
はてなキーワード:法律事務所とは
近年、ホストクラブで高額な借金を抱え、その返済のために性風俗で働いたり、消費者金融を渡り歩いたりする女性たちの問題が社会的な注目を集めている。一見すると「浪費」や「判断力の欠如」として片付けられがちだが、実態はもっと深刻で複雑だ。彼女たちの多くは「なぜ自分がここまでのめり込んでしまったのか」を自分でも理解できずにいる。
この問題を心理学、精神医学、社会構造の観点から掘り下げ、回復への道筋を示したい。
ホスト依存症は、医学的な正式診断名ではない。しかし精神科医や臨床心理士の間では、この現象が単なる「遊びすぎ」ではなく、恋愛依存、対人依存、買い物依存、ギャンブル依存が複合した心理的依存症の一種として認識されている。
銀座泰明クリニックや大石クリニックといった依存症治療の専門機関では、ホストクラブに通うことをやめられず、特定のホストに対して強い愛着・執着・幻想を抱き、生活・精神・経済に深刻な影響が出る状態として治療対象にしている。依存症治療に30年以上携わる大石クリニックの大石雅之院長によれば、重症例では借金が数百万円から6000万円に達することもあり、その多くが返済のために風俗店での就労を余儀なくされている。
ホスト依存症の中核にあるのは、「特定のホストに会わずにはいられない」という強迫的な衝動である。本人は理性的には「このままではまずい」と分かっていても、行動をコントロールできない。これはアルコール依存症や薬物依存症と同じく、脳の報酬系、つまり、ドーパミンが放出される快感回路が過剰に活性化している状態だと考えられている。
ホストクラブという空間は、女性の承認欲求と自己肯定感の渇望を満たすために極めて精巧に設計されている。ホストは「君が一番」「俺だけを見て」といった言葉で疑似恋愛を演出し、顧客に特別扱いされている感覚を与え続ける。日常生活で「誰にも必要とされていない」「自分には価値がない」と感じている女性にとって、この体験は強烈な快感となる。
この快感は脳内でドーパミンの分泌を引き起こす。ドーパミンは「また味わいたい」という欲求を強化する神経伝達物質であり、ギャンブルや麻薬と同様に依存を形成する。ホストからのLINEが来た、同伴できた、指名されたという、こうした不確定な報酬が繰り返されることで、脳は「次こそもっと愛される」という期待にとらわれ、やめられなくなる。
心理学的には、承認欲求と疑似恋愛構造の組み合わせが鍵となる。多くのホスト依存女性は、幼少期に親からの無条件の愛情を十分に受けられなかった経験を持つ。親が過干渉、条件付きの愛情しか与えない、あるいは無関心だった場合、自己価値が「他者からどう評価されるか」に強く依存するようになる。ホストクラブはこの心の空白を埋める場として機能し、金銭という対価を支払うことで愛情が「買える」という錯覚を生み出す。
依存症専門医の臨床経験によれば、ホスト依存の重症例の一部には、ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)といった発達障害が背景にあるケースが見られる。ADHDの特性である衝動性のコントロール困難、報酬への過敏性、視野の狭さは、ホストへの過剰な執着と借金の積み重ねを加速させる。早稲田メンタルクリニックの動画解説でも、衝動性のコントロールが苦手な女性がホストにハマりやすいと指摘されている。
さらに深刻なのは、愛着障害である。愛着障害とは、幼少期に親や養育者との間で安定した情緒的な絆を形成できなかった結果、大人になっても他者との関係に不安や執着を抱える状態を指す。愛着スタイルには「安定型」「不安型」「回避型」「恐れ・回避型」があり、このうち不安型の女性は「見捨てられる恐怖」が強く、相手の反応に過剰に依存する。ホストからの「愛されている」というサインを求め続け、そのために借金を重ねてしまうのは、この不安型愛着の典型例だ。
愛着障害を抱える女性は、恋愛を「ギブアンドテイクの取引」として捉えやすい。無条件に愛される経験がないため、「お金を使えば愛される」というホストクラブの構造に違和感を持ちにくく、むしろ「これが正しい関係」だと錯覚してしまう。
ホスト依存問題を語る上で欠かせないのが、「売掛金」という仕組みである。売掛とは、客がその場で支払えない料金をホストが立て替え、後日客が返済するツケ払いのことだ。この制度により、女性は支払い能力を超えた高額な飲食を繰り返し、借金が膨れ上がる。
警視庁の説明会資料や厚生労働省の報告書によれば、売掛金は数十万円から数千万円に達することもあり、返済のために性風俗店での就労を強いられるケースが相次いでいる。ホストや関連するスカウトグループが「返せないなら風俗で働けば」と誘導する構造も確認されており、職業安定法違反や売春防止法違反で摘発される事例が増加している。
2025年6月に改正風営法が施行され、スカウトへの報酬支払いや恋愛感情を利用した営業、売掛金制度が事実上禁止されたが、現場ではまだ違法な営業が続いているとの証言もある。警察の取り締まり強化と並行して、女性相談支援センターや消費生活センターへの相談も急増している。
借金を背負った女性が風俗で働くことを余儀なくされる過程では、心理的なマインドコントロールも働いている。ホストからの「お前のために俺が立て替えた」「裏切るのか」といった言葉で罪悪感を植え付けられ、抵抗できなくなるのだ。
大石クリニックの大石院長は、ホスト依存の女性たちが「このままでは生活できなくなる」と理性的に予測できない背景に、発達障害の特性による視野の狭さや、強迫的性行動症といった疾患が関わっている可能性を指摘している。ADHD傾向のある人は、目の前の報酬に反応しやすく、将来のリスクを現実感を持って想像することが苦手だ。また、ホストとの関係に没頭することで、他の情報が視界に入らなくなる「トンネル視」の状態に陥る。
さらに、恋愛依存の女性は「相手がいないと自分の存在価値がない」と感じているため、借金のリスクよりも「この人に嫌われる恐怖」が上回る。理性と感情のバランスが崩れ、感情が意思決定を支配してしまうのだ。
ホスト依存からの回復は可能である。ただし「意志の力」だけで抜け出すことは難しく、専門的な支援が必要だ。回復のステップは以下のように整理できる。
まず第一に、自己理解である。自分がなぜホストに依存しているのか、その背景に愛着障害や自己肯定感の低さがあることを認識することが出発点となる。カウンセリングや心理療法を通じて、幼少期の体験や現在の感情パターンを整理することが有効だ。銀座泰明クリニックや大石クリニック、早稲田メンタルクリニックなどでは依存症専門の治療プログラムが提供されている。
第二に、物理的な距離を取ることである。担当ホストとの連絡を断つ、ホストクラブに近づかない環境を作ることが重要だ。売掛金がある場合は、直接会わずに振込で支払うなど、接触機会を減らす工夫が必要である。家族や信頼できる友人に協力を求め、行動を監視してもらうことも有効だ。
第三に、代替行動の確立である。ホストに会うことで得ていた承認欲求や高揚感を、別の健全な活動で満たす必要がある。趣味、スポーツ、学習、ボランティアなど、自分の時間を投資できる対象を見つけることが回復を支える。自己肯定感を高めるためには、小さな成功体験を積み重ねることが効果的だ。
第四に、債務整理である。借金が膨らんでしまった場合は、弁護士や司法書士に相談し、任意整理や自己破産などの法的手続きを検討する。新宿などホストクラブが集中する地域の法律事務所には、ホスト関連の借金相談に対応しているところもある。
第五に、再発防止のための心理療法である。認知行動療法(CBT)や弁証法的行動療法(DBT)、トラウマフォーカスト療法などが有効だ。また、自助グループや回復施設(グループホーム)を利用することで、同じ経験を持つ仲間と支え合い、孤立を防ぐことができる。
家族や友人がホスト依存に気づいたとき、どう対応すべきか。大石院長は「否定せずに見守ってほしい」と強調する。頭ごなしに批判したり、無理やり引き離そうとしたりすると、本人は防衛的になり、さらに依存を深めてしまう可能性がある。
まずは本人の話を聞き、なぜそこに居場所を感じているのかを理解しようとする姿勢が大切だ。その上で、「心配している」「一緒に考えたい」というメッセージを伝え、専門機関への相談を勧める。厚生労働省は女性相談支援センターや消費生活センターを窓口として案内しており、家族からの相談も受け付けている。
最悪のケースは、本人が孤立し、借金を抱えたまま追い詰められることだ。自殺や犯罪に巻き込まれるリスクもある。だからこそ、早期の介入と継続的な支援が不可欠である。
ホスト依存問題は、個人の「弱さ」や「判断ミス」だけで説明できるものではない。承認欲求を巧みに利用するホストクラブのビジネスモデル、売掛金制度による債務の罠、性風俗への誘導という構造的な問題が絡み合っている。さらに、愛着障害や発達障害といった心理的・神経発達的な脆弱性を持つ女性が、そのシステムに取り込まれやすい現実がある。
法的規制の強化や警察の取り締まりは重要だが、それだけでは不十分だ。依存症治療の専門機関の拡充、カウンセリングへのアクセス改善、社会全体での承認欲求や自己肯定感の問題への理解促進が必要である。「愛はお金で買える」という幻想から抜け出すためには、社会が「無条件に受け入れられる場」を提供し、個々人が自己価値を内面から育てられる環境を整えることが求められている。
そういえば司法試験優秀性の中から検察とか裁判官が抽出されるんやっけ
13位やったら引き抜かれるんちゃうん
28:
>>25
↑この会話の流れよくわからん
世間的に?裁判官とかより大手法律事務所の方がいい職場なのか?
dorawiiより
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何年も居た事務所を追放されることになったので、追放されるまでの俺の体験や思ったことを書いていく。
某年目の弁護士。
小中規模な法律事務所。
最初は上手くやっていた。
なんか定期的に飲み会もやってたくらいだし。
こんな感じなら俺も給料を貰う立場から事務所に自分の売上を入れるような、いわゆるパートナーになろうと思っていた。
しかし、突然、とある事務員が自分を無視したり、仕事を頼んでも明確に拒絶をしたりされるようになった(なぜこうなったかは今でも分からない。)。
そんな訳だけど、まぁそういうこともあるよなと思って、その事務員からの嫌がらせを他のパートナーやボス弁に話すことは無かった。
この事務員からの嫌がらせは日に日に悪化していくんだけども、特に対応せずにスルーしていた。
今思えば、この辺りで、きちんと話をしておくべきだった。
そんなこんなで日々が過ぎていくなかで、経営層との面談があった。
そこで経営層から言われたのは、自分が事務員たちに迷惑をかけていること、自分の態度が悪いということ、事務員の嫌がらせじみた行為は問題では無いことだった。
この時には、自分がその事務員から嫌がらせを受けていることを経営層に伝えても、それは自分が悪いんだろうという対応をされるようになっていた。
時すでに遅し。
完全に事務所内の政治で敗北してしまい、事務所での居場所が無くなり、退所せざるを得なくなってしまった。
嫌がらせに目をつぶって、事務所のために土日も働いて、頑張ってきたのに、この事務所を去ることになるのは本当に悔しい。
最近はこの事務員からの嫌がらせも過激化してるけど、経営層は何もしてくれない。
事務所を辞めたら、とりあえず、自宅登録か同期の事務所に籍を置かせて貰って、しばらく休養をする予定。
疲れた。
某政党の法律相談窓口を使った時に話したA弁護士が親切で優しかった
A弁護士が所属するB弁護士事務所には2つ事務所があって、C事務所(うちから近い)とD事務所(片道1時間かかる)があった
A弁護士はD事務所だったため、C事務所のE男性弁護士に法律相談したが、これが酷い弁護士だった
警察に被害届出す事を念頭に置いてたため、警察が舐めてこない男性弁護士の方がいいと思ったのが完全に失敗だった
気を改め直して今度こそA弁護士にお願いしようとしたら「うちの法律事務所のルールで一度弁護士に相談したら別の弁護士に相談できないルールなんですよ」って言われた
てか事務所ルール知ってたら2時間往復してでもD事務所行ってたよ…
てか男性弁護士が泣き寝入り推奨してくるとは思わないじゃん、普通さ
議員さんに聞いてくれるらしい…でもどうなることやら
なんか上位存在を盾にして要求を呑ませようとするカスハラモンスターみたいになりつつあって、本当に嫌だ
男増田に「私女なんですけど!?」って馬鹿にされる予感がするけど、元々のトラブルの発端自体が性犯罪だから女性弁護士がいいよ(泣)
弁護士4年目。
仕事は何でも屋さん。
これを町弁と呼ぶ。
世間では弁護士ってエリートでお金持ちのイメージだろうけど、自分は違いすぎる。
辛すぎる。
辛い点の1つ目は依頼者。
弁護士がやる仕事って揉め事に入っていく喧嘩代行業みたいなものだから、被害者意識が強かったり、相手への憎しみが強い人がそれなりに多い。
そういう人を相手に仕事をするので、依頼者の敵意がこちらに来ることも多い。
辛い。
良い結果が出なかった時はサンドバッグよ。
まぁ訴訟進行中に良い結果にならないことは察することが出来るので、それに向けて徐々に依頼者に刷り込んでいくので、死ぬことはないだろうけど。
辛い点の2つ目はお金。
みんなトラブルにあうわけじゃないし、仕事が来ない時は本当に来ない。
今年の9月時点の売上が500万くらいだから、恐らく、今年の売上はたぶん800万くらい。
そこから、事務所関連費用を差し引いて、税金払って、iDeCoや中小企業共済に金を払って、生活費を差し引いたら、手元にちょっとしか残らない。
食っていけないことはないけど、精神的な負担の大きさに収入が見合って無さすぎる。
まぁこれは自分の営業能力の低さが原因なので、これから頑張りたい。
というか家と事務所の往復しかしてないので精神が摩耗していってる。
生きてて楽しいことがない。
でも自分が突然死したら依頼者が困るだろうからもう少し生きようと思うけど。
辛い点の4つ目は人間関係。
法律事務所ってすごい小規模な会社みたいなものだから、人間関係が悪くなると地獄。
辛い点の5つ目は法テラスと国選。
労力は変わらないのに。
もっと高くしてくれ。
制度維持のために協力しないといけないだろうし。
そんなわけで弁護士業が辛すぎる。
メンタルが逝ってもなんなら自分が突然死しても、養う家族もいないし別になんでも良いよ。
早く死なせてくれ。
サラリーマンになってれば土日も休めて幸せな家庭を築けていたのかな。
辛いばかりの人生を歩まずに過ごせたのかな。
辛いよ。
誰か助けてくれよ。
Permalink |記事への反応(25) | 02:49
アニメのほう、どうにも取材不足っていうかなんか解像度が低くてやられそう。
原作はよいんだよ。
アニメの方で追加したと思われる設定があかん。追加するならもっとこう、ちゃんとしてほしい。
例えば
なんというか、がんばってハイソな上流階級の理想的な女性たちを描こうとして苦労しているのがにじみ出てきて、
これを作っているのは俺らなんだろうなーというのが見えてはこっちが恥ずかしくなる
わかるんだよ?恐らく小物なんかはCGで作ったストック絵をくっつけるとかそう言うやり方でコストを削減しているのは分かる。
キャラクターを絶対に、何があっても崩さないようにしているのもわかる。
カクヨムにて7月8日から公開・連載されている『成り上がり~炎上配信者だった俺が、最強の女神たちと世界をひっくり返す話~』についての感想や考察を書いています。
通称『なっくり』。
https://anond.hatelabo.jp/20250904223228
https://kakuyomu.jp/works/16818792436194059031/episodes/16818792436315513393
前回の『転落』では主人公の圭祐が専門学校中退をきっかけにレールを外れ、転落していく様が描かれていました。
これ自体は展開の無理や矛盾は少なく、完璧と言えないまでも、カクヨムの平均からすればまずまずの完成度と言えます。言いたいことはわかるし、これからの展開に期待を持てます。
とはいえ、第1話は作者が何度も修正をかけている部分でもあります。それでも所々に破綻が見えかけているのは、不安が募るところでもあります。
【取調室】
カクヨムの連載作品においては、各話の文字数はおおよそ2000字~4000字程度に収める事が多いのですが、第2話に関しては既に6000字を超えています。
正直こういう小見出しをつけるなら話数を分けてしまった方が読みやすいと思うのですが、そこはともかく……
蛍光灯の白い光が、古びた金属製の机と椅子、そして彼の顔を無機質に照らし出していた。徹夜の尋問で、彼の思考はすでに霧散寸前だった。乾いた唇はひび割れ、数日髭も剃っていない顔は、まるで廃人のようだった。
いきなり疲弊している圭祐。
しかし前回のどこを読んでも、圭祐がこんな扱いをされる理由はわかりません。
というか、前回は圭祐の一人称で書かれていましたが、今回は『圭祐は』とか『彼の』とかで三人称で書かれていますね。
やっていない。だが、証拠はすべて彼が犯人だと示していた。どうして。誰が。思考は霧散し、泥のように重い絶望だけが、彼の腹の底に澱のように溜まっていく。
圭祐の自認では『やってない』ことは確実のようです。
……修正前のバージョンの話では、圭祐の自宅のPCがアンチによるハッキングを受けていました。そしてPCが踏み台にされ、市役所に爆破予告をしたことで圭祐が疑われることになってます。
が、これらはもう削除された部分なので、作者にとっては不要な話だったのでしょう。
じゃあなんで捕まってるのか? どんな証拠があるのか? 読者はずっと置いてけぼりです。
ともかく圭祐は『やってない』認識なので、ここはじっと耐えるしかありません。そうするべきなのですが……
追い詰められた圭祐は、刑事をおちょくるような発言をしてしまいます。
どうも圭祐は、極度のストレス状態になると自暴自棄になって、言わなくていい事ややらなくていいことをやってしまう特性があるようです。
圭祐のこの特性は、この後の物語でも度々現れます。描写的にはここは圭祐の知性や洞察力をアピールしているようですが、それ以上に『空気読めない』感が出てしまっています。
物語的には、状況を動かしやすいので便利な『特性』とも言えるのですが……
そこへ突然、二人の人物が乱入してきます。一応ノックはしましたが、勝手に入ってきてしまっています。
年の頃は二十一歳くらいだろうか。シンプルなデザインでありながら、上質な仕立てのお嬢様ワンピース。プラチナブロンドの髪が、蛍光灯の光を吸い込んで、銀糸のように輝いている。その佇まいだけで、澱んだ取調室の空気が、まるで聖域のように浄化される錯覚を覚えた。その凛とした存在感は、この閉塞した空間に、一筋の清冽な風を吹き込んだようだった。
先に入ってきたスーツ姿の男より、その後ろの少女に注目し始める圭祐。
見た目だけでなんで21歳だと一桁目までわかるんだよという突っ込みは野暮でしょう。20歳以上を少女と呼んでいいかも、ちょっと意見が別れる所かも知れませんがここも置いておきます。
刑事が色めき立つ。だが、その声は、彼女たちの存在感に弾かれるように、空虚に響いた。別の刑事が少女の顔を見て、椅子から転げ落ちんばかりに目を見開く。
天神財閥を聞いて『GHQによる財閥解体がなされなかった架空の歴史か?』と解釈する人が出てきた問題の部分です。
とはいえこの『財閥』はほぼ『大企業』と読み替えても差支えないとは思います。天神玲奈の顔を見ただけで、ただの刑事すら怯んでしまっていますが。本当に財閥だったとしてもそんなことできないと思うので……
美少女は天神玲奈というそうです。天神が『てんじん』なのか『あまがみ』なのかはルビが無いのであいまいです。
天神玲奈と呼ばれた少女は、刑事たちの動揺など存在しないかのように、ただ冷たい視線で室内を見渡すと、まっすぐに圭佑を見据えた。その琥珀色の瞳は、感情を一切映さず、まるでガラス玉のようだった。
「この男、私が引き取ります」
琥珀色の瞳。プラチナブロンドの髪と合わせると、日本人離れした容姿のようです。こういうのはファンタジーでありますから、非現実的なモノも悪くは無いでしょう。
「不当な取り調べは即刻中止してください。証拠不十分なままの拘束は人権侵害にあたります。これ以上の異議は、我々天神法律事務所が正式に申し立てます」
そして名前からして天神財閥は法律事務所にも関わっている様子。暗黒メガコーポ。
刑事の口ぶりと圭祐の認識では『証拠は圭祐が犯人であることを示している』とのことでしたが、実際には証拠は不十分であり、圭祐の自白を無理矢理待っていた話であるようです。
そうなってるってんだからそうなんでしょう。知らんけど。
【偽りの日常】
圭祐は天神玲奈によって救い出されましたが、そのまま家に帰れるわけでもないようで。
目の前には、一台の黒塗りのセダン。その傍らに、石像のように佇む初老の男。完璧に仕立てられた燕尾服を身につけたその姿は、まるで絵画のようだった。
状況の変化に頭が追いついておらず、今だ混乱状態です。
彼女は慣れた手つきでロックを解除すると、圭佑に何も言わずに、その画面をこちらに向けた。画面に表示されていたのは、美しい彼女のアイコンと、その横に並ぶ、信じられない数字だった。
まあ。大企業のセレブというのなら、単にSNSアカウントがあるだけでもフォロワーは相当になるでしょう。そういう人なら普段の買い物や着てる服を投稿するだけで数千はバズるでしょうし。
圭祐では太刀打ちできない人気の差に、彼はすっかり委縮してしまいます。
弁護士が来てくれたんだから面倒を見てくれるんじゃ……とも思いかけますが、ここはまあパフォーマンスだと考えましょう。
実際圭祐の服は相当にボロボロでみじめな有様です。玲奈によれば、圭祐の実家に殺害予告をするアンチもいるようです。当然元の製氷工場でも噂は届いていて、居場所はありません。
……圭祐は何をしたのでしょうか? そんな大事になるほどの動画をどうして投稿してしまったのでしょうか? 結果だけが描写されていて、理由とか経緯は一切明かされていません。
会計前のパック寿司をその場で食べるくらいの迷惑行為をしていたのでしょうか? さっぱりわかりません。わかりませんが炎上しているし、炎上しても本物の人気者には遠く及ばないことは確かなようです。
問題のシーンです。
お嬢様で、明らかに人気者のセレブが。零細のゲーム実況動画投稿者でしかない圭祐に興味を抱き、あまつさ『ガチ恋』という俗っぽい言葉を使っています。
本来ガチ恋とは『芸能人や二次元のキャラクターに対し本当に恋をしてしまっている状態、またはそのような人を指すスラング』とされており、あまりにも熱心過ぎて他のファンや関係者に迷惑がかかりそうな人というネガティブな意味も含まれます。
ですか『なっくり』世界観においては、このガチ恋は『真実の愛』と同義です。移行ガチ恋という単語が出ても、戸惑わず『真実の愛』と読み替えていきましょう。
車が向かったのは、高級レストランではなく、どこにでもあるファミリーレストランだった。店内は、昼時を過ぎた時間帯で、家族連れの楽しそうな声が響いていた。その、あまりにも日常的な喧騒が、圭佑には酷く場違いに感じられた。
「ステーキです。一番大きいの」
圭祐に無用な緊張をさせないためか、玲奈は圭祐をファミレスに連れてきます。
そして圭祐が注文したのが『一番大きいステーキ』。
注文するにしてももう少し言い方あるだろとか、イマドキならタブレットで注文だろとか少々のツッコミがありますが、落ち着きましょう。取り調べを受けていたし、お腹が空いていたのでしょう。
「……あの弁護士、腕いいのか?」
「桐島のこと? 彼は天神が抱える中でも最高の駒よ。負けを知らない」
ここでようやく。ようやく。圭祐が『爆破予告犯』として取り調べを受けていたことが明かされます。おっそーい!
でも圭祐は『やってない』認識なので、自分から爆破予告の動画を投稿したとかそういう話ではないでしょう。じゃあなんなんだよお前マジで。というかシンプルにこれは修正前の部分の残骸にも見えます。
その時、店の入り口から、金髪ツインテールの制服少女が、弾けるような笑顔で駆け寄ってきた。天神莉愛。その明るさは、部屋の澱んだ空気を一瞬で吹き飛ばす。
そして現れるさらなる美少女。今度は制服姿であり、学生であるようです。
この莉愛に関しては作者のお気に入りらしく、XでもAI生成のイラストを掲載しています。
https://x.com/KyakerobyaSyamu/status/1951467840772653519
彼女も席に着くなり、姉と同じパフェを注文する。そして、圭佑の隣に座ると、キラキラした目でスマホの画面を見せてきた。
彼女もまた、百万フォロワーを超えるアカウントを圭佑に見せつけた。「Kくん大変だったね! でももう大丈夫!私たちがKくんの女神だもん!」
妹もまたパフェを注文し、そして自身の百万アカウントを圭祐に見せてきます。
ところでそのアカウントってYouTubeでしょうか? どっちかというとInstagramとかTikTokとかやってそうなものですが。
曲がりなりにも年上の圭祐に対し『Kくん』呼びで懐いてきます。
車が向かったのは、都心にあるシネマコンプレックスだった。エントランスに足を踏み入れるなり、女性スタッフが駆け寄り、深々と頭を下げた。
ファミレスを出て、天神姉妹と圭祐が次に向かったのは映画館でした。
そういう予定だったのか、スクリーンは貸し切りにしてあって、上映作品も天神姉妹がしていしたアクション映画。
圭祐は状況が飲み込めないまま、二人に挟まれて映画館デートをします。
巨大なスクリーンに派手な爆発シーンが映し出される。その轟音に、莉愛が大げさに肩をすくめ、圭佑の腕にぎゅっと抱きついてきた。
「きゃーっ! こ、怖くなんてないんだからねっ!」
そのあからさまなアピールに、反対隣に座っていた玲奈の眉がピクリと動く。その表情は、僅かながら嫉妬の色を帯びていた。
彼女は何でもない素振りを装いながら、そっと圭佑の手に自分の指を絡ませてきた。その指は、映画の迫力に偽装された、圭佑への牽制、あるいは甘えのようにも感じられた。
この辺りは天神姉妹の甘え上手な妹と、嫉妬深くもちょっぴり不器用な姉の対比ができていて良い感じの描写と思いました。
タイプの違う美少女に同時に好かれて両手に花。まさしくラノベ的なロマンです。
ただそれでも圭祐はどこか上の空で、後に誘われたゲームセンターでも調子が出ません。
ゲーム実況動画投稿者ではありますが、やり込み系の動画ではないようです。リアクションも薄いようですが。まあ零細動画投稿者なんでそういうものかもしれません。
車は、夜景の美しい高台にあるモダンな邸宅に着いた。ガラス張りの壁が特徴的な、まるで建築雑誌から抜け出してきたような、非現実的な家だった。
「正直に言うと、妹に布教されるまで、あなたのことなど全く興味がなかったわ。でも…見なければ分からないこともあるものね」
修正前のバージョンでは圭祐はオリジナル楽曲を作ってゲーム実況動画のオープニングに使っていたという話があります。でも現在の修正後バージョンにはそんな文言はありません。
とはいえ工場で圭祐の『耳』が良いことは描写されてますし、それ故に彼に作曲の才能があることは示唆されています。玲奈が言ってるのはそう言うことだと思われますが……
「動画の中で、妹さんにお給料でゲーム機を買ってあげたと話していたでしょう? ふふっ、優しいのね」
彼女は圭佑の全てを知っていた。彼の才能も、惨めな過去も、そして誰にも気づかれていないと思っていた不器用な優しさも。その事実に、圭佑の背筋に冷たいものが走った。まるで、魂の奥底まで見透かされているかのようだった。
「あなたの作る音楽、書く言葉、そしてその不器用な優しさ。そのすべてを最初に享受するのは私たち。あなたの時間も、音楽も、未来も、全て私たちのもの」
しゃらくさい言い方してますね。
要するに玲奈は圭祐の才能のみならず、人間性も含めて、それら全部を所有し支配したいと考えたようです。圭祐自体は平凡な、どこにでもいるような『ただの男』であるように見えますが、本人にもわからない魅力や才能が、天神姉妹の琴線に触れたのでしょう。
これが成り上がり~炎上配信者だった俺が、最強の女神たちと世界をひっくり返す話~ 第2話 天神姉妹 でした。
無実の罪によって社会的な死を迎えた圭祐は、今度は天神姉妹によるミザリー的な軟禁生活を強いられることになりました。
鳥籠の中で彼は『成り上がり』できるのか? というところで次回へ続きます。
『なっくり』考察と感想 第3話https://anond.hatelabo.jp/20250905141623
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主人公目線であるべき実体験風マンガ、興味深く読んでたけど突然飽きてしまった
レスで悩んでいたら夫に浮気相手がおり、その浮気相手は挑発的にこちらに接してくる
はじめは夫婦関係の立て直しを望んでいたはずの主人公だが、夫はいつまでも女と別れない
主人公の両親や姉妹の助けもあり、離婚を決める主人公だが、夫は別れないと言う
かねてより支配的でモラハラ的な態度だった夫が、どんな手を使って離婚を阻止するか分からない…敵に手の内を見せてはいけない!離婚相談を法律事務所に頼り、内密に引越しを進める…!夫に知られるな…!といった流れ
ここまでがとても長く、主人公の気持ちに沿って右往左往している感じ
最初はレスの辛さや子供を望まれる妻の辛さの共感が主軸なのかなというとそうではなく
サレ妻の辛さももちろん描かれるが、そこも主ではなく
描かれ方としては離婚の心理戦・情報バトル劇、ドロドロの怨念絡め といった風な感じ
スッキリ物語が進まず、いつもドロドロと憎々しい顔をした主人公・夫・浮気相手が腹に何かもった感じで会話、罵倒、涙 そして相手にバレずに離婚手続きを進めるという、脱出劇的な緊迫感
こんな感じで長々とウロウロしているような話で、面倒くさくなってしまった
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会話
@URUWA_L_O
@URUWA_L_O
一番粘着されたくないおじはどれですか?😇
39.8%
35.8%
またあれ陰茎おじ
11.4%
男風呂大歓迎おじ
13%
123票
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最終結果
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@URUWA_L_O
私に絡んでくるお説教おじさんたち、私から言い返されると、なぜか自分が攻撃されてるとか粘着されてるという認識になるんですよね。
なぜそうなるのかというと、自分は相手に無条件に説教できる立場で、相手の女(又はそうみなした者)はそれに大人しく従うもの、という潜在意識があるからなんですよ。
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M a y a ♡ 마야🏳️⚧️ヽ(๑╹◡╹)v🏳️🌈
@mayappy0627
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はなから見下しがありますよね、マンスプレイニングおじさんたち。偉そげな態度でまともに人の話も聞かないおじさんたくさんいますから。
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会話
@URUWA_L_O
そう、はなから見下している。
だから見下してる相手から対等以上にものを言われると、「被害」だと認識する。
さらに言い負かされるとなると、激おこになって止められなくなる。
2,299
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どうしてもそのコスパ主義だとやさしく教えてもらって環境が良いみたいになってくると、22歳の大卒という年齢を仮に考えると、
25歳頃になっても社内の全社的な業務というかどこに飛ばされてもやれるという力をつけてないとあっという間にお荷物と言うか
人事的にどこにも行けないということになりがちでずっと本社のいてもいなくても大して変わりないような人になってしまい使えない本社人員となってしまう。
こ自分の上に45歳くらいの課長、と言っても部下はいない一人課長が数人いて、
実施設計をいつまで経っても覚えてないのでその年になっても一人で設計物件をこなすことができなくて図面一枚も描けず
ヤバいのはちょっとした改修物件とかで外注設計事務所にも流さないで社内で自分で数枚の図面をざざっと描くという場面でもやはり外注に出さざるを得なくなる。
そういう雰囲気は部署の近い人にはバレていても設計分室という完全に仕事できない人の集まりでそこには実際に仕事出来ないと困るので新人とかが交代で入るようになり、
その新人や2年目程度の素人が全部の仕事を引き受けて回すというシステムになっていて、分室に出入りするのが本当のプロエジェクト物件で6人くらいで大型の建物の設計をやっていてそのプロジェクトマネージャーの部長がいて、すべてを引き受ける設計主任がいて、そういう感じで本格設計しているのの中にそのヤバい課長が別棟を一人でやっているなんてことが起こる。
設計ができない設計課員って結構いるのでというか面倒でも頑張って覚えるしかないのだが、どういうわけか勘違いしてて外注にやらせることに勘違いを起こして詳細設計は下請けがやるものだとという完全な勘違いを起こしている人員が京大とか東大にいるものだから世間は複雑だと思う。
設計が顧客対応が佳境に入ってくると自分だけでは出来ないというふうにいい出してヘルプを入れてもらうように上に頼むのだが、その時点ではまだ上にバレていない。そのヘルプに自分が入ったのだが、程なくしてすべての業務を押し付けられていしまい、そういうケースが数件続いてお陰で自分は何でも屋として開業できるようになった。
それでたまに本社設計本部に戻ったりするのだが、当時の後輩も後輩と言っても自分が5年目くらいで後輩たちが4年目3年目くらいの感じなのだが、驚くほど仕事ができない。その状態で22歳の新人ではなくて26歳ぐらいになっていしまっているので完全に年寄りである。
コスパで社会人をやっているとそういうことになる。バブル崩壊で新入社員が入ってこなくなると雰囲気的に一番下がそういう年齢になってしまい、いつまでも雑用要員としてしか機能せず、それで自分の下に入れられた後輩を特に見る気もなく、というか設計本部というのはトム・クルーズのザ・ファーム法律事務所、あそこまで過激ではないけど、3年目で一級建築士が取れなかった場合は設計部をクビになって地方の現場に飛ばされる。現場と言っても営業所のように誰かが教えてくれるという環境ではなく工事現場でその日から施工の担当である。そこで地獄を見ることになる。
自分も自分の設計物件を工事現場にそのまま出向して担当して、工期が2年くらいのをやっていて自分で設計資料を作っていてそれを施工するのでしっかり覚えるというか、非常にためになる。
でも設計はできない、本社で人がダブついていても設計そのものができないのでなかなか地方によこして任せることも出来ないとなると、最後の最後でどうでもいいからとにかく設計本部はクビにするという感じで放逐。
人手不足だからなんとか2年目くらいまでは新人扱いされて丁重にされるかもしれないが、協調性だけ覚えてパワハラもすることもされることもなく、というか設計は一人でやるので特に課内でどうということはない。自分の担当物件を数件こなすのに忙しいけれどマイペースだし、どこで手を抜くも自由である。
テレビ、ラジオ、電車広告で債務整理関係の法律事務所ってよく見かける気がする。
ネットでも全く見ないならあなたはそのターゲットではないのだと思う。
祐介は現場に立ち続けた。
だが、その現場はかつての熱気を失い、
冷え切った風が吹き抜ける場所になっていた。
「人が足りない。経験者がいない。」
そう呟くのは、かつての同僚たちだ。
かつて5000人いた社員は1000人に減り、
彼らは司法試験に受かっても、
法律事務所の門は閉ざされ、
途上国じゃあるまいし…」と嘆く声は消えず、
---
祐介の言葉は重い。
だが、それだけではない。
それは、失われた30年の産物だった。
---
祐介はふと空を見上げる。
彼の目に映るのは、崩れかけたビルの梁の影と、
その下で懸命に働く若者たちの姿。
「このままでいいのか?」
祐介は問う。
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倉上龍の言葉が、遠くで響く。
「どれだけの命が奪われたのか、
どれだけの未来が閉ざされたのか。」
そして、祐介は決意する。
「語り継ごう。
この錆びた梁の下で、何が失われ、
誰がそれを奪ったのかを。」
未来を見据えた祐介の歩みは、
まだ終わらない。