■N7とbZ3Xが突き付けた現実：日本の部品はどこへ行ったのか

前提

• 中国市場で、日産N7とトヨタbZ3Xが売れている。いずれも電池・電駆・ADASの“心臓部”を中国ローカルで固め、従来の日本由来サプライチェーンへの依存を最小化している。
• N7はSunwodaのLFP電池を採用、Momentaの高機能ADASを搭載（Nissan公式、CarNewsChina、Momenta）。
• bZ3Xはニデックの広州製E-axle（TZ175XSAY501）、CALBやZenergyのLFP電池、RoboSenseのLiDAR、MomentaのADAS、上位はNVIDIA Orin Xという構成。価格は低水準で、ローカル化が徹底されている（CarNewsChina、Electrive、Gasgoo、KR-Asia、Tech inAsia）。

要約

• 核心ユニットは中国勢が主役。日本企業の名が出ても、中国生産と中国部材で完結するケースが中心である（例：ニデックのbZ3X向けは“99%中国調達”の報道）。
• 2025/04-06期の日本部品各社は危機感を強め、次の3点を同時に進めている。
  • 中国の固定費と生産再編
  • 中国ローカル調達と価格対抗
  • 地域分散（米州やASEANなど）

代表例：サプライチェーンの現地化

• bZ3X
  • 駆動：広州ニデック製TZ175XSAY501（150kW）
  • 電池：CALBとZenergyのLFP（容量50.03/58/67.9kWh）
  • ADAS：Momenta、上位はOrin X、LiDARはRoboSense
  • ローカル化：E-axleは中国生産と中国部材で構成
• N7
  • 電池：SunwodaのLFP（58/73kWh）
  • ADAS：Momentaと提携、都市NOAやメモリ駐車などを量産展開

2025/04-06期に表れた日本部品各社の危機感

• 小糸製作所
  • 中国再編を正式発表。福州小糸の清算と生産再配置により、広州と湖北の稼働率を引き上げる計画。固定費削減で収益性改善を見込む。
• トヨタ紡織
  • 質疑応答で「中国は中国系OEMの急伸で激しい価格競争。単価低下の圧力が強い」と明言。現地のスマート工場などでコスト圧縮を進める姿勢。
• デンソー
  • 4-6月で営業益が前年同期比11%減。米国関税と円高が逆風。顧客交渉と現地化で吸収を図るとの報道。
• アイシン
  • 資料で電動製品の拡販と競争力強化を掲げる一方、中国の数量と価格環境の厳しさを織り込んだ保守的見通し。顧客ポートフォリオの広げ方が焦点。

何が起きているのか

• 中国で売れている新顔EVは、三電とADASが中国主導である。日本企業の名前が出ても、製造と部材は中国内で完結するため、日本からの完成部品持ち込み余地は小さい。
• 合弁の看板より、現地のコストとスピード、ソフトの競争力が購買の決定要因になっている。N7とbZ3Xはその典型である。
• その帰結として、日本の部品各社は次の3面作戦を強いられている。
  • 固定費圧縮と再編
  • 現地調達の極大化
  • 米州とASEANなど他地域の現地化

今後の見立て

• 「日本OEMに載る日本部品」の比率は、中国に限れば逓減が続く。中国で戦うなら、現地開発・現地共創・現地購買の三点を最適化しない限り、価格に入札できない。
• ただし機会もある。駆動、ブレーキ、内装などで“完全なコモディティ”になり切らない領域は、現地化と品質保証を両立できる企業が引き続き受注できる。ニデックのように「日本企業であっても中国内サプライチェーンで勝つ」モデルは増えるはずだ。
• 対中以外では、米州の現地化と、ASEANでの電動車バリューチェーン再構築が収益の下支えとなる。為替と関税の外乱が続くため、地産地消の度合いはさらに高まる。

Permalink |記事への反応(3) | 05:27

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■anond:20211028131150

トヨタとか日産みたいな自動車メーカーは、EV時代には単なるアセンブリーメーカーになっていくんだろうけど、国内のティア1企業でも、EV分野で強みを発揮できるとこは生き残ると思う。

やっぱ最重要なのはeアクスル。トヨタ系のブルーイーネクサス（アイシン＋デンソー）、日産系のマレリ（カルソニックカンセイ）、独立系の日本電産。このへんはEV時代になっても十分戦えるし、むしろ旧系列時代より存在感を発揮するかもしれない。電子ミラーやインレット関係機材を作ってる村上開明堂とか、保安部品としてのニーズが変わらず、事業に電動化リスクがない小糸製作所・スタンレー電気あたりも問題ないはず。

バッテリ分野は既存のティア1からは出てこないだろう。

Permalink |記事への反応(0) | 13:34

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■http://anond.hatelabo.jp/20100209065146

日本の品質はすげぇーって言われていた。

最近は中国と変わらないねって言われている。

最近の小糸製作所や、トヨタのリコールの話しを聞くと不安になる。

手を抜いてやらなかっただけなのか、それともやろうと思ってもできなかったからごまかしたのか。

その区別があやしくなってきている。

昔はオーバークオリティだっていわれていた。

十分に儲かってたから製品に反映できてたんだとおもう。

でも、儲からなくなった今、値段にあった品質を日本は保つことはできるのかな。

Permalink |記事への反応(1) | 19:25

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