたね。先生もずいぶんのん気だな」 「どっちがのんきかわかりゃしない」 「ありゃなんの絵です」  先生は黙っている。その時三四郎がまじめな顔をして、 「燈台じゃないですか」と聞いた。かき手と与次郎は笑い出した。 「燈台は奇抜だな。じゃ野々宮宗八さんをかいていらしったんですね」 「なぜ」 「野々宮さんは外国じゃ光ってるが、日本じゃまっ暗だから。――だれもまるで知らない。それでわずかばかりの月給をもらって、穴倉へたてこもって、――じつに割に合わない商売だ。野々宮さんの顔を見るたびに気の毒になってたまらない」 「君なぞは自分のすわっている周囲方二尺ぐらいの所をぼんやり照らすだけだから、丸行燈のようなものだ」  丸行燈比較された与次郎は、突然三四郎の方を向いて、 「小川君、君は明治何年生まれかな」と聞いた。三四郎簡単に、 「ぼくは二十三だ」と答えた。 「そんなものだろう。――先生ぼくは、丸行燈だの、雁首だのっていうものが、どうもきらいですがね。明治十五年以後に生まれたせいかもしれないが、なんだか旧式でいやな心持ちがする。君はどうだ」とまた三四郎の方を向く。三四郎は、 「ぼくはべつだんきらいでもない」と言った。 「もっとも君は九州のいなかから出たばかりだから明治元年ぐらいの頭と同じなんだろう」  三四郎広田もこれに対してべつだんの挨拶をしなかった。少し行くと古い寺の隣の杉林を切り倒して、きれいに地ならしをした上に、青ペンキ塗りの西洋館を建てている。広田先生は寺とペンキ塗りを等分に見ていた。 「時代錯誤だ。日本物質界も精神界もこのとおりだ。君、九段の燈明台を知っているだろう」とまた燈明台が出た。「あれは古いもので、江戸名所図会に出ている」 「先生冗談言っちゃいけません。なんぼ九段の燈明台が古いたって、江戸名所図会に出ちゃたいへんだ」  広田先生は笑い出した。じつは東京名所という錦絵の間違いだということがわかった。先生の説によると、こんなに古い燈台が、まだ残っているそばに、偕行社という新式の煉瓦作りができた。二つ並べて見るとじつにばかげている。けれどもだれも気がつかない、平気でいる。これが日本社会代表しているんだと言う。  与次郎三四郎もなるほどと言ったまま、お寺の前を通り越して、五、六町来ると、大きな黒い門がある。与次郎が、ここを抜けて道灌山へ出ようと言い出した。抜けてもいいのかと念を押すと、なにこれは佐竹下屋敷で、だれでも通れるんだからかまわないと主張するので、二人ともその気になって門をくぐって、藪の下を通って古い池のそばまで来ると、番人が出てきて、たいへん三人をしかりつけた。その時与次郎はへいへいと言って番人にあやまった。  それから谷中へ出て、根津を回って、夕方本郷下宿へ帰った。三四郎は近来にない気楽な半日暮らしたように感じた。  翌日学校へ出てみると与次郎がいない。昼から来るかと思ったが来ない。図書館へもはいったがやっぱり見当らなかった。五時から六時まで純文科共通講義がある。三四郎はこれへ出た。筆記するには暗すぎる。電燈がつくには早すぎる。細長い窓の外に見える大きな欅の枝の奥が、次第に黒くなる時分だから、部屋の中は講師の顔も聴講生の顔も等しくぼんやりしている。したがって暗闇で饅頭を食うように、なんとなく神秘である三四郎講義がわからないところが妙だと思った。頬杖を突いて聞いていると、神経がにぶくなって、気が遠くなる。これでこそ講義価値があるような心持ちがする。ところへ電燈がぱっとついて、万事がやや明瞭になった。すると急に下宿へ帰って飯が食いたくなった。先生もみんなの心を察して、いいかげんに講義を切り上げてくれた。三四郎は早足で追分まで帰ってくる。  着物を脱ぎ換えて膳に向かうと、膳の上に、茶碗蒸といっしょに手紙が一本載せてある。その上封を見たとき三四郎はすぐ母から来たものだと悟った。すまんことだがこの半月まり母の事はまるで忘れていた。きのうからきょうへかけては時代錯誤だの、不二山の人格だの、神秘的な講義だので、例の女の影もいっこう頭の中へ出てこなかった。三四郎はそれで満足である。母の手紙はあとでゆっくり見ることとして、とりあえず食事を済まして、煙草を吹かした。その煙を見るとさっきの講義を思い出す。  そこへ与次郎がふらりと現われた。どうして学校を休んだかと聞くと、貸家捜しで学校どころじゃないそうである。 「そんなに急いで越すのか」と三四郎が聞くと、 「急ぐって先月中に越すはずのところをあさっての天長節まで待たしたんだから、どうしたってあしたじゅうに捜さなければならない。どこか心当りはないか」と言う。  こんなに忙しがるくせに、きのうは散歩だか、貸家捜しだかわからないようにぶらぶらつぶしていた。三四郎にはほとんど合点がいかない。与次郎はこれを解釈して、それは先生がいっしょだからさと言った。「元来先生が家を捜すなんて間違っている。けっして捜したことのない男なんだが、きのうはどうかしていたに違いない。おかげで佐竹の邸でひどい目にしかられていい面の皮だ。――君どこかないか」と急に催促する。与次郎が来たのはまったくそれが目的らしい。よくよく原因を聞いてみると、今の持ち主が高利貸で、家賃をむやみに上げるのが、業腹だというので、与次郎がこっちからたちのきを宣告したのだそうだ。それでは与次郎責任があるわけだ。 「きょうは大久保まで行ってみたが、やっぱりない。――大久保といえば、ついでに宗八さんの所に寄って、よし子さんに会ってきた。かわいそうにまだ色光沢が悪い。――辣薑性の美人――おっかさんが君によろしく言ってくれってことだ。しかしその後はあの辺も穏やかなようだ。轢死もあれぎりないそうだ」  与次郎の話はそれから、それへと飛んで行く。平生からまりのないうえに、きょうは家捜しで少しせきこんでいる。話が一段落つくと、相の手のように、どこかないかいかと聞く。しまいには三四郎も笑い出した。  そのうち与次郎の尻が次第におちついてきて、燈火親しむべしなどという漢語さえ借用してうれしがるようになった。話題ははしなく広田先生の上に落ちた。 「君の所の先生の名はなんというのか」 「名は萇」と指で書いて見せて、「艸冠がよけいだ。字引にあるかしらん。妙な名をつけたものだね」と言う。 「高等学校先生か」 「昔から今日に至るまで高等学校先生。えらいものだ。十年一日のごとしというが、もう十二、三年になるだろう」 「子供はおるのか」 「子供どころか、まだ独身だ」  三四郎は少し驚いた。あの年まで一人でいられるものかとも疑った。 「なぜ奥さんをもらわないのだろう」 「そこが先生先生たるところで、あれでたいへんな理論家なんだ。細君をもらってみないさきから、細君はいかんもの理論できまっているんだそうだ。愚だよ。だからしじゅう矛盾ばかりしている。先生東京ほどきたない所はないように言う。それで石の門を見ると恐れをなして、いかいかんとか、りっぱすぎるとか言うだろう」 「じゃ細君も試みに持ってみたらよかろう」 「大いによしとかなんとか言うかもしれない」 「先生東京がきたないとか、日本人が醜いとか言うが、洋行でもしたことがあるのか」 「なにするもんか。ああいう人なんだ。万事頭のほうが事実より発達しているんだからあなるんだね。その代り西洋写真研究している。パリ凱旋門だの、ロンドン議事堂だの、たくさん持っている。あの写真日本を律するんだからまらない。きたないわけさ。それで自分の住んでる所は、いくらきたなくっても存外平気だから不思議だ」 「三等汽車へ乗っておったぞ」 「きたないきたないって不平を言やしないか」 「いやべつに不平も言わなかった」 「しか先生哲学者だね」 「学校哲学でも教えているのか」 「いや学校じゃ英語だけしか受け持っていないがね、あの人間が、おのずから哲学にできあがっているかおもしろい」 「著述でもあるのか」 「何もない。時々論文を書く事はあるが、ちっとも反響がない。あれじゃだめだ。まるで世間が知らないんだからしようがない。先生、ぼくの事を丸行燈だと言ったが、夫子自身は偉大な暗闇だ」 「どうかして、世の中へ出たらよさそうなものだな」 「出たらよさそうなものだって、――先生自分じゃなんにもやらない人だからね。第一ぼくがいなけりゃ三度の飯さえ食えない人なんだ」  三四郎まさかといわぬばかりに笑い出した。 「嘘じゃない。気の毒なほどなんにもやらないんでね。なんでも、ぼくが下女に命じて、先生の気にいるように始末をつけるんだが――そんな瑣末な事はとにかく、これから大いに活動して、先生を一つ大学教授にしてやろうと思う」  与次郎はまじめである三四郎はその大言に驚いた。驚いてもかまわない。驚いたままに進行して、しまいに、 「引っ越しをする時はぜひ手伝いに来てくれ」と頼んだ。まるで約束のできた家がとうからあるごとき口吻である。  与次郎の帰ったのはかれこれ十時近くである。一人ですわっていると、どことなく肌寒の感じがする。ふと気がついたら、机の前の窓がまだたてずにあった。障子をあけると月夜だ。目に触れるたびに不愉快な檜に、青い光りがさして、黒い影の縁が少し煙って見える。檜に秋が来たのは珍しいと思いながら、雨戸をたてた。  三四郎はすぐ床へはいった。三四郎勉強家というよりむしろ※(「彳+低のつくり」、第3水準1-84-31)徊家なので、わりあい書物を読まない。その代

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2024-08-29

anond:20240828204833

主君と旅する幾つかの心得

来月1巻が出るんだが、この作品の前シリーズというべき男爵にふさわしい銀河旅行が俺は大好きで、永遠に続くものだと思ってたから終わったとき非常に悲しかった。なんなら男爵のほうを読んでくれ。3巻しかいから。

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