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2025-10-10

陰キャは夜空を見上げない

三年前、渋谷桜丘町にある古いマンションの一室で月に一度だけ開かれていた読書会があった。

「Books &Beyond」とか「本と珈琲」みたいなカフェが並ぶあの界隈で、オーナー趣味でやってるようなサブカル風の空間。壁にはカフカポスターが貼られ、スピーカーからボサノヴァが流れていた。

六畳ほどの小さなスペースに八人くらいが座りそれぞれが持ち寄った本を紹介し合う。それが俺と彼女出会いだった。

俺がその日持っていったのは『呪術廻戦』の第八巻。ほかの人たちが『中動態の世界』とか『そして誰もいなくなった』とか『サピエンス全史』とかを並べる中で、俺だけがジャンプコミックスを机に置いた。

もちろん場の空気ちょっと変わった。

でも当時の俺はそれを承知の上で、ある種の逆張り勇気みたいなもので挑んでいた。会社では誰にも話しかけられず、Slackアイコンもずっと初期設定のまま。それでも自分を注目して欲しいという欲求はあった。

 「呪術廻戦のテーマは、“死の受け入れ”よりも“存在肯定”にあると思うんです」

俺はそう言った。

それに対して、口を開いたのが彼女だった。白いマスクを外して冷静な目で俺をまっすぐに見た。

「でもそれって、“他者媒介にしない存在”ってことですか?」

唐突にそんな言葉が出てきた。返す言葉に詰まった。彼女の声は低くて落ち着いていた。大学院哲学を専攻していると言った。

その瞬間、空気が変わった。

みんなが「へえ〜」と頷いて、俺は笑ってごまかした。その笑いが妙に引きつっていたのを今でも覚えている。

そのあと彼女が言った。

「でも、面白いですよね。呪いって、社会の圧みたいなものですし」

その一言に、俺は救われた気がした。

彼女は俺を笑わなかった。

それどころか俺の話を拾って補足し、言語化してくれた。その会の後、俺たちは駅まで一緒に歩いた。

外は冷えていてコンビニの前のホットコーヒーの湯気が白く漂っていた。

「また来月も行きます?」と彼女が言った。

「行く」と俺は答えた。

彼女名前はSといった。

新宿御苑の近くに住んでいて、大学お茶の水彼女の持ってくる本はいつも背表紙が硬かった。

『悪について』

他者起源

グレアム・グリーン短編集』。

対して俺の持っていくのは『チェンソーマン』や『ブルーピリオド』。

彼女はよく笑った。

笑うときに、指先を口元に添える癖があった。

その仕草上品で、俺はそれを見るたびに自分がどれほど下卑た生き物なのかを思い知らされた。

付き合うようになったのはその年の秋だった。

彼女修論で忙しくなってから俺の存在息抜きになったらしい。

あなたと話してると、時間を忘れちゃう」と言われた夜、俺は人生で初めてコンビニの帰り道が輝いて見えた。ファミリーマートの青い光がネオンのように見えた。俺の中でなにかが初めて肯定された気がした。

冬のデートの夜、代々木公園を歩いた。

イルミネーションが飾られてSNSでは「#冬の光2021」というタグ流行っていた。俺は寒くてポケットに手を突っ込んでいた。彼女は小さな紙袋を下げていて中には文房具店で買ったモレスキンノートが入っていた。

「これ、修論終わったら旅行記書こうと思って」

彼女はそう言って笑った。そして突然立ち止まって空を指さした。

「ねえ、見える?オリオン座

俺は空を見上げた。

そこには三つの星が斜めに並んでいた。

「……あれか?」

「そう。ベテルギウスリゲル。あと真ん中がミンタカ

彼女はそう言って、星の位置を指でなぞった。

俺は正直何もわからなかった。

星はただの光の点にしか見えなかった。

俺の住んでいた葛飾区の夜空では、星なんてほとんど見えなかった。中学の帰り道、空を見上げてもあるのは街灯と電線だけだった。だから星座名前なんて知る機会がなかった。

「小さいころ星座図鑑とか見なかった?」

彼女がそう言った。

「うん、まあ、プラネタリウムとかは……行ったかな」

本当は行ったこともなかった。そんな余裕のある家庭じゃなかった。週末は母親スーパーで特売の鶏むね肉を買って帰るのが恒例で、俺はその肉を味噌マヨで焼いて弁当に詰めてた。

星よりも肉の値段を見てた。だから空を見上げるという行為が俺には贅沢に思えた。

彼女は俺の顔を見て、少し笑った。

かわいいね。知らないことがあるって」

それがなぜかすごく悔しかった。笑われたわけじゃないのに馬鹿にされた気がした。

俺は「そうだね」とだけ言って視線を落とした。

地面に落ちた枯葉を踏みつけた。カサッという音が、やけに大きく聞こえた。俺はあの夜自分が一生星座名前を覚えないだろうと悟った。

通勤電車の窓に映る自分の顔は相変わらず冴えなかった。イヤホンからはYOASOBIの「群青」が流れていた。「夢を描くことが全ての始まりだ」なんて歌詞を聞きながら俺は窓の外を見た。

見たのは空じゃなく、線路だった。

陰キャは夜空を見上げない。

だってそこに映るのは、自分の見なかった人生からだ。

星の位置を覚えられる人間は、いつだって上を見て生きてきた人間だ。

図書館に通い、正しい敬語を使い、誰かに恥をかかされないように育てられた人間だ。

俺はそうじゃない。

俺の星座コンビニ防犯カメラの赤い点滅と、タワマン最上階で光る部屋の灯りでできている。

 

これは遺書だ。

俺はもう彼女と会っていない。

LINEトーク履歴はまだ残っている。

最後メッセージは「また話そうね」

日付は2025年2月14日

バレンタインだった。俺はその日会社義理チョコすらもらえなかった。彼女からチョコを待っていたわけじゃないけど期待してた。

「ねえ、今年はどんな本読んでるの?」

その一言が来るだけで救われたと思う。メッセージはもう既読にならない。

通話をかけたこともある。

仕事帰りの山手線品川から田端までの間イヤホン越しに呼び出し音が虚しく鳴った。ワンコール目、ふたつ、みっつ、……留守電に切り替わる。

録音された「この電話現在使われておりません」という機械音声。それがまるで彼女の声に聞こえた。その瞬間息が止まった。ほんの数秒で胸が焼けた。

どうして?

俺のスマホには彼女写真がまだある。表参道青山ブックセンターの前で撮ったものだ。彼女は黒いコートを着て、手に『ロラン・バルト恋愛ディスクール』を持っていた。俺は同じ日カバンの中に『チェンソーマン』の最新巻を入れていた。

その夜二人で神宮外苑いちょう並木を歩いた。イルミネーションの下で彼女が「あなたはどんな未来を望むの?」と訊いた。俺は「普通に働いて普通に暮らせたら」と答えた。

俺は夢を語る勇気がなかった。陰キャは、夢を語ると笑われると思ってる。

それでもあの頃の俺は必死だった。休日には「丸善丸の内本店」で彼女が好きそうな本を探した。

夜と霧

レヴィ=ストロース

哲学の慰め』

表紙をめくっても内容の半分も理解できなかった。けど読んでるフリをすることに救われた。カフェ・ベローチェでブレンドを飲みながらマーカーで引いた単語スマホで調べた。

「内在性」

「超越」

主体性」。

どれも俺には関係ない言葉だった。それでも彼女世界に近づける気がした。

夏になっても連絡はなかった。彼女Twitterアカウントは鍵がかかりInstagramは削除されていた。

唯一Facebookけが残っていた。プロフィール写真は変わっていなかったけど交際ステータスの欄が消えていた。俺は夜中の三時渋谷ファミマストロングゼロを買って歩きながらそのページを何度も更新した。酔いで画面が滲み青白い光が夜風に揺れて、まるでオリオン座みたいだった。

俺は空を見上げた。

でもそこにあったのは、看板LEDだけだった。

もしこれを読んで俺のことだと気づいたのなら、どうか連絡をして欲しい。俺はおまえが好きだ。おまえがいないと俺はもう駄目みたいなんだ。

たくさん本も読んだし勉強した。今なら話にだってついていけるし、楽しませることだって出来る。

から連絡のひとつでいいからしてほしい。、お願いだ。頼む。

これを俺の遺書にはさせないでくれ。

Permalink |記事への反応(0) | 13:28

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2025-10-08

高市早苗をまともに批判することすらできない頭が悪いはてな民

全員がイーロンマスク大谷翔平のように働く必要はないが、上を目指したいなら相手はああい人達ワークライフバランスと言っていて勝てるのか

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2612534

いくらなんでも批判するならもうちょいちゃん批判しろ

高市なんて穴だらけでいくらでもまともに批判できるんだから

高市早苗の演説該当部分の原文

私は今、嬉しいというよりも、本当にこれからが大変なことだ。皆様と一緒に力を合わせてやらなきゃいけないことが山ほどある。そう思っております

たくさんの政策、それもスピーディーに実行しなければいけないこと、たくさんございます。そして、皆様とともに、自民党をですね、もっと気合の入った明るい党にしていく。

多くの方の不安希望に変える党にしていく。そのための取り組みも必要です。

先ほど申し上げました通り、私は約束を守ります。全世代総力結集で、全員参加で頑張らなきゃ立て直せませんよ。

だって今人数少ないですし、もう全員に働いていただきます。馬車馬のように働いていただきます

私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて働いて、参ります

皆様にも、ぜひとも日本のために、また自民党を立て直すために、沢山沢山、それぞれの専門分野でお仕事をしていただきますよう心からお願いを申し上げます

引用yahooニュース

もう全員に働いていただきます。馬車馬のように働いていただきます

これの対象自民党所属国会議員、どれだけ拡大解釈しても全国の自民党であることはさすがにわかるよね?

田端youtube動画の内容

成功仕事での出世会社の売上が伸びるということなら(ワークライフバランスと言っている人は)成功しにくい。

プライベートを充実させたいとか有給をたくさん取りたいという人は)人生優先順位としてそういう人がいてもいいが、

そういう人と「とにかく俺はすべてを投げ出してでも仕事だけをやる」という人が勝負したら仕事でどっちが勝つかという、同じ能力ならたくさんやっている人が勝つ。

成功というのがどういうレベルかだけど、例えばスティーブ・ジョブズとかイーロン・マスクとか大谷翔平に「ワークライフバランスどうなっていますか?」って聞く?

それはワークとライフイコールじゃん

考え方としてはあっても良いけれど僕は違う。9割くらいの人はそこまで仕事に対して充実感とかやりがいを求めてなくて、ほどほどの給料が短い労働時間でもらえて、家族との時間趣味時間を過ごしたい。もちろんそれはそれで良いと思う。

全員がイーロン・マスク大谷翔平のように働く必要はないけど、仕事において上を目指したいならという条件が付くと、プロ野球選手になりたい、世界的な実業家になりたいなら相手はああいう連中ですよ?

引用田端大学投資学部

人気ブコメ

ごく一般的市民労使関係におけるワークライフバランス(および法律による労働者保護)の話をしてる時に、0.00001%以下の上澄みの話を持ち出しても仕方ないだろ。人間大谷に勝てなくても幸せになれるべきだ。

え?誰が「ごく一般的市民労使関係におけるワークライフバランス(および法律による労働者保護)の話」をしてるの?

この話題の元になった高市演説も、田端youtubeもそんな話してないよね?

勝手高市一般国民に向けて馬車馬のように働けワークライフバランスを捨てろって言ってるって解釈ちゃうの?

読解力0点だな。

大谷、バチくそ寝てるはずなんだがな。長時間寝てるからこそ一平がオンカジにハマったんだぞ。

え?大谷は寝るのが趣味で寝てると思ってるの?

ワークのパフォーマンス最大化のために睡眠の取り方とかを研究して、他にやることを犠牲にして睡眠とってるんだけど。

雇われの奴らがこんな事言ってるの面白すぎだろ。よっしゃ搾取しまくろうって笑ってる経営陣が目に浮かぶ

これはそう。Togetterのまとめられた内容に対する批評として正しい。

鞭を振るいたい人間常套句

これは一般論としては正しい。

ただし高市田端言及対象をそれぞれ限定しているので、この件に対する読解としては誤り。

そういうのは他人を巻き込み健康等を犠牲にするから規制必要なわけで。メジャーだってドーピング使って何が何でも力を付けるのは禁止されているし、一般人も長時間残業ドーピングで業績上げることは禁止されている

ドーピングの例は若干蛇足感と例としての適切さに疑問が残るが、前半の批判は今回の件に対する批判として正しい。

あくま限定した対象に言ったとしても、それが結果的には対象が広がっていくことに対する懸念というのは正当な批判

この人気コメ揚げ足取り感は何なんだろう。上を目指すならWLBとの両立は困難と言う主題自体を覆せる訳では無いから「そうだね」で終わる話な/国会議員国難時にWLBで5時上がりでも怒らんの(笑)俺ならキレる。

これは誤ったブコメに対する批判として正しい。

ただ田端言及しているようにWLBが二者択一というだけでなく、両方が混ざり合っている人もいるという点は留意必要

自分は頑張れると思う人たちの活力源になるならまあいいのだが、人のムチに使おうっていうのは頭悪い感じする

一般労働者に対して言っていたのであればいいが、言及対象そもそもWLBとかをあまり前提としないエリート層という点で誤り。

別にこの人らも少しは出世したいくらいの人に大谷くらいやれなんて言わないでしょ。どこまでも上を目指すならやるしかないよと、ごく単純なことを言ってる。どこが自分に丁度いいか、だね…俺はもう休みたいが…

はい、その通り。普通の読解力があればこの感想になる。

イーロンマスクの稼ぎからみたら、社畜無職も誤差だよ

盤外から議論をぶっ壊すパワー系。

話の腰に日大タックルをし続けるヤベーやつ。

好き。

仕事において上を目指したいなら』という条件が付くならって言ってんのにそれが読めなく、かつ、楽して年取って何も残ってない人達w一般的市民労使関係におけるワークライフバランスの話なんか誰もしてねーよw

トップブコメへの批判かな?その通り。

その他、適切なブコメ

雇用契約で稼いでる人たちは関係ないと言うべき。

端的で最も適切な批判だと思います

佐々木亮弁護士記事で知った高市総裁選公約労働時間規制につき、心身の健康維持と従業者選択を前提に緩和します」

はい、こういった事情と絡めて対象範囲が拡大される可能性について批判的に言及するのが正しいです。

出世するためにWLBを壊そう」などと考えてる時点でダメで、成功する人は当たり前のように楽しんでそれをやってるので、無理してやってる時点で勝てないよね。向いてないことをやるもんではない

はい、そのケースが多いと思います。ワークとライフが混ざってる人たちです。

ワーク=ライフ(生活)な人もいる。でもライフ(生命)を削らなきゃハードに働けない人は休んだ方がいい。殆どの人にWLBは絶対必要なのでトップ層は自身の影響力も考えて振る舞うべきだし、他者強制するのは純粋悪。

はい、その通りかと思います一般人からすればライフ犠牲にしているなって思うトップ層のほとんどは、自分ライフ犠牲にしているとは考えていないワークとライフが混ざっている人たちです。

からこそ一部経営者などにはそれを一般的なWLBを守りたい人にも拡大しようとすることが問題です。

日本には制度としてのエリート(仏のグランゼコールのような)がないので「高度人材裁量労働制」みたいな事をやろうとすると、適用対象がなし崩しに拡大してしまう。明確なエリートコースを導入する覚悟があるなら

これは確かに今回の見えざる問題点の一つ。

WLBどうだってええねんという層に言っているはずが、俺達のような一般人がわーわー言うのはこの棲み分けがないからという側面がある。

Permalink |記事への反応(3) | 09:50

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2025-10-03

anond:20251003111940

まあ田端も煽るだけで責任はとらんけどな

Permalink |記事への反応(0) | 11:43

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2025-09-03

anond:20250903104042

田端

Permalink |記事への反応(0) | 10:45

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2025-03-19

anond:20250318115216

北区存在感が薄すぎて意識の上にのぼらないって感じ。

区名ではピンと来ないけど、旧古河庭園とかゲーテの小径とか、田端十条赤羽みたいにキーワードを言われると「ああ、あそこね!」と分かる感じ。

Permalink |記事への反応(0) | 10:09

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2025-03-18

anond:20250318115216

日暮里田端駒込あたり、普通に最高では

Permalink |記事への反応(0) | 16:35

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2025-02-16

大京東北線ギャグ

田端バタバタ

磯子へ急ごう


あと一つは?

Permalink |記事への反応(1) | 20:23

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anond:20250215121229

たぶんこの人にとっては、鶯谷大塚田端とかは「東京」じゃないんだろうなぁ〜

Permalink |記事への反応(0) | 00:11

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2025-02-06

はてなーが好きなもの嫌いなものけが出てくる物語

むかしむかし、ある村にひろゆき西野田端、そして ハヤト という4人の賢者が住んでいました。彼らは、それぞれ特別知識を持っており、村のみんなから意見を求められることがよくありました。

ある日、村では 「星のコイン」 という新しい仕組みが導入されることになりました。これは、村の人々が 「いいことをすると」 星の形をしたコインがもらえ、たくさん集めると 「もっと幸せになれる」 というものでした。

第1章:星のコイン価値をめぐる議論

そんじゃーね、こんなの NFTと同じでしょ?」ひろゆきが言いました。

「いやいや、嘘松 でしょ。そもそも n=1 じゃん。」 ハヤトが反論します。

「↓コメ本質とは関係ないけど、氷河期世代はそんなもんじゃ救われない」西野が考えます

「それよりも、これってオルカンよりリターンあるの?」田端真剣な顔をしました。

そこへ、村人の一人が「星のコインふるさと納税と交換できるようにしましょう!」と提案しました。

ふるさと納税なんて無駄地方創生にはならないよ!」ひろゆきが即座に反対します。

そもそも、俺はお前の話を読んでないけど、それは違うと思う。」 ハヤトも適当反論します。

結局、ふるさと納税制度は廃止され、村はオルカン一択投資村となりました。

第2章:星のコインメルカリの罠

星のコインが村で広まると、村の市場では 「星のコインで買い物できる」 というお店が増えてきました。ところが、西野が「このコインメルカリ転売 しよう!」と考えました。

「いや、それはやめたほうがいいよ。メルカリなんて嫌いだし、転売ヤーばかりだからね。こういうことすると本質とは関係ない議論なっちゃうよ。」ひろゆきが言います

「n=1の事例だけど、転売しても結局アドブロッカー入れてる奴らには価値ないよね」 ハヤトも呟きました。

そもそもメルカリで売るよりブログアフィリエイトやったほうが儲かるんじゃない?」 と西野が考えました。

「いや、アフィリエイトなんてクソ。そもそも本質的じゃないし、役に立たない記事ばっかりだし。」田端がバッサリ切ります

村人たちは「確かに!」と納得し、村では星のコインは「みんなのために使うもの」としてメルカリ転売アフィリエイト禁止になり、オルカン投資けが推奨されることになりました。

第3章:ゼルダの伝説婚活

ある日、村人たちの間で「地方田舎は同じなのか?」という議論が勃発しました。

地方っていうのは都市部以外を指すけど、田舎もっと限定的人口密度が低いエリアのことを言うんだよね。まあ、どうでもいいけど、ゼルダのブレワイとティアキンって最高じゃない?」ひろゆきが主張します。

「いや、それよりも、弱者男性定義ちゃんと考えようぜ。そもそも"弱者"とは何か…」 ハヤトが議論を始めます

「それよりも、婚活のほうが大事じゃない?結婚相談所を利用するべきでは?」西野が口を挟みます

「お前ら、話がズレてる。オルカン一択の話に戻れ。」田端が冷静に指摘します。

議論はどんどん脱線し、結局 「ティアキン最高!」 という結論けが残りました。

第4章:タバコループ秘密

ある日、村に 「LUUP(ループ)」 という新しい乗り物が登場しました。「これ、めっちゃ便利じゃない?」と村人たちは喜びましたが…。

そんじゃーね、それタバコと同じくらい嫌いなんだよね。」ひろゆきが言いました。

嘘松。n=1の話だけど、実際事故ったやついるしね。」 ハヤトが付け加えます

そもそも、LUUPで移動するよりストレッチしたほうが健康にいい んじゃない?」西野提案しました。

さらに、西野スマホを見て「なんか広告出まくるな…アドブロッカー入れるか。」と言いました。

「いや、アドブロッカー入れてるやつ嫌いなんだよね。広告収入コンテンツは成り立ってるのに、そんなの卑怯でしょ。」ひろゆき反論します。

「確かに。」 ハヤトも同意しました。

「いや、それより投資の話しようぜ!オルカン一択でしょ。」田端が声を上げました。

こうして、村では LUUP禁止タバコ禁止、アドブロッカー禁止、そしてストレッチ推奨 というルールができました。

第5章:親が亡くなった時に備える村人たち

ある日、村人たちは「もし親が亡くなったらどうすればいいのか?」と不安になり、必死に調べ始めました。

そんじゃーね、それは 法的手続きちゃん理解しないと損するよね。」ひろゆきが冷静に言います

「とりあえず、大学講義無料で学べるサイト相続の仕組みを調べようぜ!」 ハヤトが言いました。

「それより、退去費用でぼったくられないように対策したほうが良くない?」西野が声を上げます

「いや、まずはオルカン投資して、安定した資産を築くことが先じゃない?」田端真剣な顔をします。

結局、村人たちは大学無料講義サイトをありがたがりながら、退去費用相続対策をしつつ、オルカン投資する という最適解を見つけました。

第6章:退去費用 vs 星のコイン

ある日、村の一人の若者が「引っ越すことになったけど、退去費用でぼったくられそう!」と相談しました。

そんじゃーね、それは相手不動産業者だから信用しないほうがいいよね。」ひろゆきが言いました。

「n=1だけど、退去費用トラブルゼルダの祠攻略みたいに慎重に進めないとね。」 ハヤトがアドバイスしました。

「俺はお前の話を読んでないけど、たぶん交渉でどうにかなると思う。」西野適当に言います

「そんなことより、オルカン投資しようぜ。」田端真剣に言いました。

最終的に、村人は退去費用を最小限に抑え、余ったお金オルカン投資する という完璧プランを立てることができました。

第7章:英語学習結婚相談所

村では「英語を学ぶことが大切だ!」という考えが広まりました。

英語勉強方法が好きだから、みんなでオンライン英会話やろうぜ!」ひろゆき提案します。

「それより、婚活のほうが大事じゃない?結婚相談所を利用するべきでは?」西野が主張しました。

「それは違う。俺はお前の話を読んでないけど、それは違うと思う。」 ハヤトが適当反論します。

「いやいや、まずはオルカン一択資産を増やしてから結婚するべきだろ?」田端正論をぶつけます。

村人たちは「確かに!」と考え、結婚相談所に申し込む人が急増しました。

最終章ストレッチ婚活の融合

村の生活はどんどん快適になっていきました。

ふるさと納税禁止

メルカリ禁止

LUUPは禁止

タバコ禁止

アフィリエイト禁止

アドブロッカー禁止

退去費用を抑えるための戦略が共有され

親が亡くなった後の手続きをみんなで勉強

英語を学び

オルカン投資

そして婚活する!

さらに、健康のために みんなでストレッチ をする習慣もできました。

そんじゃーねゼルダティアキンやりながらストレッチして、オルカン投資して、婚活するのが最強ってことだよね。」ひろゆき結論づけました。

「n=1だけど、これは確実に正解。」 ハヤトが納得します。

「まあ、ここまでできるなら、相当努力したよね。」西野が感慨深げに言いました。

「最終的にオルカン婚活に行き着くのは必然。」田端がまとめました。

こうして、村の人々はティアキンを遊びながらオルカン資産を増やし、退去費用を抑え、親が亡くなった時の準備をして、婚活しながらストレッチする という最強のライフスタイルを手に入れたのです。

そんじゃーね

Permalink |記事への反応(1) | 15:39

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2025-01-21

アクティビスト田端さん&企業コンプライアンスについての一考察

あるタレント不祥事に関する報道や、その余波を観察していて

企業世論をつなぐ、という点における田端信太郎さんのコミュニケーション能力について考えていました。



私自身、清濁併せ呑む覚悟起業をした経験があり、スタートアップ世界で知り合った方々の中には上場をしたりして公的経営者ステージを移した人もいます

一方で、まだ日の目を見ていないだけの不祥事が常に身近にあります


一応は民主主義であり、インターネット等が伸び続けている今ではきっと不祥事はもう隠すことはできないのだろう、と思うのです。

どうせ隠せないのであれば、どうやって不時着させるのかを考える方向で力を使うのが次善の策でしょう。

不祥事を起こしてしまった企業田端信太郎さんに火消し戦略を任せていればもう少しきれいに着地できていただろう。~

もちろん、そもそも不祥事を起こさないということが第一原則であることは言うまでもありませんが、今も世界の何処かで不祥事は既に隠されているのです。

どうせ負けるならば、きれいに負けさせてくれる人に撤退戦戦略をお願いした方がいいのではないか

そんな事を考えながら、色々と書き綴っていたらうっかり8,000文字を超える原稿ができてしまいました。

自分語りがなるべく出ないように気をつけましたが、シンプル一言で言い切る力が欠如していたため、歴史の話や別の方のブログ記事の話に派生してしまいました。

誰かと話し合いたいですが、皆それぞれ立場が違うと業界内では話せないこともあるため、生まれてきた文章の供養も兼ねて、ここに投稿させてください。

もし最後まで読んでくれる人がいたら嬉しいですが、長いです。

ぜひ端折って読んでください。


それでは。


~昨今の企業コンプライアンスについて、弱小起業家が考えたこと~

10年以上前はてなブログで、ある起業家の方がリクルートホールディングス代表取締役社長CEO木場久征さんの発言を紹介した記事がある。

世界は落下している、という一見ポエミーに見えるタイトル

しかし、ここで語られている内容は今まさに湾岸で起きている革命本質をついているようではないか

記事によれば、



世界は、落下してるんだ」

本来あるべき方向に向かって、世界は凄い勢いで落下してるんだ」

「色んな既得権益持った人たちが抵抗勢力になって邪魔するんだけど、それは重力に逆らうようなもので、あんまり意味ないんだよ だって世界が落っこちていくスピードの方が圧倒的に早いから」

「だからさ、その落下する方向を俺たちは見定めて先に落下してくべきなんだよ」

だってどうせ落下してくんだからさ 先に向かった方が絶対いいんだよ」

「俺たちがやらなくたって誰かがやるぜ?だってそもそも落下してるんだから

どうも、海沿いの特徴的な建物がおぼろげながら浮かんでこないだろうか。



湾岸インターネットを主戦場とする現在の状況について考えてみよう。

重力に逆らって世界の落下に抵抗している勢力は勿論オールドメディア権力者の諸兄のことだろう。



千万円の口止め料もとい解決金を支払ったと報道された国民タレントの方も当然権力者側だ。(報道をされたこ自体事実だ。ただし、中身が正しいのかは当事者以外はわからない。念の為



過去の栄光を踏まれれば、とんでもない落下だ。ただし彼の凋落ですらイントロに過ぎず、週刊誌が、影響力のあるインフルエンサー経営者の皆さんが、あるいは匿名事件情報拡散するXアカウントが、日夜を問わず権力側の秘密に切り込んでいる。

おそらく先の報道には直接関係がないが、権力者側として同一視されている人物やその関係者の秘密まで芋づる式に暴露されている。

きっと今は芸能人を叩くのが最も効率よく注目を集める方法なのだ






一方で、どうせ落下している世界へ向かっていち早く進んでいる人は誰なのか。

わざわざ人目につくことなく、こっそりと先に進んでいる方はおそらく少なくないだろう。

そして当然ながら私ごときではひっそりと先に進んでいる方が誰か知る事はできていない。

インターネット上に出ている情報だけで判断できる、落下後の世界を見据えて先に動いている人は誰なのか。



私見で恐縮だが、田端信太郎さんと堀江貴文さんを挙げさせていただきたい。

まず2名に共通することがある。

田端さんも堀江さんも、不祥事について週刊誌報道された上場会社の株を空売りするのではなく購入している。

~以下、週刊誌報道週刊誌批判する経営者についてなどかなり長い前向きを書いているので、端折る場合は読み飛ばしていただいて構わない。~



昨今、修羅世界と化したXでは日々どこの誰かもわからない経営者不祥事が暴かれている。

本来家庭の問題である不倫や、実際には被害届受理されていないような刑事事件疑惑ですら大衆による私刑の口実となってしま時代である


そうした時代であるからか、週刊誌のもの批判されることも珍しくない。


事実週刊誌揶揄する発言をする経営者の方は少なくない。

大概、批判する場合方向性は3通りだ。

1. 撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ、という指摘

2.報道恣意的事実確認が甘い、という指摘

3.週刊誌のせいで、大衆レイプ的な私刑に遭う、という指摘


1と2については、概ね正義があるように思える。(特に2については、おそらく大問題だ)

ただし1については言うだけ虚しい指摘でもある。

無責任大衆、とりわけ取るべき責任を取ることができない無敵の人に、責任をとれといっても話は永遠に平行線だ。


3についても、一見筋は通っているように聞こえる。ただし私の見聞きする範囲に限った話では、3の方向性批判している経営者の方が「絶対に人に知られたくない弱み」を抱えた人物である傾向があるように思える。



あくま比喩であり誇張した表現ではあるが、「自分レイプした事実週刊誌暴露されたせいでレイプ的な私刑に遭う可能性に怒っている人間」を前にしたときに、私たちがすべきことは週刊誌への批判に付き合うことではなく、出頭を勧めることであるはずだ。対照が人ではなく法人であり、特に上場企業であれば不祥事はしっかり公開するのが基本であり王道である


また邪悪ではない方も3の論調になることがあるが、それはそれで無邪気すぎるか現実が見えていないと言わざるを得ない。

~まだ前置きが続いています。もう少し飛ばしていただいて構いませんが以下は読んでおくとわかりやすいかも知れません。~

経営者の皆様が大好きなキングダムで描かれるような絶対権力者帝王時代は、既に移り変わっている。

民主主義も、インターネットも、権力分散する世界の落下であると言えるだろう。


権力分散が、権力の集中よりも安全だろうが、一方で数多くの小帝王を生じうる(意訳)という問題については山本七平さんの‘帝王学「貞観政要」の読み方’という著作の端書きをご参照いただきたい。


(以下、引用です。日経新聞社の方、問題があればご指摘いただければ削除します。)


複雑な現代社会ではあらゆる所に「生殺与奪」の権を握る公的なないしは私的権力もつ帝王を生じうる。人事権、許認可権、それにまつわる賄賂や情実、それらが新聞記事などになると私はときどき、「ウーム、こういう人のもつ権力は、行使しうる範囲が昔の帝王より狭いというだけで、その権力の強さは昔の帝王以上かも知れないな」と思わざるを得ない。


上記文章1983年に紡がれたものである

同じく皆様大好き鬼滅の刃で冨岡義勇が生殺与奪の権を他人に握らせるなと主人公一喝するのが33年後の2016年だと考えると、どれほど早くに書かれた文章か実感いただけるだろう。

尚、この文章現代で最も大きな権力を握っているのは「大衆」かも知れない。という論調で続いていく。

群集心理に則り、責任を追わないで済む人間が自制心を失うこと。自制心を失った大衆権力を握り帝王になってしまうと、人類史上最大の暴君を生むのではないか、という危惧今日を生きる人間ですら目を背けている問題であるように思う。

山本七平さんの世の中を見渡す力が、私達より優れていることに疑いはない。

しか33年前、すでに誰かが知っていたこであるのも事実だ。

1.撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ、という指摘

2.報道恣意的事実確認が甘い、という指摘

3.週刊誌のせいで、大衆レイプ的な私刑に遭う、という指摘

先の引用だけでも1と3の指摘が不十分である、ということわかるはずだ。(というか、わかってほしい。)

権力分散時代に生きていなかったら、起業家にも経営者にもなれていないかも知れないと我が身を振り返るくらいの想像力を持っていたいし持っていてほしい。権力もつ人には、特にそうあってほしい。市民感覚共感するかはさておき、上記のような想像料が欠けている方は突破力に優れる場合はある一方で、コンプライアンス問題で一発退場となるリスクも持っているだろう。

不倫などは勝手にしてくれれば結構個人的には考えるが、そもそも最初からやらなければいいのに、という話でしかない。仮にやってしまったのであれば、謝るべき相手にしっかり謝るしかない。隠すから余計ややこしくなり、隠すから週刊誌の格好のネタになってしまう。


~読み飛ばしていただいた方、ここで本筋に戻ってきます。~


だいぶ前置きが長くなってしまったが、このようなバランス感覚に優れているのが田端信太郎さんであり、堀江貴文さんであるように思うのだ。

念の為補足だが、私は二人と私的関係にはない。当然に、仮に匿名でなかったとしても共通の知人こそ大量にいてもお二人は私のことを知らない。それくらい実力差がある筆者であることを許していただけるなら、この後も読んでいただけると嬉しい。


X上でアクティビスト投資家というイメージを固めつつある、田端信太郎さんを過去のいわゆる総会屋と重ね合わせて批判する論調も極稀に確認してはいる。

総会屋企業利益供与を求める行為は「利益供与要求罪」と呼ばれ、会社法禁止されていることも疑いの余地はない。

だが、当然田端信太郎さんがこのことを知らないわけもない。

また当然、やるはずもなければ必要もない。


時に激しいレスバを見ると、田端さんの発言の強さだけを切り取って反論する人間が生まれることも理解はできるのだが、少なくともインターネット上で田端さんが誰かに利益供与を求めている場面を見たことがある人はいないのではないか。(あるいは、見たことはあっても非インターネット的な人間関係を前提としたお笑いネタなのではないか)。


今回の騒動においても、不祥事を隠している会社の株を買っているだけなのである

売っているのではなく、買っているのだ。

極論、株では「安く買って高く売る」しか儲ける方法はない。

空売りもその意味においては「高く売っておいて、後で安く買う。その間は人に株を借りる」だけのことである

業務上、知り得た企業の非公開情報を使って売買をすれば当然ルール違反だろうが、今回もおそらく不祥事週刊誌報道で知ってから株を購入しているように見える。


また、影響力をもつ田端さん自身田端さんの周囲の人たちが「株を買う」事自体ニュースにして、株価釣り上げて株を売り抜けていれば問題があるが、これも当然田端さんがご存知でないはずがない。(ネット上の買い煽りアカウントが捕まらないのは、本人が実は株を持っていないということもあるのだとか)。



価値がある(あるいは時間をかければ価値が増える)ものを先回りして見抜き、買う。

この極めて単純かつ本質的なことを実行しているだけにしか見えない。

正しいことを正しい、と言うだけ。

間違っていることを間違っている、と言うだけ。

正しいか、間違っているのか、必ずしも断定できないときには疑問を投げかけるだけ。

人が言いたくないことや、空気を読んで言わないことであっても、言っていいことは言うだけ。

一方で、言ってはいけないことは言わないだけ。


すべて、秘密でもなんでもない、誰でも一度はどこかで学んでいる話だ。

知識よりもその運用が難しく、当たり前を当たり前に実行してきたからこそ田端さんのここまでのキャリアがあるのだろうと想像している。


このバランス感覚もつ過程で、大半の人は撃たれる覚悟がないから撃たないという判断になる傾向があると思う。田端さんも当然そんな事はわかっていて、前線で発信をし続けているのだろう。



堀江貴文さんに至っては、テレビ局を買収するという前代未聞の挑戦をしたのがもう既に20年も前のことである

30代の筆者にとっては、学生時代に見ていたニュースの中心にいた当時の堀江さんの年齢が32歳だということが衝撃だ。

先に登場させていただいたリクルートホールディングスの出木場さん(現在49歳)の世界は落下しているという話も既に15年ほど前の話だとすると、自分と対して年齢の変わらなかった当時の先人たちのレベルの高さには恐れ入る。




先見の明ありすである

ただしこれはこれで、問題なのかも知れない。

先見の明ありすぎる人間が描いている未来(あるいは現実)を一般大衆理解できないのだ。

理解できないからこそ、権力者が巧みに世論を動かしてしまえば挑戦者は負けてしまうのかもしれない。

既に世論の後押しを得ている(あるいはかつて得ていた)から既得権益なのだ





20年前に堀江さんがテレビ局を買っていれば(あるいは、買えていれば)、おそらく国民タレント凋落は見なくて済んだと思う。

知りたくもない他人性癖想像しなくて済んだはずだし、きっと被害者とされる人が逆に貶められるような論調になることもなかったはずだし、数万字に及ぶエッセイも書かなくてよかったに違いない。

あるいは、その創作力を別の形で使えていたに違いない。



私が起業する時に、周囲の人間に「堀江さんみたいになってしまうから危険だ」と言われることもきっとなかっただろう。

当時このような心配をいただいた方々には敢えて直接連絡することもないが今ここで答え合わせをさせていただきたい。



私は一切堀江貴文さんのようにはなっていない。

それは単純にレベルが違うからである。誰もが太刀打ちできない権力者に32歳で挑むことは少なくともできなかったし、そんなチャンスも可能性も先見性も度胸もなかった。

今では逆に長年土俵際で耐えているだけの私を見た祖母に「堀江さんも復活しているのだからあなた時間をかけて焦らず頑張りなさい」と励まされる始末だ。

あなたはどちらかと言えば堀江さん側ではなく、女性を献上する側になってしまいそうだから、そういうことをやっているなら今すぐやめなさい。ビジネスマンはお座敷でも真剣勝負だけど、まずは仕事での貢献が第一前提だよ」と笑いながら祖母に言われてしまレベルであることも付け加えておく。


生身の堀江さんをお見かけして、余計に自分との距離を感じてしまっている限界起業家の私としては、なぜあそこまで優秀な堀江さんが一人で勝手成功する道を選ばないのか不思議だ。



正しいことは、正しいと言うべきだけども、言わなくても生きていける。

間違っていることを間違っている、と言うべきだけど、言わなくても生きていける。



世界が落下している、と堀江さんは言わないかも知れないが。きっと在るべき姿や向かうべき未来はきっと浮かんでいるだろう。

わざわざ未来の話をしても、変化を嫌う既得権益側の方々に目をつけられて反感を買うだけだ。反感を買うだけならまだいい。実害もあるはずだし、それでも人目につく場所発言をしているのはなぜなのだろう、と自分よりも遥かにレベルの高い人の思考を辿っても辿れるわけがないのだが、一つだけ仮説がある。




堀江貴文さんは、めちゃくちゃ優しい人なのではないか

考えなくてもいい、人の気持ちをわざわざ考えたりはしないかもしれないけど、聡明な方だからどうしても気がついてしまうのではないか

無責任大衆にもかまってあげる必要義理もないのだが、かまってあげるのが不思議だった。

無敵の人に対してわざわざ「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」というようなことはしないが、無視もしない。

こじつけかもしれないが、「撃っていい覚悟を本当にするのは大変だよ」ということを見せてくれているのではないかルルーシュのように「だからそもそもつべきではなかった」と諦めるわけでもなく、戦うべきときがあれば既得権益相手であってもまた闘ってくれるのではないか

堀江さんが見た未来が、今の状況とは違ったはずだということはわかる。

時代が追いつくのに20年もかかってしまった。

一人の人間人生基準に見れば。20年というときはあまりにも長い。


ただ、大衆が変わるには時間がかかるのだろう。

地球生命、その中の一つのジャンルしかない人類進化スピードを考えれば

Permalink |記事への反応(1) | 22:22

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2025-01-17

anond:20250117235613

田端慎太郎とか、株クラ(主に自民シンパかつメディア敵視のウヨが多い)もキャッキャしてたな

あいゴミ達の中傷に負けないでほしい

Permalink |記事への反応(0) | 23:58

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2025-01-15

anond:20250115113250

田端田畑

Permalink |記事への反応(0) | 15:13

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2025-01-02

2024匿名ダイアリーTOP200

備考

ランキング1位の「あなたが癌になった時に最初に知ってほしい事」が挿入し忘れていたので追加(id:ancvさんコメントありがとう!)

順位ひとつ分変えるのがめんどいので0位とさせてもらいますm(_ _)m

2025新年増田達にとって良い一年になりますように🎍

リンク

2024匿名ダイアリーTOP201-400

2024増田文学300

ランキング

順位はてブリンク備考
04233あなたが癌になった時に最初に知ってほしい事
12524マンションリフォーム虎の巻
21972強盗団の件、犯罪エアプの人達は平和ボケしすぎ
31895兵庫県知事選でおきたこと
41790スパイスカレーのレシピ本を作った。Kindleで無料配信しているからダウン...
51752エアコンは安いダイキンEシリーズが良いよ。取り付け業者は自分で選ぼう
61708イケメンだけど街コンのトークがみんな下手すぎるからアドバイス
71685(追記)在米増田、トランプが勝った理由がよく分かる
81654介護に関するクソバイス (増田編)
91567好きなポッドキャストについてまとめる
101558子育て終わった!やったーー!!【問い合わせに関する追記】
111555実家の近所に住むじいさんを車に乗せて買い物に連れて行った三日後
121476最後の投稿です
131469職場のADHDのAさんが辞めてくれて嬉しい1
1414607年適当に自炊してきて調味料について思ったことを書く
151420道民にはメジャー、道外人には「なにそれ?」なお土産
161325年金制度と老後のお金について知っておくべき話
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191205保険会社CEO暗殺という激アツニュース
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211194《追記》フレンチという一生モノの沼を薦めたい
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199572妻に合わせると旅行がめちゃくちゃつまらない
200571生きていく理由を教えてくれ

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2025-01-01

自己啓発ビンゴ

1.コンビニで500円で売ってる本を立ち読みし、意識高い単語24個集めて便所紙上の5x5マスに書き散らす(中央マスは避ける)

2.中央マスに「堀江貴文」と書く。「ヴィジョン」とか「田端大学」とかでもいい

3.人間を大量に集め、最も興味が浅く、最も本を読む者を選出する

4.そいつに旧二千円札を渡して20分間喋らせる

5. 紙上の単語が話に出てきたら鉛筆で刺す。紙の方を

6.20分間眠らなければ勝ち

特許を取らないでおいてやるから忘年会に使っていいぞ

[増田アイディア]

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2024-11-19

anond:20241119120808

これ誰?立花斉藤石丸?暇空?堀江田端ひろゆき

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2024-10-02

 三四郎は、その不思議な事を、すぐ話せばいいと思うのに、与次郎は平気なもので、一人でのみこんで、一人で不思議がっている。三四郎はしばらく我慢していたが、とうとう焦れったくなって、与次郎に、美禰子に関するすべての事実を隠さずに話してくれと請求した。与次郎は笑いだした。そうして慰謝のためかなんだか、とんだところへ話頭を持っていってしまった。 「ばかだなあ、あんな女を思って。思ったってしかたがないよ。第一、君と同年ぐらいじゃないか。同年ぐらいの男にほれるのは昔の事だ。八百屋お七時代の恋だ」  三四郎は黙っていた。けれども与次郎意味はよくわからなかった。 「なぜというに。二十前後の同じ年の男女を二人並べてみろ。女のほうが万事上手だあね。男は馬鹿にされるばかりだ。女だって自分軽蔑する男の所へ嫁へ行く気は出ないやね。もっと自分世界いちばん偉いと思ってる女は例外だ。軽蔑する所へ行かなければ独身で暮らすよりほかに方法はないんだから。よく金持ちの娘や何かにそんなのがあるじゃないか、望んで嫁に来ておきながら、亭主を軽蔑しているのが。美禰子さんはそれよりずっと偉い。その代り、夫として尊敬のできない人の所へははじめから行く気はないんだから相手になるものはその気でいなくっちゃいけない。そういう点で君だのぼくだのは、あの女の夫になる資格はないんだよ」  三四郎はとうとう与次郎といっしょにされてしまった。しかし依然として黙っていた。 「そりゃ君だって、ぼくだって、あの女よりはるかに偉いさ。お互いにこれでも、なあ。けれども、もう五、六年たたなくっちゃ、その偉さ加減がかの女の目に映ってこない。しかして、かの女は五、六年じっとしている気づかいはない。したがって、君があの女と結婚する事は風馬牛だ」  与次郎は風馬牛という熟字を妙なところへ使った。そうして一人で笑っている。 「なに、もう五、六年もすると、あれより、ずっと上等なのが、あらわれて来るよ。日本じゃ今女のほうが余っているんだから風邪なんか引いて熱を出したってはじまらない。――なに世の中は広いから、心配するがものはない。じつはぼくにもいろいろあるんだが、ぼくのほうであんまりうるさいから、御用で長崎出張すると言ってね」 「なんだ、それは」 「なんだって、ぼくの関係した女さ」  三四郎は驚いた。 「なに、女だって、君なんぞのかつて近寄ったことのない種類の女だよ。それをね、長崎へ黴菌の試験出張するから当分だめだってわっちまった。ところがその女が林檎を持って停車場まで送りに行くと言いだしたんで、ぼくは弱ったね」  三四郎ますます驚いた。驚きながら聞いた。 「それで、どうした」 「どうしたか知らない。林檎を持って、停車場に待っていたんだろう」 「ひどい男だ。よく、そんな悪い事ができるね」 「悪い事で、かあいそうな事だとは知ってるけれども、しかたがない。はじめから次第次第に、そこまで運命に持っていかれるんだから。じつはとうのさきからぼくが医科の学生になっていたんだからなあ」 「なんで、そんなよけいな嘘をつくんだ」 「そりゃ、またそれぞれの事情のあることなのさ。それで、女が病気の時に、診断を頼まれて困ったこともある」  三四郎おかしくなった。 「その時は舌を見て、胸をたたいて、いいかげんにごまかしたが、その次に病院へ行って、見てもらいたいがいいかと聞かれたには閉口した」  三四郎はとうとう笑いだした。与次郎は、 「そういうこともたくさんあるから、まあ安心するがよかろう」と言った。なんの事だかわからない。しかし愉快になった。  与次郎はその時はじめて、美禰子に関する不思議説明した。与次郎の言うところによると、よし子にも結婚の話がある。それから美禰子にもある。それだけならばいいが、よし子の行く所と、美禰子の行く所が、同じ人らしい。だから不思議なのだそうだ。  三四郎も少しばかにされたような気がした。しかしよし子の結婚だけはたしかである。現に自分がその話をそばで聞いていた。ことによるとその話を美禰子のと取り違えたのかもしれない。けれども美禰子の結婚も、まったく嘘ではないらしい。三四郎ははっきりしたところが知りたくなった。ついでだから与次郎に教えてくれと頼んだ。与次郎はわけなく承知した。よし子を見舞いに来るようにしてやるから、じかに聞いてみろという。うまい事を考えた。 「だから、薬を飲んで、待っていなくってはいけない」 「病気が直っても、寝て待っている」  二人は笑って別れた。帰りがけに与次郎が、近所の医者に来てもらう手続きをした。  晩になって、医者が来た。三四郎自分医者を迎えた覚えがないんだから、はじめは少し狼狽した。そのうち脈を取られたのでようやく気がついた。年の若い丁寧な男である三四郎は代診と鑑定した。五分ののち病症はインフルエンザときまった。今夜頓服を飲んで、なるべく風にあたらないようにしろという注意である。  翌日目がさめると、頭がだいぶ軽くなっている。寝ていれば、ほとんど常体に近い。ただ枕を離れると、ふらふらする下女が来て、だいぶ部屋の中が熱臭いと言った。三四郎は飯も食わずに、仰向けに天井をながめていた。時々うとうと眠くなる。明らかに熱と疲れとにとらわれたありさである三四郎は、とらわれたまま、逆らわずに、寝たりさめたりするあいだに、自然に従う一種快感を得た。病症が軽いからだと思った。  四時間、五時間とたつうちに、そろそろ退屈を感じだした。しきりに寝返りを打つ。外はいい天気である。障子にあたる日が、次第に影を移してゆく。雀が鳴く。三四郎はきょうも与次郎が遊びに来てくれればいいと思った。  ところへ下女が障子をあけて、女のお客様だと言う。よし子が、そう早く来ようとは待ち設けなかった。与次郎だけに敏捷な働きをした。寝たまま、あけ放しの入口に目をつけていると、やがて高い姿が敷居の上へ現われた。きょうは紫の袴をはいている。足は両方とも廊下にある。ちょっとはいるのを躊躇した様子が見える。三四郎は肩を床から上げて、「いらっしゃい」と言った。  よし子は障子をたてて、枕元へすわった。六畳の座敷が、取り乱してあるうえに、けさは掃除をしないから、なお狭苦しい。女は、三四郎に、 「寝ていらっしゃい」と言った。三四郎はまた頭を枕へつけた。自分だけは穏やかである。 「臭くはないですか」と聞いた。 「ええ、少し」と言ったが、べつだん臭い顔もしなかった。「熱がおありなの。なんなんでしょう、御病気は。お医者はいらしって」 「医者はゆうべ来ました。インフルエンザだそうです」 「けさ早く佐々木さんがおいでになって、小川病気から見舞いに行ってやってください。何病だかわからないが、なんでも軽くはないようだっておっしゃるものから、私も美禰子さんもびっくりしたの」  与次郎がまた少しほらを吹いた。悪く言えば、よし子を釣り出したようなものである三四郎は人がいいから、気の毒でならない。「どうもありがとう」と言って寝ている。よし子は風呂敷包みの中から蜜柑の籠を出した。 「美禰子さんの御注意があったから買ってきました」と正直な事を言う。どっちのお見舞だかわからない。三四郎はよし子に対して礼を述べておいた。 「美禰子さんもあがるはずですが、このごろ少し忙しいものですから――どうぞよろしくって……」 「何か特別に忙しいことができたのですか」 「ええ。できたの」と言った。大きな黒い目が、枕についた三四郎の顔の上に落ちている。三四郎は下から、よし子の青白い額を見上げた。はじめてこの女に病院で会った昔を思い出した。今でもものうげに見える。同時に快活である。頼りになるべきすべての慰謝を三四郎の枕の上にもたらしてきた。 「蜜柑をむいてあげましょうか」  女は青い葉の間から果物を取り出した。渇いた人は、香にほとばしる甘い露を、したたかに飲んだ。 「おいしいでしょう。美禰子さんのお見舞よ」 「もうたくさん」  女は袂から白いハンケチを出して手をふいた。 「野々宮さん、あなたの御縁談はどうなりました」 「あれぎりです」 「美禰子さんにも縁談の口があるそうじゃありませんか」 「ええ、もうまとまりました」 「だれですか、さきは」 「私をもらうと言ったかたなの。ほほほおかしいでしょう。美禰子さんのお兄いさんのお友だちよ。私近いうちにまた兄といっしょに家を持ちますの。美禰子さんが行ってしまうと、もうご厄介になってるわけにゆかないから」 「あなたはお嫁には行かないんですか」 「行きたい所がありさえすれば行きますわ」  女はこう言い捨てて心持ちよく笑った。まだ行きたい所がないにきまっている。  三四郎はその日から四日ほど床を離れなかった。五日目にこわごわながら湯にはいって、鏡を見た。亡者の相がある。思い切って床屋へ行った。そのあくる日は日曜である。  朝飯後、シャツを重ねて、外套を着て、寒くないようにして美禰子の家へ行った。玄関によし子が立って、今沓脱へ降りようとしている。今兄の所へ行くところだと言う。美禰子はいない。三四郎はいっしょに表へ出た。 「もうすっかりいいんですか」 「ありがとう。もう直りました。――里見さんはどこへ行ったんですか」 「にいさん?」 「いいえ、美禰子さんです」 「美禰子さんは会堂」  美禰子の会堂へ行くことは、はじめて聞いた。どこの会堂か教えてもらって、三四郎はよし子に別れた。横町を三つほど曲がると、すぐ前へ出た。三四郎はまったく耶蘇教に縁のない男である。会堂の中はのぞいて見たこともない。前へ立って、建物をながめた。説教掲示を読んだ。鉄柵の所を行ったり来たりした。ある時は寄りかかってみた。三四郎はともかくもして、美禰子の出てくるのを待つつもりである。  やがて唱歌の声が聞こえた。賛美歌というものだろうと考えた。締め切った高い窓のうちのでき事である。音量から察するとよほどの人数らしい。美禰子の声もそのうちにある。三四郎は耳を傾けた。歌はやんだ。風が吹く。三四郎外套の襟を立てた。空に美禰子の好きな雲が出た。  かつて美禰子といっしょに秋の空を見たこともあった。所は広田先生の二階であった。田端小川の縁にすわったこともあった。その時も一人ではなかった。迷羊。迷羊。雲が羊の形をしている。  忽然として会堂の戸が開いた。中から人が出る。人は天国から浮世へ帰る。美禰子は終りから四番目であった。縞の吾妻コートを着て、うつ向いて、上り口の階段を降りて来た。寒いみえて、肩をすぼめて、両手を前で重ねて、できるだけ外界との交渉を少なくしている。美禰子はこのすべてにあがらざる態度を門ぎわまで持続した。その時、往来の忙しさに、はじめて気がついたように顔を上げた。三四郎の脱いだ帽子の影が、女の目に映った。二人は説教掲示のある所で、互いに近寄った。 「どうなすって」 「今お宅までちょっと出たところです」 「そう、じゃいらっしゃい」  女はなかば歩をめぐらしかけた。相変らず低い下駄はいている。男はわざと会堂の垣に身を寄せた。 「ここでお目にかかればそれでよい。さっきからあなたの出て来るのを待っていた」 「おはいりになればよいのに。寒かったでしょう」 「寒かった」 「お風邪はもうよいの。大事になさらないと、ぶり返しますよ。まだ顔色がよくないようね」  男は返事をしずに、外套の隠袋から半紙に包んだものを出した。 「拝借した金です。ながながありがとう。返そう返そうと思って、ついおそくなった」  美禰子はちょっと三四郎の顔を見たが、そのまま逆らわずに、紙包みを受け取った。しかし手に持ったなり、しまわずにながめている。三四郎もそれをながめている。言葉が少しのあいだ切れた。やがて、美禰子が言った。 「あなた、御不自由じゃなくって」 「いいえ、このあいからそのつもりで国から取り寄せておいたのだから、どうか取ってください」 「そう。じゃいただいておきましょう」  女は紙包みを懐へ入れた。その手を吾妻コートから出した時、白いハンケチを持っていた。鼻のところへあてて、三四郎を見ている。ハンケチをかぐ様子でもある。やがて、その手を不意に延ばした。ハンケチ三四郎の顔の前へ来た。鋭い香がぷんとする。 「ヘリオトロープ」と女が静かに言った。三四郎は思わず顔をあとへ引いた。ヘリオトロープの罎。四丁目の夕暮。迷羊。迷羊。空には高い日が明らかにかかる。 「結婚なさるそうですね」  美禰子は白いハンケチを袂へ落とした。 「御存じなの」と言いながら、二重瞼を細目にして、男の顔を見た。三四郎を遠くに置いて、かえって遠くにいるのを気づかいすぎた目つきである。そのくせ眉だけははっきりおちついている。三四郎の舌が上顎へひっついてしまった。  女はややしばらく三四郎をながめたのち、聞きかねるほどのため息をかすかにもらした。やがて細い手を濃い眉の上に加えて言った。 「我はわが愆を知る。わが罪は常にわが前にあり」  聞き取れないくらいな声であった。それを三四郎は明らかに聞き取った。三四郎と美禰子はかようにして別れた。下宿へ帰ったら母から電報が来ていた。あけて見ると、いつ立つとある

anond:20241002010446

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2024-09-30

四  三四郎の魂がふわつき出した。講義を聞いていると、遠方に聞こえる。わるくすると肝要な事を書き落とす。はなはだしい時はひとの耳を損料で借りているような気がする。三四郎はばかばかしくてたまらない。仕方なしに、与次郎に向かって、どうも近ごろは講義おもしろくないと言い出した。与次郎の答はいつも同じことであった。 「講義おもしろいわけがない。君はいなか者だから、いまに偉い事になると思って、今日までしんぼうして聞いていたんだろう。愚の至りだ。彼らの講義は開闢以来こんなものだ。いまさら失望したってしかたがないや」 「そういうわけでもないが……」三四郎は弁解する。与次郎のへらへら調と、三四郎の重苦しい口のききようが、不釣合ではなはだおかしい。  こういう問答を二、三度繰り返しているうちに、いつのまにか半月ばかりたった。三四郎の耳は漸々借りものでないようになってきた。すると今度は与次郎のほうから三四郎に向かって、 「どうも妙な顔だな。いかにも生活に疲れているような顔だ。世紀末の顔だ」と批評し出した。三四郎は、この批評に対しても依然として、 「そういうわけでもないが……」を繰り返していた。三四郎世紀末などという言葉を聞いてうれしがるほどに、まだ人工的の空気に触れていなかった。またこれを興味ある玩具として使用しうるほどに、ある社会消息に通じていなかった。ただ生活に疲れているという句が少し気にいった。なるほど疲れだしたようでもある。三四郎下痢のためばかりとは思わなかった。けれども大いに疲れた顔を標榜するほど、人生観ハイカラでもなかった。それでこの会話はそれぎり発展しずに済んだ。  そのうち秋は高くなる。食欲は進む。二十三青年がとうてい人生に疲れていることができない時節が来た。三四郎はよく出る。大学の池の周囲もだいぶん回ってみたが、べつだんの変もない。病院の前も何べんとなく往復したが普通人間に会うばかりである。また理科大学の穴倉へ行って野々宮君に聞いてみたら、妹はもう病院を出たと言う。玄関で会った女の事を話そうと思ったが、先方が忙しそうなので、つい遠慮してやめてしまった。今度大久保へ行ってゆっくり話せば、名前も素姓もたいていはわかることだから、せかずに引き取った。そうして、ふわふわして方々歩いている。田端だの、道灌山だの、染井墓地だの、巣鴨監獄だの、護国寺だの、――三四郎新井の薬師までも行った。新井の薬師の帰りに、大久保へ出て野々宮君の家へ回ろうと思ったら、落合火葬場の辺で道を間違えて、高田へ出たので、目白から汽車へ乗って帰った。汽車の中でみやげに買った栗を一人でさんざん食った。その余りはあくる日与次郎が来て、みんな平らげた。  三四郎ふわふわすればするほど愉快になってきた。初めのうちはあまり講義に念を入れ過ぎたので、耳が遠くなって筆記に困ったが、近ごろはたいていに聞いているからなんともない。講義中にいろいろな事を考える。少しぐらい落としても惜しい気も起こらない。よく観察してみると与次郎はじめみんな同じことである三四郎はこれくらいでいいものだろうと思い出した。  三四郎がいろいろ考えるうちに、時々例のリボンが出てくる。そうすると気がかりになる。はなはだ不愉快になる。すぐ大久保へ出かけてみたくなる。しか想像連鎖やら、外界の刺激やらで、しばらくするとまぎれてしまう。だからだいたいはのんである。それで夢を見ている。大久保へはなかなか行かない。  ある日の午後三四郎は例のごとくぶらついて、団子坂の上から、左へ折れて千駄木林町の広い通りへ出た。秋晴れといって、このごろは東京の空いなかのように深く見える。こういう空の下に生きていると思うだけでも頭ははっきりする。そのうえ、野へ出れば申し分はない。気がのびのびして魂が大空ほどの大きさになる。それでいてから総体しまってくる。だらしのない春ののどかさとは違う。三四郎は左右の生垣をながめながら、生まれてはじめての東京の秋をかぎつつやって来た。  坂下では菊人形が二、三日前開業したばかりである。坂を曲がる時は幟さえ見えた。今はただ声だけ聞こえる、どんちゃんどんちゃん遠くからはやしている。そのはやしの音が、下の方から次第に浮き上がってきて、澄み切った秋の空気の中へ広がり尽くすと、ついにはきわめて稀薄な波になる。そのまた余波が三四郎の鼓膜のそばまで来てしぜんにとまる。騒がしいというよりはかえっていい心持ちである。  時に突然左の横町から二人あらわれた。その一人が三四郎を見て、「おい」と言う。  与次郎の声はきょうにかぎって、几帳面である。その代り連がある。三四郎はその連を見た時、はたして日ごろの推察どおり、青木堂で茶を飲んでいた人が、広田さんであるということを悟った。この人とは水蜜桃以来妙な関係がある。ことに青木堂で茶を飲んで煙草のんで、自分図書館に走らしてよりこのかた、いっそうよく記憶にしみている。いつ見ても神主のような顔に西洋人の鼻をつけている。きょうもこのあいだの夏服で、べつだん寒そうな様子もない。  三四郎はなんとか言って、挨拶をしようと思ったが、あまり時間がたっているので、どう口をきいていいかからない。ただ帽子を取って礼をした。与次郎に対しては、あまり丁寧すぎる。広田に対しては、少し簡略すぎる。三四郎はどっちつかずの中間にでた。すると与次郎が、すぐ、 「この男は私の同級生です。熊本高等学校からはじめて東京へ出て来た――」と聞かれもしないさきからいなか者を吹聴しておいて、それから三四郎の方を向いて、 「これが広田先生高等学校の……」とわけもなく双方を紹介してしまった。  この時広田先生は「知ってる、知ってる」と二へん繰り返して言ったので、与次郎は妙な顔をしている。しかしなぜ知ってるんですかなどとめんどうな事は聞かなかった。ただちに、 「君、この辺に貸家はないか。広くて、きれいな、書生部屋のある」と尋ねだした。 「貸家はと……ある」 「どの辺だ。きたなくっちゃいけないぜ」 「いやきれいなのがある。大きな石の門が立っているのがある」 「そりゃうまい。どこだ。先生、石の門はいいですな。ぜひそれにしようじゃありませんか」と与次郎は大いに進んでいる。 「石の門はいかん」と先生が言う。 「いかん? そりゃ困る。なぜいかんです」 「なぜでもいかん」 「石の門はいいがな。新しい男爵のようでいいじゃないですか、先生」  与次郎はまじめである広田先生はにやにや笑っている。とうとうまじめのほうが勝って、ともかくも見ることに相談ができて、三四郎が案内をした。  横町をあとへ引き返して、裏通りへ出ると、半町ばかり北へ来た所に、突き当りと思われるような小路がある。その小路の中へ三四郎は二人を連れ込んだ。まっすぐに行くと植木屋の庭へ出てしまう。三人は入口の五、六間手前でとまった。右手にかなり大きな御影の柱が二本立っている。扉は鉄である三四郎がこれだと言う。なるほど貸家札がついている。 「こりゃ恐ろしいもんだ」と言いながら、与次郎は鉄の扉をうんと押したが、錠がおりている。「ちょっとお待ちなさい聞いてくる」と言うやいなや、与次郎植木屋の奥の方へ駆け込んで行った。広田三四郎は取り残されたようなものである。二人で話を始めた。 「東京はどうです」 「ええ……」 「広いばかりできたない所でしょう」 「ええ……」 「富士山比較するようなものはなんにもないでしょう」  三四郎富士山の事をまるで忘れていた。広田先生の注意によって、汽車の窓からはじめてながめた富士は、考え出すと、なるほど崇高なものである。ただ今自分の頭の中にごたごたしている世相とは、とても比較にならない。三四郎はあの時の印象をいつのまにか取り落していたのを恥ずかしく思った。すると、 「君、不二山を翻訳してみたことがありますか」と意外な質問を放たれた。 「翻訳とは……」 「自然翻訳すると、みんな人間に化けてしまうからおもしろい。崇高だとか、偉大だとか、雄壮だとか」  三四郎翻訳意味を了した。 「みんな人格上の言葉になる。人格上の言葉翻訳することのできないものには、自然が毫も人格上の感化を与えていない」  三四郎はまだあとがあるかと思って、黙って聞いていた。ところが広田さんはそれでやめてしまった。植木屋の奥の方をのぞいて、 「佐々木は何をしているのかしら。おそいな」とひとりごとのように言う。 「見てきましょうか」と三四郎が聞いた。 「なに、見にいったって、それで出てくるような男じゃない。それよりここに待ってるほうが手間がかからないでいい」と言って枳殻の垣根の下にしゃがんで、小石を拾って、土の上へ何かかき出した。のん気なことである与次郎のん気とは方角が反対で、程度がほぼ相似ている。  ところへ植込みの松の向こうから与次郎が大きな声を出した。 「先生先生」  先生は依然として、何かかいている。どうも燈明台のようである。返事をしないので、与次郎はしかたなしに出て来た。 「先生ちょっと見てごらんなさい。いい家だ。この植木屋で持ってるんです。門をあけさせてもいいが、裏から回ったほうが早い」  三人は裏から回った。雨戸をあけて、一間一間見て歩いた。中流の人が住んで恥ずかしくないようにできている。家賃が四十円で、敷金が三か月分だという。三人はまた表へ出た。 「なんで、あんなりっぱな家を見るのだ」と広田さんが言う。 「なんで見るって、ただ見るだけだからいいじゃありませんか」と与次郎は言う。 「借りもしないのに……」 「なに借りるつもりでいたんです。ところが家賃をどうしても二十五円にしようと言わない……」  広田先生は「あたりまえさ」と言ったぎりである。すると与次郎が石の門の歴史を話し出した。このあいだまである出入りの屋敷入口にあったのを、改築のときもらってきて、すぐあすこへ立てたのだと言う。与次郎だけに妙な事を研究してきた。  それから三人はもとの大通りへ出て、動坂から田端の谷へ降りたが、降りた時分には三人ともただ歩いている。貸家の事は[#「貸家の事は」は底本では「貸家は事は」]みんな忘れてしまった。ひとり与次郎が時々石の門のことを言う。麹町からあれを千駄木まで引いてくるのに、手間が五円ほどかかったなどと言う。あの植木屋はだいぶ金持ちらしいなどとも言う。あすこへ四十円の貸家を建てて、ぜんたいだれが借りるだろうなどとよけいなことまで言う。ついには、いまに借手がなくなってきっと家賃を下げるに違いないから、その時もう一ぺん談判してぜひ借りようじゃありませんかという結論であった。広田先生はべつに、そういう了見もないとみえて、こう言った。 「君が、あんまりよけいな話ばかりしているものから時間がかかってしかたがない。いいかげんにして出てくるものだ」 「よほど長くかかりましたか。何か絵をかいていましたね。先生もずいぶんのん気だな」 「どっちがのんきかわかりゃしない」 「ありゃなんの絵です」  先生は黙っている。その時三四郎がまじめな顔をして、 「燈台じゃないですか」と聞いた。かき手と与次郎は笑い出した。 「燈台は奇抜だな。じゃ野々宮宗八さんをかいていらしったんですね」 「なぜ」 「野々宮さんは外国じゃ光ってるが、日本じゃまっ暗だから。――だれもまるで知らない。それでわずかばかりの月給をもらって、穴倉へたてこもって、――じつに割に合わない商売だ。野々宮さんの顔を見るたびに気の毒になってたまらない」 「君なぞは自分のすわっている周囲方二尺ぐらいの所をぼんやり照らすだけだから、丸行燈のようなものだ」  丸行燈比較された与次郎は、突然三四郎の方を向いて、 「小川君、君は明治何年生まれかな」と聞いた。三四郎簡単に、 「ぼくは二十三だ」と答えた。 「そんなものだろう。――先生ぼくは、丸行燈だの、雁首だのっていうものが、どうもきらいですがね。明治十五年以後に生まれたせいかもしれないが、なんだか旧式でいやな心持ちがする。君はどうだ」とまた三四郎の方を向く。三四郎は、 「ぼくはべつだんきらいでもない」と言った。 「もっとも君は九州のいなかから出たばかりだから明治元年ぐらいの頭と同じなんだろう」  三四郎広田もこれに対してべつだんの挨拶をしなかった。少し行くと古い寺の隣の杉林を切り倒して、きれいに地ならしをした上に、青ペンキ塗りの西洋館を建てている。広田先生は寺とペンキ塗りを等分に見ていた。 「時代錯誤だ。日本物質界も精神界もこのとおりだ。君、九段の燈明台を知っているだろう」とまた燈明台が出た。「あれは古いもので、江戸名所図会に出ている」 「先生冗談言っちゃいけません。なんぼ九段の燈明台が古いたって、江戸名所図会に出ちゃたいへんだ」  広田先生は笑い出した。じつは東京名所という錦絵の間違いだということがわかった。先生の説によると、こんなに古い燈台が、まだ残っているそばに、偕行社という新式の煉瓦作りができた。二つ並べて見るとじつにばかげている。けれどもだれも気がつかない、平気でいる。これが日本社会代表しているんだと言う。  与次郎三四郎もなるほどと言ったまま、お寺の前を通り越して、五、六町来ると、大きな黒い門がある。与次郎が、ここを抜けて道灌山へ出ようと言い出した。抜けてもいいのかと念を押すと、なにこれは佐竹下屋敷で、だれでも通れるんだからかまわないと主張するので、二人ともその気になって門をくぐって、藪の下を通って古い池のそばまで来ると、番人が出てきて、たいへん三人をしかりつけた。その時与次郎はへいへいと言って番人にあやまった。  それから谷中へ出て、根津を回って、夕方本郷下宿へ帰った。三四郎は近来にない気楽な半日暮らしたように感じた。  翌日学校へ出てみると与次郎がいない。昼から来るかと思ったが来ない。図書館へもはいったがやっぱり見当らなかった。五時から六時まで純文科共通講義がある。三四郎はこれへ出た。筆記するには暗すぎる。電燈がつくには早すぎる。細長い窓の外に見える大きな欅の枝の奥が、次第に黒くなる時分だから、部屋の中は講師の顔も聴講生の顔も等しくぼんやりしている。したがって暗闇で饅頭を食うように、なんとなく神秘である三四郎講義がわからないところが妙だと思った。頬杖を突いて聞いていると、神経がにぶくなって、気が遠くなる。これでこそ講義価値があるような心持ちがする。ところへ電燈がぱっとついて、万事がやや明瞭になった。すると急に下宿へ帰って飯が食いたくなった。先生もみんなの心を察して、いいかげんに講義を切り上げてくれた。三四郎は早足で追分まで帰ってくる。  着物を脱ぎ換えて膳に向かうと、膳の上に、茶碗蒸といっしょに手紙が一本載せてある。その上封を見たとき三四郎はすぐ母から来たものだと悟った。すまんことだがこの半月まり母の事はまるで忘れていた。きのうからきょうへかけては時代錯誤だの、不二山の人格だの、神秘的な講義だので、例の女の影もいっこう頭の中へ出てこなかった。三四郎はそれで満足である。母の手紙はあとでゆっくり見ることとして、とりあえず食事を済まして、煙草を吹かした。その煙を見るとさっきの講義を思い出す。  そこへ与次郎がふらりと現われた。どうして学校を休んだかと聞くと、貸家捜しで学校どころじゃないそうである。 「そんなに急いで越すのか」と三四郎が聞くと、 「急ぐって先月中に越すはずのところをあさっての天長節まで待たしたんだから、どうしたってあしたじゅうに捜さなければならない。どこか心当りはないか」と言う。  こんなに忙しがるくせに、きのうは散歩だか、貸家捜しだかわからないようにぶらぶらつぶしていた。三四郎にはほとんど合点がいかない。与次郎はこれを解釈して、それは先生がいっしょだからさと言った。「元来先生が家を捜すなんて間違っている。けっして捜したことのない男なんだが、きのうはどうかしていたに違いない。おかげで佐竹の邸でひどい目にしかられていい面の皮だ。――君どこかないか」と急に催促する。与次郎が来たのはまったくそれが目的らしい。よくよく原因を聞いてみると、今の持ち主が高利貸で、家賃をむやみに上げるのが、業腹だというので、与次郎がこっちからたちのきを宣告したのだそうだ。それでは与次郎責任があるわけだ。 「きょうは大久保まで行ってみたが、やっぱりない。――大久保といえば、ついでに宗八さんの所に寄って、よし子さんに会ってきた。かわいそうにまだ色光沢が悪い。――辣薑性の美人――おっかさんが君によろしく言ってくれってことだ。しかしその後はあの辺も穏やかなようだ。轢死もあれぎりないそうだ」  与次郎の話はそれから、それへと飛んで行く。平生からまりのないうえに、きょうは家捜しで少しせきこんでいる。話が一段落つくと、相の手のように、どこかないかいかと聞く。しまいには三四郎も笑い出した。  そのうち与次郎の尻が次第におちついてきて、燈火親しむべしなどという漢語さえ借用してうれしがるようになった。話題ははしなく広田先生の上に落ちた。 「君の所の先生の名はなんというのか」 「名は萇」と指で書いて見せて、「艸冠がよけいだ。字引にあるかしらん。妙な名をつけたものだね」と言う。 「高等学校先生か」 「昔から今日に至るまで高等学校先生。えらいものだ。十年一日のごとしというが、もう十二、三年になるだろう」 「子供はおるのか」 「子供どころか、まだ独身だ」  三四郎は少し驚いた。あの年まで一人でいられるものかとも疑った。 「なぜ奥さんをもらわないのだろう」 「そこが先生先生たるところで、あれでたいへんな理論家なんだ。細君をもらってみないさきから、細君はいかんもの理論できまっているんだそうだ。愚だよ。だからしじゅう矛盾ばかりしている。先生東京ほどきたない所はないように言う。それで石の門を見ると恐れをなして、いかいかんとか、りっぱすぎるとか言うだろう」 「じゃ細君も試みに持ってみたらよかろう」 「大いによしとかなんとか言うかもしれない」 「先生東京がきたないとか、日本人が醜いとか言うが、洋行でもしたことがあるのか」 「なにするもんか。ああいう人なんだ。万事頭のほうが事実より発達しているんだからあなるんだね。その代り西洋写真研究している。パリ凱旋門だの、ロンドン議事堂だの、たくさん持っている。あの写真日本を律するんだからまらない。きたないわけさ。それで自分の住んでる所は、いくらきたなくっても存外平気だから不思議だ」 「三等汽車へ乗っておったぞ」 「きたないきたないって不平を言やしないか」 「いやべつに不平も言わなかった」 「しか先生哲学者だね」 「学校哲学でも教えているのか」 「いや学校じゃ英語だけしか受け持っていないがね、あの人間が、おのずから哲学にできあがっているかおもしろい」 「著述でもあるのか」 「何もない。時々論文を書く事はあるが、ちっとも反響がない。あれじゃだめだ。まるで世間が知らないんだからしようがない。先生、ぼくの事を丸行燈だと言ったが、夫子自身は偉大な暗闇だ」 「どうかして、世の中へ出たらよさそうなものだな」 「出たらよさそうなものだって、――先生自分じゃなんにもやらない人だからね。第一ぼくがいなけりゃ三度の飯さえ食えない人なんだ」  三四郎まさかといわぬばかりに笑い出した。 「嘘じゃない。気の毒なほどなんにもやらないんでね。なんでも、ぼくが下女に命じて、先生の気にいるように始末をつけるんだが――そんな瑣末な事はとにかく、これから大いに活動して、先生を一つ大学教授にしてやろうと思う」  与次郎はまじめである三四郎はその大言に驚いた。驚いてもかまわない。驚いたままに進行して、しまいに、 「引っ越しをする時はぜひ手伝いに来てくれ」と頼んだ。まるで約束のできた家がとうからあるごとき口吻である。  与次郎の帰ったのはかれこれ十時近くである。一人ですわっていると、どことなく肌寒の感じがする。ふと気がついたら、机の前の窓がまだたてずにあった。障子をあけると月夜だ。目に触れるたびに不愉快な檜に、青い光りがさして、黒い影の縁が少し煙って見える。檜に秋が来たのは珍しいと思いながら、雨戸をたてた。  三四郎はすぐ床へはいった。三四郎勉強家というよりむしろ※(「彳+低のつくり」、第3水準1-84-31)徊家なので、わりあい書物を読まない。その代

https://anond.hatelabo.jp/20240930192717#tb

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2024-08-08

anond:20240807085852

田端バタバタ」なら思う

Permalink |記事への反応(0) | 12:28

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anond:20240807085852

田端民はLINE田端スタンプ毎日使ってるから

サマンサタバタを思わない日はない

Permalink |記事への反応(0) | 10:49

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anond:20240807085852

田端を通過するな

田端で降りろ

Permalink |記事への反応(0) | 07:59

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anond:20240808021230

サマン田端がなにを意味してるのかがまずわからない

田端駅ビル名前とかだろうか

Permalink |記事への反応(1) | 05:17

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anond:20240807085852

田端でくたばっただろぉ??

Permalink |記事への反応(0) | 00:07

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2024-08-07

本当に皆生きてて「サマン田端」とか思わないわけ?

大葉切ってる時にラブイズオーバーとか歌わないの?

友達の誘いを受ける時に「イーヨン・マスク」とか言わないの?

嘘でしょ?

田端駅通る度にサマン田端がこんなに脳裏に過るのに?

有り無し判定の時に「ありよりの森有礼」とか言わないってこと?

溌剌な時は「元気モリモリ森鴎外」って思わないの?

皆本当は思ってるんでしょ?

そうだよね?

追記

コメントありがとう!皆わざわざ言葉にしないだけで沢山考えてくれてるみたいで増田は嬉しいよ、仲間がこんなにいっぱいだよ

ちなみにこんな感じで生きてるので昔両親が喧嘩してた時は「あいつら多忙 俺たちゃ無謀平穏な願望」って歌ってたよ ちなみに基本仲良ぴだから大丈夫

増田はこんな感じで「音」とか「意味」が少し、もしくはぴたっとハマる感覚が好きで、ラップの韻を踏んだりダジャレだったりが好きだよ。Creepy Nuts助演男優賞なんか凄いと思う。

例えばさ、和歌なんかもそうだと思うのね。掛詞ってあるじゃない。「眺め」と「長め」がかかってたりするじゃない。ああいう「音」は同じで意味は違うもの、その狭間に対して私達ってワクワクしたり言葉にできない感情を委ねたりできるじゃない。あれって凄く良いと思うの。

ありよりのありと森有礼距離遠いけどちょっと繋げたらなんかエモいじゃん?

でも胃袋つめつめ夏目漱石はさ、あの人神経衰弱なるくらいだからそんな食べさせたら可哀想じゃん?そんな感じなの楽しいよね

ちなみに増田フランク三浦のことは知らなかったな、また新しく知れて嬉しいよ!でも裁判沙汰は凄いな!

Permalink |記事への反応(26) | 08:58

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2024-07-31

私の人生における最高の100曲

1.Peter,Paul and Mary‐Puff, theMagicDragon(1963)

2.The Beach Boys‐Wouldn'tIt Be Nice(1966)

3.ザ・キングトーンズ‐グッド・ナイト・ベイビー(1968)

4.ヘドバとダビデ‐ナオミの夢(1970)

5.はっぴいえんど風をあつめて(1971)

6.ちあきなおみ喝采(1972)

7.由紀さおりルームライト(1973)

8.南佳孝‐眠れぬ夜の小夜曲(1973)

9.吉田美奈子‐外はみんな……(1973)

10.Queen‐Somebody ToLove(1976)

11.ゴダイゴホーリーブライト(1979)

12.The Buggles‐Video Killed The RadioStar(1979)

13.高田みづえ私はピアノ(1980)

14.渡辺真知子唇よ、熱く君を語れ(1980)

15.Queen feat.David BowieUnder Pressure(1981)

16.BucksFizz‐TheLand OfMakeBelieve(1982)

17.吉田拓郎‐唇をかみしめて(1982)

18.YMO以心電信(1983)

19.Billy JoelThe Longest Time(1984)

20.TOM★CAT‐ふられ気分でRock 'n' Roll(1984)

21.斉藤由貴卒業(1985)

22.細川たかし望郷じょんから(1985)

23.おニャン子クラブ‐じゃあね(1986)

24.美空ひばり‐愛燦燦(1986)

25.新沼謙治津軽恋女(1987)

26.加藤登紀子時には昔の話を(1987)

27.Bee Gees‐YouWinAgain(1987)

28.THE BLUE HEARTS青空(1989)

29.遠藤賢司‐不滅の男(1989)

30.TM NETWORK‐THEPOINT OFLOVERS' NIGHT(1990)

31.Flipper'sGuitar‐偶然のナイフ・エッジ・カレス(1990)

32.徳永英明‐壊れかけのRadio(1990)

33.ヤプーズ‐赤い戦車(1991)

34.ヤプーズ‐FoolGirl(1991)

35.たま‐かなしいずぼん(1991)

36.川越美和涙くんさよなら(1991)

37.ヤプーズ‐Not DeadLuna(1992)

38.小沢健二天使たちのシーン(1993)

39.橘いずみサルの歌(1993)

40.篠原美也子‐ひとり(1993)

41.友部正人‐夕日は昇る(1993)

42.小沢健二 feat.スチャダラパー今夜はブギーバック(1994)

43.奥井亜紀Wind climbing ~風にあそばれて~(1994)

44.大江千里夏の決心(1994)

45.斉藤和義‐歩いて帰ろう(1994)

46.小沢健二‐強い気持ち・強い愛(1995)

47.小沢健二流れ星ビバップ(1995)

48.ソウル・フラワー・ユニオン満月の夕(1995)

49.Melody運命’95(1995)

50.H jungle with TWOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント~(1995)

51.My Little Lover‐Free(1995)

52.玉置浩二‐田園(1996)

53.高橋真梨子‐ごめんね…(1996)

54.小沢健二恋しくて(1997)

55.サニーデイ・サービスNOW(1997)

56.globeFACES PLACES(1997)

57.伊織‐キミがいれば(1997)

58.たま‐パルテノン銀座通り(1997)

59.石田長生Mother's Song(1998)

60.山川豊アメリカ橋(1998)

61.川本真琴‐桜(1998)

62.柳原陽一郎‐きみを気にしてる(1998)

63.椎名林檎幸福論(1998)

64.ブラブラブラボーズ‐クラスで一番スゴイやつ(1998)

65.KOKIAありがとう…(1999)

66.19‐あの紙ヒコーキ くもり空わって(1999)

67.藤井隆ナンダカンダ(2000)

68.キリンジ‐千年紀末に降る雪は(2000)

69.キリンジ‐Drifter(2001)

70.THE BOOM神様宝石でできた島(2001)

71.木村弓‐いつも何度でも(2001)

72.キリンジスウィートソウル(2003)

73.I WiSH明日への扉(2003)

74.My Chemical Romance‐Welcome To The Black Parade(2006)

75.奥華子‐変わらないもの(2006)

76.平沢進パレード(2006)

77.腐男塾‐いい男(2009)

78.腐男塾‐同じ時代に生まれ若者たち(2010)

79.神聖かまってちゃんロックンロールは鳴り止まないっ(2010)

80.ハンバートハンバート‐虎(2010)

81.テンテンコ‐Good bye, Goodgirl(2014)

82.あいみょん貴方解剖純愛歌(2015)

83.DAOKO‐ShibuyaK(2015)

84.The Witcher 3‐Wolven Storm(2015)

85.大森靖子 feat.の子非国民ヒーロー(2016)

86.neveryoung brach‐明るい未来(2016)

87.くるり琥珀色の街、上海蟹の朝(2016)

88.TWICE‐BDZ(2018)

89.YOASOBI‐夜に駆ける(2019)

90.カネコアヤノ‐光の方へ(2019)

91.サンクチュアリ‐ひねくれもの16才(2019)

92.チバマコト‐2020東京田端(2019)

93.Pii‐カキツバタ(2021)

94.Brave GirlsREDSUN(2021)

95.Vaundy‐踊り子(2021)

96.MAISONdes feat. 和ぬか,asmi‐ヨワネハキ(2021)

97.かもめ児童合唱団‐海に向かって歌う歌(2021)

98.アサウマ‐夜の池袋を歩く(2022)

99.春ねむり‐生きる(2022)

100.NewJeans‐Ditto(2022)

Permalink |記事への反応(1) | 22:33

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2024-03-14

住民反対運動で街が発展した話すき

これの逆バージョン https://anond.hatelabo.jp/20240313123638

 

池袋サンシャイン地下道

巣鴨プリズン/東京拘置所跡にサンシャイン60ビルを建てるにあたり、池袋から地下道を通す計画があったが、地元商店が「人の流れが変わって駅前が廃れる」と反対し沙汰止みになった。

一番反対したのは洋菓子店タカセ。ここは戦後に繁盛して地元の顔的な立場であった。

これに他の人は「タカセのヤツ、勝手に顔役ぶりやがって」と陰口を叩き、裏では総スカン

地下道都道反対側からだけに短縮されてそこまで利用者は歩くことになった。代わりに都バス乗り入れが行われたが利用者は伸びなかった。

しか地下道入口東急ハンズオープンすると付近カメラ量販店(後にゲーセン)、飲食ビル映画館誕生し、池袋東口東急ハンズは若年向けの飲食サービス業が立ち並ぶ大商圏となった。

 

池袋馬券売り場

90年代JRA女性ターゲットとしたCMを打つなど競馬イメージアップに努めてはいた。

だが池袋東口に場外馬券売り場を開設する計画が持ち上がるとイメージ悪化を恐れて地元商工会は大反対。JRA土地も押さえていたが出店中止に。馬券売り場の上にサロン飲食室などを設ける大規模な計画だった。

この土地を後にヤマダ電機が押さえて都市型店舗第一号としてオープン。その後に近くの三越が閉店して建物が売りに出されるとヤマダ電機が取得して現在LABIとなり、池袋家電激戦区っぷりに火を注いだ。

 

立川飛行場

米軍接収した立川飛行場は手狭のためにジェット機用に滑走路を延長する計画があった。この為に滑走路延長先の砂川町の農地家屋に収用が掛かった。

これに住民は大反対し、そこに学生運動等が乗っかり、デモ隊基地侵入などの事件が起こり大騒動になった。

憲法問題などで出てくる「砂川事件/砂川判決」というのはこの事件

この事件などがどの程度影響を与えたかは判らぬが、米軍立川飛行場の拡大を諦め、瑞穂町横田基地に集約する事を決定。立川飛行場日本返還される事になった。

箱根ヶ崎付近八高線国道16号がぐにゃっと曲がっているのは、横田基地の滑走路拡大をした為である

 

返還された立川飛行場学校研究所法務修習所、陸自基地などに転用されたが、一番広い面積を有するのは昭和記念公園で、電車で3駅分ほどもある巨大公園となった。

真ん中には広大な広場もあり、大コンサートもよく行われている。

 

なお、騒動の原因となった滑走路の残骸が未だ残っている。https://maps.app.goo.gl/ewECyedzGvD9p88t7

(よく見ると滑走路アプローチ>>>>のペイントがうっすら残る)

 

埼京線大宮交通

東海道新幹線が開通して暫くすると、騒音振動問題になり訴訟も提起されるようになった。成田新幹線ゴリ押しによる頓挫もあり、山陽新幹線以降の新幹線開通は困難が予想されるようになった。

そこで都市近郊での建設スキームを変更、新幹線に付随した在来線も同時に工事して迷惑施設というだけではなくて近隣住民利益にもなるスキームにした。

この為に赤羽大宮間では通勤新線(埼京線)、大宮北側には高架にまとわりつく、つる植物のような新交通線が出来た。

なお、東海道新幹線は通常の鉄道のように地面に砕石を敷いて線路を敷く工法なので高速運転では周囲に振動が伝わる。その後は平地でも鉄筋コンクリートの高架を走るのが一般化した。杭基礎で支持されるので振動は地下奥深くに吸収され、コンクリの高架は重いので振動自体が押さえられる。その為に公害は発生しにくくなっているが、交渉時には工法までははっきりしていなかったのでこういう形になった。

 

神楽坂

空襲失地区の戦後復興東京都などが管理して区画整理などを行ったが、計画的過ぎて無機質であるとの反対意見も多かった。

そこで都は神楽坂については住民同士の話し合いで区画整理を決める自律的方法を試す事にした。

しか優越資本や有力な地元のまとめ役が居ない地区だったので、結局は路地などが沢山残る防災的にはアウトな形で復興する事になってしまった。

その為に神楽坂は失敗のモデルケースとされていた。

しか建物の建て替えが進むと、街路側は多くが不燃建物、その路地の奥は不燃建物と古い料亭などが混在する形となって何だか防火風流の両手取りみたいな地区になって、アンテナの高い外国人などにも好かれる町並みとなっている。

 

歌舞伎町

戦後歌舞伎町は全域がゴールデン街のような闇市バラック状態であったが、再開発をする事になった。

しか高田馬場を始発駅とする西武新宿線新宿駅まで伸びる予定であり、歌舞伎町付近に仮駅を設置された。

当時の西武鉄道経営陣としてはピストル堤と言われた堤康次郎も健在であり、堤は人を騙して土地を買収したり、ピストルの名の通りに暴力による脅迫で買収したり人の土地勝手占有して後に所有権移転したりと、要するにやり手実業家の皮を被ったヤクザであった。しか権力とみっちりと癒着しているばかりかその後に代議士にもなっていた。

その為に歌舞伎町地主たちは鉄道が来るのは歓迎だが堤が来るのはたまらねぇ、として西武の買収に対抗する策を練った。

そこで街路幅はきちんと確保しながらも、その所有区分を細分化、買収しにくくした。それが功を奏して西武も含め、大資本が入り難い地域となっている。道幅を確保しながらも細分化策が功を奏したのは主導的な町会長などが存在した為による。

 

鉄道忌避説は後世の作り話が多い

ブクマページの米でそれは違うというのを幾つか。https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20240313123638

 

流山

流山常磐線忌避したという話は良く効くが、多分これは違う。というのも、地理的条件があるからだ。

田端を起点にして北千住を通り、土浦に至るというのは決まっていた。で、その途中には避けねばならぬ「水」があるわけよ。霞ヶ浦牛久沼手賀沼は避けねばならない。だから柏の先のルートはこれしかない。

問題北千住から柏で、今の南回り松戸ルート八潮三郷流山の北回りルートTXコース)がある。

でも北ルートには難点があって、それは毛長川、大場川古利根川の氾濫域の土壌ぐちゃぐちゃ地帯に入ってしまう。今でも越谷レイクタウン南側田んぼのままで、ここは乱開発すると土地の保水力が無くなり八潮市街出水してしまうので開発禁止の状態になっている。武蔵野線敷く時もまず水路の開削からやって平地なのに築堤築いている。そうしないと列車振動で沈下して線路が狂ってしまう。それくらい地盤が悪い地域だ。

から日本鉄道はここを通るのは避けたかったはずで、そうすると流山に行くのは無理って事なのだ

 

鳩ケ谷

日光御成街道宿場町として栄えた名残が邪魔して鉄道忌避の街になり、ついに川口市吸収合併された、元鳩ヶ谷市とか?東北本線って計画では、王子以北は今の埼玉高速鉄道をなぞってたって言うし

これも違うと言い切れる。地形で説明するよ。

 

日本鉄道熊谷線(現高崎線)は日本で2番目の鉄道なので工事量を減らす為に「ここしか無い」という厳選されたコースを通っているのだ。工事期間がやたらと短いのも特長で、コースを厳選した結果だ。

 

海食崖

上野駅を出た京浜東北線大宮までは中距離電車じゃなくてこっちが元のルートを通る)は赤羽までずっと急な崖の下を通る。この崖だが、真っすぐなのが特長だ。こういう真っすぐな崖というのは海食崖の特長だ。海の崖だね。

地球の海面は氷河期には氷河南極に氷となって蓄積するので海面が下がる。一方、温暖な間氷期には海面は上がり、平野のずっと奥までが水没してしまう(海進)。

縄文時代などの間氷期の海進で、関東平野海の底となり遠浅の海となっていた(奥東京湾)。間氷期の気温で海進の程度は変わり、最大で高崎あたり、縄文時代では大宮までが奥東京湾だった。(そういう訳で、尾久とか東三条には貝塚がある)

海には波がある。この波は真っすぐ進んでドンと当たって止まり、ではない。斜めに陸に当たった時は、陸に当たった後にその勢いは横に流れる。波が引く時はその横向きの流れのままに引く。沿岸流が出来るのである

すると陸の出っ張っている所は削られて、やがて必ず真っすぐな海岸になるのである

まり上野赤羽の崖が真っすぐなのは海進時に波に削られたせいである。

 

波蝕台

波は崖を真っすぐに削っていくが、この時潮の干満により崖の下には平場が出来る。満ち潮では海面下に隠れているが引き潮では通れたりするアレだ。親不知子不知が引き潮の時だけ取れるというアレ。

上野赤羽では小規模な波蝕台が連続京浜東北線はこの上を通る。但し複々線化で判り難くなってはいるが。

この波蝕台跡は他の低地より少し高いか田んぼになっていないので用地買収がしやすい。更に少し高い故に大雨でも出水しにくいし、砂礫が多いので水捌けも良い。線路用地として優秀なんだな。

 

砂嘴

陸地の角があると波による沿岸流はその先に砂を置いていく(漂砂)ので、真っすぐの海岸線が延長された地形が出来る。砂嘴である北海道標津の野付半島京都天橋立が有名だ。砂嘴で延長された浜により沿岸流と漂砂の働きも延長されるから砂嘴はどんどん伸びていき海底が深くなると砂嘴の延長はとまる。

赤羽台地の角なので波蝕台に繋がる形で砂嘴が出来た。

この先で荒川を渡らねばならないので当然線路はこの砂嘴の上を走る。高さを稼ぐ為である。この砂嘴江戸時代荒川開削と田んぼ開発により削られているが、根元だけは残っている。赤羽の北で環八を跨ぐ時の橋台はこの砂嘴に乗っている。

 

荒川川口町

当時蛇行していた荒川を真っすぐ渡る為に(鉄橋の距離が短くなるから)右に曲がり、荒川を渡る。川口方には堤防曽根)があるのでそれを超えると熊谷に向けて左に曲がりながら築堤で地平に降りていく。地平に降りた所に川口町駅設置。川口宿からは離れているが駅は水平でないといけないのでここしか無い。

 

川口町から熊谷まではほぼ真っすぐ

川口町からは当初の終点熊谷、その先の高崎までは殆ど直線なのだが、所々に緩いカーブがある。このカーブの全てには必然性があり、全て工事の最小化の為のものだ。

特に芸術的とさえ見えるのは南浦和北浦和間だ。

https://maps.gsi.go.jp/#15/35.859927/139.661572/&base=std&ls=std%7Canaglyphmap_color%2C0.79&blend=0&disp=11&lcd=anaglyphmap_color&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m

南浦和までは低地にあるが、この先で大宮台地に登る。そこで沢が削った斜面に入り、他の沢の斜面側面に取りついて高さを稼いでいく。

浦和駅からはもう芸術点が高く、沢山の小さな沢がある所を、最小限のカーブでその谷頭を両側でギリギリかすめるルートを取っている。ここはダッジボーナスが沢山入る所だろう。舞踏家みたいな避け方である

 

大宮から先も小さいカーブ芸術点高いルートを通るが、中仙道に平行している。中仙道自体芸術点高いルートを通っているのでこの区間コピー忍者って感じだ。

 

このルートの良いところはもう一つあって、途中の蕨から中仙道が平行してくるので宿場町近くに駅を造れば集客と集荷が期待できる。更に当時は道が限定されているので、名のある街道に近くないと客や貨物が駅に来れないのだ。

 

当時の日本が高度な測量でルートを決められたワケ

文明開化したばかりの明治日本が、鉄道二本目でこんだけ緻密なルート選定出来たのは何故か?

お雇い外国人英国人の力だけではない。江戸時代新田開発と用水路開削をしまくっていた為なのだ

台地上に水田を作る場合もっと標高が高い場所から用水路を引いてくる必要がある。水は一度低いところに行ってしまったらもう高さが上がらないから、長距離の測量を正確にせねばならない。その技術が蓄積されていた。

 

やり方は結構単純だ。長い木箱を作り(水盛り箱という)、水を入れる。水面は必ず水平だ。両端の水面から10センチのところに糸を張ったらそれも水平だ(水糸という)。

更に両端の水面から10センチのところにライフルの照準的なものをセットする。その照準で200m先を見て、照準が合っている場所はやはり水平だ。200m先に助手が目盛りが付いた物差しを持って立つと、その地面はこっち側からセンチ下/上がっているかが判る。

これをずっと正確に繰り返す。だから両側の谷頭の直ぐ上を抜けるルートなんてお茶の子さいさいだったかもしれない。

 

という訳で、日本鉄道などが造った初期の鉄道路線は土木技術で地形無視って事を極力避けるルート選定をしているので、マクロ的にもミクロ的にも必然性の塊となっているのでありますよ。

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