
はてなキーワード:有間しのぶとは
どうせ「コミックジャンボ」って知らない人も多いと思うので冒頭で説明しておく。
1988年4月(号)から2002年12月(号)まで存在していた月刊誌。月刊誌といっても中綴じで、まあ典型的なコンビニエロマンガ誌。存在と言ってもこの時期に発刊、休刊したわけではなく、1988年3月号まではコミックJUMBO、2003年1月号からはCOMICジャンボという名称で存在している。ただまあ名称変更の前後で少し編集方針が変わっているらしいので前後誌は今回対象にしない。発行は桃園書房。
で、まあエロマンガ誌なので大抵の作品は読み切りor単話。そんなわけで紹介するのは重要なマンガ、というよりはマンガ家ということになる。ここは了承してほしい。
河本ひろし「表紙」
たぶん「コミックジャンボ」で画像検索すると画質がみんな似ていることに気がつくと思う。これは、コミックLOの表紙をずっとたかみちが担当しているように、コミックジャンボの表紙はずっと河本ひろしが担当していたから。おそらく自分より少し若い人はこの絵柄に馴染みがある人もいるかもしれない。この後彼はボンボンあたりの児童誌で活躍しているので。ただ、エロマンガ誌でありながら表紙がせいぜい控えめなパンチラくらいしかない絵は慣れていない若者がレジに持ち込むための言い訳として非常にありがたかった。下手したら裏表紙のダイヤルQ2広告のほうがエロかったかもしれない絵なので(コミックジャンボの裏表紙にダイヤルQ2広告があったかははっきりとは覚えていない。他の雑誌と混同しているかもしれない)。
時々掲載されているマンガの作風も巨乳前提にしつつコメディタッチが多くて読みやすかった。
こちらも河本ひろし同様、児童誌でも活躍している。ただこちらは児童誌が先、というか、ゲームのコミカライズで知られているかもしれない。一言で言って「みなづき由宇」と同一人物である。画風も巨乳前提ながら読みやすい。ちなみに星里もちるはものたりぬのアシスタントをしていたことがある。
正直、この人はコミックジャンボが主戦場ではなかったはず。それ以外の雑誌や単行本で見ることのほうが多かった。少女マンガと思えるくらいの目の中の星が特徴的な人で、さらに彼を特徴づけていたのが「エロは和姦しか描かない」ということだった。しかもコメディ的に逃げるのではなく徹底して和姦ということは実は当時けっこう特筆すべき特徴だったのだ。コミックジャンボ時期の絵はけっこうデッサンが崩れている(それはそれで味がある)のだけど、現在のサイトを見るとかなり整っていて、続けるということの大事さを感じさせる。
有間しのぶでも西村しのぶでもない。たぶん男性。モデル体型のスラッとした女性を描く特徴のあるマンガ家で、リアルさはないのだけど周辺掲載の巨乳マンガのためにむしろリアルに見えるという特徴があった。表題作は高校の新聞部を舞台にした♂️1vs♀️2(or3)のエロコメで、エロシーンを除けば当時のラブコメとそれほど違いがないが、そのために「ラブコメにありそうでないこんな描写が」という意味で役に立った。「てぃーんず・パラダイス」そのものはKindle Unlimitedで全て読むことが可能だが、何らかの事情で再構成+タイトル変更されているので追いかけるのが難しい。「はいすくーる・スキャンダル」「てぃーんず・パラダイス」「あいつとスキャンダル」「放課後ランデブー」と読むと連載順に読める。なお作品は大人気だったので続編として登場人物を社会人にした「ぼくのアイジン」も連載された。これもKindle Unlimitedに収録されている。
超巨乳で有名な人。あまりに巨乳のデフォルメが過ぎてむしろエロくないという画風かもしれないがやってることはエロである。おそらくコミックジャンボの方向性を最もわかっていた作家で、アニメ風のオタク絵でやることはちゃんとやるという展開は安心して使えた。おそらくコミックジャンボで掲載していたのが一番長い人。
かつて「サルでも描けるまんが教室」で「男向けのエロコメは回転寿司だ」と喝破されていたが、おそらく表題作がこの言葉が念頭にあったかもしれないくらいに内容を表している。とは言えエロいものはエロい。ただ色シーンに少し前の劇画での描き方の残滓が見えるところを見ると、この雑誌はエロ劇画誌とエロマンガ誌の橋渡しをしたと言えるのかもしれない。
てらおかみちお
陰影の少ない画風で、無理やり例えるなら浦沢直樹をわたせせいぞう風に描いた感じ。古く見えるかもしれないが、バブルな80年代後半にはこういう画風が一番オシャレだった。そういう意味では外せない人。
「うるふ・たろう」と読む。画風としてはよく言えば当時の主流、わるく言えばありがちな絵で、ただ大事なのはそういうありがちな絵で他誌にはない絡みが描かれるのがコミックジャンボの醍醐味であったということだ。本人はバイク趣味があって、レーサータイプのバイクを持ってよく夜中にツーリングしていたということを近況報告で描いていたが、今から思うとあれは宮崎勤のあれから来るオタクバッシングからの逃避行動だったのかもしれない。
しのざき嶺「NIGHTMARE」
いちおう画風(特にデフォルメ時)としてはジャンボにありがちではあるのだけれど、ストーリーの陰惨さでは最もコミックジャンボ向きでない作家。表題作は逆恨みから始まる強姦からスタートする作品で、この後誘拐監禁、ピアッシング、奴隷契約、野外露出に強制排泄、肛姦、獣姦、近親相姦、多人数プレイとSM雑誌にありがちなプレイをひと通り全てこなすというおすすめしないマンガ。作者はこのあとそっち系の雑誌でいくつも同系統、もしくはさらに発展した作品を描いている。そもそもこの連載も途中で他誌に移籍している。
夫婦での共同ペンネーム。夫のほうはあさいもとゆき、と言えば思い出す人もいるかもしれない。「スパルタンXの24周目では助けられる役のシルヴィアが襲ってくる」という情報をマンガに描いた人だ。コロコロコミックでの連載のあと、共同名義にしてエロ進出した。正直、今回これを書くにあたって今年妻のほうが交通事故で亡くなったことを思い出さずにはいられない。Lovin’youはマンガ図書館Zで無料で見られるのでそっちを見てほしい。
そのラインナップなら間違いなく
蟻子「盛りつけ上手な円山さん」は好きだと思う
あと
ながらりょうこ「ねこと私とドイッチュラント」「ヨーロッパたびごはん」も絶対好き
松本英子「謎のあの店」「局地的王道食」は興味深い食や店満載のエッセイ&ルポ漫画でいい
入江喜和作品は「おかめ日和」他ごはん要素以外もすばらしい漫画が多いのでどれもおすすめだけど
有間しのぶ作品はどの作品もだいたいうまそうなごはんが出てきて漫画としても最高におすすめだけど、特に「リバーサイド・ネイキッドブレッド」はパン屋さんが出てきてどれもこれもがうまそうで通いたくなる
それぞれの家庭で人が人に作るごはんやお弁当も愛に溢れててこれはぜひ読んでほしい
白乃雪「あたりのキッチン!」も多分好きだと思う、あとイシヤマアズサのエッセイ漫画シリーズも
山田怜「鳴沢くんはおいしい顔に恋してる」、鷹野久「午後3時雨宮教授のお茶の時間」もよかったし多分好きそう
上村五十鈴「雑貨店とある」も良い、真造圭伍 「ひらやすみ」も出てくるごはんがいちいちおいしそうなのでおすすめ
山田可南「澤飯家のごはんは長男の光がつくっている。」、ふじつか雪「トナリはなにを食う人ぞシリーズ」は気軽に読めて家で作れるレシピが結構載ってる
高橋しん「髪を切りに来ました。」は厳密にはグルメ漫画ではないけど食が重要な要素としてあって漫画としてすばらしいし、おいしそうな沖縄料理が作れるレシピがいくつか入ってる
しかしなんでこの漫画が紙の本で売れないのか全然理解できない、最高なので電子でもなんでもいいので買ってほしい
高橋由佳利「トルコで私も考えたシリーズ」はエッセイ漫画だけどトルコ料理のレシピが載ってて楽しい
南Q太「POPLIFE」は作品も作中のごはんもおいしそうでよかった
小池田マヤ作品は全般おすすめだけど、「女と猫は呼ばない時にやってくる」から続くシリーズはかなりおいしいもの家でマネできてよかった、とんぶりの使い方とか
流水りんこ「流水りんこの南印度は美味しいぞ~!」「働く!!インド人 印度定食屋繁盛記」は「インド夫婦茶碗シリーズ」を読んでなくてもまあまあ楽しめてインド料理を知れる楽しくてうまそうな漫画
上の方のトラバで出てるけど銀平飯科帳はマジで面白いので私もおすすめ
あと「いつかティファニーで朝食を」を読んだならぜひ「創太郎の出張ぼっちめし」も読んでみて
まだ思い出せそうだから思い出したら書いていくね
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思い出したやつで好きそうなやつ↓
西川魯介「まかない君」
水凪トリ「しあわせは食べて寝て待て」
魚田南「はらへりあらたの京都めし」
あとこれはpixivなんだけど窓口基「サイバネ飯」は最高なので読んでください kindleでもあったかも
ttps://www.pixiv.net/user/15033/series/2584
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「鍋に弾丸を受けながら」は誰かブクマカが絶対紹介するからいいだろと思ったけど面白いので読んだ方がいい、紙の描きおろしが最高だし読んで損はないので紙で買ってください
ないかな?
できれば不倫なしで
どうしても片方が若い漫画が多くて、リアリティに欠けるんだよなぁ
やっぱり難しいかな
【追記】
みんなの紹介してくれた漫画をリストアップします。みんなありがとう。抜けがあったらごめんなさい
・1日2回
・ミワさんなりすます
・じゃりん子チエ
・おかめびより
・あした死ぬには
・五十、六十よろこんで。
・44歳の彼女
・そもそもウチには芝生がない
・後ハッピーマニア(カヨコが別れて45歳になっている)
・違国日記
・茄子
・私の息子が異世界転生したっぽい(メインテーマは違うらしいが)
・ルームメイツ(一般中年の地味な日常が描かれている。時代設定は数十年前)
・九後45は一周回って追いかける
・姉の結婚
・踊れ獅子堂賢
・東京ラブストーリー After 25 years
・谷川史子さんの「はじめてのひと」「おひとり様物語」(はじめてのひとは不倫あり)
・冬野梅子さんの作品
・雁須磨子「あした死ぬには、」(短編連作で、軸のひとつに40代なりのボーイミーツガールあり)
Permalink |記事への反応(21) | 17:02
実際に一緒に暮らしてた猫を擬人化した絵で描いてる「サバシリーズ」もすごくいいよね
猫を飼っている人にはわかりやすくああこれは猫だ、と思える感じで描かれてると思う
かわいいのとはちょっと違うんだけど萩尾望都の「レオくん」「菱川さんと猫」も愛嬌ある描写で悲哀もあっていいし
有間しのぶ「やぶとはなもも」は擬人化されてない猫漫画だけど表情豊かな猫とその周りの人間の物語でいい
木村わさびの「めしねこー大江戸食楽猫物語」は奇抜な展開と描写に目を奪われるけど
作者さんめちゃくちゃ猫の事よく観察してるな!ってくらい猫が本当にうまいと思う 猫の絵だけでも満足できる
北道正幸「プ~ねこ」も猫の絵だけでもずっと眺めていたいくらい猫がかわいいし
サライネス作品に出てくる猫も猫そのままの、でも個体の魅力がものすごく出てると思う
最近出たnoho「となりの妖怪さん」は普通の猫が猫又になるエピソードのある話だけど
姿そのものはそんなに擬人化されてるわけじゃなくて猫らしさがそのままあって、
この方も本当に猫をいつもよく見て描いてるんだなあと思う
深谷かほる先生もとても観察眼のある方でふくふくした猫の描写がうまくて
とにかく猫をよく見てるな!って感じられる絵の方の描く猫がすばらしいなと感じる
追記:
女の子としてのかわいさだけに決してよらない猫としてのいじらしさ存分に出てたし