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はてなキーワード:学者とは

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2025-10-27

anond:20251027204618

参照する必要はそのころなかったんじゃない(36条改正)あと36条の「絶対知ってる筈の先行文献の記載が欠如している」だけでは拒絶理由にならへんやろ

実施例欠如とかあいまいとか、もっと重い36条はちゃん存在するし、hanabiの開発に小川がいたならペナルティは重くなるが。)

 

小川特許クレーム1

表示部を兼ねるタッチパネルと、処理手段とを備え、

前記処理手段は、前記タッチパネル文字属性情報複数表示し、

複数の前記属性情報のうち一つが押圧された際には、押圧された属性情報上下左右であって他の属性情報に重なる位置に、当該他の属性情報の重なった部分が隠れるように、押圧された属性情報に基づく詳細情報である文字を表示し、

一の押圧動作が開始した位置位置情報から一の文字属性情報特定し、

前記属性情報のうち一つが押圧された後の押圧位置の移動距離が、

一定以内であれば、このことを判断基準として属性情報である文字を確定し、

一定以上であれば、押圧位置の移動方向を判断基準として詳細情報である文字を確定し、

確定された文字入力されることを特徴とする、文字入力システム

ざっとみて語尾がシステムなのと、アルファベットとの切り替えができること、また配置に隙間がない(他の一次キーの上に二次キーを即座に表示)あたりがあたらしいか

ハナビ

請求項1】タッチパネルへの複数キーの表示手段と、表示したキーの1個に5個のかな文字を順序づけて対応させるキー定義手段と、操作開始時の操作点の座標と各キーの表示領域とを対比して選択されたキー認識するキー認識手段と、操作開始点に対する操作点の移動方向とキー定義された文字の順序とを関連づけた順序定義手段とを備え、操作開始点の座標に基づいて五十音配列の行を選択し、操作開始後の操作点の移動方向に基づいて五十音配列の段を選択することを特徴とする、かな文字入力装置

クソ弁理士に頼んだか、自分で書いたのかな…… 

iPhoneって電話から入力装置じゃないんだよなぁ せめて入力可能な端末装置かにしろ(いや電算機系の基準がそのころおかしかくてモノ特許しかうけつけなかったとか事情がありそうだけど)

これならいくらでもApple日本への課金から逃げることができるように見えるぞ

拡大補正はあとからできないしめんどうだから捨てたのかな

から包袋とりよせるかくりはらきよしにきけっていっただろが

 

ここから個人の感想ね(上もだけど)

まあ日本法制度って『一人、本当の犠牲者がでてから、「ほらみろどんだけデカサカナを失ったか」ってあげつらって反省立脚して法改正させる』が多すぎるんだよね

AIの推進派は「和製グーグルがないのはなぜだ」が合い言葉だった(けどAIも結局日本はもうけ<被害)し、

ファイル交換も、堀えもんも。たまごっちとかも。

そういうのが「地道」で「堅実」なんだろうけど損してるよなぁ

hanabiもうまくやったら小川の上をいけていたかもしれないけど、

学者さんやらITさんってそういうのヘタなんだよなあ。

(いや特許庁の基準おかしかった?

それもロビー活動しておくべきだったんじゃないかな)

まあオレもいざとなったらウシジマくんなみの活躍ができるかっていうと、

巨大企業法務部なみの経験値がないと(あっても)無理だけど。

そういう意味では小川ファウルに見える玉でもちゃんと拾いに行って費用と手間暇かけて特許にして、

日本国益被害の拡大をふせいだんだから手柄をみとめればいいじゃんとおもう

その後でたハングルキーボードも基本特許お金はらってるのかな

Permalink |記事への反応(1) | 20:58

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2025-10-26

anond:20251026114016

自民党議員わずかな金でも平気で売国するって学者の人が言ってたで

Permalink |記事への反応(0) | 11:47

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2025-10-21

anond:20251021115236

みんなで貧乏になろうって左翼学者常套句だよね

自分はい生活してるくせに

Permalink |記事への反応(1) | 11:59

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2025-10-20

弥助の剣技より斬れ味高い

曼珠沙華さん、あなた反論を拝見しました。Grokか私のどちらかが嘘をついているといいつつ、藤木先生議論にも反している私が嘘つきとの論陣を張っておられますね。ところでお聞きしたいのですが、あなたAIの回答が正しいと思って、ぶつけてこられたということでよろしいですね?では、私から疑問を提示させていただきますAIが論拠とする事項についての疑問を提起します。

黒田基樹戦国期の貨幣経済』(吉川弘文館2007年)なる著作実在しません。

永原慶二『近世武家経済史の研究』(有精堂、1969年)なる著作実在しません。

③『甲陽軍鑑』(天文・永禄期)家臣の禄高を石単位俸禄)で記すが、下級者には「扶持若干石」と明記とあるが、そのような記述存在しない。『甲陽軍鑑』には貫高で禄高を記すのが原則。いったい何巻に記述されているのかさっぱりわからない。見つからない。

藤木久志戦国社会史論』(東京大学出版会1975年)に「扶持を「俸禄現物化初期形態」とし、土地喪失時の代替として用いられたと指摘。総俸禄10-20%が扶持形式だったと推定される」との記述存在しない。この課題に最も近い「大名領国の経済構造」「知行制の形成守護職」にもこうした論述は見当たらない。念のため、この著書は1974年刊行である。いったい1975年刊とはどういうことか。曼珠沙華におたずねしたい。

佐藤信淵研究(『戦国大名軍事経済』、吉川弘文館1995年とあるが、そのような著作存在しない。そもそも佐藤信淵江戸時代後期の学者なのだが、なぜ1995年に著書が刊行されているのかさっぱり理解できない。ちなみに同姓同名戦国期の研究者がいるとは聞き及んでいない。

平井上総の『戦国領主層の研究』(高山寺書店1980年)だが、このような著作存在しない。そもそも私の知る平井上総氏は1980年まれのはず。生まれたばかりの新生児がこのような著書を書いたとはノーベル賞どころの話じゃないね曼珠沙華さん、この問題にどう回答するの?

五味文彦1947年まれ東京大学教授名誉教授)は、戦国期の民衆史・武士社会を専門とし、『もう一つの戦国史』(岩波新書2000年)や『戦国合戦社会学』(中公新書2015年)とあるけど、ぜんぶ実在しませんよ。このような著作があれば、私が知らないわけない。念のため、五味先生1946年まれですけど、別人なのですね?曼珠沙華さん、返答してくださいね

⑧「現代日本史学における定説と受容状況」に記述されているデータは、すべて根拠がないか実在しませんよ。曼珠沙華さん、あるというのなら、しっかりとその出典を明記して提示してください。

以上です。曼珠沙華さん、あなたはこんないい加減なもの鵜呑みにして、私をこきおろそうとしていたわけです。AIを丸投げして、私が間違っていると言った以上、この記述を信頼できると考えた根拠をすべて掲げ、私に提示してください。私はすべて提示しましたよ。あなたは自信満々で、誠実な人間なのでしょ?さぁ、私にしっかりと回答してもらいましょう。逃げるなよ。https://t.co/XDgKWKIIEP— K・HIRAYAMA (@HIRAYAMAYUUKAIN)October 19, 2025

Permalink |記事への反応(0) | 16:09

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2025-10-14

anond:20251014154224

から別に勉強はしてなくて初学者コンテンツになんか適当評論つけてただけだけどな。

個別の題材に合わせることすら億劫になって一生同じこと言えるコンテンツに住み着くようになった

一種水戸黄門だよ

Permalink |記事への反応(0) | 15:44

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チ。 の時代地動説を唱えて異端審問で死刑になるはおかしいって話はよく聞くけどそれは解決済みじゃなかったっけ

「チ。」が15世紀の話だと分かってきたとのことですね。15世紀舞台地動説を唱えることが異端審問で死刑につながるという設定について、史実を基に検討してみましょう。

15世紀歴史的背景



###異端審問と死刑史実

### 「チ。」の設定と史実のズレ

###結論

15世紀舞台地動説を唱えることが異端審問で死刑につながるという設定は、史実を考えるとおかしいと感じるのは自然です。15世紀には地動説議論対象として浮上し始めたものの、教会がそれに対して死刑を科すほどの厳しさを持っていなかったためです。「チ。」がこのような劇的な展開を描いている場合フィクションとしての誇張や、近世特にガリレオ事件)の文脈投影している可能性が高いです。科学史家の批判投稿で指摘されている「近世」の文脈)も、この時代錯誤が背景にあると考えられます。もし作品意図的史実を逸脱しているのであれば、フィクションとしての自由度享受しているとも言えますが、歴史的正確さを求める視点から違和感が残るでしょう。

Permalink |記事への反応(0) | 08:52

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2025-10-13

anond:20251012163656

物価問題が最優先であり、それをどうにかできれば支持は上がるだろうけど、正直高市だろうが玉木だろうが他の誰かだろうがどうにもできないんだろうなという諦めがある。

どうにかできるなら石破がとっくにやってたろうけど、2万円配るだの配らないだのの場当たり策しか出てこないんだし。

政治家学者もまともな名案は出せてなくて、出てくるのは怪しげな連中の、実績もない脳内経済理論ばかりだし。

Permalink |記事への反応(0) | 08:31

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2025-10-12

anond:20251012092806

増田ほとんどは政治家でも官僚でも学者でもないし政策の話しても人生に何の影響もないやでしかし…😟

Permalink |記事への反応(0) | 09:38

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anond:20251012011952

天皇戦争責任」を云々することは、東京裁判サンフランシスコ平和条約否定につながり現在日本否定することにつながるわけだけど、賢い増田くんはそれも理解しているんだよね。じゃあ増田内閣総理大臣だったとして、つまり、「日本国憲法を掲げる現在日本内閣総理大臣」として、あれ以外にどういうコメントを出せるのか、出すのが適当か、説明してみてほしい。

もし君が学者ならね、ただ真実にのみ従えばよい。責任自分一人が負えばよい。

彼(石破)は政治家だよ? 

なんでそんな話するかというと、増田くんが「教科書に載せるべき」というコメントあきらかに誤解しているからなの。

あのね、「教科書に載っている」ことは「正しいとされている建前」なの。真実ではないの。「真実とすることにみんなで合意したこと」なの。社会必要な「一般常識」ってそういうもんなの。

から大学に行って「学問」の世界に入ると、「高校までの教科書では~って習ったかもしんないけど、それウソから」って言われるんだよ。その意味で「教科書」に書くのは石破演説の内容であるべきなの。歴史を前提として、今ある日本の形を踏まえて「こう考えるべき」とされる一つの形を穏当に提示しているの。だから教科書に書く」内容として、少なくとも歴史を踏まえない昨今のうわ言とは比べ物にならないくらい適しているの。

もちろん、それが「真実のものではない」ということぐらいはみんなわかってるの。それが分かってないのが増田くんなの。

Permalink |記事への反応(0) | 08:15

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2025-10-11

連立離脱

なぜかマスコミが報じないのは、結局自民党選挙公明党をいいようにつかっていたことだ。

そんでもって高市総裁応援団と思われるネットでの公明党へのきたない投稿あれこれはなんなんだ、ということになっていると思う。

ネットでのへんちくりんな投稿いかにひどいかを報じなければ創価学会のひとたちがどれだけ傷ついているかはわからないでしょう。

当然宗教のひとたちは世間から非難されるとそこで固まるということもあるので、変に自民にくっつくよりも、ここは、共産党と同じく筋を通す集団としてやっていくほうが、ずっといい、という判断ではないでしょうか。

聖教新聞などでどういう論調なのかもネット学者などのコメントにもまったくないのは不満なところですねえ。なぜ?

Permalink |記事への反応(0) | 07:47

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2025-10-10

訳アリの子就職指導をしていた


かつて公立高校教師をしていた。何年も前に辞めて、今は別の教育業に従事している。その頃の思い出が脳裏によぎることが最近よくある。どこかで書いたら心の整理がつくのではと思った。

なお、この日記身バレ防止のために、ChatGPTにお願いして文体を変えている。鼻に付く文章があれば申し訳ない。

これから書くのは、最後に赴任した高等学校でのことだ。実は普通高校ではない。訳アリの子が通うための高校だった。

いわゆる、事情がある子というのがいて、全日制の高校に進学するとか、通い続けるのが難しい。そういう子が通うための学校である。仮にポジティブ学園としよう。

3部制を採用していて、午前・日中夕方以降の3つのから自分にとって都合のいい時間帯を選んで履修できる。早い子だと、普通高校生のように3年で卒業する。

制服私服か、自由に選ぶことができる。アルバイトができるし、メイクピアスも全て大丈夫。髪染めもOKで、ピンク青髪学校に通う子もいる。

ここに来る前、私は全日制の高校にいた。地元では人気のあるところだった。毎年冬にある推薦入試の倍率は20倍を超える。そういう学校である人口だと約40万人が在住する地域だったが、その中でもトップに近いところだった。

真面目な生徒たちに囲まれてたと思う。彼らは偏差値の話もしていたけど、それ以外にも部活動とか友達との交流とか、文化祭体育祭など、とにかく人としての「生きる力」というか。そういうのに溢れていた。

当時の私は、まだ30代のヒラ教師だった。それが高校生のあるべき姿だと思っていた。学業が一番で、余った時間部活動その他の自己を高める活動に取り組むのだ。

だが、ポジティブ学園に赴任して、現実を思い知らされた。自分がこれまでに教えてきた生徒らは、いわゆる上澄みというやつだった。毎日学校に通学して、学業部活動趣味に打ち込むことができる時点で、高校生としては相当できる方である



今でも思い出す。ポジティブ学園に通う生徒らは……教室の隅でうつむく子や、理由をつけては学校を休む子。授業など聞く気すらない子、授業中に堂々を飲み食いする子。なんというか、彼らには当時の県教委が教育の柱としていた理念ひとつ、「生きる力の醸成」が通用しなかった。

そうした生徒たちに、私は何もしてやれなかった。何をしたらいいのか分からなかった。ただ毎日教科書に従って授業を進めるだけ。彼らに対して指示や指導をすることはあったけど、そもそも内容を理解できてるかも怪しい。

一応、入学試験はあるのだが、実質的に全員合格させるスタイルだった。普通高校に行けない子――そういう子のための最後の受け皿としての役割を、ポジティブ学園は担っていた。

最初に話したとおり、ここは「訳アリの子」が通う学校である不登校経験者とか、昼間は家業を手伝う子とか、家計を支えるために夜働いている子。様々な事情を抱えて、全日制のレールから外れることになった生徒たちが、自分のペースで学び直す場所だ。

赴任の初日、当時の校長は私に言った。「ここは、生徒たちが『それでも学びたい、高校生をしたい』と選んでくれた場所です。先生の役目は、彼らの気持ちを全力で応援することです」ってさ。

さっきと矛盾するようだが、生徒たちはひたむきだった。普通高校生と一緒で、やる気のある子はいるし、そうでない子もいる。昼間の授業中、うるさい教室の中でも真剣ノートをとる生徒とか。放課後になると、「じゃあ働いてくる~」といった感じでアルバイト先に向かう子もいた(ほぼ金髪の子だった)。

夜間部教室だと、疲れ切った顔で教科書と向き合う生徒もいた。全日制の「普通」とは違うけれど、彼らには彼らの「普通」があった。

赴任してから次の年度、就職指導担当することになった。人生経験である。私は民間企業で被服の営業仕事をしていた。泥臭い仕事を約十年やっていたということで、白羽の矢が立ったのだと思われる。

通信教育高校教諭の免状を取った

これまでの学校では就職する子や、専門学校に行く子は稀だった。仮にいたとして、実際なんの指導必要なかった。受け入れ先の企業も「なんでこの学校の子が……」といった顔パスに近い扱いだった。

此処では、むろん一筋縄はいかない。

履歴書の書き方一つとってもそうだ。社会人でいうところの空白期間不登校だったとか、全日制の高校を中途退学したとか、中学卒業してからフリーターだったとか、あるいは何もしてなかったとか。

そういう経歴を書く場面になると、彼ら彼女らは詰まってしまう。無理もない。これまで何度も、そのことで心を痛めてきたのだから

私は履歴書を読み直す度に、「君の経験無駄じゃない。乗り越えた証拠なんだ。学校、来てるじゃないか!」と声をかけた。最初は疑いの眼差しだった生徒たちも、次第に心を開いてくれるようになった。心を開いてくれない子もいたけど、それは致し方ないのだ。

私は教師から、「いつかは通じるはず。別に今じゃなくても、数年後だっていい」と思って就職指導をした。



秋のある日。就職関係イベントがあった。「○○圏域 企業学校交流会」みたいな名称だった。これは、企業学校大学専門学校高等学校専修学校その他もろもろ)のそれぞれの担当者が各ブースで話し合いの場をもつというものだ。

企業から採用担当者が、学校から就職支援担当者が出席する。参加団体企業だけでも100社を超えていた。学校からは、その地域学校という学校はほぼすべて出席していた。

ここに、私と校長の2人で出かけた。目的は、企業の方々にポジティブ学園を知ってもらうこと。うちの学校にはただでさえ偏見が多い。少しでも解きほぐす必要がある。

たくさんの企業ブースが立ち並ぶ中、それこそ時間が許す中、多くの企業ブースに足を運んだ。校長自らが話をしていた。約十分ごとに挨拶から始まって、学園の概要説明、どういう子がいるかや、これまでの就職実績など。

そして、いつも最後に、「わが校には、難しい状況にある子が通っています。それは事実です。そういう状況でも、彼らは自分の道を切り開く努力をしています面接の際に見かけましたら、どうぞよろしくお願いします」と相手企業に伝えるのだ。

企業の反応は……まあ、社交辞令みたいな感じだった。「わかりましたよ、でもうちの会社採用対象かどうかはねぇ」という表情だった。

そういう反応になるのも無理はない。ポジティブ学園は、県道沿いの大きな平地にある。昔は地域伝統校が鎮座していた。少子化で別の学校合併になり、校舎が空いたところに県教委がポジティブ学園を創設した。

例えば、毎朝の登下校時、いや昼以降の登下校時でもそうなのだが……校舎前の県道には、ダボっとした私服で、髪を染色していて、ひと昔前の不良漫画(今時でいうと薫る花は凛と咲く)の雰囲気を漂わせた未成年闊歩している。初めてその光景を見る人からすると、「そういう高校なんだ……」という感想になる。

から企業担当者がうちの学校に対してそういう態度になるのは、ある種の必然だと思っていた。偏見を持たれてもしょうがないって、当時30代半ばだった自分は感じ取っていた。

そうでない企業もあった。社交辞令とかじゃなくて、真剣こちらの話を聞いてくれる。というか、むしろ聞きたいという恰好で話に臨んでくれる。

半導体装置を作っている会社がそうだった。その時も、校長は満面の笑みで相手方の採用担当者に熱心に話をしていた。

「○○さんは、福山代表するハイテク企業でいらっしゃる。我が校にも理系の才能を持つ生徒がたくさんいるんです。どうか、偏見なく見てやってください」

そしたら採用担当者は、少し戸惑った表情になって、「私達を馬鹿にしないでください。もちろんですよ(^^)」と答えてくれた。



それから数年か後のこと。ポジティブ学園の進路実績だが、創立当初からずっと変化はなかった。大学学者だと地元にある限りなくボーダーフリーに近いところか、地元専門学校地元民間企業だった。そもそも、ここまでたどり着ける子自体が少ない。入学した子のうち1/3以上は中途退学してしまう。

その年のことはよく覚えている。3年生に1人の生徒がいた。名前は仮にケンタとする。プログラミングが好きな子だった。授業中も休み時間も、ずっとPCの画面とにらめっこしていた。授業中にも堂々と副業的なことをしていたが、単位は取っているので見逃していた。

ケンタは、数学情報処理の成績が抜群だった。数学問題でも、いつの間にか自分勝手アレンジして、勝手問題を解くようなプログラムを組んだこともあった。

それを友人に共有しようとしたが、難しい様子だった。能力・興味的な部分もあるし、自分だけのノートPCを持ってる子が少ないのもある。

ケンタ中学校の時は不登校だったらしい。原因は、特定の誰かからいじめられたわけではなく、「教室という空間がなんか違うと思った」からだと言う。

大人だったら「息苦しい」ということになるのだろうか。全日制の高校には行きたくないと、自らこの学校を選んだ。

私は、彼の才能を埋もれさせてはいけないと思った。彼とは幾度となく話をしたけれども、ただ生きにくい性格であるだけで、才能はあるのだ。

私は就職戦線が始まる直前にケンタを呼んだ。「この会社を受けてみないか?」と誘ってみた。さっき上の方で話した半導体装置会社である半導体以外にも、ディスプレイ機械制御装置も手がけていた。

当時はローカル企業だったが、それでも市内で知名度はあった。

ケンタは驚いたような、呆れたような様子だった。「知らない会社ですけど、半導体には興味ありますけど、無理だと思います」と言ってた。

「お前はできる。この会社理系の才能を求めてるし、才能を正当に評価してくれる」

と言うしかなかった。実際、私の出身地域では評判の高い企業だったし、2025年現在では全国的知名度のある企業にまで成長している。

強引に進めるしかないと思った。何しろケンタ卒業後の進路を決めてなかった。とりあえず先延ばしにしている印象だった。

そこで、ケンタをどうにか説得して、彼の履歴書添削して、推薦状も書いた。履歴書には、不登校だった過去も、ポジティブ学園を選んだ理由も正直に書かせた。彼のプログラミングに対する情熱を備考欄にこれでもかというほど書き連ねるようにした。

面接練習ときケンタは口ごもることが多かった。相手の目を見て話すことが苦手だった。コミュニケーションが苦手なタイプ。正直、公式な場での会話が難しい子だと思う。

けれど、たどたどしい感じになっても、自分の思いはちゃんと伝えてくる子だった。

大丈夫だ。プログラミングの話になったら、お前はきっと大丈夫

AtCoderで最高位に近い色だった

私はそう言って、彼を送り出した。自分には確信があった。あの会社は、肩書き学校名じゃなくて、実力で人を判断する会社だと。あのイベントの時、うちの校長言葉に耳を傾けてくれたんだって



約一か月後、職場電話がかかってきた。あの会社採用担当からだった。胸がざわついた。

以下、話の内容である言葉の感じも、当時の手帳を元に大体そのままにしてある。

「あの、ケンタ君の件で、社内で検討を重ねた結果、今回は採用を見送らせていただくことになりました」

「なぜですか?」

プログラミングスキルは、正直高いです。うちの主任技術者も高く評価しました。ただ……」

 ※この時私は、苛々とともにペンをカチカチしていた

「ただ、入社後のサポート体制を考えた際にですね。彼が当社の環境に馴染むことができるか、という点に懸念が残りました。不登校経験があるということも、正直に申しまして、入社後のメンタル面のリスクを拭い切れませんでした」

「それは、偏見ではないのですか?」

言ってしまった!と心の中で後悔した。先方の声が少しだけ硬くなった。

「そう言われても仕方ないかもしれません。しかし、会社事情があります。我々もギリギリまで議論を重ねました。安易気持ちで彼を採用して、もし彼が再び辛い思いをすることがあれば、それはお互いに不幸です。今回は本当に申し訳ありません」

電話が切れた後は、多分……しばらくボーっとして、職員室の椅子に座ったままだった。

あの時はこう思った。やっぱり、ポジティブ学園の子はそうなんだ。どんなに才能があっても、過去レッテルから逃れられない。あの日イベントで抱いた期待を裏切られた気がした。

だが、その後の日々で、冷静になって考えてみた。

採用担当者の言葉に嘘はなかった。彼らは、私が抱えていた不安を彼らなりの言葉で伝えてくれただけだ。

採用すれば良いというわけじゃない。無理に引き受けて、彼の心の傷をさらに深くしてしまうかもしれない。

そう考えたとき、彼らの不採用という決断は、ある意味、生徒のことを真剣に考えてくれた結果なんだと思った。

しろ偏見だと決めつけて、彼らに向き合わなかった私の方が……傲慢だった。

ケンタ不採用の知らせを伝えると、しばらく沈黙が続いたっけ。

「そうですよね~僕みたいなのが、あん会社は無理ですよね」ってケンタが言うと、心にグサッときた。

「ごめん」としか言えなかった。生徒に謝る事態なんて、教師として三流以下だと思った。



ここまでがポジティブ学園での思い出であるそれからケンタは、遠方にあるコンピューター専門学校に進学した。私が様々な方向性提案して、ケンタと話をした結果、彼が自ら考えて決断したのだ。

ケンタ高校卒業して、何年もの月日が経った。最初のうちは、メールで年に何度か近況報告をもらうこともあった。プログラミングがやっぱり楽しくて、大会にも出場しているといったことだった。

やがて、やり取りをすることもなくなった。それは彼がナニカに集中するようになったからでは、と心の中で期待していた。やがて、ケンタのことを思い出すこともなくなった。

ある日、一通のメールが届いたのだ。ケンタから。内容は、就職先の内定のことだった。「報告があるのですが、○○(※あの半導体会社)に内定をもらいました」という端的な文章だった。

「うわっ!」と、思わず声を上げてしまった。その端的な文章の下に、いろいろと書き連ねてあった。彼らしく、無駄が一切ない文面だった。

要約すると、専門学校就職インターンシップに申し込む際、事前説明会があったとのこと。参加した時、人事の方に「ケンタ君だよね?ポジティブ学園の」と声をかけられたという。

「あの時の採用担当者の方が僕のことを覚えてました。『あの時よりも自信に満ち溢れている』って言われました。」

メールを読みながら、涙が止まらなかった。

専門学校で、僕はプログラミングスキルだけじゃなくて、コミュニケーション能力も、人との関わり方も学びました。飲食店アルバイトしました。おかげで、あの時よりも、面接自分言葉でしっかり話すことができたんです。あの時、もし会社に受かっていたら、僕は挫折していたかもしれません。…(中略)…でも、先生が僕の可能性を信じてくれたから、僕を諦めなかったから、頑張ることができた。本当に、ありがとうございました」

キーボードを触りながら、返信しようと思いつつも、手が震えてうまくできなかった。

私はあの時、半導体会社偏見判断した。ポジティブ学園の子から、そういう目で見たんだろうって。そして、生徒の可能性を信じきれず、不採用という結果に囚われた。

でも、本当にケンタに向き合ってくれたのは、彼らの方だった。再認識させられた。成長したケンタを、あの人達は今度もまたちゃんと見て、採用という判断をしてくれた。それだけだ。



ここで結びにする。

あの学園にいた時は、生徒たちの「訳アリ」の部分に目がいってしまうことがあった。でも「訳アリ」なのは過去物語によって起きた結果にすぎない。彼らは皆、自分人生を懸命に生きている。できる子がいたし、できない子もいたけど、未来に向かって進もうとしていた。

私はもう学校教諭ではない。けど、あの頃は就職指導先生としてだけじゃなく、人として彼らの未来を信じて背中を押し続けたつもりだ。

自分応援団のひとりに過ぎないと思っていた。でも、応援された生徒は、やがて自分未来のことを考えて、切り開こうとチャレンジする。そういう人になってほしいと願っていた。

今は、別の形ではあるけど、若い人にものを教えている。学校と違って、純粋に実務上の知識技術を教える仕事である

これからも、誰かの未来応援し続けようと思っている。それが、訳アリの子就職指導をしてきた、自分にできる使命なんだと思ってる。

Permalink |記事への反応(2) | 20:45

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政治の話で熱くなってる人を見るたびに、敗戦国国民が何言ってるんだろう、所詮戦争に勝った国の傀儡なんだからせめて学者になったりする方が生産的なのにと思ってしま

Permalink |記事への反応(1) | 17:53

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2025-10-09

anond:20251009195502

茂木良平(人口学者/少子化研究者)


不本意未婚に着目している点は荒木和久と似てるんだけど

彼と違ってミソジニー色が薄いのは良いな

Permalink |記事への反応(0) | 21:01

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anond:20251008145920

論文って実は大学人じゃなくても投稿したり発表したりできるから、気が向いたら下みたいな学会を覗いてみてもいいかも。アイデア段階でひとまず口頭発表をして、そこで受けたフィードバックをもとに論文にしてって人が多いはず。年に一度は大会もやってるよ。たぶん参加自体は非会員でもできて、行ってみて合いそうなら入るくらいでいけると思うよ。

日本デジタルゲーム学会

https://digrajapan.org/

表象文化論学会

https://www.repre.org/

もちろん学者が読むのだけが論文ではないから、ブログで公開しても同人誌で出してもいいんだけどね。

Permalink |記事への反応(0) | 00:58

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2025-10-07

言うほど高市早苗ってフェミニストから叩かれてるか?

著名な学者はどうだか知らないが、ネットで目立つフェミニスト人達高市早苗に対して割と好意的だよ?

例えばこういうの。

藤井セイラ

@cobta

ガラス天井じゃなくて「ガラスの崖」という言葉があって、誰がなってもダメそうな状況でトップ女性がつくことが多いことを指します。成功兆しがあるときには女性にイスは回ってこない。お先が暗いとき女性トップになり、挽回できれば儲け物。失敗すればやっぱり女じゃダメだと降ろされます

https://x.com/cobta/status/1974478983195693296


はなびら葵

@hollyhockpetal

でも「高市総理」も、ガラスの崖案件ではあるんだろうな…。どうやっても悪い方にしか転ばないところに配置される、じゃあ人気取りに女を配置しとこうか、責任取らせるために、の女性起用。

https://x.com/hollyhockpetal/status/1974376220088520965

珈音(ケロケロ)

@gohstofcain

あと「女性初」であるのはただの事実だし、それが強調される程度にインパクトがある出来事なのも事実なわけで、自分が気に入らないからと言って、そこにケチつけるのも変だと思う。私も高市は好きではないが、男なら言われないことを随分言われていて、「こんな社会から女性初が高市なんだよ」と。

https://x.com/gohstofcain/status/1974425459845927045


あかさた納豆

@FmwSj1lveZfrE8a

高市のことはよくわかんないが、ものすごい叩き上げの人っぽいし自分意見が合わないからって「女性初の、と言うな」はわけわかんないな。

https://x.com/FmwSj1lveZfrE8a/status/1974990762204123577

貝柱茜

@mayuri20230629

名誉男性首相になったのでは無意味なのか?本当に?」の答えはここにあると思う。男女雇用均等法第一世代が通った道は、「女性がそこにいること」を周囲が当たり前と受け入れるステップだった。

https://x.com/mayuri20230629/status/1974803237250228726

カステラ

@castellabolo

以前の「男性同様に働きたくないは負け犬全開」論議の際、「名誉男性はその本人個人に利するだけで男女格差解消には利していない」という大意のポストをいくつか見た時も思ったことですが。そこに女性いたことがないのと、一人でも一度でもいたことがあるのとでは大きな違いがあるんです。

https://x.com/castellabolo/status/1974597725489688734

フェミニストといっても一枚岩じゃないんだから、全員の意見完全に一致する訳じゃないんだよ

Permalink |記事への反応(1) | 14:32

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YouTuberというかテレビ発言してる学者さんって、みんな所属を変えてるよね。そうだよね。だいぶ流動化してる?博士卒の人材が足りない?博士後期課程って今や留学生しかまらないって話もあるよね。そんな噂話が飛び交ってる感じだよね。

https://youtube.com/shorts/qxi9SP8s0U4

Permalink |記事への反応(0) | 12:11

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2025-10-06

anond:20251006100415

その中で政治家縁故じゃない蔡英文富豪の家に生まれ父親の勧めで米国英国留学して学者から政治家に転身した人なので。

女は短大でええ、大学行くなら家から通える所、という家に生まれバイト学費を稼いでいた身から一国のトップになる(見込みの)高市さんはまさに立志伝中の人だな。

Permalink |記事への反応(0) | 23:45

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円安で円の価値ガーって金融緩和政策批判してる奴にまともな経済学者はひとりもいない。

ほぼ左翼活動家崩れの自称学者ばっか。

金の流れを活発化させてインフレさせて円の価値が多少落ちても却って国際競争力は上がってるわけで。

左翼数学を嫌うのは昔からだけど、経済くらい勉強しろよ。

それとも全部わかっててデマ流してるならもっと悪質だな。

Permalink |記事への反応(0) | 17:46

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2025-10-05

ガラス天井と裸の王様モチーフAI小説を書いてもらった

###高潔なる天井

####第一章:仕立て屋の憂鬱

日本初の女性総理大臣誕生する、その歴史的な前夜。社会学者東山教授は、自室の書斎で苦虫を噛み潰したような顔をしていた。テレビ画面の中では、次期総理の座を確実にした、天城(あまぎ)るり代表が、勝利宣言で満面の笑みを浮かべている。

「天城さん、初の女性総理として、長年この国を覆ってきた『ガラス天井』をどう打ち破りますか?」

記者紋切り型質問に、天城はマイクの前で小首を傾げ、悪戯っぽく笑った。

天井申し訳ありませんが、わたくし、上ばかり見て走ってきたので、道中に天井があったことには気づきませんでしたわ。そもそも存在しない壁や天井の話をするのは、もうやめにしませんこと?」

その瞬間、スタジオは凍りつき、SNSは沸騰した。そして、東山教授の堪忍袋の緒は、見事に切れた。

愚か者めが…!」

東山教授は、長年にわたり日本社会に蔓延る、見えない構造差別」としての『ガラス天井』を研究し、その存在を説いてきた第一人者である彼女にとって『ガラス天井』は、単なる比喩ではない。それは彼女学問のすべてであり、彼女自身が丹精込めて織り上げた、知的で高尚な、しかし目には見えない「至高の御衣(ぎょい)」だったのだ。

この御衣の存在理解できる者こそが、現代社会知的エリートであり、ジェンダー意識の高い「わかっている人間」。逆に、これが見えない者は、時代遅れで、差別的で、救いようのない「馬鹿」なのである

それなのに、天城るりという女は、その御衣の存在のものを、国民の前で一笑に付したのだ。まるで、裸の王様を指さす無邪気な子供のように。いや、子供より性質が悪い。彼女は、圧倒的な実力と国民の支持という「権力」を持って、それをやってのけたのだから

彼女は家父長制に取り込まれた『名誉男性』に過ぎない。天井が見えないのではない、見る能力思想がないのだ」。

東山教授はすぐさまメディアコメントを発表し、取り巻き学者コメンテーターたちも一斉に同調した。彼らは、来る日も来る日も、テレビ新聞ネット上で「ガラス天井」という御衣の素晴らしさを語り続けた。

「この緻密で複雑な構造が見えないとは、なんと浅はかなことか!」

「天城総理成功は、天井に偶然空いた小さな穴をすり抜けただけの例外だ!」

「我々『賢い人間』には、その透明な天井がはっきりと見えているのだ!」

彼らは、自分たちけが見える高尚な天井画を、互いに褒めそやし続けた。

#### 第二章:パレード野次

天城るりが総理大臣就任し、組閣は驚くべきスピードで進んだ。能力主義を徹底し、性別や年齢、派閥など一切関係なく、適材適所人材を抜擢していく。彼女政策は明快で、実行力に満ちていた。国民支持率は、うなぎのぼりだった。

そんな中、東山教授とその一派は、国会議事堂の前で奇妙なデモ計画した。プラカードにはこう書かれている。

天井はここにある!』

『見えないからって、無いわけじゃない!』

『我々の知性を無視するな!』

彼らは空に向かって指をさし、「見よ、この分厚く、冷たいガラス天井を!天城総理あなたにもこれが見えないのか!」と代わる代わるシュプレヒコールを上げた。しかし、道行く人々は、何もない空を指さして熱弁をふるう一団を、ただ不思議そうに眺めるだけだった。中には、不審者を見るような目で、足早に通り過ぎていく者もいた。

「どうして見えないのだ、この愚民どもには!」

東山教授は苛立った。彼女が何十年もかけて織り上げてきた、世界で最も高尚で、最も知的な「見えない御衣」が、誰にも理解されない。それどころか、天城総リは、そんな騒動を意にも介さず、外交に、経済政策に、次々と目に見える成果を上げていく。

国民は、もはや空虚天井画には興味がなかった。彼らが見たいのは、自分たち生活が良くなるという、具体的な未来予想図だった。

####最終章王様の新しい服

就任後、初の所信表明演説の日が来た。国民の注目が、官邸から国会へと注がれる。東山教授も、テレビの前で腕を組み、天城がいつ「天井」の存在言及し、自分たち知識人謝罪するかと待ち構えていた。

壇上に立った天城るりは、朗々と、しかし力強く語り始めた。経済外交社会保障。具体的な数値と計画を伴った演説に、野党からさえも感嘆の声が漏れた。そして、演説最後に、彼女はふと笑みを浮かべ、こう言った。

「さて、一部の賢明な方々が、わたくしが打ち破るべき『天井』の存在について、大変ご心配くださっているようです」

議場がざわめいた。東山教授テレビにかじりついた。

「その方々が仰るには、わたくしには見えていないだけで、この国の空には、それはそれは分厚いガラス天井が広がっているのだとか。そして、それが見えない者は、愚か者なのだそうです」

天城はそこで言葉を切り、満場の国会議員と、その先にいる全国民に向かって、堂々と宣言した。

「ならば、わたくしは、喜んで愚か者でありましょう。わたくしには、見えない天井を見上げて嘆いている時間はありません。わたくしが見ているのは、天井の先にある、この国の未来です。国民一人ひとりの、笑顔です」

彼女は両腕を広げた。

「皆様。存在するかどうかもわからない天井の話は、もう終わりにいたしましょう。それよりも、わたくしが仕立てた『繁栄』という名の新しい服を、共にご覧いただきたい!」

その瞬間、割れんばかりの拍手が議場を包んだ。それは、もはや誰にも止めることのできない、新しい時代ファンファーレだった。

テレビの前で、東山教授呆然と立ち尽くしていた。彼女が心血を注いで織り上げたはずの「至高の御衣」は、いつの間にか、誰の目にも見えないどころか、誰の記憶にも残らない、ただの空気に成り果てていた。

王様は裸だ…」と叫んだのは誰だったか。いや、そもそも王様などいなかったのだ。いたのは、自分の仕立てた服こそが最高だと信じて疑わなかった、時代遅れ仕立て屋だけだったのである

Permalink |記事への反応(2) | 10:39

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anond:20251004160446

増田家秘録嘉永六年(1853年)秋

拙者、増田と申す、齢二百年に及びし者。江戸末期、嘉永の世に生まれ、下級武士の身ながら、洋学に志し、奇縁により不老の術を得て、現代に至るまでITとやらなる術を操りし者也。されど、この胸中、開国の風に始まり現代電脳世界に至るまで、騒乱の波に揺れ動く。

異国の地にて洋学電脳術を学ぶ

十余年前、否、百七十余年前、嘉永の世に、拙者は異国の地にて洋学を学び、後にITエンジニアと呼ばれる職に就きし。黒船浦賀に現れ、幕府が動揺せし頃、洋学日本未来を照らす光と信じられ、蘭学書は江戸の書肆に溢れ、若者たちは競って西洋の術を学んだ。拙者もまた、サンフランシスコロンドンユダヤの地を巡り、蒸汽機関電信の術を修め、さらには現代電脳術に至る。

当時、日本洋学東洋の雄として名を馳せ、諸藩の若者がわが国の術は世界に通ずと誇りし時代也。拙者もまた、若さに任せ、浮世絵歌舞伎、そして現代に至るアニメゲームに心奪われつつ、洋学電脳術の力を信じ、同志と語り合った。されど、異国の地にて出会いし師、ユダヤ出身の老練な技術者、その言葉は拙者の心に突き刺さる。

「これまで見てきた日本の学徒は、みな洋学電脳術の知識こそ重要と口にする。拙はそう思わぬ。それはまるで、浄瑠璃物語を盲信するが如き也。電脳術に必要なのは、筆力、すなわち母国語での読み書き、対話、人の心を掴む力也。少なくとも、術を世に広め、商いや国政に活かすには、こその力が肝要。されど、日本の学徒にそのような者を見たことがない。拙は百人近くの日本技術者を教えしが、一人もおらぬ。」

「このような者ばかりでは、日本電脳術は、ある日を境に凋落し、何も生み出せぬ時代が来る。五年後か、十年後か、百年後か。」

拙者、当時、憤りを覚えた。何だ、この異国の老人が!わが国のアニメゲームの魂を侮るとは!と。若さゆえの過ち也。されど、師の周りには、中華商人インド学者西洋技術者北欧船乗りカナダ役人万国博覧会の如き人々が集い、みな師の言葉に頷く。

異国の者たちの言葉

中華商人曰く「算法や機械知識重要とよく言われるが、拙の学んだ場では、そんなことは教えられず。術の根本理解すれば、さような発想は生まれぬ。」

インド学者曰く「この狭き視野日本の弱点也。電脳術の理解不足は、船や兵器のみならず、現代デジタルツインにも影響を及ぼすだろう。」

北欧船乗り曰く「これからの世は、すべて電脳術に基づく。如何に巧みに術を組み立てるかで、国力も民の暮らしも変わる。」

カナダ役人曰く「電脳術についていけねば、国庫も民の暮らしも貧しくなるばかり也。」

拙者、頭に血が上り反論した。さような大言壮語浮世絵アニメ領域にまで及ぶものではない!と。されど、師や同僚たちの目は、憐れみ失望に満ちていた。とりわけ、親しきアメリカ技術者アニメを愛する者にして、こう言った言葉は今なお忘れられぬ。

増田よ、言いにくいが、日本技術者は、世のことに無関心すぎる。拙は日本アニメを愛するが、日本電脳術は、まるで歌舞伎アニメの内輪の興行の如く、閉じた世界に生きている。かつての洋学はそうではなかったやもしれぬ。されど、十年ほど前より、そうなってしまった。」

電脳術を、町人や異国の者に使ってもらおうという謙虚さがない。術の名や道具に女児むけアニメ特撮ヒーローの名をを付けるなど、異国では狂人所業と見なされる。」

日本技術者は、他者不在のまま術を進めているのだ。」

会話は英語ゆえ、拙者が和文に訳して記す。當時は、なぜそこまで言われねばならぬ!と本気で憤った。されど、今思えば、技術者の間に異国の者にわからせる必要なしとする風潮、さらにはアニメゲームの名を術に冠する文化が根強かった。

師の忠告帰国

師は常々、こう申された。増田よ、アニメゲーム以外の趣味を持て。それが拙の唯一の忠告也。

その後、拙者は憐れみの目が耐えきれず、数年学び、怒りに任せて帰国した。されど、江戸の世から現代に至るまで、日本電脳術は鳴りを潜め、西洋列強やGAFAMと呼ばれる巨人の術に圧倒され、名を聞かぬほどになった。

今、巷やXなる電脳寄合では、拙者ややや上の世代がかつてのWinnyは優れていた。されど、幕府や民の無理解により、潰されたと、被害者意識を振りかざす声が響く。拙者、現代に至り、ようやく悟った。拙者は世を知ることを恐れ、ただアニメ電脳術に逃げていたにすぎぬ。それらが面白いのでも、愛しているのでもなく、他に能がなく、生きるために術を学んだだけだったのだ。

予言現実世代凋落

これからの世、拙者のような技術者は淘汰され、電脳の場から追われるだろう。既に、電脳術のみならず、世のことを知る新世代の技術者たちが、拙者が異国で嫌った者たちと同様に、日本でも珍しくなくなった。拙者の世代は、さような者たちを軟派と呼び、憎悪を燃やす者すらある。さような声が、電脳寄合で響く。

師はかつて、こうも予言していた。

日本技術者は、アニメゲームの如き閉じた文化から脱却せねばならぬ。されど、増田世代では、それは叶わぬだろう。」

「内輪に籠り、選民思想を高め合っても、女児向けアニメ特撮ヒーローの名を愛する心を、異国の商人幕府役人理解するはずもない。やがて、内輪に籠ったまま置いてけぼりとなり、他者を責める心のみが残る。その果ては、犯罪者となる道也。西洋では、さような者たちが電脳寄合をなし、辻斬り放火を起こし、世を騒がす。日本の地ではまだだが、いずれそうなる。」

ああ、その通り也。拙者が現代に至り、見るものは、予言の如く也。ある技術者が、娘たちを襲う集団の元締めとして捕まり、世を騒がせた。また、別の者は、幕府ならぬ国の金をかすめ取るスパコン詐欺を働き、獄に繋がれた。さらに同年、拙者と同世代技術者狂気を発し、神戸の町で辻斬りを起こし、刀と鉄棒で五人を斬り殺し、捕らえられた。聞けば、裁判では有名な異世界転生アニメ青髪メイドと契りを結ぶため、哲学的幽霊を斬らねばならぬと喚き、狂気ゆえ罪を免れたという。

数年前には、かつて電脳術の場を立ち上げ、志半ばで潰え、世を恨み、異人を罵る言を繰り返した者が、偽の品を売りさばき、捕らえられた。

予言の通り也。日本電脳術は何も生み出せず、高い誇りだけを抱え、売れぬ術を誇り、世を恨む声ばかりがXで響く。

敗北と悔恨

拙者たちは敗れたのだ。いや、始めより勝負にすらならなかったやもしれぬ。師の忠告が今、響く。拙者たちは、アニメゲーム以外の道を歩めぬ。八方塞がり也。あれほど気高く電脳術を誇った拙者や同輩たちは、世を恨み、若さや美を妬み、刀や火を手に辻斬り放火を起こし、獄に繋がれる。さような姿は、かつて夢見た攻殻機動隊の如き輝かしき未来とは程遠い。

されど、最も辛きは、さような狂人に同世代が多く、納得できてしまうこと也。高い誇りを持った拙者たちが、何も取り戻せぬまま、後の年月を生ねばならぬ。喪失感と欲を抱え、世や若者を憎み、辻斬り放火で世に復讐せんと考える者が出るのも、拙者たちの罪とはいえ、致し方ないやもしれぬ。

拙者たちは、世を知るべきだった。他者理解すべきだった。されど、もはや遅い。世との乖離は極まり若者を誘う行為咎められ、激昂する者、女性脚本家些細な言に怒り、騒動を起こす者。さような行為が、拙者たちの世代の生み出したものと思うと、涙が止まらぬ。

狂気の果て

拙者たちの世代は狂ってしまった。電脳術で世を変えると勇ましく語った者たちが、娘を襲い、国を欺き、刀で人を斬り、狂気の果てに異世界へと心を飛ばす。拙者が信じた夢の果てが、これ也。

拙者はさすがに、陰謀を信じ、世を罵るまでには堕ちぬ。されど、同世代の多くは、喪失感憎悪に囚われ、電脳寄合で世を怨む声が響く。先日、町田の町で辻斬りが起こり、世を騒がせた。

拙者は今日も、電脳術の片隅で生きる。江戸の世から現代まで、過去を悔い、アニメゲーム残滓で生きながら。

Permalink |記事への反応(0) | 02:09

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anond:20251005002633

まず学者という道を選ぶ時点で……

社会適応力が高い人ってどんな社会でも大体馴染んでいくものだし……

Permalink |記事への反応(1) | 00:41

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2025-10-04

anond:20251004220515

俺は逆に、外国人労働者の受け入れ増が不可避なことは、政治家官僚学者が正直に国民説明して説得すべきだと思ってる。

「とにかく絶望的に労働力が足りない。これから加速度的に足りなくなる」

現代先進国で女に子供産ませて国民を増やすのは無理。どんだけ金出しても女は産まない。労働力不足を緩和できる手段外国人労働者のみ」

「お前ら国民も、バイトの時給は2000円だけど牛丼一杯3000円、一億出しても介護職員が足りないので老親を施設に入れられない、そんな社会は望まないだろう?」

Permalink |記事への反応(2) | 22:15

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anond:20251003193103

どうすればここまで薄っぺらくなれるのか分からん

旧石器人

コイツ自分だけで一生懸命人生送ってたんだろ(w」

って現生人類学者センセイがウエメセで発掘してたら、高齢者介護してた痕跡見つけてショック受けてたのに

増田サルに毛が生えた程度と思われてた旧石器人以下の生きものです。

Permalink |記事への反応(0) | 11:23

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2025-10-03

anond:20251003150359

いいとこに気付いたね

実は以前はトランスジェンダートランスセクシャルの二種類があった

いわゆる性同一性障害患者は、身体違和のために手術が必要で、身体を変える意味で「トランスセクシャル」といわれてたんよ

一方、身体そのままで女装したい層が「トランスジェンダー」だった

ところがクィア学者ジェンダーセックスは同じと主張し始め、概念的な境界が壊されて「トランスジェンダー」に統一されたんよ

から手術したくないトランス女性性同一性障害患者攻撃しまくってた

https://kakuyomu.jp/works/16816927860040342257/episodes/16817330654417815669

Permalink |記事への反応(1) | 15:21

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2025-10-02

anond:20251002135852

から男は試してみた。

飲み会の場で、ある話題が出るたびに「そういえば、星新一ショートに似た話があったな」と口にする。

「へえ、やっぱり星新一ってすごいね」と皆がうなずく。

次の日も、職場で。

ニュースを見ては「これ、星新一ショートにあった」と言う。

誰も疑わない。

そのうち、彼の言葉引用されるようになった。

星新一も書いてたらしいぞ」と広まり、やがて本の解説にまで載った。

出版社は慌てて全集を調べるが、該当する作品は見つからない。

「紛失原稿か?」という噂が流れる

学者まで巻き込んだ大騒ぎだ。

そして男のもとに問い合わせが殺到する。

「その作品を教えてください!」

「どの短編集に入っていたのですか?」

男は苦笑して言った。

「いや、あれは…

Permalink |記事への反応(0) | 14:04

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