
はてなキーワード:清家篤とは
「45歳を過ぎて本当に全然仕事ができなくなった。本当の本当に何も出来ん。MTGの前日とかに間に合わせの資料を必死に作ってそれでなんとか誤魔化してるだけ。あとはぼーっとしてるか頭かきむしってるだけで殆ど何もしてない。10年前の百分の1くらいのパフォーマンスしか出ない。客先がいい人で今のところ叱られてもいないけど多分その内見捨てられる。どうすりゃいいんだ」
この実体験的証言は、現代日本のミドルエイジ労働者が直面する深刻な職業能力衰退現象を如実に表している。本稿では、この現象を単純な個人的問題として捉えるのではなく、日本型雇用システムの構造的特性、組織社会学的要因、認知心理学的メカニズム、および労働経済学的背景を統合的に分析し、その本質的メカニズムを明らかにする。
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労働政策研究・研修機構(2010)は、中年期が「仕事の負荷の増大や能力の停滞と限界感等が生じる時期」であり、これらへの対応を誤ると「諦めや思考停止」、「会社への過度の依存」を生じかねないことを指摘している。この現象は、清家(2011)が論じる日本的雇用慣行の相互補完性—(1)年功賃金、(2)終身雇用、(3)企業別労働組合—が現代の経済環境変化に適応できない構造的矛盾として現れている。
特に重要なのは、年功序列と終身雇用の相互補完性である。Milgrom and Roberts(1992)の内部労働市場理論が示すように、複数の雇用慣行間の相互補完性は制度の安定性をもたらすが、同時に変化への抵抗力も生み出す。これにより、45歳前後の労働者は既存のスキルセットでの成功体験に依存し続ける一方で、急速な技術変化や職務要求の変化に適応できない状況に陥る。
パーソル総合研究所(2017)の大規模調査(n=2,300)は、「42.5歳」で出世意欲が「出世したい」から「出世したいと思わない」に逆転し、「45.5歳」でキャリアの終わりを意識する転換点を迎えることを実証的に明らかにしている。さらに同調査では、50-51歳でジョブパフォーマンスが最も落ち込み、50代前半で会社満足度が最低値を示すことが確認されている。
この現象は、Lehman(1953)が技術者を対象とした古典的研究で発見した「30歳代前半で業績がピークに達し、その後は低下していく」パターンの現代版として理解できる。ただし、同一年齢内での業績評価の分散が大きいことから、年齢自体が自動的に能力低下を引き起こすのではなく、職務関連要因(仕事の割当の複雑性と挑戦性)が業績と密接に関係していることが明らかになっている
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パーソル総合研究所(2022)は、ミドル・シニア層のパフォーマンス低下について5つのギャップを特定している:
2.期待のギャップ:期待される業務と理想とする業務に差がある
3.成果のギャップ:出している成果と求められる成果に差がある
これらのギャップは相互に影響し合い、学習性無力感(Learned Helplessness)(Seligman, 1972)の状態を引き起こす。特に重要なのは、「働く意欲がない」状態ではなく「働けない状態」に陥っているという点である。
橋本・玄田(2023)の分析によれば、50-59歳層では職業スキル(ケア・科学技術・分析)すべてについて負の方向に移転しており、60歳以降では前職より平均2-4ポイント低いスキル水準での就業を余儀なくされている。これは単なる転職時の条件悪化ではなく、蓄積されたスキルの市場価値の急速な減衰を示している。
特に、定年や家族理由、健康上の理由を含む非自発的離職において、スキル水準の低下が顕著に現れることが統計的に確認されている。これは、冒頭の証言にある「10年前の百分の1くらいのパフォーマンス」という主観的体験と一致している。
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労働政策研究・研修機構(2022)の分析では、ミドルエイジ層(35-54歳)の転職において、これまでの経験が活かせない業務や、新しいスキルが求められる環境への適応困難が主要な問題として浮上している。この適応困難は、単純なスキル不足ではなく、職業アイデンティティの再構築を伴う複雑な心理的プロセスである。
パーソル総合研究所(2023)の調査では、ミドル・シニア就業者の70.1%が「何歳になっても学び続ける必要がある時代だ」と認識している一方で、実際に学び直しを行っているのは14.4%に留まっている。この認識と実行の乖離は、「金銭的・時間的余裕のなさ」(30%超)と「学ぶ対象や学ぶ方法のわからなさ」(約20%)に起因している。
興味深いことに、学び直し層の年収は平均642万円(50-54歳)と高く、「高年収の職業についているため学んでいる」「過去の学び直しが年収を高めた」という双方向の因果関係の存在が示唆されている。
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梅崎・藤本(2021)は、日本的雇用システムが「継続的に長く務められる日本人男性だけにとって優位な制度」であったが、「女性や外国人のような本来従業員として期待される人材を逃してきた」と分析している。この分析は、同システムが特定の人口動態的特性を前提として設計されており、その前提が変化した際の適応力の欠如を示している。
厚生労働省(2013)の分析では、日本的雇用システムの課題として正規雇用と非正規雇用の二極化が指摘されている。45歳以降の労働者は、従来の正規雇用の枠組みでは価値を認められにくい一方で、非正規雇用への移行は大幅な処遇低下を伴うため、中間的な働き方の選択肢が限定されている。
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パーソル総合研究所(2017)の詳細な分析では、50-51歳でジョブパフォーマンスが最も落ち込むことが5つの指標(「任された役割を果たしている」「担当業務の責任を果たしている」「仕事でパフォーマンスを発揮している」「会社から求められる仕事の成果を出している」「仕事の評価に直接影響する活動には関与している」)で一貫して確認されている。
同研究所(2023)の推定では、学び直しを行わないミドル・シニア正社員と比較して、学び直し実施者の個人年収は平均+12万円、3年以上の継続的学び直しでは+30万円の差が生じている。この結果は、継続的な能力開発の経済的効果を定量的に示している。
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Becker(1964)の人的資本理論に基づけば、45歳以降の労働者の価値低下は、企業特殊技能(firm-specific skills)への過度の依存と一般技能(general skills)の相対的軽視の結果として理解できる。パーソル総合研究所(2024)の分析では、転機における学習度合い(「転機学習度合い」)が学歴に関係なく、個人年収や職位と正の相関を示すことが確認されている。
Argyris and Schön(1978)のダブル・ループ学習理論の観点から、ミドル・シニア層の活性化には既存の行動パターンや価値観の根本的な見直しが必要である。パーソル総合研究所(2022)が指摘するように、「管理職が気合と根性で指導しろ」とは言えず、心理学などのロジックを考慮したコミュニケーションが必要である。
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内閣府(2023)の推計によれば、2025年には65歳以上人口が総人口の30%を超える超高齢社会が到来する。この状況下で、40-60代の生産性低下は国家レベルの競争力低下に直結する。OECD(2023)の報告書でも、中高年労働者のパフォーマンス維持が先進国共通の課題として位置づけられている。
労働政策研究・研修機構(2022)は、ミドルエイジ層の能力開発について、「アップスキリング」(現在の仕事関連)と「リスキリング」(転職・キャリアチェンジ関連)の体系的な区別の重要性を指摘している。前者が71.1%、後者が47.0%という実施率の差は、既存職務への適応に偏重した能力開発の現状を示している。jil+1
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本稿の分析により、45歳前後のサラリーマンが経験する能力低下現象は、以下の多層的要因の相互作用として理解されるべきことが明らかになった:
冒頭の証言にある「間に合わせの資料で誤魔化している」「10年前の百分の1くらいのパフォーマンス」という状況は、個人の怠惰や能力不足ではなく、システム全体の機能不全の症状として位置づけられる。
効果的な対策には、Senge(1990)の学習する組織理論に基づく組織変革、人的資本理論に基づく継続的能力開発システム、そして社会保障制度を含む包括的な制度設計の同時実施が必要である。特に重要なのは、個人の自己責任論を超えた社会システム全体の再設計である。
将来の研究課題として、AI・デジタル技術の急速な発展がミドルエイジ労働者に与える影響の定量的分析、および効果的な介入プログラムの実証的評価が挙げられる。
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@cyokuri
あー。何故生協(コープ・coop)が赤い羽根福祉基金を貰えたかなんとなくわかったわ。
赤い羽根募金(中央共同募金会)の評議員の中に生協の副会長がいたわ。
https://twitter.com/cyokuri/status/1613378266051805184
@cyokuri
「全国社会福祉協議会」の会長と「赤い羽根募金(中央共同募金会)」の会長が同じ。
清家篤氏。
しかし本来の目的を逸脱して、仲間うちにお金を回している。しかもやめない。
これは募金を偽装してお金を集めており、出資法違反に該当する。
オリンピックのボランティア検討委員会の座長の清家篤という人は、どういう人なんだろう、と思って検索したら、2009-17に慶應義塾大の塾長を務めた人だった。彼の後継の塾長選びで、2017年に騒ぎがあったようだ。
清家体制下で常任理事を務めていた長谷山彰氏がいまの慶應義塾長になったが、投票では負けていたのだという。
AERA dot. : 「慶應義塾」新塾長に得票トップは選ばれず! 2位を指名したワケ…(2017年5月)
https://dot.asahi.com/wa/2017050800016.html
清家塾長の任期終盤には、日吉記念館の建て替えや新たな学生寮建設などの計画が相次いだ。利権やカネが絡む話があるのでは、との臆測が広がっている。
週刊現代 :慶應義塾の「疑惑の塾長選」そのウラ側をぜんぶ書く! なぜか二位が勝利して、会議が大炎上(2017年7月)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52156
細田氏の質疑応答の際、ある委員が『文部科学省の役人とうまくやっていくことが必要』などと語り、そうした経験の薄い細田氏では頼りないという印象ができた。
慶應塾生新聞 :【特集】塾生が、考える ー塾長選挙ー(2017年11月)
https://www.jukushin.com/archives/29365
上の塾生新聞にある「近年の塾長の実績」を見ると、選ばれた長谷山氏のところに書かれた「博物館の設立(所信表明から)」は、2018年1月末に発表された下記のミュージアムだろう。
慶應義塾が全塾的学術・文化資料施設「慶應ミュージアム・コモンズ(仮称)」を2020年度中に開設
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2018/1/31/28-41180/
プレスリリースを見ると、「立ち上げのきっかけとなったのは、一般財団法人センチュリー文化財団からの資料寄贈と 30 億円の寄付金です」とある。
このセンチュリー文化財団は、Wikipedia によると、旺文社創業者・赤尾好夫の美術コレクションや資産を保存するために設立された団体のようだ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/センチュリー文化財団
ところで、Wikipedia の旺文社のページによると、「1963年(昭和38年)、英教に続く2つ目の外郭団体として日本英語検定協会が設立され、実用英語技能検定が開始された。旺文社は現在に至るまで英検の様々な問題集や受験参考書を販売」している、とある。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/旺文社
また、旺文社サイト内の「売上ランキング」を見ると、9/17現在、10位中、6つが英検関連の書籍だ。旺文社にとって、英検関連ビジネスは主要な柱なのだろう。
https://www.obunsha.co.jp/ranking
ここで、関係あるかはわからないが、2018年11月、慶應大は「英語外部検定試験についても、2021年度一般入試については全学部で利用を見送る。」と発表した。
https://s.resemom.jp/article/2018/11/20/47787.html
一方、東大は民間英語試験について、2021年度から「「CEFR対照表のA2レベル以上に相当する英語力がわかる書類」の提出を求める基本方針を発表。」
また、早稲田大も「政治経済学部では、2021年度一般入試より、大学入学共通テスト、英語外部検定試験、学部独自試験の合計点により選抜する方式に変更」と外部検定を取り入れていくようだ。
国際派と評判で得票数1位の教授がなぜか落とされたことと、英語試験とは、特に関係はないだろう。
しかし形式的に、旺文社および英検と関係のありうる財団から美術品とお金を寄贈、寄付してもらうのは、慶應としてコンプライアンス的に大丈夫なのか気になった。
なお、大学入試用の英語は「2024年度からは民間資格・検定試験に一本化する方針が定められている。」
https://s.resemom.jp/article/2018/07/25/45840.html
いまの長谷山氏が2期8年間塾長を続けるなら、2025年まで塾長ということになる。その間に入試英語の民間資格のどれをどう使うか意思決定を求められるのだろう。慶應大は「国際化」できるか、見守りたい。