
はてなキーワード:水野敬也とは
真面目に人生を歩んできたつもりだった。
高校時代は3カ年皆勤を受賞、推薦入試でもないくせに生徒会も本気で部活も毎年全国大会で上位に食い込んでいた。
大学は地方国立に進んだ。大学の授業を一度も欠席したことはないし、長期休暇には資格勉強や読書に励み、就活も大学2年から取り組みインターンにあししげく通って内定を勝ち取り、卒論では学士のくせに学会で賞を取るような真面目人間だった。サークルやアルバイトもやっていたが、飲み会は年数回程度だった。
しかし、社会人になって飲み会でヤリチン同期に出会ってすべてが変わった。
エロ漫画とかでしか存在しない概念だったヤリチンが、実在するんだと知った。
最初は嫌悪感しかなかった。というか普通に意味が分からなかった。付き合う前にするって何???って。
しかし学生時代ヤリチンだった同期は何人も居るし、彼女もセフレも居る同期だったり、彼女とFantiaに動画を上げて稼いでる同期とか、遠距離で彼女は居るけどヤリチンを東京でやってる同期とか、ナンパで営業力を磨いている同期とか、相席屋でお持ち帰りしまくる同期とか、そういう人がこの世界にはたくさん居ることを知った。
そしてみんな夜遊びのフェーズを大学生で終えている(ように感じた。実際大多数は遊んでなんかいない。インパクトのある話が伝搬してるだけ)。
彼女こそいたことはあるが、付き合う前にそういうことをするのは絶対にありえないと思っていた。そんな常識が壊れた。
自分は大学時代遊んでないんだ。そしてその大学時代はもう一生来ない。
そう思うと心が粉々になりそうなくらいの劣等感を感じた。
23歳だった。社会人としては若くても若者としてはアラサーが迫っていた。
23歳の遊びは若いねで笑われても、33歳がそれをやったらただのキモいでしかない。23歳でもキモいかもしれないが。
今が一番若い。
大学時代は終わっているがまだ今ならこのコンプレックスを取り除けるのではないかと思った。
若い頃のコンプレックスは一生引き摺るものである。半世紀を過ごしたおじさんが学園ソープに行くように、私自身にだって学生時代のコンプレックスがいくつかあった。
若いうちに遊んでないというコンプレックスが日に日に大きくなってくるように感じた。山月記のようにいつか虎になってしまうのではないかと思った。
そんなことを考えたとき、まだ今なら遊んでないコンプレックスを無効化できる。そう思った。
遊び終わった男がいいなんて世間では言われる。
平均初婚年齢を考えると残された時間は短い。結婚を前提としたとき、次付き合うまでに遊び終わった男になっていたい。
同時に女性から見ても、まだ結婚を考えず遊んでみたいと思う需要もある時期なのではないかと考えた。
さらに彼女が居ない今こそ、遊んでおくのが良いのではないかと思った。
それを考え始めると遊ばない=死のような感覚になった。
今を逃すと将来が真っ暗で永遠に一人だと思うようになった。
さらに自分は真面目な自覚があったし、それを改善することが至上命題となっていた。
加えて女性に対してのコミュニケーション力もコンプレックスであった。
技術カンファレンスの懇親会で同性同士のコミュニケーションは磨いてきた自負があったが、対女性となると極めて難しい。
これも早めに直したい。
まとめると遊びは
を目的として始めた部分が大きい。
欲の強さはかなりある方だが、そういう行為は正直好きな人とだけ楽しめていれば十分だと思っていた。
経験人数を増やしたい気持ちもないし、お持ち帰りする過程にもワクワク感を抱かないタイプである。
仕事のストレスがえげつない時期で正直死が迫っていたのだと思う。
狂っていた。
本質として相手を傷つけて得られる幸せや快楽はクソだと思っている。
いくら自分のためだとしても、タダ乗りは絶対にしてはいけない。
また1回目の行為は調査だとナンパ本にだって書いてある常識である。
楽しんではいけない。相手が何が好き化を調べる調査である。明確に客は女性で自分は施術者である自覚を忘れてはいけない。
遊びはどちらが好きになった瞬間終わりである。
期間を決めることにした。目標設定において期限を指定しないことはあまりにも意味のない行為である。
ヤリチンになれている・いないに限らず半年で一旦区切りをつけることは最初から決めていた。
これはマッチングアプリの料金プランとしてコスパが良いことに加え、思考に関わる習慣化の期間は約6ヶ月と言われていることにも起因している。
遊びという行為を経験しておりそれに対して不快感を抱いていない限られた知り合い(男女両方含む)に事情を話し定期的に話をする機会を設けてもらった。
これはスクラムにおけるSprintReview的な立ち位置となると同時に、依存先を増やしてメンタルコントロールをしていた側面も大きい。
数をまずはこなすことにした。
デート後に毎回記録をしていた。
好きな食べ物や嫌いな食べ物、アレルギーやMBTIなどの基本情報は大前提として
を毎回デート後に書き起こしていた。
これは経験学習効果を最大限増やすという意味合いもあるし、なにより相手を傷つけないためが大きかった。
相手に間違われるのはあまりにもつらい。それに相手が楽しくないことは絶対にしたくない。ポリシー違反。
人間を物として見てると言われそうだが、自分の中ではそれが最大限の誠実性だった。
最悪自分が傷つくのは自業自得だとしても、女の子を傷つけるのは良くないし、特に一生傷を追わせてはいけない(偉そうなこと言える立場でないのはわかっているが)。
例えば容姿を気にしている相手に容姿に対する指摘をするとか、体型を気にしている相手に体型の指摘をするとか。
そういうのは相手の人生を余裕で狂わせる。整形を繰り返したり、拒食症になったり。(自分が直接そうさせたことはないが、そういう風にされたことがある人を見たことがある。)
クラブナンパでは、クラブに1人で突撃し最初に同性と仲良くなり、そこ経由で女の子を紹介してもらうことで多少は仲良くなれたが、その後があるほどの関係性は構築できなかった。
相席屋や合コンは付き合ってくれる男さえいれば女の子と話すまでは確実だが、一方でお持ち帰りという部分に関しては極めて難易度が高い。
個人的に複数人の場での立ち振る舞いより、1対1のほうが得意であった。
結果として自分自身と相性が良い「マッチングアプリ(恋活系)」を中心に進めていくこととなった。
Tinderは最上級の課金をしても基本出会えず、性癖マッチ系は男女比が破壊的で現実的でなかった。どちらも自分でコントロールできる範囲で改善が難しかったため本業にはしなかった。
あたりで知識を蓄えた。
最も良いのは遊んでいる・遊んでいた男女に相談することである。疑問を対話形式で解決できることによる学習効果は大きい。
YouTubeに関しては有象無象で精度も低いが、複数人が言っている内容などある程度学習意義があった。(多くは会員制有料サイトへの誘導であるため注意)
各種書籍に関してはかなり効果が大きかった。特に「話を聞かない男、地図が読めない女(アラン・ピーズ 著)」は男女平等が叫ばれる中で必読の書籍であるように感じた。平等と公平の必要性もわかる。
少女漫画はふざけているかのように見えるが、女性にとっての1つの理想を知るうえで重要な資料である。(というかお持ち帰りした女性におすすめされた)
ヤリモクになることを通して、うまくやれてるヤリチンにある種の尊敬を抱いた。
(うまく、と書いているのは本能で行動し相手を傷つけて遊ぶ男や色恋や沼らせることで女性を依存させて遊ぶ男、恋人という安定に甘えながらヤリモク浮気をするような本物のクズ達には尊敬を抱けないためである)
難易度は正直人生でも相当上位に食い込む。大企業に内定を得るよりも断然難しい。就活は相当苦労した記憶だったが、それを遥かに上回るものだった。
運よく限界が来る直前に救いが何度もあったことで耐えれたが、辛さに耐えられずに人生が終わる可能性だって十分にあるくらいには精神的ダメージの大きいものであった。
一方で経験学習は明確に回る。性という人間の根幹を牛耳る部分が刺激を受けることで良くも悪くもアメとムチがデカかった。
食料が手に入るようになった現代で唯一本能的なPDCAを回せる場所であったのではないかとすら思った。
ドタキャンされたり嫌われたりは日常的にあって、かなり人格否定が発生するのが辛い。
仕事とかならプロジェクトのxxが悪いとか、スクラム開発ならPBIが悪いとか色々言い訳できるのだが、女の子から嫌われたり断られたとき、人格否定されたように感じてしまう。
(実際にはそんなことはなくて、たいてい相手側の都合とかタイミングのケースが多いが、論理でそうわかっていても感情はそうならない)
ヤリモクをやる前の事前調査で、ヤリチンをやっている友達数人に聞いたところ、まずは20人と会ってからだという話を聞いた。
これは遊び終えた上で振り返っても間違いないと考えている。
まずは数をこなして学習することが大事だし、正直相手のその日の体調や気分など運による部分が大きいというのもある。
会う直前や電話の直前で突然ブロックされることは相当な回数ある。半年間で20回は優にあった。
大半のケースは会うのが面倒なケースや他に良い相手ができたケースだと思われるが(というかそう思わないとやっていけない)とても辛い。
一番辛いのは会う約束をして当日待ち合わせ場所で待った挙げ句パターンである。
「ちょっと遅れるね」のメッセージを最後に何時間も真冬に待たされた挙げ句ブロックされたケースだってある。普通に数日落ち込んだ。
さらに厄介なのは一方的に好意を向けられた挙げ句、会う直前に突然ブロックされることだ。
簡単に好意を向ける人間は、簡単に他の人にも好意が向いて自分なんて存在は容易に捨てられる。
当たり前だが世界は甘くない。
ホテルに誘ったときに「そういうの無理なんだけど」って言われるのはまだ希望がある。貞操観念がしっかりしていて素敵だなと思う。
ちょっと嫌なのは、最後の最後に「今日女の子の日だから次ならいいよ」と言われた挙げ句、解散した瞬間にブロックされることである。これが結構ある。
基本的に初回でできなければ次は絶対にない。(1個人の統計としては1回だけ例外があったが割合としては相当低い)
またホテルに行ってやることやって、またしようねと笑顔で解散した次の日にブロックされるケースもある。
ホームで電車に乗り込む直前まで甘々にくっついてきたのに、である。本当に人を信用できなくなる。
いろいろな人と話すことができた。(実際に行為まで及んだのはごく少数であることは留意してほしい)
幼稚園の先生、小学校の先生、営業職、事務職、フリーター、様々な学部の大学生、専門学生、SE、舞台スタッフ、作業療法士、看護師など、職業や学種だけでも普段絶対関われない人と関われた。
出身地も日本全国様々だったし、それぞれの人生も唯一無二のものだった。
夜ご飯だけでも2時間は話を聞けるし、2件目、ホテルとなるとピロートークも含めてその人の人生の深淵まで触れられることもある。
理系人生だと女性と接する機会は極めて少ない。そんな自分にとっては知らない世界ばかりだった。
知ったところで何になるんだと言われるとそれまでだが。
常に、と書いているのはセフレという存在が極めて不安定な存在だからである。
自分なりに相手を満足させるように努力していても、当たり前のように関係が向こうから千切られるので常に新しい相手を供給し続ける必要がある。
セフレがほしい男は無限に居ると思うが、女性は大概そうでない。遊び前提で出会っても暗黙的に、なんなら本人は気づいてなくても付き合ったり結婚したりする未来を考えているケースが極めて多い。
というかそれ以外ほぼない。ごく稀に例外はいるが本当にごく稀でしかない。
途中で女の子側から消えていく。それは恋人になれないということに絶望を感じたり、単純に飽きられたり、私このままじゃだめだと思ったり。
だから常にセフレとなる候補を探すために新規の女の子と会い続けないといけないため、永遠に安定が来ない。
セフレという言葉に理想を描く人間は無限にいるが実際は想像以上に空虚な存在である。
自分にだけ一途でセフレな女の子という幻想は捨てるべきだ。矛盾している。
自分がセフレになる時点で他の男にも簡単に落とされて持っていかれるような存在であるし、仮に長期間セフレが維持できるほど好意を持たれていたらいつか相手が今の関係に満足できなくなって終わる。
一途なセフレは存在しないのでちゃんと誠実に遊ばず恋人を目指すべきである。
一時的に誰かの薬に立てている実感こそあったが、自分はこの人を一生幸せにできないんだと感じで絶望を感じることが多々あった。
穴の空いたポケットにビスケットを詰めているような感覚。すぐ落ちて無駄になっていく。
どれだけ優しくしたり貢献しても、すぐ離れて蓄積がない。
恋人だったらそうはならない。1年付き合って培った信頼とか共通認知とかがある。
遊びにはそういうのが一切ない。体験版でプレイするたびにリセットされるRPGと同じ。
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https://anond.hatelabo.jp/20250908003219
Permalink |記事への反応(28) | 00:30
いろいろ書いてたけど、アホらしくなってやめた。
一つ言えるのは、ボイトレは歌が上手くなりたくて通ってる人が多い。声が小さいのは精神的な問題なので(軍隊とか体育会系行けば誰でもハキハキ喋るようになる)、ビジネス系のセミナーとか行った方がまだいいような。
ってか、声なんてデカければ良いってもんじゃないよ。声デカい人苦手って女の子も割といるよ。
はぁ。
美肌を目指して、新しくプロテインとマルチビタミン・ミネラルを買った。(前のプロテインは味が気に食わなくて途中で飽きた)
今度整形のカウンセリングに行く。多分ただのプチ整形、埋没法だが。
髭脱毛はやるのは確定だが、整形は人からの反応が面倒くさくて二の足を踏む。
そのため、ひとまずカウンセリングだけ。
髭脱毛は時間がかかるから先にそっちやるべきだが、お金がない。
睡眠導入剤は、効きすぎるのが不安で、次の日仕事の時は飲みづらい。
みんな努力してるから、このくらいは当たり前だが、俺はいつになったら認められるのだろうな。
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金賞: あなたとは違うんです
銀賞: ~ですね、わかります
銅賞: ゆっくりしていってね!!!
・グ~!(エドはるみ)
・アキバ系
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コア・トランスフォーメーション:癒しと自己変革のための10のステップ コニリー・アンドレアス&タマラ・アンドレアス
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ペアレント・メンター入門講座 発達障害の子どもをもつ親が行なう親支援井上雅彦
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先日からテレビ東京で『LOVE理論』というドラマが始まった。水野敬也さんという『スパルタ婚活塾』や、このドラマの題名でもある『LOVE理論』という、婚活や恋愛のハウツー本を出されている方の本が原作で、このドラマはその本に登場するメソッドを、面白おかしく、ドラマ仕立てにして、パロディにして紹介している。テレビ東京だからこそ可能な際どいラインを攻めたドラマだ。まだ1話しか放送されていないが、「非モテがLOVE理論を学び、実践し、意中の女性を手に入れる(語弊があるかもしれない)サクセスストーリー」であることは間違いないだろう。
さて、このドラマやこの話題に、いち早く反応しそうなクラスタが、昨今はてなやTwitter界隈で話題になったことが記憶に新しいのではないだろうか。「恋愛工学」、「藤沢数希」、「ナンパ師」。
藤沢数希さんを長に作られている「恋愛工学コミュニティ」では、メルマガ上で、日々履修者たちが実践や経験を共有し合い、スクリプトやメソッドを共有し合い、開発し合い、切磋琢磨してる。ナンパ師クラスタでは、カリスマナンパ師を筆頭に、ナンパ講習が行われ、ルサンチマンを抱えた男性の自己啓発の一面も担った実践が、都内各所で行われ、ナンパ師同士で切磋琢磨している。似て非なるこの2つのクラスタが、時には交わり共にフロントラインに立ち、切磋琢磨している。
Twitter界隈では、ナンパ師や恋愛工学履修者たちの行動について、様々な意見が飛び合っている。クラスタ外の人でも目につくほど、最近話題に上がっている。最近というか、ここ半年というリアルタイム感。ここ一週間で言うと「街なかでの声掛け」についてだ。とてもHOTで活発な議論が日々いたるところで行われているこのタイミングで、良いネタきた。このドラマというわけだ。タイミングが絶妙すぎて、個人的には、何もかも藤沢数希所長の計算だったのだろうなと思うほどである。
前置きが長くなってしまった。僕は前者、つまり恋愛工学受講者である。数ヶ月前まではTwitterでも盛んに議論に加わっていたり、成果をブログに報告したりし、一定以上のつながりもクラスタ内外で形成し、日々仲間達と切磋琢磨していた。しかしながら、そこで利用していたアカウントを、自分の所属している別のコミュニティでも利用していたため、その別のコミュニティから恋愛工学等への批判が多く、トラブルになる可能性が高まったため、そのアカウントは削除して、僕は現在ネット上での活動を自粛し、ひたすら淡々と個人で実践を繰り返していた。そこから、数ヶ月が経過し、ほとぼりが冷める頃を見計らって、新たにアカウントを開設し、活動の報告やコミュニケーションを再開しようと考えていて、その最初の一歩が、この匿名ダイアリーへの投稿である。本来であれば、ブログを新たに開始し、そこに投稿すべきなのだけれど、もともと僕が成果や記事の投稿を頻繁に匿名ダイアリーに投稿していたので、その名残で、今回の一発目はこちらに投稿した。
自己紹介も長くなってしまった。本題の「LOVE理論、あるいは恋愛工学(戦略・戦術)」について、僕の思うところを、自己満足的に、ひたすらに淡々と、書き綴っていきたいと思う。これは、僕の主観に満ち溢れた、独断と偏見に満ち溢れた、ただの戯れ言である。
僕は昨年の10月~今年の3月にかけ、多くの女性を抱いた。すべての女性は、別々であり、Sexの回数であれば、その倍以上になるだろう。彼女たちとの出会いは、基本的に、語弊を恐れずに書くと「ナンパ」である。渋谷のスクランブル交差点付近で目的もなさそうにしていた女性、恵比寿駅の西口改札前で浮足たっている感じのルブタンのヒールを履いた女性、新宿バルト9で席が隣になったサブカル系女子、Twitterで相談によくのってあげたキャバ嬢、そのジャンルの幅はとても広く、一人ひとりについて書くことは不可能に近い。そんな活動を、モクモクと、ある種、ロボット的に、日々こなしている人たち、それが「恋愛工学受講生」や「ナンパ師」であり、僕も、例によって、それなのだ。僕達には、これがとても日常的で、それは一方で、とても感覚が麻痺していることも気がついてはいる。心が磨り減るだけのこともあれば、深い愛情と安心で満たされることもある。
社会学者の宮台真司は、昨今の近代化や合理化について以下のように述べている。
〈システム〉と〈生活世界〉の関係を確認します。〈システム〉ではデニーズ的アメニティが提供されるのに対し、〈生活世界〉では地元商店的アニメティが提供されます。前者は「役割&マニュアル」優位な関係性で、後者は「善意&自発性」優位の関係です。だから前者は匿名的・入替可能で、後者は記名的・入替不能です。
近代化とは、〈生活世界〉で賄われて来た便益を〈システム〉に置き換える「合理化過程」。置き換え途上の段階ゆえに〈システム〉化され切らない〈生活世界〉が残っていると信じられるのが「近代過渡期」(モダン)で、置き換えが完遂して汎〈システム〉化=脱〈生活世界〉化した段階が「近代成熟期」(ポストモダン)。
近代化がある程度進んで、「まだ〈生活世界〉が残っている」というより「敢えて〈生活世界〉を保全している」と言えるようになるのが「再帰的近代」です。これにも2段階あって、いったん汎〈システム〉化した後に、かつての〈生活世界〉の機能的等価物を再構成したのが「ポストモダン的な再帰的近代」ということになる。
昨今の国内の人々の恋愛関係の事柄の矛盾や苦悩は、まさに宮台が上で指摘していることだ。近代化の影響ですべてが合理化されていくことは自明の事実である。それは恋愛(〈生活世界〉)というカテゴリーに対しても同じだ。恋愛〈生活世界〉の合理化<システム>化、突き詰めると、人間の生殖、子孫繁栄、それに対してこれまでは、「恋愛」「愛情」というとても曖昧なもの〈生活世界〉がそれを肯定していた。しかし近代化が進むにつれて、それすら合理化する波が押し寄せてきている、しかしその合理化に適応しきれない部分も存在し、それが苦悩や悩みと表象されている。<システム>化され、合理化が進んだ現代であれば、本来であれば、そこに恋愛という後押しが、「人間の生殖、子孫繁栄」には必要でなくなるのだ。ただ、現状はその過渡期であるから、そこで私達は苦悩する。「敢えて<生活世界>を保全することによって発生する負荷/代償」というとわかりやすいかもしれない。今回のネタでもあるLOVE理論や、恋愛工学のメソッド、スクリプトは極めて現代的であるのだ。理詰めされた戦略、整然としたロジック、曖昧性を排除した合理的で、もっともシステマティックな、生殖へのアプローチ方法なのだ。それを「心のないロボット」と揶揄する人も多くいるだろうが、それは<システム化>された社会の行き着く先であることは否定できない。
僕達が信じている(あるいは信じていた)恋愛観など、欧米から輸入した価値観でしかない。その押し付けられた恋愛観、一種の洗脳、から開放されることは、非常に難しい。生まれた時から、その価値観を埋めつけられているからだ。人は環境に規定されてしまう、一度規定されると、なかなかにその規定から外れることはできないし、規定され続ける限り、自身を客観視することは非常に難しくなる。
だからこそ、恋愛工学クラスタ、ナンパ師クラスタ、が発生することは、合理化された社会では当たり前なのだ。合理化が進んだ、<システム>化が進む恋愛市場への、一番合理的なアプローチであり、社会への適応なのだから。もちろん、そのアプローチが時には、女性への迷惑行為になり得ることも十分に承知している。一種の危険性を孕んでいる事実は隠せない。しかし、それを頭ごなしに否定することは、それも全く違うのだ。「ナンパ・声掛け」とてもマイクロ的な事象を、もう2,3歩さがって改めて考えてみると、全体が見えてくる。<システム>化という波にのみこまれそうな恋愛<生活世界>という具合だ。
僕はこんなことを考えながらナンパをしているのか、と改めてこのように文字に起こしてみると、新しい発見がある。現代病とくくれば、そうなのだろうけれど。