
はてなキーワード:政策金利とは
ちょうど5年ぐらい寝かせたい資金があって、せっかくなので少しでもリターンを得られるように運用したいのだけど、使う当てがあるお金なので価格変動リスクと信用リスクを極力とりたくない。
消去法でたどり着いたのが個人向け国債。今月募集の固定5年(第175回債)の利率が1.22%と悪くない感じ。
新窓販国債の5年固定は利回り1.169%と微妙に負けている。金利上昇局面なので価格上昇は見込めないと思う。満期まで持ち切る可能性が高いなら、個人向け国債の方がマシだろう。
10年固定も、5年固定と同様に金利上昇による価格下落が怖い。5年固定なら満期まで持ち切ることで価格変動リスクを打ち消すことができるけど、10年固定だと5年後に確実に中途売却しなくてはならないので、下落で元本割れしたらアウトだ。
ただ、数字の裏付けなしに、単純に「金利上昇による価格下落」というふわっとした内容だけで怖がるのも不健康だろう。だから素人計算してみた。
10年固定(第380回債)の利率は1.7%で利回りは1.588%。募集価格は100円95銭。額面100万円分を購入すると仮定すると、購入価格は1,009,500円? 半年分の利子は6,773円ぐらいのはず。誤差を無視すれば、5年分の利子は67,730円で、購入価格から差し引くと941,770円。つまり、スプレッド等込みで中途売却時の単価が94円17銭以下になったら元本割れ、ということだろうか。
計算してみたものの、債券については素人なので、この程度の下落が発生する可能性が分からない。新発債の利率・利回りと既発債の下落の関係って、どう計算すればよいのだろう?
ちょっと気になったのが変動10年で、第187回債の利率は1.08%で固定5年より低いものの、今後の金利上昇によって利率が上がった場合に、最終的なリターンが逆転する可能性がある。
変動10年を5年間運用する場合、中途解約時に直近1年分の利子が差し引かれるので、実質的な運用期間は4年となる。初回の利率は1.08%に固定されているので、その後の残り3年半の利率によってリターンが逆転するか否かが決まる。
どの程度の利率があれば逆転するのだろうか?
固定5年の半年分の利子は4,860円ぐらい。誤差を無視すれば、5年分の利子は48,600円。変動10年の初回の利子は4,303円ぐらい。両者の差額は44,297円。
44,297円を7(3年半分の利払い回数)で割ると、1回(半年)あたりの金額は6,328.142857円(循環小数)となる。半年あたりの利子が6,329円以上あれば、最終リターンが固定5年よりも大きくなる。
半年あたりの利子が6,329円以上になるためには、変動10年の利率が最低でも1.59%は必要だ(1.58%で6,296円、1.59%で6,335円)。
変動10年の利率は長期金利(10年債の利率)×0.66で計算される。変動10年の利率が1.59%になるためには、10年債の利率は2.41%必要だ。
つまり、運用期間5年の条件で変動10年が固定5年を超えるリターンを叩きだすためには、これから直近4年間の長期金利が2.0%を遥かに超える世界線でなくてはならない。
うーん、どうなんだろう? 日銀の政策金利、引き上げられていく方向にあるといえども、当面の上限は1.0%だろうなあ。長期金利も2.0%前後までの上昇はありえそうだが、2.41%は少々高すぎる気がする。
https://digital.asahi.com/articles/AST9L31JNT9LULFA00KM.html
片岡剛士氏 50点
植田氏は就任前、前任の黒田総裁の下での大規模な金融緩和に批判的な目を持っていたと思う。マイナス金利政策は「副作用」が出かねないので、早くやめるべきだと考えていた節がある。
就任して1年ほどは動かなかったが、2024年3月に大規模緩和を転換し、同年7月に利上げした。だが、経済はそれほど力強いものではなく、この判断は拙速だった。
今年1月にも追加利上げに動いたが、日本経済の動向からすると、必要なかったと考える。
日銀にとって幸運だったのは、食料やエネルギー高に由来するコストプッシュ型の物価上昇が長引き、物価の勢いが止まらなかったこと。そして日本人の多くが、今後も物価は上がっていくと思い始めたことだ。日銀の政策が成功したというより、「結果オーライ」だった。
しかし、政策金利が0.5%を超える次の利上げはそうはいかない。何十年も実現していない領域だ。拙速に利上げすれば、動き始めた賃金と物価のサイクルが止まってしまう。日銀は、経済動向がどうなれば利上げするのか、具体的なコミットメント(約束)を示すべきだろう。
物価目標を日銀だけで実現するのは難しい。日銀は財政出動を含め、政府の役割についても発信するべきだ。財政拡大によって需要が増え、その下で物価が上がる。それに対し、日銀が適度に利上げしてそれを抑えていくのが理想だ。
物価高騰対策で賃上げだー!とか自民党とか言ってるけど、賃金上がったら物価も上がるじゃん?
物価上昇を上回る賃金上昇をー!とか言ってるけど、今上がってるのは食料品とか生活必需品じゃないですか。
生活必需品とか最低賃金やそれより少し高いぐらいの給与水準の人たちの労働に支えられている面がより大きいと思うんですよね。
だから、最低賃金を上げていったらコストにもろに跳ね返って来るので、いつまでたっても物価上昇には追い付かないと思うよ。
それに10%の賃上げしたとして、給料月額20万円の人は2万円UP、給料月額100万円の人は10万UP(敢えて単純化したら)となるわけだけど、
ものの値段は給料高かろうが安かろうが同じなんだから、生活必需品の支出が3万円増えたら、給料高い人はいいかもしれないけど月20万円の人はそれだけで足が出ちゃう。
政府がやりたいのは国民生活を守りたいのではなく、国債を守りたいだけだと思うんだよね。
最低賃金上げても政府の懐はまったく痛まないし、中小企業がつぶれてもそもそも人手不足だから失業率は上がらないし、増税しなくても税収増が見込めるんだから。
賃上げ政策っていうといいこと言ってるみたいだけど、はっきりとインフレ政策と言ったらいいのに。
インフレが進めば発行済みの国債の実質価値は目減りするし、インフレが進んで金利が上がれば国債の金利負担は大きくなるけど、
消費が冷え込んで景気後退すれば政策金利を低く抑える理由付けにもなるし。
そういうの、スタグフレーションって言うんですけどね。
物価と賃金の好循環といっても、インフレで得をするのは富裕層だからね。
ほかの通貨に対して円の価値を下げていくのが円安政策で、ものの価値に対して円の価値を下げていくのがインフレ政策、どっちにしても円の価値を下げようとしている。
となると、円の資産しか持っていなければ実質的な資産価値はどんどん下がっていく。円以外の資産(ほかの通貨や不動産、金などの貴金属など)を多く持っている人がますます豊かになっていく。
政府が国民生活、特に給料の安い庶民の生活を守るなら、インフレを抑制していかないといけない。
知事会の提言でもあったけど、都市部と地方の最低賃金の格差は問題で、全国一律の最低賃金にしないといけないと思っていて、
そのためには、東京などの都市部の最低賃金は、地方が追い付くまで据え置きにしたらいい。
・適切なタイミングで利上げを行っていく。
国債の利払いがきつかろうが、まずはインフレを抑制しないとなんともならん。
インフレを押さえつつ円高に持って行って、円の価値を守ることが大事。
・そうはいってもプライマリーバランスは大事
利払いが増えたら財政赤字の拡大も懸念させるし、財政赤字垂れ流しを続けるのは良くない。
そのためには税収増ではなく歳出削減を目指していくべきで、AIなんかもどんどん活用していったらいい。
国税庁がAI活用しまくって、過去最大の税収を更新しまくっているんだから、もっと活用できるところはあると思うよ。
AI活用すると新人がやる仕事が代替されて新規採用が抑制されて、将来の幹部が育たないというリスクもある。
だから、公務員として採用したら最初は現業やらせたらいいと思うよ。
農水省の役人は休耕田を耕して備蓄米作ったらいいし、国交省の役人は全国の橋梁や上下水道の点検したらいい。
国会答弁の原稿が上手に書けるより、現業をよく分かっている公務員のほうが正しい施策を考えられるように思います。
長くなったけど、自民党つぶれろ。
了解しました!これまでの議論を踏まえ、キャリートレードがどのような条件で発生し、どのようなタイミングで崩壊するのかを整理します。さらに、2025年8月現在に起きているキャリートレードの状況を過去の経験則に基づいて分析し、崩壊のタイミングやきっかけを予測します。最後に、将来に向けてキャリートレードの崩壊リスクを避けるためのアドバイスも加えます。現在の日付(2025年8月12日午後4時JST)を基に、最新の経済状況を反映しながら進めますね。
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####キャリートレードが起こる条件
キャリートレードが盛んになるには、以下の経済的・市場的条件が揃う必要があります:
キャリートレードが巻き戻し(逆流)し、崩壊するきっかけは以下の要因です:
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### 2.2025年8月現在に起きているキャリートレードの分析
####現在の状況
- **低金利**:日銀の政策金利は0.25%(2024年3月以降)。10年物JGB利回りは1.49%(2025年8月8日時点)、30年物は3%近くまで上昇。
- **金利差**:米国10年債利回り約4%、新興国(例:インド)6%超。金利差は3~5%程度。
- **為替**: 1ドル=150円前後(2025年8月時点)。円安が続いているが、2024年10月の急騰(161円から142円)後、変動性が増加。
- **市場環境**:トランプ政権の経済政策(減税・インフラ投資)でリスクオンが続いているが、不確実性(相互関税)も浮上。
申し訳ありません、途中で途切れてしまいましたね。2025年8月12日午後4時JST時点での状況を基に、引き続きキャリートレードの分析と将来へのアドバイスを完成させます。前の内容を踏まえ、続きから自然に進めます。
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### 2.2025年8月現在に起きているキャリートレードの分析(続き)
- **日銀の利上げ**:2025年7月の消費者物価指数(CPI)が1.8%と2%に近づいており、9月または10月の日銀金融政策決定会合で政策金利を0.5%超に引き上げる可能性。これにより円借りコストが上昇し、キャリートレードの魅力が低下。
- **FRBの利下げ**:米国経済の減速(例:GDP成長率が2%以下に鈍化)やインフレの落ち着き(2025年7月米CPIが3.5%から3.0%へ低下)で、9月に0.25%の利下げが決定。金利差が縮小し、ドル資産の魅力が減少。
- **地政学リスク**:トランプ政権の相互関税政策が中国やEUとの貿易摩擦を激化させ、2025年秋に市場パニックが発生。投資家がリスクオフに転じ、円や米国債に資金が流入。
- **マージンコール**:米国株式(S&P500)や新興国資産が10~15%下落し、レバレッジをかけた投資家に追加資金要求が発生。2025年10月頃に流動性危機が広がる可能性。
####特殊性と今後の見通し
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### 3. 将来に向けての警戒ポイントと崩壊影響を避けるアドバイス
#### 警戒すべきポイント
キャリートレードの崩壊がもたらす影響(円高、資産価格下落、市場混乱)を避けるには、以下の指標や出来事に注目してください:
- **ポートフォリオの分散**:株式や新興国資産に偏らず、円建ての安全資産(例: JGB、預金)に30~50%を割り当て。為替リスクをヘッジする商品(為替予約)も検討。
- **キャッシュポジションの確保**:市場変動時に備え、流動性の高い現金を20~30%保持。マージンコールリスクを回避。
- **タイミングの見極め**:円高兆候(1ドル=145円割れ)や利上げ観測が出たら、海外資産を一部売却。
- **為替リスク管理**: 輸入依存企業は為替予約で円高リスクを軽減。輸出企業は円高で競争力が増すチャンスと捉え、戦略を見直し。
- **借入の見直し**: 円建て借入を増やし、ドル建て債務を減らす。キャリートレード巻き戻しでドル高が一時的に弱まる可能性。
- **外貨資産の保有を控えめに**:海外旅行や投資で外貨を使う場合、急な円高で損失が出ないよう少額に。
- **インフレ対策**:キャリートレード崩壊で円高になっても、物価上昇(輸入品価格)に備え、食料や生活必需品をストック。
#### 影響を最小限に抑える戦略
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### 4.結論
キャリートレードについて、特に過去と現在の違いやその条件がわからないとのことなので、初心者にもわかりやすく、ステップごとに説明しますね。
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###キャリートレードとは?
まず、キャリートレードの基本を押さえましょう。キャリートレードは、**低金利の通貨を借りて、高金利の通貨や資産に投資し、その金利差(キャリー)で利益を得る戦略**です。たとえば、年1%の金利で円を借りて、年5%の金利が得られるドル建て資産に投資すれば、その差(4%)が利益になります。ただし、為替レートの変動リスクもあるので、慎重な計算が必要です。
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###過去のキャリートレード:日本国内での「国内キャリートレード」
あなたが「昔は国内キャリートレードだった」とおっしゃるのは、おそらく1990年代後半から2000年代初頭の日本経済の状況を指していると思います。この時期の特徴を説明します。
#### 背景
#### 仕組み
#### 特徴
#### 例
1999~2003年頃、大手銀行や企業が低コストの円資金を借りて、国内の再開発プロジェクトやM&A(企業買収)に充てたケースがこれに該当します。
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###現在のキャリートレード:国際的な「円キャリートレード」
今(2025年8月時点)のキャリートレードは、国際的な動きが中心になっています。ツイートや最近の経済状況を踏まえて説明します。
#### 背景
#### 仕組み
#### 特徴
#### 例
2025年8月時点では、海外投資家が円を借りて米国債(利回り約4%)やインドルピー建て債券(利回り6%超)に投資し、年間数%の利益を狙うケースが典型的です。
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| 項目 | 過去(国内キャリートレード) | 現在(国際円キャリートレード) |
| --------------------- | ------------------------------------ | ------------------------------------ |
| **主な参加者** | 日本の企業・銀行 | 海外のヘッジファンド・投資家 |
| **資金調達通貨** | 円(国内での低金利融資) | 円(国際市場での円売り) |
| **投資先** | 国内不動産、株式 | 米国債、株式、新興国資産 |
| **金利差の源泉** | 国内のゼロ金利政策 | 円と他通貨(ドルなど)の金利差 |
| **為替リスク** | ほぼなし | 円高リスクが大きい |
| **時期** | 1999年~2000年代初頭 | 2013年~2025年(特に2024年以降) |
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###キャリートレードが続く条件
キャリートレードが成り立つには、以下の条件が必要です。これが崩れると逆流(巻き戻し)が始まります。
1. **低金利の維持**: 円の借入コストが低いまま(例:政策金利0.25%以下)であること。日銀が利上げを控えれば条件は整います。
2. **金利差の存在**:投資先(例:米国や新興国)の金利が円より高いこと。2025年8月現在、米国の利回り(4%前後)が円を上回っているため有利です。
3. **為替の安定性**:円安が続いたり、為替レートが大きく変動しないこと。円高になると利益が減るため、投資家は円安を前提に動きます。
4. **市場の安定**:グローバルな経済危機や株価急落が起こらないこと。リスクオフ(安全資産回帰)になるとキャリートレードが解消されます。
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### まとめ
2010年代から2020年代、そして2025年8月時点のキャリートレードについて、時期ごとの特徴、期間、崩壊条件、そしてなぜそのタイミングで発生するのかを詳しく解説します。少し長くなりますが、順を追って説明しますね。
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キャリートレードは、低金利の通貨(例: 円)を借りて、高金利の通貨や資産に投資し、金利差や為替差益で利益を得る戦略です。ただし、為替レートの変動や市場の不安定さがリスクとなります。この戦略が「盛んに行われる」時期は、特定の経済条件が揃ったときに限られます。
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###キャリートレードの歴史:2010年代~2020年代の振り返り
#### 1.2010年代:アベノミクスと円キャリートレードの台頭(2013年~2017年頃)
-2012年に安倍晋三が首相に就任し、「アベノミクス」が始まりました。2013年4月、日銀は大規模な量的・質的金融緩和(QQE)を導入し、政策金利をほぼゼロ(0~0.1%)に維持。円安を誘導しました。
- 同時期、米国や欧州では金融危機後の緩和が続き、金利は低かったが、徐々に回復傾向にありました(例:米国の利上げが2015年に開始)。
-海外投資家(特にヘッジファンド)が円を借りて、米ドル、豪ドル、NZドル(オーストラリアやニュージーランドの高金利通貨)や新興国通貨(トルコリラ、ブラジルレアル)に投資。
-投資先:米国債、欧州債、新興国債券、株式市場(特に米国S&P500)。
- **2016年1月**:中国経済の減速懸念でグローバル市場が動揺。リスクオフ(安全資産回帰)で円が急騰(1ドル=120円から110円へ)。キャリートレードが一部巻き戻され、株価や新興国通貨が下落。
- **2018年**:米国の利上げ加速(FF金利2.5%超)とFRBのバランスシート縮小で、ドル高・円安トレンドが弱まり、キャリートレードの魅力が低下。
#### 2.2020年代初頭:コロナ禍と再びの円キャリートレード(2020年~2021年)
-2020年3月のコロナショックで、世界中で金融緩和が再強化。日銀はマイナス金利(-0.1%)を維持し、米国もゼロ金利政策を採用。
-しかし、2020年後半から米国経済が回復し、FRBが2021年にテーパリング(緩和縮小)を示唆。金利差が再び広がった。
- 円を借りて、米国債(利回り1%前後)、欧州債、新興国通貨(例:メキシコペソ)、テクノロジー株(米ナスダック)などに投資。
-特に2020年後半、株価が急上昇(「コロナ相場」)の中、キャリートレードが活況。
- **2021年3月**:米国10年債利回りが1.7%に急上昇し、FRBの利上げ観測が強まった。円が一時買われ(1ドル=105円台)、キャリートレードの一部が解消。
- **2022年**:ロシア・ウクライナ戦争でインフレが加速。FRBが急激な利上げ(2022年3月から5.25%へ)でドル高が進み、円キャリートレードが大きく縮小。
#### 3.2024年~2025年8月:現在の円キャリートレード
-2024年3月、日銀はマイナス金利を終了(政策金利0.25%へ)し、イールドカーブ・コントロール(YCC)を緩和。長期金利(10年物)が1.5%前後まで上昇。
-しかし、米国は高金利(FF金利5%前後)を維持し、トランプ政権の経済政策(減税やインフラ投資)でドル需要が強い。円安が進み(1ドル=150円前後)。
-海外投資家が円を借りて、米国債(4%前後)、新興国債券(例:インド6%超)、米国株式、商品(金や原油)に投資。
-ツイートで指摘されるように、国債空売り(JGBの価格下落を狙う)とキャリートレードが連動。
- **引き金**:日銀の追加利上げ、FRBの利下げ加速、またはトランプ政策の不確実性(相互関税の影響)で円高が進行。
- **動き**: 円急騰(1ドル=140円以下)、海外資産の売却、JGB市場のさらなる変動。
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- **国債空売りと連動**: JGBの超長期債利回り上昇(3%接近)とキャリートレードが同時に進行。これは、日銀のYCC緩和と財政出動の影響が大きい。
- **地政学リスク**:トランプ政権の政策や米中関係が、為替や金利に大きな影響を与えている。
- **ボラティリティ**:2024年の円急騰(1ドル=161円から142円)や2025年の不安定さが、従来よりリスクを高めている。
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キャリートレードが盛んになるのは、以下の「タイミング」と「条件」が揃ったときです:
1. **中央銀行の金融緩和**:日銀やFRBが金利を極端に下げ(ゼロやマイナス)、資金調達コストを下げる。
2. **金利差の拡大**: ある国(例:米国)が経済回復で金利を上げ、他国(日本)が低金利を維持。
3. **為替レートの安定性**:円安が続き、為替リスクが低いと見なされる時期。
4. **市場の楽観主義**:リスクオン(投資意欲の高まり)で、株式や商品への投資が活発化。
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###結論
昨年度2兆近くの大赤字を出した農林中金。過去15年分の累積黒字を吐き出した計算だ。
今年度は黒字転換する予定としているが、前提が早々に崩れているため、今年度もおそらく赤字だ。
その前提と現状は以下。
前提① ドル円が150円程度→現状143円くらいで、今後円高見込み
前提② 米国の政策金利4.0%→現状4.5%ですぐには下がらない
※ソース元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-02-20/SRYUQNT1UM0W00
前提が楽観的過ぎたとしか言いようがない。
さすがに農林中金が2年連続大赤字だとJAも死んでしまうので、コメにお金乗せて補填しようとしたが…小泉進次郎に邪魔されて終了。
A.
ご指摘いただきありがとうございます。前回の回答では、ご指摘の重要な点についての説明が不足しており、申し訳ございませんでした。日本の財政運営の現実を踏まえると、ご指摘の通り、「国債の利子を歳入(特に税収等)で賄えなくなる」という状況を考える際には、以下の重要な要素を考慮に入れる必要があります。1. **日本銀行からの国庫納付金:**日本銀行は、保有国債の利息収入などから経費を差し引いた利益の一部を国庫納付金として政府に納付しています。これは歳入の一部を構成しており、国債の利払い費の一部を賄う形になっています。日銀の国債保有残高が増えれば、理論上はこの国庫納付金も増加する可能性があります(ただし、日銀の収益構造や政策金利の動向にも左右されます)。2. **日本銀行による国債の大量保有:**現在、日本銀行は異次元の金融緩和策の一環として大量の国債を買い入れており、国債発行残高のかなりの部分を保有しています。政府と日銀を一体として見なせば、政府が発行した国債の利子の一部は、日銀を経由して最終的に国庫納付金として政府に戻ってくるという見方もできます(いわゆる「統合政府」の考え方)。このため、市場への利払い負担が実質的に軽減されているという側面があります。3. **借換債による償還と利払い:**国債の償還費や利払い費の多くは、新たな国債(借換債)を発行することで賄われています。つまり、満期が来た国債の元本返済や利子の支払いのために、新たに借金をしているのが現状です。税収等で直接的に全てを賄っているわけではありません。この借換がスムーズに行われている限り、直ちに資金繰りに窮する事態にはなりません。4. **通貨発行権と実質的な資金調達:**日本は自国通貨建てで国債を発行しており、日本銀行は通貨発行権を持っています。極端な状況では、政府・日銀が連携し、日銀が国債を直接引き受ける(財政ファイナンス)ことや、通貨発行によって資金を調達することも理論上は可能です。これにより、名目上のデフォルト(債務不履行)は回避できるという議論があります(現代貨幣理論(MMT)の一部論者が主張する点とも関連します)。***ご指摘を踏まえた上での「歳入で利子を賄えない」状況の再検討**これらの要素を考慮すると、ご指摘の通り、「国債の利子を純粋な税収等だけで賄えなくなる」という状況が、即座に国家財政の破綻を意味するわけではありません。特に、日銀が大量に国債を保有し、借換債が順調に発行されている現状では、利払いが滞るという事態は想定しにくいかもしれません。しかし、それでもなお潜在的なリスクや問題点が議論されるのは、以下のような背景があると考えられます。** **借換債発行への依存度の限界:**現在は低金利環境下で借換債が順調に発行されていますが、将来的に何らかの理由(例えば、インフレ進行、市場の信認低下、国際情勢の変化など)で金利が大幅に上昇した場合、借換債の発行コスト(利払い費)も急増します。これにより、雪だるま式に国債残高と利払い費が増加し、財政の柔軟性が著しく損なわれる可能性があります。** **日銀の国債引き受けと通貨価値への影響:**日銀による国債引き受けや通貨発行による資金調達は、無制限に行えるわけではありません。過度な財政ファイナンスは、通貨供給量の急増を通じて悪性インフレーションを引き起こし、円の価値を大きく毀損するリスクがあります。これにより、国民生活は大きな打撃を受け、経済が大混乱に陥る可能性があります。輸入物価の高騰も深刻な問題となります。** **国庫納付金の不安定性:**日銀の国庫納付金は、日銀の収益状況に左右されます。将来的に日銀が利上げに転じた場合、保有国債の評価損や、当座預金への付利コストが増大し、収益が悪化して国庫納付金が減少したり、あるいは逆ザヤ(赤字)となって政府への納付がなくなる可能性も指摘されています。この場合、歳入の減少要因となります。** **財政規律への信認:** たとえ理論上は通貨発行で対応可能だとしても、「税収等で利払いを賄う意思や能力がない」と市場や国民に見なされた場合、国の財政規律に対する信認が失われます。これは、円安の加速、資本流出、実体経済への悪影響など、様々な形で負の影響をもたらす可能性があります。** **将来世代への負担先送り:** 現状の借換債に依存した財政運営は、本質的には将来世代への負担の先送りに他なりません。現在の受益に見合う負担を現在の世代が十分に行っていないという構造的な問題は残ります。***「質問の前提がおかしい」というご指摘について**「国債の利子を歳入で賄えなくなった場合」という前提が、上記のような日本の財政運営の仕組みを考慮すると、確かに単純化しすぎている面はあります。しかし、この問いの根底には、「現在の財政運営が持続可能なのか」「どこかに限界やリスクはないのか」という重要な問題意識が含まれていると解釈できます。仮に「歳入」を「税収および税外収入(国庫納付金を除く)」と狭く定義し、その範囲で利払いを賄えない状態が顕在化した場合、それは以下のような深刻なシグナルとなり得ます。1. **基礎的財政収支(プライマリーバランス)の大幅な悪化の常態化:**国債費(利払い費と償還費)だけでなく、政策的経費すら税収等で賄えていない状況がより深刻化していることを意味します。2. **金利上昇への脆弱性の露呈:**わずかな金利上昇でも利払い費が急増し、財政が極度に圧迫される状況。3. **日銀の政策修正時のリスク顕在化:**日銀が金融緩和策を修正し、国債買い入れを縮小したり、利上げに踏み切ったりした場合に、国債市場や財政が不安定化するリスク。このように、ご指摘の点を踏まえてもなお、日本の財政には様々な角度からのリスク分析が必要であり、歳入(特に税収等)と国債費の関係性は、その健全性を測る上での重要な指標の一つと言えるでしょう。貴重なご指摘、誠にありがとうございました。より多角的で現実に即した情報提供を心がけてまいります。
「財政インフレは金融で止められない」が主流派の見解?どこの主流派だ、住所教えろって話だ。
財政インフレが止められないのは、「極端なケースでは」って条件付きの議論だろうが。まともなマクロ経済学はそんな雑な一般化はしねぇんだよ。
まず、Fiscal Dominance(財政優越)ってのは、確かに一部の学派、特に低能現代貨幣理論(MMT)寄りの立場では語られる。
でも主流派ってのは、「財政と金融の相互作用」を前提にして、制度的枠組みの下で中央銀行がインフレを制御できるかを理論と実証で検討してる連中のことだ。
たとえばウッドフォードもシムズも、「財政と金融の整合性が重要」と言ってるだけで、「金融政策はインフレを制御できません」とは一言も言ってねぇ。
むしろ、名目アンカー(inflation targeting)を維持できればインフレ制御は可能って立場が圧倒的に多い。
それに、インフレを金融で止められないとしたら、なぜ世界中の中央銀行が政策金利を引き上げてインフレを抑え込んできた?
欧米の利上げ局面見てみろ。21世紀の最も確かな「インフレ制御の現実」だ。財政が拡大してても、金融を引き締めれば物価は抑制できる。それが確認されたのが、まさに2022~2023年のグローバル経済だ。
「見解の相違」で済ませていいのは、理論の仮定をいじったときに出る差異の話であって、現実無視の断言じゃない。
経済学は「前提が大事」な学問なんだよ。その前提を全部すっ飛ばして「主流派はこう言ってる」なんて、引用にもなってない。
見解の相違じゃない。論点のすり替えだ。財政インフレを放置すれば金融政策の自由度が削がれるのは事実だが、だからといって「金融で止められない」なんて極論は、どの「主流派」に聞いても真顔で否定される。
議論をしたいなら、せめてどの文献か、どのモデルに基づいて言ってるのかを示せ。インフレ制御の話に「主観と印象」だけで踏み込むのは、知的怠慢だ。
1.日銀券が負債計上されているのは金本位制の名残であり、実際には借金ではない。
2.金利が上がっても日銀券に利払いは生じないので、日銀のバランスシート問題と結びつけるのは誤り。
3.当座預金に金利をつけているのは金融機関への補助金のようなもので、なくせばいい。
4.通貨発行益(seigniorage)をもって銀行券発行を正当化すべきで、借金ではない。
経済学的にこれは極めて短絡的。
| 主張 | 評価 | 経済学的反論 |
| 日銀券は負債じゃない | ❌ | 会計上・信用供与上「負債」で正しい |
| 金利上昇で紙幣に利払いはない | ⭕/❌ | それは正しいが、日銀のコストは当座預金への利払いで発生する |
| 当座預金の付利は補助金で不要 | ❌ | 金融政策の実行に不可欠。市場金利誘導が困難に |
| 通貨発行益で全部まかなえる | ❌ | 一時的には可能だが、金利上昇時には赤字構造になる |
要するに、「紙幣に利息がつかないから負債ではない」というのは概念的にも制度的にも誤解。金利上昇により日銀が赤字化するリスクは会計の構造的問題であり、単に付利を「なくせばいい」話ではないのです。
https://x.com/hashimoto_lo/status/1917564480105636316
こんなまともな経済システム理解をしていたことに驚いた。俺の中で評価バク上がり。
まあ会計的に負債勘定されてるとはいえ返済も利払い費もない現金を借金と思ってるプロの経済学者のレベルが低いだけとも言える。
日銀のバランスシートで日銀券が負債勘定に立っているのは、兌換紙幣・金本位制の名残りなんだよ。
ほんとに借金だと思ってんのか?
バカか。
日銀の通貨政策の信用が裏付けとなっているという意味で負債勘定になっているだけ。
金利が上がっても、日銀の負債勘定に立った銀行券発行の利払いが増えるわけではない。
金利が上がって日銀が困るのは、民間金融機関が積んだ日銀当座預金の利払いなんだよ。
銀行券が負債勘定に立っているから、金利が上がって利払いが増えるってアホか。
そもそも日銀当座預金の付利は政策金利の「下限」だから本来は0%でいい。
民間の当座預金は金利0なのに民間金融機関の日銀当座預金だけに金利が発生することがそもそもおかしいんだよ。これは民間金融機関への補助金みたいなもの。
このように日銀当座預金に金利を付けているのは、民間金融機関に国債を買わせるためのインセンティブ。
しかしこれは継続的な当座預金付利でなくてもよく、ワンショットの債券売買差益を与えるだけで十分。
民間の債券ディールはみんなワンショットの差益を利益にしているだけ。
債券を売って手にした現金を当座預金にしたときに自動的に継続的な利息が付くなんてないだろ。
つまり日銀の通貨発行益で銀行券を発行した場合、日銀当座預金の付利を0にすれば、金利が上がっても日銀に影響はない。
いままで曖昧で陰湿な批判が横行していたムラ社会であった日本の経済論壇の中で、革命的ともいえる実名と批判箇所を明示しての率直な議論の姿勢を示した『経済学を知らないエコノミストたち』(日本評論社)や『経済論戦』(日本評論社)に続く、野口氏の00年代の経済論戦の記録を生々しくとどめた最新論説集である。題名の「エコノミストたちの歪んだ水晶玉」というのは聞きなれない言葉である。本書によれば、「経済学は役に立たない」という世間一般の抜きがたい批判に答えることを目的にしているという。著者は、経済学は予測の科学として十分に役立つが、世間で役立たないと思われているのは「歪んだ水晶玉」=間違った経済理論で預言を行う「エコノミスト」たちの活躍に原因のひとつがあるという。実際に野口氏が90年代後半から現在まで経済論壇で行ってきたことは、この「歪んだ水晶玉」で預言するエコノミストや評論家そしてメディアなどへの容赦ない批判だったといえる。
本書の後半は、当「ノーガード経済論戦」を読まれている読者にはなじみ深いHotwired に掲載された「野口旭 ケイザイを斬る!」をベースにした02年から04年までの当時の経済論戦の見取り図とその批判的な検証になっている。特に経済の動きは複雑でありマクロ経済学のような単純な論理では十分にとらえることができないと主張する論者の多くが、実は単純な自らの意見をカムフラージュするために複雑系な話を利用していることが指摘されていることころなど改めて参考になる。
前半は最近の経済政策論争をベースにした最新版の野口氏の経済見通しと政策への批判的検証が収録されている。その要点は、1)小泉政権の構造改革路線の検証、2)03年から04年にかけて明瞭になった景気回復の原因、3)今日の量的緩和解除論議をめぐる見通し のおおよそ3点に分けることができよう。
1)の点であるが、これについては小泉政権の構造改革路線が、日本経済の停滞が非効率部門の存在という構造的な問題にあり、これを淘汰することで高い成長率を目指すという「清算主義」であったこと、そして構造的な要因が日本経済の停滞の原因ではなく循環的な要因である総需要の不足にこそ真因を求めるべきことが明記されている。
個人的な回想で申し訳ないが、小泉政権の清算主義的な色彩の強かった01年当時の政策批判を行った野口氏と私の共著『構造改革論の誤解』(東洋経済新報社)は、私の事実上の処女作の一つであり、そのときから野口氏は経済論戦を分析する上での私の教師でもあり抜きがたい目標でもあった。当時は「構造改革」自体の満足のいく経済学的な定義さえも不分明であり、それを野口氏は同書でクリアに説明し、もって構造改革とマクロ経済政策は異なる政策目的に割り振られる政策であり、両者を適切な目的(構造改革ならば構造問題、マクロ経済政策は景気循環問題)に割り当てるならば矛盾もしなければ競合もしないこと、さらに適用する目的を小泉政権のように誤まるとそれは経済社会の低迷をより深刻なものにすることを説いた。
ところで本書によると小泉政権の当初の清算主義的な性格は、「国債発行枠30兆円以下」を公約にした財政再建路線に明白だったが、不況の深刻化からこの清算主義的な路線は早々に放棄されることになった。そして実態的には「循環的財政赤字」の発生を放置することで事実上(受動的にではあれ)景気の落ち込みの下支えに貢献したことを指摘している。この点については、私も当ブログ「裏声で語れ! 小泉構造改革」で説明したことがあるので参照されたい。
また竹中平蔵経済財政担当相(当時)の金融相就任とそれに伴って発足した「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム」とそれが打ち出したいわゆる「竹中プラン」(金融再生プログラム)の評価は興味深い。当初、このチームにごりごりの清算主義者として名高い木村剛氏が加わったこともあって、いわゆる竹中・木村ショックで日本の株価は急降下した。政府が不良債権の抜本的な対策で銀行・企業の統廃合に積極的にのりだすという懸念がマーケットや国民の間に広がった。しかし実際には清算主義路線を放棄しつつあった小泉政権にあっては、その後のりそな銀行への公的な救済に端的に表されたように銀行を潰すようなハードランディング路線は放棄された。竹中プランは骨抜きになったかにみえた。しかし、本書ではマクロ経済的な清算主義は放棄したものの、この竹中プランが金融庁が大手銀行を中心とした不良債権処理に不必要なほど過度の介入を行うことにお墨付きを与えてしまい、規制のハード化が資源の誤配分を招来してしまったことを指摘している。この竹中プランへの評価は妥当だろう。
2)の点については、今日の景気回復の主動因についての分析である。それは簡単にいうと財務省の円安介入と、それと連動した日銀の当座預金残高の引き上げという量的緩和政策が重なったことが契機となっている。この事態を本書では「なし崩しのレジーム転換」という表現を使っている。これは私流に表現すれば、あくまで財務省主導のデフレ対策としての円安介入であり、それを福井総裁が意図せざる形でサポートした量的緩和政策のあり方を表現しているのだろう(本書では触れられていないが福井総裁は明確に財務省の円安介入をサポートしたことを否定している)。野口氏はいわゆる中国特需と表現されたり、アメリカからの日本株式市場への投資が盛んになったことなど、外的要因が堅調であれば政策対応が受動的でもかまわない、というスタンスである。
「以上から、日本経済の二〇〇二~〇三年以降の契機回復の様相については、ほぼ次のように整理することができる。まず、その最大の牽引車は、外需の拡大であり、それをもたらした世界的な景気拡大であった。しかしながら、国内のマクロ経済政策がリフレ的な方向へなし崩し的に転換されていたということも、同様に重要な意味を持った。それは具体的には、二〇〇三年秋から〇四年初頭まで行われた、財務省の巨額為替介入と日銀の金融緩和の同時遂行という形でのマクロ的政策協調である。つまり、今回の日本の景気回復と国内のマクロ経済政策の両方に支えられて、かろうじて定着したのである」(本書20頁)。
すなわち浩瀚喧伝されているような、「構造改革が景気回復に寄与した」のではなく、先の説明どおりに循環的要因=総需要不足の改善が外需の好転と政策対応によってもたらされたというわけである。
3)については、現状の景気回復は不安定であり、より一層のリフレ政策の重要性が強調されている。そのため06年末頃まではデフレ脱却をめざすリフレ過程(少なくとも現状の財政・金融政策のスタンスの維持)である。さらに第二段階は金融政策正常化のための段階であり、量的緩和の解除、インフレ目標の導入、プラスの政策金利への復帰などが目指される。これはほぼ2007年半ば頃であり、財政再建はその後の第三段階となる。野口氏は現時点での量的緩和解除はリスクがありすぎて日銀は採用しないだろうとみている。だが、この野口氏の楽観的な見通しだけが本書を通じて外れてしまいそうである。もちろんそれは野口氏の誤りではなく、通常では考えられないほどのリスクをあえて選択した日本銀行の誤りなのである。
本書は他にも、リフレ派の正しい定義、「声の出るゴキブリ」とリフレ派を批判した山崎元氏のその後、木村剛日本振興銀行の「実験」へのエール(?)など微苦笑を禁じえない記述も多く、あっという間に通読できてしまう。学ぶべきことが多い本書は野口氏の論戦の記録だけでなく、迷走する日本の経済論壇の記録としても重要である。
NISAが流行ったので積立を始めた。証券とは?第三者割当増資とは?みたいなことを調べた。
日経平均が下落したのでリスクヘッジについて調べた。債券市場や為替市場、ゴールドなんかもあり、それぞれ性質が違うことを知った。
債券って何?という疑問から、企業が資金調達するとき銀行融資と株式発行と社債発行をどう使い分けるの?と調べた。
トランプが関税政策を発表したので、関税ってなに?関税で何をどうコントロールしようとするの?と調べた。
そして再度日経平均が大幅下落したので今度は日銀の政策金利について調べた。
議長は経済活動は引き続き堅調に拡大しているとしながらも、最近の指標では消費者支出の鈍化が見られると指摘しました。
家計や企業の経済見通しに対する不確実性が高まっていることも言及されました。
労働市場については、依然として堅調であり、失業率は低い水準を維持しています。
インフレ率は過去2年間で大幅に緩和されましたが、依然として目標の2%をやや上回っています。
GDP成長率の見通しは下方修正され、インフレ率の見通しはやや上方修正されました。
金融政策の方向性については、今後のデータ、経済見通し、リスクのバランスを評価し、追加の政策調整を検討するとしています。
現時点では政策スタンスの調整を急ぐ必要はなく、より明確な情報が出てくるのを待つことが適切であるとの考えが示されました。
経済の展開に応じて政策スタンスを調整する方針も改めて示されました。
短期的なインフレ期待の上昇が見られ、その要因の一つとして関税が言及されました。
ただし、関税がインフレに与える影響を正確に評価することは困難であるとしています。
関税によるインフレが一時的なものである可能性も指摘されました。
一方で、長期的なインフレ期待は概ね安定しているとの認識が示されました。
消費者信頼感は低下しているものの、実体経済のデータは依然として堅調であると述べられました。労働市場は全体として均衡しており、雇用と解雇のレートが低い状況が続いています。
貿易、移民、財政政策、規制が経済や金融政策に与える影響については、不確実性が高いとされました。
準備預金が依然として豊富である中で、金融市場の円滑性を確保するための措置であり
金融政策のスタンスやバランスシートの長期的な規模に影響はないと説明されました。
金融政策の枠組みに関する5年間の見直しは継続されており、労働市場の動向と最大限の雇用目標に焦点が当てられています。
議長は、最大限の雇用と物価の安定という二つの責務に引き続き注力していく姿勢を強調しました。
•質問:記者から、インフレ見通しの上方修正のうち、どの程度が関税によるものかと問われました。また、政策金利の経路が変更されない場合、これは一時的な価格水準のショックと見なしているのかという質問も出ました。
•回答:議長は、インフレのうちどの程度が関税によるものか正確に評価することは非常に困難であると述べました。年初の財のインフレの上昇には関税が一部影響している可能性はあるものの、特定することは難しいとしています。一時的なインフレと見なすかどうかについては、現時点では判断が早すぎるとし、関税によるインフレが速やかに解消されるか、長期的なインフレ期待がしっかりとアンカーされているかどうかにかかるとしました。政策金利の経路に変更がないのは、成長率の低下とインフレ率の上昇が相殺し合っている側面や、高い不確実性の中で政策を変更することへの慎重さがあると説明しました.
•質問:消費者信頼感調査の悪化について、今後の消費支出の先行指標となる可能性と、その背景にある要因について質問が出ました。
•回答:議長は、消費者信頼感調査と実際の経済活動との間には、必ずしも強い相関関係があるわけではないと指摘しました。過去には、悲観的な調査結果が出ても、消費者が積極的に支出する例もあったとしています。ただし、今回の状況も注視しており、実際の経済データに弱さの兆候が見られないか慎重に監視していくと述べました。消費者センチメントの低下の背景には、新政権の政策変更に伴う不確実性なども考えられるとしました。
•質問:過去のインフレ認識、特に「一時的(transitory)」という表現が適切でなかったこととの比較について質問が出ました。
・回答:議長は、過去のパンデミック時のインフレと今回の状況は異なるとして、安易な比較はできないとしました。一時的なインフレ要因に対しては、金融政策で対応することは適切ではないとしつつも、インフレ判断の難しさを認めました。今回はまだ完全な物価安定が再確立されていない状況であり、企業の価格転嫁の意向なども注視していく必要があると述べました。
•質問: 新政権の貿易、移民、財政政策、規制の4分野における政策変更が経済に与える影響と、金融政策への波及について質問が出ました。
•回答:議長は、新政権の政策変更の全体的な影響が重要になるとしつつ、現時点では不確実性が非常に高いと述べました。具体的な影響を評価するには時期尚早であり、今後のデータを見極めていく必要があるとしました。
•質問:バランスシート縮小(量的引き締め、QT)のペースを減速させる決定の背景と意図について質問が出ました。
•回答:議長は、金融市場の準備預金量が依然として豊富であるものの、マネー市場で若干の引き締まりの兆候が見られたため、予防的な措置として減速を決定したと説明しました。これは金融政策のスタンスを変更するものではなく、中長期的なバランスシートの規模にも影響を与えないとしています。以前にもQTのペースを減速させた経緯があり、今回も同様の考え方に基づいていると述べました。債務上限問題(debt ceiling)が議論のきっかけになったものの、最終的にはより広範な観点から判断したとしています。
これらの質疑応答から、議長は現時点では経済の方向性や政策の影響について高い不確実性があるという認識を持ちながら、入手するデータに基づいて慎重に判断していくという姿勢
ブルームバーグで記事出てるからこっち紹介するだけで良かった・・・
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-19/STAOK0T0G1KW00
ざっくり
①利上げペース:海外経済の不確実性が増している一方、国内の賃金・物価の循環は順調に進んでいる状況を踏まえて今後の見通しをより的確に作成し、それに応じて政策を決定していく。現時点では、次回の会合での利上げを示唆するような見解は示されず、データ次第との姿勢を強調。
②財政政策との関係:短期的な財政政策の動向へのコメントは控えたものの、中長期的な観点から政府・国会には財政の持続可能性を確保する努力を継続することを期待するとの考えを表明。
③物価目標2%の妥当性:現在は2%の目標の持続的な達成を目指しており、それが中長期的な日本銀行の信認確保に重要であるとの認識。将来的な目標再検討の可能性は否定しないものの、潜在成長率の違いとインフレ目標の関係は単純ではないと指摘。
④地域金融機関の再編:地域金融機関の合併・統合は各銀行の判断によるものであり、金融政策で影響を与えようという意図はないと説明。
本日行われた日本銀行の金融政策決定会合後の記者会見では、現在の金融政策の維持が発表されました。
具体的には、短期金利の操作目標である無担保コールレート・オーバーナイト物を0.5%程度で推移させる方針を全会一致で決定しました。
会見で示された経済・物価の現状認識では、日本の景気は一部に弱めの動きが見られるものの、緩やかに回復しているとの判断が維持されました。
先行きについては、海外経済の緩やかな成長と緩和的な金融環境を背景に、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まり、潜在成長率を上回る成長を続けると見込まれています。
一方、物価については、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、
賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇や政府のエネルギー負担緩和策の縮小により、足元で3%台前半となっています。
先行きの消費者物価については、輸入物価上昇の影響は薄れるものの、
人手不足感や需給ギャップの改善、賃金と物価の好循環により、徐々に上昇していくと予想されています。
展望レポートの見通し期間後半には、物価安定の目標である2%と整合的な水準で推移するとの見方が示されました。
各国の通商政策等の動きやその影響を受けた海外経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動、金融為替市場の動向などが
引き続き高い不確実性を持つと指摘されました。
特に、企業の賃金・価格設定行動が積極化していることで、為替変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があるとの認識も示されました。
経済・物価の好循環が実現していけばそれに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく考えが改めて示されました。
日本銀行は、2%の物価安定の目標のもと、その持続的安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく方針です。
会見では、直近で発表された春闘の賃上げ率についても言及があり、
連合の第一次集計では5%台の高い伸びとなり、相対的に規模が小さい企業でも高めの賃上げ率が実現しており、賃上げの動きが広がっていることが確認されました。
この結果は、1月介護時点での見通しに概ね沿うものと評価されましたが、
中小企業の賃上げ交渉はこれから本格化する先も少なくないため、今後の賃金動向を丁寧に確認していく必要があるとされました。
金融政策においては、賃金動向に限らず幅広く経済・物価・金融情勢を点検し、見通しやリスクに及ぼす影響を見極めていくことが重要であるとの姿勢が強調されました.
足元の物価動向については、1月の消費者物価指数や2月の企業物価指数が高い伸びを示していることが指摘されました。
これに対し、1月の展望レポートで示した物価見通しや基調的物価の想定の範囲内の動きであるとの認識が示されました。
ただし、エネルギー負担緩和策の縮小に加え、米価格の上昇が消費者物価を押し上げている点には留意が必要であるとされました。
基調的な物価上昇率に二次的な影響を及ぼしうる可能性も認識しておく必要があるとされました。
その上で、現時点では、基調的な物価上昇率は徐々に高まっているものの、依然として2%を下回っているとの認識に変わりはないことが強調されました。
基調的な物価上昇率については、2%目標と整合的な水準になるとの見通しが示されている一方で
具体的な数値を示すことは依然として難しいとの立場が改めて示されました。
現状のイメージとしては、1%以上2%を下回る水準であるとされました。
物価目標2%の妥当性については、現在の目標である以上、その持続的達成が日本銀行の信頼確保に重要であり、
将来的な再検討もあり得るものの、議論は複雑であるとの見解が示されました.
米国の通商政策の動向が経済・物価に与える不確実性が高まっているとの認識が示され、
今後の展開を注視し、日本経済への影響を見極めた上で政策を決定していくというスタンスが改めて示されました。
大規模金融緩和解除から1年が経過したことに対する評価として、
徐々に基調的物価上昇率が2%に収束するという角度が高まる中で、
それに応じた適切な緩和度合いの調整を進めることができたとの認識が示されました。
国債買い入れ減額も予定通り進んでいるとのことです。
市場の機能度回復度合いなどを検証した上で、基本計画に沿って進める方針が示されました。
ETFの処分については、引き続き適切な方法を検討していくとのことです。
ノーコメントとし、経済・物価見通しに基づいて政策を実行していくという姿勢が強調されました。
世界経済を巡る不確実性は増しているものの、国内の賃金・物価の循環は順調に進んでいるとの認識も示されました.
経済・物価の動きを見ながら、その反応を見つつ、あるべき水準を探り、適切な政策につなげていきたいとの考えが示されました。
今後の追加利上げの条件としては、春闘の賃上げが広がりを見せるか、賃金上昇が価格に転嫁されるか、消費動向がどうなるかといった点が注視されるとされました。
市場の不安定性と利上げの関係については、現在は特段の状況ではないとの認識が示されました。
足元のインフレ率、GDPデータ、賃金動向、海外金利の動きに市場が反応しているとの見方が示されました。
通常の価格形成とは異なる急激な金利上昇のような例外的なケースでは、
市場の安定的な価格形成を促す観点から機動的なオペレーションも検討するものの
現状はそのような状況ではないとの認識が示されました.
長期金利の上昇が金融政策に与える影響については、短期から中期ゾーンの金利をより重視しており、イールドカーブ全体としては経済活動をサポートするレベルにあるとの認識が示されました.
国債買い入れの適切なボリュームについては、非常に難しい問題であり、海外の中央銀行も苦労している状況を踏まえ、今後検討していく方針が示されました.
食料品価格の上昇、特に米価格の上昇については一時的なサプライショックと見るのが一般的としつつも、
インフレ期待や消費者マインドへの影響を通じて、基調的な物価に影響を与える可能性もゼロではないため、注視していく方針が示されました。
食料品価格の上昇に金融政策で直接対応することは困難であり、そのコストも大きいとの認識が示されました.
一部指標に弱さが見られるものの、特殊要因も考慮すると、現時点では悲観的には見ていないとの見解が示されました。
各銀行の判断によるものであり、金融政策で影響を与える意図はないことが強調されました.
物価安定目標の達成に向けて、データに基づき慎重に金融政策を運営していく姿勢を強調しました。
ユロル、2019年に1.13くらいで、今1.04あたりだから、1割くらいドル高
ユロ円 2019年に120円台、去年176円つけて、今162円
ドル円 2019年に110円付近、去年161円つけて、今155円
なお、カナダドルや、スイスフラン、ポンドに対しても円安なんだけど
これらはドルやユーロに追従してるからそうなるだろうなという感じはある
2019年に0.69ドル/豪ドルが、今0.62ドル/豪ドルみたいに
アメリカはともかく、EUは今4.25%まで上げてから3.15%まで落としているのに、言うほどユーロ円は戻していない
これらの円安を説明する原因として言われてるのが円キャリートレードだ
金利の安い円で資金を調達して、インフレしているアメリカで投資をするみたいな話
当初の、2年前位の予想ではこうだった
①②③により円安は終わるだろうと思われていたが、そうはならなかった
①、アメリカにおいてインフレがいまいち落ち着かない、景気が堅調(欧州では予想通り景気悪化)
②、金利があまり下がらない、市場予想では2025年末でなんと4%維持だ
結果、円キャリートレードも続行だし金利差も縮まらないので、円安は止まらない
ユーロに対しても円が安いのは奇妙に見えるが、円キャリートレードの影響だと考えると辻褄が合う
次に動くのはいつか?
トランプの政策やら、日本の貿易赤字やら言われているが、規模的に見ればやっぱり①②③で大きく動くんだろうと思う
きっかけは、
・アメリカがいよいよリセッションっぽくなる(米インデックスを見てればわかる)
なんだけど、日銀は国の債務問題がある以上、簡単に1%2%と上げられない事情があるので、動くとしたらアメリカしか無いんだけど
大統領就任後は市場に謎の過熱感が生じるので、まあ兆候が見えるとしても2025年後半か来年だろうなあ
と考えると今年は十中八九円安のまま、なんかネタがあったとしても140〜170円の間をウロウロするんだろうな
参考
https://jp.investing.com/economic-calendar/cpi-68
https://jp.investing.com/economic-calendar/cpi-733
ついでに日本
「レビュー」のもう一つの焦点は、前節で取り上げたNIRPを含めて、この間に実施した非伝統的金融政策の波及効果である。
この点に関して興味深いのは、構造モデルと時系列モデルの双方の計量分析の結果として、需給ギャップに対する効果の点では、株価や為替レートを通じた政策の波及が半分強を占めていたとする結果である。
政策金利の変更が資金調達コストを通じて設備投資や消費に影響する波及経路については、理論的な枠組みも頑健で、計量的に安定した推計を導くことができる。これに対し、株価や為替レートを通じた波及経路は、関連論文が指摘しているように仮説が併存している上に、状態依存性が高いという問題が残る。
厄介なのは為替レートである。この問題に対応する上では、為替レートの予測自体は困難としても、為替レートが変化した場合の経済や物価への影響はある程度推計できるだけに、この点について日銀と金融市場が理解を共有することが第一歩であるように思われる。
その上で、実際の物価変動のうちで為替レートの影響を除いた「基調」についても理解を共有することが望ましいが、「レビュー」が示唆するように、為替レートは間接的な経路を通じても物価に影響を与えうるだけに単純ではない。そうしたメカニズムは主としてどのようなものか、当面の経済構造を前提にした場合にどのメカニズムが重要なのかを明らかにすることも、日銀と金融市場にとって共通の課題となっている。
https://anond.hatelabo.jp/20240803084522
全世界株式投信も、立派な投資行動なんだけど、みんななんも考えてないので騙されて「保管」とか「増える」とか思いこまされてるだけだよ。
投資信託は、(規制があるから)全員もれなく投資目論見書を読んで理解した人だけが買えるはずなんだけど、そこを無視してるだけだよ。
「投資」というものが持つ「経済の動向について自分で考える」とか「特定の企業と資産の面で一蓮托生となる」といった要素がスポイルされてるじゃん。
投資の定義が元増田の言う、経済動向を考えるとか企業と一蓮托生になるは、オルカンでも同じだよ。目論見書読んでない人が多いだけで。
真面目に読んでるなら
みたいな、「アメリカが風邪ひいたらオルカン全滅するやん」みたいなのは、読み取れるはずだよ。
「日本株すべてよりもマイクロソフト+Appleの方に投資してることになるやん」とか。
本来はシッカリ調べて、アメリカいうてもインフレ加熱で中央銀行が政策金利上げたらなんぞバブル弾けたりせえへんのかな、とか
アメリカが失速したときに、オルカンだったら連動率低くて影響受けないよな?え?97%も連動してんの意味ないやん!、とか
まあいうて軍事大国のアメリカが一強で、EUとか中国がこれを抜かすことはないやろ、アメリカならインフレしてくれるやろし、結果7%は見込んでええんちゃうか、とか
そういう見込みがあって「投資」行動に出るはずなんよ。
良く「オルカン全力投資中ですが、結局増えるかは時の運ですね!」みたいなXのポストみてるとアホちゃうか、と思うわな。
増えると思うから投資すんねん、減ると思ってたら入れんなや、わけわからんと積み立てるなら国債買っとけや元本保証やぞボケが。
少なくとも現状のオルカンは、「世界経済が豊かになると思う方に賭ける」とかそんなボンヤリしたもんちゃうで。
アメリカが主導する資本主義経済を、主にFRBと米政府が上手く舵とって商売できる程度には不安定化させずにすすめる、というところに賭けとるんやで。
ただ、良い方に騙されている言うのは、下手な考え休むに似たりで、個人が個別株投資とかするより安全なんは間違いないのよ。
最近日経が全面安になったやろ。暴落とか騒ぎよったやつ。アレ見たら一目瞭然やったやろ。
特定の企業の動向とか、現代のマーケットではあんま意味ないの。日本株、みたいな括りでヤラれんの。
機関投資家の行動の前じゃ、個人が個別株で応援とか全然無意味なの。
そういうよくわからん大波を起こすクジラの影響を受けて一喜一憂するくらいだったら、ほにゃらら市場全体に投資する方が合理的なの。
オマエ一人の考えよりも間違いなく機関投資家の方が賢くて資金があって行動力もあるから。
素人がじっくり考えて一社に投資するぐらいなら、なんも考えんとオルカン買った方がはるかにマシなんよ。
というのを、自分の頭で考えて自己責任で投資するのが投資なんであって、保管とかって言い方にくくるのはより悪質だと思うけどな。
タンス預金みたいなド直球の無リスク資産との比較はいくら何でも悪質。
いまは「よくわからんもんに」「よくわからんままに」「自分のカネを賭けてるアホばっかり」という状況で、たまたまうまく回ってるだけよ。
「保管」してる金融資産が4割減する性質のもんだとは普通は思わないから、やっぱちゃんと「投資」だって言い続けないと危険だよ。
俺?俺はテンバガー当てて増やしてキャッキャしてたけど、その辺のOLまでレバナスとか言い出したんで手仕舞いして半分オルカンに入れたよ。
翌日からの木金と日経平均は大きく下がり、3.9万から3.6万に下がり、土日を迎えた。
下げ止まったと思っていた。時間外の先物取引はずっとなだらかに下落していたらしいが、想定の範囲内だった。そりゃあ、利上げがされたら株は下がるよね、といった認識だった。
8/3(土)の朝に眼が覚めるとビットコインも大きく下がっていた。だからFX取引で少し買った。余力を十分に残して、ちょっとしたお小遣いが手に入ると嬉しいなと思って、ビットコインを買った。
7/31に1000万ほどだったビットコインが、8/3朝には890万ほどだった。FXで買ったのは少額だったから上がってもよし、下がってもよし、のつもりだった。
8/3夜、870万になっていた。このくらいなら前の時の下落でも下がっていた。だから上がると思った。買い増しをした。マーチンゲール法というやつだ。負けた時は同額の掛け金を追加する方法だ。連敗しなければまず勝てる方法だった。必勝法のつもりで、1ヶ月前に思いついた方法だ。
8/4(日)はだいたい儲かっていた。でも微妙な額だったので放置していた。
8/4夜、少しだけ背筋が凍る。850万ほどに下がってるのだ。さすがにこの辺で上昇に転じると思い、830万と770万に指値して、寝た。もちろんマーチンゲール法に基づく賭け金だ。これで全てかかると掛け金は初期の15倍になるわけだ。
なお、補足だが、8/4夜まで、ビットコインはジワ下げだ。嫌な下げ方だ。この時点で想定とは大きく異なる。下げ止まったと思っていたからだ。8/4夜の下げは8/5を危険視して下げたのだろう。でも損を認めたくなくて強行した。
8/5朝、絶望の日だ。朝起きると750万くらいまで下がって指値が両方とも引っかかっていた。起きた時は790万ほどだった。さすがに下げ止まったと思いたかった。
かなりの絶望感ではあったが、同時に期待感もあった。気分は漫画の主人公だ。大きなリスクに追いやられ、絶体絶命。でも漫画だと、最後には勝って終わる。しかもリスクが大きいだけあってリターンも大きい。
損失は笑えない額であったが、この時点での損失レベルは過去にも味わったことがあるレベルであり、鍛え抜かれた(麻痺していた)精神でなんとか耐えられた。
890万
870万
830万
770万
705万
上記が私のマーチンゲール法のターニングポイントだ。下がれば下がるほど投資金を増やし、705万までは耐えられる。
750万で下げ止まったと思っていた。もう一度下げ始めるかもしれないが、ダブルボトムを作ってそのまま上がると思っていた。
ただの、日銀の利下げ。ビットコインとは無関係の下げ。多少の相関はあれど、大きくは関係しない部分なのだから、そんな絶望的な下げにはならないだろう、750万で下げ止まり、ちょっともう少し下げたとしても705万までは耐えられるので十分すぎるだろう、そう思っていた。
8/5、15:00にチャートを見た時は、もう死んでいた。価格は710万。最初は810万と見間違えて一瞬喜んだ。バカだった。710万だ。一瞬700万を割り込んでからの710万だ。もちろんロスカットされていた。
7/29(月)には1060万ほどだったのに、
1週間で700万まで下がったわけだ。
34%ほどの暴落だ。
日銀の利上げで20%ほどの暴落は想定していた。しかし、これほどの暴落になるとは思っていなかった。
よく言われている暴落の原因は、
・日銀の利上げ
などだ。イランからイスラエルへ報復攻撃がある可能性などがニュースで出ていたし、米雇用統計が予想以上に減速、などのニュースもあった。
しかし、どれもこれほどの暴落を起こすとは思ってもいなかった。
以下は、私の考える他の要因だ。
・暴落に不慣れな人が多かった。
円安がずっと進行しており、円のまま持つことへのリスクが高まっていた。そのため、これまで投資をしたことがない人が、円の逃げ場としてビットコインを買っていたのではないか?そしてこの人たちは暴落に不慣れなのでパニックを起こしやすく、さらなる暴落を招いたのではないだろうか?
・円で借金をしてビットコインを買う海外の人が多かったのではなかろうか?
円は金利が安く、そのため円を借りてビットコインを買う人が多かったのではなかろうか?
円の利上げにより、そのバランスが崩れて、ビットコインが売られたのではなかろうか?
兎にも角にも、無名だと思ってた、ただのモブくらいにしか思ってなかった下げが、ブラックマンデーというよく分からない名前を冠して、私の息の根を止めたのである。
(この文章は、厳密性にはこだわっていないため、金額にミスがある場合や、言葉の使い方が不適切な場合がありますが、ご了承ください。)