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2026-01-17

[読書]2025年に読んだ本、後編

7月

読書(15冊+α)

円城塔コードブッダ機械仏教縁起

円城塔「去年、本能寺で」

円城塔「長い豚の話」(日経新聞連載短編

エーリッヒ・フロム「愛するということ」★★★

フィリッパ・ペリー「身近な人間関係が変わる 大切な人に読んでほしい本」

小泉悠、山口亮「2030年戦争

鳥飼将雅「ロシア政治プーチン権威主義体制の抑圧と懐柔」

宇佐和通「AI時代都市伝説:世界をザワつかせる最新ネットロア50」

深津貴之、岩元直久「ChatGPTを使い尽くす! 深津式プロンプト読本

廣田龍平「ネット怪談民俗学

大宮冬洋「人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代幸せのつかみ方」

佐藤賢一「王の綽名

飯田一史「「若者読書離れ」というウソ:中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか」

大田俊寛現代オカルトの根源霊性進化論の光と闇」★

セス・スティーヴンズ=ダヴィウィッツ「誰もが嘘をついているビッグデータ分析が暴く人間ヤバい本性」★★

秦正樹「陰謀論民主主義を揺るがすメカニズム

漫画(4冊+α)

ハミタ「とっても短編漫画集」一巻~三巻

福島聡少年少女」一巻~四巻

一話完結漫画(2冊)

日向あお助「バニー好きだよね」(単話)。

恋紙屋「夜にバニーは(ベッドで)跳ねる」

美術

「黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―」於・松濤美術館

新江ノ島水族館

雑感

 やっぱりエーリッヒ・フロムはいい。たぶん自分特に気に入っている思想家だ。

 このあたりからスピリチュアリズム自己啓発の背景にある思想とその明暗テーマに本を選び始める(陰謀論まで行っちゃったのも含めて)。

 多分最後SF小説を読んだのはこのあたり。SFっぽい漫画は読むことがあっても小説は読んでいない。新人賞を追うのも去年あたりでやめている。

余談だが、自分が好きなSF科学技術それから人間未来を選ぶ力を信頼したものだった。もちろん、社会学的なものや悲観的なものも大好きだが、それらはどちらかと言えばaquired tasteである。一番深く心が動くのは前者だ。

 ところで、わざわざ買った同人誌メモしてもしょうがいかもしれないが、書かないにもなんだか居心地が悪い(記録魔)。

8月

読書(9冊)

奈津子新版賄賂〉のある暮らし市場経済化後のカザフスタン」★

加地伸行儒教とは何か 増補版」

アナ・カタリーナ・シャフナー「自己啓発教科書禁欲主義からアドラー引き寄せの法則まで」

ジェイムズ D.スタイン不可能、不確定、不完全―「できない」を証明する数学の力」★★

尾崎俊介アメリカ自己啓発本でできているベストセラーからひもとく」★★★

井奥陽子近代美学入門」

坂井豊貴「多数決を疑う社会的選択理論とは何か」

野尻抱影星座のはなし」

野尻抱影「続・星座のはなし」

漫画(9冊)

荒木飛呂彦ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ」六巻

岩宗治生「ウスズミの果て」一巻~三巻

こるせ「伽藍の姫」一巻~二巻

岩宗治生「ウスズミの果て」 四巻

肋骨凹介「宙に参る」五巻

熊倉隆敏もっけ」一巻

アニメ

フードコートで、また明日。」全話

テレビ

NHKスペシャル 堺雅人が巡る古代エジプトピラミッド透視ツタンカーメンの謎」

NHKスペシャル堺雅人が巡る古代エジプト!謎の王ブラックファラオ実像に迫る」

ゲーム

「ニーア・オートマタ End of Yorha edition」(XYエンド以外回収)

美術

彼女たちのアボリジナル・アートオーストラリア現代美術」於・アーティゾン美術館。

コレクション展 第2期 特集:新収蔵作品のご紹介」@岩手県立美術館

小岩井農場まきば園

啄木新婚の家盛岡市内)

雑感

 八月は読んだ本が少ない。普段通勤時間に本を読んでおり、お盆休みがあったためだ。

代わりにというわけではないが、ちょうどゲームクリアした。普段ゲームをしないので難易度を下げて楽しんだ。別にやり込みたいわけではなく、ストーリーを終えればそれでいいと感じている。だが、自分人生ゲーム必須の要素ではない気がする。

 ところで、数年ぶりに(十年近い?)アニメを見たのだが、これはたまたまコロナから避難するために泊まったホテルで視聴した。一話完結だし、青春時代を思い出すし、あまり疲れない。テレビ番組が記載されているのは、自分テレビを見る頻度の少なさを示している。

9月

読書(14冊)

レト・U.シュナイダー「続狂気科学: 真面目な科学者たちの奇態な実験」★★

トーマス・トウェイツ「人間をお休みしてヤギになってみた結果」

中村圭志「亜宗教オカルトスピリチュアル疑似科学から陰謀論まで」★★★

徳仁親王「テムズとともに英国の二年間」★

トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇」

トルストイ民話イワンのばか」

ロジャー&チャーリー・モーティマー「定職をもたない息子への手紙

トーマス・トウェイツ「ゼロからトースター作ってみた結果」

監修・訳注中村啓信「風土記現代語訳付き」

監修・訳注中村啓信「風土記現代語訳付き」

烏谷昌幸「となりの陰謀論

今井むつみ「「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーション本質解決策」

岡瑞起、橋本康弘「AI時代質問力プロンプトリテラシー 「問い」と「指示」が生成AI可能性を最大限に引き出す」

山本栄二、中山雅司「国連入門 ――理念現場からみる平和安全

漫画(6冊)

瀬野反人ヘテロゲニアリンギティコ 〜異種族言語学入門〜」一巻。

熊倉隆敏もっけ」二巻~五巻。

葵井ちづる「イジワルコネクト【DLsite限定特典付き】」

映画

ヤン・シュヴァンクマイエル「蟲」@シアター・イメージフォーラム

大長編ローマン万博大爆発 TAROMAN」@TOHOシネマズ渋谷

美術

諏訪敦|きみはうつくしい」於・WHATMUSEUM

雑感

 皇室文章結構フランク楽しい。あと、著者略歴に「二〇一九年、即位」と書かれていて、何も間違っていないのにレア過ぎてちょっと笑ってしまった。

 僕は超細密画はあまり評価していないのだが、諏訪敦は結構気に入っている。たぶん作品に取り組む姿勢モデルに対する丁寧な態度が好きなんだろう。それから、母を亡くして、具象表現ができなくなったらしい。残酷な言い方が許されるならば、芸術家が傷ついたり何かを学んだり、逆に精神が安定してして作風が変わってしまう瞬間に、とても興味がある(藤田嗣治戦後に人工的な人形のような子供たちばかり書くようになった契機が知りたいし、精神が穏やかになった後のムンク作品にも関心がある・結婚後にシーレ作品良識的になってしまったのにも)。

今月は久しぶりに映画が見られてうれしい。シュヴァンクマイエル作品自分過去作品解体し、評論するような内容だった。

10月

読書(14冊)

阿刀田高コーランを知っていますか」

遠藤周作「古今百馬鹿 狐狸庵閑話」

彬子女王「赤と青のガウンオックスフォード留学記」★

高野秀行「酒を主食とする人々エチオピア科学秘境を旅する」

瓜生中、監修「雑学3分ビジュアル図解シリーズ仏像

浮橋美頭、浮橋啓介「こんにちはトーテム・ポール

内山節「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」

羽田正冒険商人シャルダン

島本英明もっと知りたいモディリアーニ 生涯と作品 (アートビギナーズコレクション)」

新見隆「もっと知りたいイサム・ノグチ 生涯と作品 (アートビギナーズコレクション)」

高橋敏「江戸教育力」

桜井啓子「シーア派 台頭するイスラーム少数派」★★

末永幸歩「「自分だけの答え」が見つかる 13歳からアート思考」★★★

今泉忠明 (監修)「おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典

漫画(4冊)

熊倉隆敏もっけ」六~九巻。

美術

円山応挙革新者から巨匠へ」於・三井記念美術館

雑感

 高野秀行は定期的に読んでいる。アートビギナーズコレクションも定期的に読みたくなる。次に何を読むか迷ったときに重宝する。ただし、美術館に行く途中で読むと、なんだか美術鑑賞に向けるエネルギーをそこに分けなきゃいけない感じがしてしまう(図書館で借りているので読むタイミング的にそうなることがある)。なお、このシリーズは冊数が多い割には下山観山や英一蝶の巻がない。あと、本によっては作者の思想がすごく偏っている。

11月

読書10冊)

松井文恵、安田茂美「写実絵画とは何か?ホキ美術館名作55選で読み解く」

ジョナサンカラー文学理論 (〈1冊でわかる〉シリーズ)」

加藤徹後宮から唐・五代十国まで」

加藤徹後宮から清末まで」

石井清純「禅問答入門」

秋月龍珉「無門関を読む」

アンドリュー・スチュワート情報セキュリティの敗北史:脆弱性はどこから来たのか」★

尾崎俊介ホールデン肖像ペーパーバックからみるアメリカ読書文化」★★

遠藤みどり日本後宮天皇女性たちの古代史」

野坂昭如エロ事師たち」★★★

漫画(1冊)

こるせ「伽藍の姫【イラスト特典付】」三巻

同人誌(1冊)

六畳「××××の結果で×××する××」(苦手な人がいるだろうと思うので伏字

美術

「カルン・タカール・コレクションインド更紗世界をめぐる物語」於・東京ステーションギャラリー

CREVIAマチュピチュ展」於・森アーツセンターギャラリー

30周年記念展「ALL OFEVANGELION」於・東京シティビュー

旅行

平等院鳳凰堂、鵬翔館、宇治神社宇治上神社源氏物語ミュージアム

テレビ番組

知的探求フロンティアタモリ山中伸弥の!? ヒトはなぜ音楽を愛するのか」

NHKスペシャル「イゾラド 最後の森の奥で」

雑感

 野坂昭如で久しぶりに文学を読む楽しみを思い出した。

自分欲望コントロールできず、性欲などに負けてしま人間の話が好きだ。現実生活では正しくいるよう求められるのだから、せめて虚構の中では人間ダメさを許してほしい。そうでなければ、現実世界良識を守れない、とまではいわないが、ダメな人をダメなまま表現されていると、それを読むことで、何か許されたような気持ちになれる。

 他には禅問答について読んでいる。

 あと、尾崎俊介ロマンス小説について述べているあたりが面白かった。なんでジェンダー平等が叫ばれる時代に、一見するとあえて古典的に見えるストーリー必要とされているか、一つの知見を得た。

12月

読書和書3冊、洋書1冊)

J. R. R. Tolkien「TheHobbit」Harper Collins Publishers。和書文庫換算二冊。★★★

伊藤盡「指輪物語エルフ語を読む」

尾崎世界観「祐介・字慰」★

丸谷才一「輝く日の宮」★★

漫画

ファーストコンタクト 窓口基作品集 【電子コミック限定特典付き】」

映画

落下の王国4Kデジタルリマスター」於・ル・シネ渋谷宮下

雑感

 丸谷才一が相変わらず面白かったので(僕はメタフィクションが好きだ。時にはわざとらしくなってしまったり作者の自分語りに堕したりするリスクもあるが、うまくいくとこれは気持ちがいい)ブコメで進められた全集を手に取ろうとしたら、地元図書館にはなかった(正確には、引っ越す前の自治体のにはあった)。さてどうしよう。

 洋書を読み始めた。あらすじは覚えているが細部はよほど印象的なシーンでないと覚えていない。

 トールキンの場合樹木描写が細かく、いろんな種類の木が出てくるのだが、そもそも僕のほうが樹木知識に乏しく、和訳を読んでも細かくイメージできない(束教授ごめんなさい)。児童文学とは言え、二世代前の英語なので語彙やスペルが違うし、手加減せずに平気で難しい言葉を使う。

ナルニア」を読んだときも、例えば身近でない船舶部品などの語彙で苦労した覚えがある。

落下の王国」では久しぶりに交響曲を聞いたがやっぱりいい。

 窓口基は暴走するテクノロジー世界観の考察を楽しんだ。SFが好きだったもう一つの理由であり、一番ワクワクするところだ。この人はグロゴアも書けるらしいのだが(なんにでも科学的な興味がありすぎて、人体を破壊可能な一つの素材として見てしまっているのかもしれない)、「苦手な人はこの先読まないで」と警告できるので、自分狂気コントロールできるタイプの人であり、そこが好印象。

 ケーブルテレビで「その着せ替え人形は恋をする」をやっていたのだが、感傷マゾ発症しなかったのは、僕の精神が変化したからかもしれない。原作漫画を買おうかとも思ったが、実はそこまでコスプレに興味がないと思い直した。そもそも年末年始に向けて漫画セールで買い込んだが、トールキンを読み続けており、全然手を付けていない。

 漫画小説と同じで、長編を読むには訓練がいる。ご覧の通り短編集や一話完結ものばかり読んでいる。

 来年は「指輪物語」の原書を読み終えたら、国連政治学、第二次世界大戦日本軍、それから依存症のあたりの知識の補足がしたい。あとは意識科学だなあ。

 洋書だとどうしてもペースダウンする。開き直って冊数を気にしないようになれそうだ。あとは、トールキンを読み終えたらドイツ語をやりたい(言うだけならタダ)。

 実際にドイツ語をやるかどうかはともかく、読書記録を始めたのは大学に入ってから二十年、知的な本を読もうと志してからもっと経過している。いたずらに、明確なゴールもなく、知識を得続けようとする行動パターンに変化が欲しい。美術館についても、あまり行かない場所や行ったことのないところに行きたい。(ただしドイツ語をやって何かの原書に挑戦したら一年がかりのプロジェクトになりそうで、そうなると知識習得には多大な遅れが発生する)

追記

カテゴリ[読書]クリックすれば2020年まで読めます。m(__)m

ただし、全てが自分の物ではありません。

Permalink |記事への反応(2) | 08:39

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[読書]2025年に読んだ本、前編

1月

読書(14冊)

藤井一至「土地球最後ナゾ100億人を養う土壌を求めて」

阿部勤也「西洋中世男と女 聖性の呪縛の下で」★★★

横山祐典「地球46億年気候大変動炭素循環で読み解く、地球気候過去現在未来

藤井一至「ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち」

文學界編集部「大解剖!文學界新人賞」

主婦の友インフォス情報社「事故物件サイト大島てる絶対に借りてはいけない物件」(再読)

上遠野浩平恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-」★

菅沼 悠介「地磁気逆転と「チバニアン地球磁場は、なぜ逆転するのか」

伊藤聡「神道とは何か 神と仏の日本史」★★

佐藤康宏「もっと知りたい伊藤若冲 生涯と作品改訂版

鎌田浩毅「地学ノススメ 「日本列島のいま」を知るために」

岡田莊司、小林宣彦「日本神道史(増補新版)」

島尾新「もっと知りたい雪舟 生涯と作品

ヴィンチェンツォ・ヴェヌート「生きものたちの「かわいくない」世界動物行動学で読み解く、進化と性淘汰」

漫画(3冊)

いがらしみきおぼのぼの人生相談自分しまちゃうのをやめないとさ」」

森薫乙嫁語り」15巻

ちょめ「室外機室 ちょめ短編集」

美術

特別展「鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類系統~」於・国立科学博物館

雑感

 昨年に引き続いて阿部勤也を読んでいる。歴史系の本は雑学が増えて楽しいし、現代で当然とされていることが全く通用しない世界イメージできるので、自分価値観が相対化できる(時折正しいかどうかだけが自分判断軸になり、どう感じているかおざなりにしがちなので大事)。他には地学や土壌が気になってたようだ。

 なお、昨年までやっていた星印の評価はやめにした。同率二位とか三位とかを考えるのが面倒だったからだ。……とか思ってたけどやっぱり直感でやることにした。

2月

読書(13冊)

藪本勝治「吾妻鏡鎌倉幕府正史」の虚実」

乙一「TheBookjojo’s bizarreadventure 4thanother day~」

柴田勝家岸辺露伴は嗤わない短編小説集」

榎戸洋司フリクリ」一巻、二巻、三巻★★

鈴木結生「ゲーテはすべてを言った」

志村史夫「古代世界の超技術改訂新版〉 あっと驚く「巨石文明」の智慧

仁藤 敦史「加耶任那古代朝鮮に倭の拠点はあったか

饗庭淵「対怪異アンドロイド開発研究室

比奈秋「サンショウウオ四十九日

松永K三蔵バリ山行」★

ガルシアマルケス百年の孤独」(再読)★★★

漫画(4冊)

コタニヨーコ「夏が、僕らの世界を見ていた」

熊倉献「春と盆暗」

浅白優作「スターウォーク」一巻

海島千本プリズムの咲く庭 海島千本短編集」

観た

フリクリ

美術

貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか」於・国立科学博物館

異端の奇才ビアズリー展」於・三菱一号館美術館

特別展「魂を込めた 円空仏 ―飛騨・千光寺を中心にして―」於・三井記念美術館

雑感

 久し振りに芥川賞を読んで面白いと感じた。自分の好みは、語り手が男性で、非常に知的であるか(丸谷才一をこの年読んだのはそのため)、怒りや暴力性などを抱えている作品にハマることが多い。もちろん例外も多数ある。というか読書趣味例外だらけだ。

 あとは、高校生以来で「百年の孤独」を再読したが、当時と比べて複雑なストーリー理解する能力が向上していたとわかったのは嬉しい。

ジョジョ」や「フリクリ」など、すでに知っている物を手に取ったのはファン心理かもしれないし、これは外れないだろうというある種の安心(または怠惰さ)かもしれない。面白かったけれどね。

3月

読書(15冊)

志村史夫「古代日本の超技術新装改訂版〉 あっと驚く「古の匠」の智慧

田原史起「中国農村現在 「14億分の10億」のリアル

越智啓太「眠れなくなるほど面白い 図解犯罪心理学

中島恵「日本のなかの中国 (日経プレミアシリーズ) 」

篠田謙一「新版日本人になった祖先たち―DNAが解明する多元的構造 (NHKブックスNo.1255) 」

小牟田哲彦日本鉄道廃線史-消えた鉄路の跡を行く」

シュリー・ウォード「ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」動物のひみつ 争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う」

「生誕150年記念モンドリアン純粋絵画をもとめて公式図録」

「生誕100年ジャクソン・ポロック展 JACKSON POLLOCK[図録]」

鈴木真弥「カーストとは何か-インド「不可触民」の実像

池澤春菜わたし孤独な星のように」

三島由紀夫潮騒」★

若宮總「イランの地下世界」★★

永田生慈監修・解説北斎漫画第一巻」

丸谷才一「横しぐれ」★★★

美術

特別展 慶珊寺と富岡八幡宮の名宝―『大般若経』が語る中世東国史―」於・金沢文庫

高松塚古墳壁画館、四神の館

特別展鉄道で巡る聖地 近代ツーリズム橿原神宮

雑感

 遺伝人類学が気になっていた模様。

 また、この月は数年前に行けなかった美術展の図録を買って楽しんだ。たまたま行けなかったり、コロナ禍で自粛してしまったりしたもので、ずっと喉の小骨のように行けなかった後悔にさいなまれていたのだが、すっきりした。

4月

読書(15冊)

永田生慈監修・解説北斎漫画 第二巻」

丸谷才一「樹影譚」

永田生慈監修・解説北斎漫画 第三巻」

スタインベックハツネズミ人間」(齊藤昇訳)★★

ハンフリー・カーペンター「J. R. R.トールキン 或る伝記」

チョーサー「完訳カンタベリー物語(上)」

J. R. R.トールキン「農夫ジャイルズの冒険トールキン小品集」

チョーサー「完訳カンタベリー物語(中)」

J. R. R.トールキン妖精物語の国へ」

チョーサー「完訳カンタベリー物語(下)」

A. A.ミルン「クマのプーさんAnniversary Edition」

A. A.ミルン「クマ横丁にたった家Anniversary Edition」

エーリヒ・ケストナー池内紀訳「飛ぶ教室」★★★

ジェームズ・M・バリー「ピーター・パンウェンディ

下村智恵理「天網恢々アルケミー」★

漫画(+α)

凸ノ高秀「ぼーんずあんどがーるず」(ウェブコミック

美術

特別展古代DNA日本人のきた道―」於・国立科学博物館

チームラボボーダーレス麻布台ヒルズ

雑感

 児童文学が多い。「飛ぶ教室」は男子校卒業して二十年余りの自分にはとても良く刺さった(小さい頃にもらったのだがパラパラめくっただけだった。たぶん自分の中の男性性を求める心が強く目覚めていなかったんだろう。あるいは、一生付き合っていきたいという友人に出会う前だったからかもしれない)。また、今まで触れてこなかったトールキン作品に触れて楽しかった。これは十二月洋書による再読の遠因となる。

 スタインベック障害観が少々古いが、無駄な場面がなく、悲劇としての構成が美しい。

5月

読書(8冊+α)

J. R. R.トールキン「終わらざりし物語(上)」★★★

J. R. R.トールキン「終わらざりし物語(下)」★★

るるぶ神戸’25 紙書籍版」

斎藤英喜「陰陽道の神々 決定版」

原田隆之「入門犯罪心理学

宮田登江戸はやり神

湊一樹「「モディ化」するインド ――大国幻想が生み出した権威主義」★

鈴木正崇「山岳信仰日本文化の根底を探る」。

J. R. R.トールキン著、クリストファートールキン編「ベレンルーシエン

美術

相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣銀閣鳳凰がみつめた美の歴史

うろこの家・展望ギャラリー山手八番館、北野外国人倶楽部、坂の上の異人館

神戸須磨シーワールド

湊川神社宝物殿

その他諸々神戸観光地

ゲーム

クインティ

雑感

 いつもの月と比べて大変に少ない。今月は休みの日に読まなかったのと、「終わらざりし物語」が上下巻それぞれ五百ページ超えと大変に長かったためである。四月までの分を加えれば平均して月十冊は読めているし、味わわずに読み飛ばすよりははるかにましである。というか、三月四月と十五冊読んでるじゃないかプラスマイナスなし。

 年始から神道をはじめとした日本信仰について読んでいる。記紀記載のない神々や、民間信仰仏教との混交などの知識が増え、日本神話についての解像度が上がった気がする。

 なお、「クィンティ」はファミコンゲームで、これをスイッチプレイした。祖父の家に合ったもの子どもの頃はクリアできないなりに楽しんでいた。スイッチの巻き戻し機能を利用してやっとクリアした。

 余談だが昨年はクリアしないなりに「パリア」をプレイしたのだった(結局こういうクエストものや箱庭・スローライフものはそこまで好きじゃないというか飽きるとわかった。スローライフと言いながら結局採取労働をしており、仕事で疲れて帰ってきてやるモチベーションが湧かない)。「Neo Atlas」は二〇二二~二〇二三にプレイしたが結局飽きている。世界探検するのが好きなのはcivilizationで分かっているのだが、通知がひっきりなしに来るので、これもリアル仕事と似ていて疲れた

6月

読書(18冊)

飯島吉晴「竈神と厠神 異界と此の世の境」

松井冬子世界の子友達になれる [図録]」★★

ダニエル・T・マックス「眠れない一族食人痕跡殺人タンパクの謎」★★★

成澤勝嗣「もっと知りたい狩野永徳と京狩野 (アートビギナーズコレクション)」

狩野博幸「もっと知りたい河鍋暁斎 生涯と作品 (アートビギナーズコレクション)」

稲垣栄洋「生き物の死にざま」

田口善弘「知能とはなにか ヒトとAIあいだ」

稲垣栄洋「生き物の死にざま はかない命の物語

渡辺正峰「意識脳科学デジタル不老不死」の扉を開く」

松元雅和「政治哲学講義 悪さ加減をどう選ぶか」

小泉悠、高橋杉雄、太田啓之、マライ・メントラインゴジラvs.自衛隊アニメの「戦争論」」

小塩 真司「「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイド心理学」

綾辻行人「どんどん橋、落ちた」

櫻井武「SF脳とリアル脳 どこまで可能か、なぜ不可能なのか」

鈴木俊貴「僕には鳥の言葉がわかる」★

信原幸弘、渡辺正峰「意識はどこからやってくるのか」

山極寿一鈴木俊貴「動物たちは何をしゃべっているのか?」

安田峰俊民族がわかれば中国がわかる 帝国化する大国実像

漫画10冊)

荒木飛呂彦岸部露伴は動かない」三巻

福島聡星屑ニーナ」一巻~四巻(全)

坂月さかな「星旅少年」一巻~五巻

美術

「ACNラムセス大王ファラオたちの黄金」於・クレヴィアベース東京

雑感

 軽めの本が多め。

 この後読む皇族の本も含め、学問世界の厳しさに触れる本が多かった。知識を蓄えるのではなく、同じ問題にずっと取り組み続け、微細な差異違和感に疑問を持つ才能がないと、研究者としてやっていくのは難しい(これはうまくできなかった自分を慰めている側面もある)。

 脳科学については、著者の主張や意見ウエイトが大きく、前々から気になっていた意識心の哲学についてはそこまで突っ込めなかった。ジャンル全体の概観をつかむだけなら、おそらくウィキペディアを拾い読みしたほうが早いか

 国際政治インド中国それからロシアの本を今年はよく読んだ気がする。

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2025-06-09

anond:20250609225921

丸谷才一の中にある野菜

Permalink |記事への反応(0) | 23:01

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2025-02-02

理系だけど日本古典文学を割と読んだから語る④

【前】anond:20250202175752

11:好色一代男 島田雅彦 訳[新訳] 雨月物語 円城塔 訳[新訳] 通言総籬 いとうせいこう 訳[新訳] 春色梅児誉美 島本理生 訳[新訳]

この中では雨月物語しか読めていない。確か角川ソフィア文庫で読んでいる。

村上春樹海辺のカフカ」で言及されていたので興味を持った。物語集として面白いのだが、序文紫式部を持ってくる自意識の強さが良い。あと、僕はそもそも怪奇物語が好きだ。好きなのは凄惨なスプラッタお化け屋敷的なジャンプケアではない。何か人知を超えた存在がいるという驚きや恐れなのだ

これは僕の感傷マゾとつながっているのだろうが、言い出せない妄念を抱えた死者というモチーフが好きだし、神話物語に通じる奇譚が好きで、だから仏教説話説教臭い割に好きだ。

ところで、東京創元社編纂したSF短篇集「時を歩く」にピンとくる言葉があった。空木春宵によれば、幽霊とは虐げられた人々の象徴で、だから怖いというよりも親しみを感じるそうだ。その言葉にはたと膝を打った。だから僕もお化け妖怪が好きなのだ。異様な姿をしていて、理解できるのかできないのかわからない、その「他者」っぽさが面白いんだ。モンスターが深い知性を持っているという設定、大好き。

ちなみに、小林泰三「酔歩する男」の元ネタ菟原処女伝説が、「浅茅が宿」でも触れられている。これを書いていたら小林泰三をまた読みたくなってきた。

菊花の約」は小泉八雲が「怪談」で翻案している。小泉八雲も上と同じ理由で好きだ。一度彼が翻案する前の原典を読んでみたい。僕は箱庭的世界というモチーフが好きなので「安芸之助の夢」が特に大好きだ。

ところで小泉八雲朝ドラをやるそうだ。大好きな作家だが、きっと観ないんだろうな。僕がテレビを見る習慣をなくしたのは、一つはイケメンの歯の浮くようなセリフを聞きたくないかなのだが、もう一つは小説家を目指すために、帰宅してから寝るまでの時間をずっと執筆にあてていたかなのだ。あと、ドラマを見ていると本編を放っておいて、史実ではどうなっていたかを調べる悪癖もある。

というわけで、残りの物語もそのうち読む予定。

12:松尾芭蕉 おくのほそ道 松浦寿輝 選・訳[新訳]与謝蕪村 辻原登 選[新釈] 小林一茶 長谷川櫂 選[新釈] とくとく歌仙 丸谷才一 他

これも「おくのほそ道」しか読んでいない。たしかビギナーズクラシックスだ。人々と交流しながら俳句を作っているのが楽しそうだけれど、地元に句会の記録が実は山ほど残っていたりしないんだろうか。

そういえば句会に通う友人にそそのかされて試みに俳句作ってみたけれど、短歌と比べて情報量が圧倒的に凝縮されている。言葉選びが極めて厳密で、密度が高い。短歌は十四文字だけの余裕があるがあるから、聞いていてもゆとりがある気がする。僕は散文の文学の良さは情報圧縮困難性、言い換えるならばどういう話かあらすじを短くまとめると魅力が失われる度合いが高いものを高く買っている。逆に、詩文はどこまで世界圧縮できるかだ。しかしながら、短歌枕詞で五文字も使う。なぜこんな効率の悪いことをしているのかは不思議だ。

短歌与謝野晶子俵万智穂村弘あたりを読み、俳句は他に高浜虚子あたりを読んだ。

俳句じゃなくて短歌だが、与謝野晶子熱量がすごくて読むのにえらく時間がかかった。また、穂村弘は生々しい男の生理表現されていて何となく好ましく思う。しかしそれを荒っぽくぶつけているようできっちりと計算して表現している。形式があらかじめ用意されているからこそか。「台風の来るを喜ぶ不精髭小便のみが色濃く熱し」「男の子はまるで違うねおしっこの湯気の匂いも叫ぶ寝言も」「泳ぎながら小便たれるこの俺についてくるなよ星もおまえも」。僕は意外と暴力的ものが好きらしい。

俳句は数が多く、未読が多く、次々に新しいのが生まれており、追いつけない。ここに載せられた作品もいつかは読みたいが、記憶に残らないこともあるだろう。しかし、すべてを記憶しておかないと不安だというのも強迫観念に過ぎない。読んだその場で一期一会幸せを覚えれば、それでいいのかも。ちなみに、俳句が作者の目の前で論評されるバラエティは、かつて通った小説創作講座を思い出して胸が苦しくなるから、見ていない。あれ残酷だよね。

こうしてみればわかると思うが、平安時代文学と比べると、まだまだ読めていないのが江戸時代作品だ。開き直って現代語訳でどしどし読みたい。

古典は急がない。いつまでも待ってくれている。世間流行っている作品とか必読書とかそんなのとは無縁だ。千年前の作品を読むのが一年や二年遅れたところで、どうということはない。

ところで脱線するけれど、いま生きている人を推せる人って偉いと思う。だって、いつスキャンダル裏切られるかわからいからだ。それこそ明治文豪クズだったとかいう話はよく聞くけれど、今となっては本人を含めて関係者がみんな死んでるので、多少は冷静でいられる。新たに醜聞が掘り起こされても「昔の人だからね」とどこか冷静になれる。今の人だとこうは行かない(以下、きちんと謝罪をしなかったためその態度に非常に腹が立ってファンをやめた人や、音痴イケメン歌手実例を事細かに挙げるつもりだったが、見苦しいので削除した)。他にも存命人物だと、事件を起こす前のオウム真理教面白がってた著名人や、古本屋で見つけたロリコン写真集に「これぞ芸術」と推薦文を寄せていた文化人に「逃げるなァァァ」と言いたくなることがある。

やっぱり推しは死んでいる人に限る。どんな差別発言をしていても過去の人間だから納得できてしまう。そんなことを頭の片隅に置いてネットサーフィンをしていたら、芥川龍之介が「侏儒の言葉」で似たようなことを言っているのを見つけた(正確には、悲観主義について調べており、そこから哲学者フィリップマインレンダーを見つけ、そこから偶然にも「侏儒の言葉」の言葉にたどり着いた)。

   古典

 古典の作者の幸福なる所以兎に角彼等の死んでいることである

   又

 我我の――或は諸君幸福なる所以兎に角彼等の死んでいることである

侏儒の言葉」は好きなんだけど、読んでいると段々と彼の鬱に巻き込まれていく。いつか芥川全集をぶっ通しで読みたいが、晩年作品を読むと真実を言い当てすぎていて心底気分が悪くなってくる。二十代の頃のようにシニシズムを楽しむだけの体力がもはやない。ネヴァーモア! 昔はアンブローズ・ビアス悪魔の辞典」とか大好きだったんだけどな。

とはいえ、数百年前の古典を無批判に読んでいると、人間身分上下があることやとりあえず天皇家が偉いことが自明に思えてくるし、人命がアホみたいに軽いことに感覚がマヒしてくるので、これもまたよろしくない。

こういうことを考えている時は大抵は体調不良ときなので、筋トレなりストレッチをしたりするのがいいのである。僕らは結局肉体を備えた存在で、そこから入力がどんな言葉よりも助けになることが多い。というか、言葉自家中毒を起こすことはよくあるのだ。ペッペデス。頭が良すぎて不幸になった人間物語は好きだが、芥川には生きて戦後を見てほしかった。

さて、池澤夏樹全集では、これ以降の巻では明治作品が扱われる。しかし、ここまで書いてきてかなり長くなってしまった。ひとまず、江戸時代までで一区切りとし、近代作品はまた別の機会としたい。おそらく本気になって書いたら、作家ごとに思い入れのある作品は多く、言いたいことはたくさんあるので、もっと長いエントリになることだろう。近現代作家集に至ってはIからIIIまであり、合わせて何十人もの作家が紹介されている。倍近くになるだろう。

ただし、その機会がいつ訪れるかはわからない。先にドストエフスキー中島敦ポーラブクラフトについて書くかもしれない。あるいは、文学にかこつけた自分語りが一段落したので、これで終わりにすることも大いにありうる。

なお、次のエントリでは、有名どころだが話の流れから言及できなかった作品について述べる。

INTERMISSION④

さっきは何が苦手かについて書いてしまったので、逆に何が好きかについても少しは語ろう。芥川賞をはじめとした現代文学を読んでいて、どういう作品自分に刺さるかを整理すると、知識豊富な語り手の小説が一番好きで、その次が自分の巨大な感情論理的言語化するのがうまい人が語り手であるものだ。それから、無軌道な性欲や暴力衝動、ひがみなどの負の感情を抑えきれない人間が出てくるのが続く。自分中高生の頃、そうしたダークな受賞作が連続していたと記憶している。田中慎弥共喰い」とか、時代は下るが西村賢太苦役列車」とか、砂川文次「ブラックボックス」とか、自分暴力衝動に屈する人間を描いたのが好きだ。青来有一「聖水」とかもそうだ。世間からはみ出してしまった、汚らしい人間が好きだった時期がある。おそらく「悪とは?」が内なるテーマだったんだろう。

芥川賞は一つの賞でしかなく、世間的には評判が良くてもピンこと来ない作品はどうしてもある。若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」は最初から自分の中の無意識の声たちについて説明しすぎていて、「それだったら最初から意識の流れとか無意識って言えよ」って思ってしまって、それ以来ずっと批判的にしか読めなかった。あれは高齢者向けの一人で生きることを学ぶ教養小説なんだよな。あと、又吉直樹作品結構な頻度で、的外れ批判をしてくる劇団員女性が出てくるけれど、「お前、本当は社会的作品批評が嫌いだろ?」っておちょくってやりたくなる。村田沙耶香コンビニ人間」については前回のエントリ名前を伏せてチクリとやってしまった(最後まで読んでいないくせに!)。

理想を言えば性別だとか人種だとか国籍だとか年齢だとか思想だとか、そういうのを抜きにして作品評価したいんだけれど、ある程度年齢を重ねてくると、十代の頃のように素直にストーリーを受け止められず、若いころのように思考の柔軟性がなくなり、労働で疲れていては異質なものを楽しむゆとりが減る。どうしても自分属性性格が近い人の文章面白く感じるので、公平に評価するためにマイノリティ枠を設けるってのは、いくつかの問題点があるとはいえ、一つの知恵だと思う。なお、文学的に優れていることと、そのとき自分に刺さって面白いのと、今の社会必要としているのとは、まったく違うので、話題小説がいつも面白いわけにはいかないのはしょうがないのだろう。

脱線すると、芥川賞を取ってもその後書き続けられた作家のほうが面白い。というか、受賞作がつまらなくてもその後面白くなる作家も多い。しかし、逆に芥川賞を取る前の青臭い作品しかない魅力もある。長編を連載するだけの構成力も体力もないデビューしたての漫画家の初期短編からしか得られない栄養素があるのと同じだ。

なお、僕は大体漫画を買うとき短編が多い。「Fellows!」「ハルタ」「エロティクス・エフ」「楽園」「アフタヌーン出身漫画あたりから、絵が好みなのを選んでいるようだ。

というか、みんなあれだけ長編少年漫画を読むだけの体力があってすごい。ただし、僕がなかなか長編漫画が読めないのは、活字のようにぶっ通しで一気に読もうとしているからという可能性がある。連載を追うペースで、ゆっくりと読めばいいはずだ。

なんでこんなことを言うのかというと、僕は同世代経験相対的に乏しいためだ。例えばゲームが下手すぎて、ドラクエファイナルファンタジーなどの多くの作品プレイできていない。ポケモンでさえ途中で飽きる人間なのだ自分が好きなペースで刺さった作品を読んでいるだけなのだが、時折どうしても疎外感を覚える。若いころにもっと流行りのJ-POP聞いてりゃよかったよ。そりゃあ人は人、自分は自分だけれど、寂しい。

とはいえ少年漫画の多くは恋愛が扱われるので、そこまで読みたい気分でもないのである

こういうことを書くと「課題の分離」とかいう話になりそうだけど、個人的にはアドラー心理学はそこまで信用していない。さっき書いた「課題の分離」をはじめとした有益概念は多いし、原因を探るよりもまず対処法を考えるのは、実生活で非常に役に立つ。というか、実際に役に立った。だが、「嫌われる勇気」をはじめとした本ではいいことを言っている一方で、「私に反論するとしたら、それは私の理論理解していないからだ」という、反証可能性を潰すような自己完結した思考をしているのがいただけない。これは初期のフロイト派の「私に反論するとしたら、それは私に父親見出しいるからだ」とか、古い時代フェミニストの「私に反論するとしたら、あなた女性差別を乗り越えられていないからだ」とか、それらと同様の理屈だ。なにか自己完結した、人の話を聞かない嫌らしさを感じる。

自己完結と言えば、たとえば何人かの反出生主義者が(もちろん別の哲学的立場でもいい、実例は見たことがある)、予期される反論に対してすべて想定問答を作ってガチガチ自己防衛をしているのを見ると、圧倒的な壁のような「他者」を感じる。この人と議論しても、自分相手も何も変わらないだろうなという、諦念を感じることがある。互いに変化をもたらす「対話」にならないのだ。

意識の高い人たちが叩かれるのはこれも理由かもしれない。会話をしても意見を変えてくれないだろうと感じるのだ。一方的議論をしたいのなら活字でいい。僕は対話がしたいのだ。

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理系だけど日本古典文学を割と読んだから語る①

1:古事記池澤夏樹 訳[新訳]

のっけから申し訳ないのだが、自分古事記池澤夏樹訳で読んでいない。というか、この池澤夏樹日本文学全集で読んだ本はほとんどない。しかし、池澤夏樹にはちょっと悪いのだが、リストとして便利なのでダシに使わせてもらった。

自分最初に「古事記」に触れたのは神代だけを扱った子供向けの講談社青い鳥文庫経由でだ。次に読んだのが確か大学生の頃になる。文芸春秋社三浦佑之が現代語訳したもので、古老が昔話をする形式翻訳していた。現代人にはわかりづらいところを語りで補う、初心者に親切なものだった。

さて、内容だが、神話だけでなく、それ以降の歴史時代記述面白いヤマトタケル物語だけでなく、おそらく戦前は教えられていたであろう神功皇后朝鮮半島への進軍を知っておくと、昔の人がどんな世界観を持っていたか想像やすい。権力者の書いた歴史書を鵜呑みにするのは危険だが、歴史一次資料に(翻刻翻訳されたものとはいえ)触れるのは非常に楽しい。「学校で習う歴史の出典がこれか!」という素直な驚きがある。

もちろん神話としても面白く、考えてみれば今の皇室は天の住民と海の住民の両方の血を引いているという属性てんこ盛りである。他にも、イザナギノミコトとイザナミノミコトが夫婦生活をする際に「凸を凹に入れて子供を作りませんか?」「それは楽しそうですね」というくだりが何となく好きだ。性に罪悪感がないのがいい。もちろん、最初に生まれ子供ヒルコ描写は、今の感覚では身体障害者差別なんだけれども、後にそれが恵比寿様だということになって崇拝されるようになったのが、何となく流されたヒルコが救われた感じがして、結構好きなエピソードなのだ。捨てられた存在に新しい場所を用意してあげた後世の人の優しさみたいでね。

面白かったので日本書紀も確か講談社学術文庫か何かで読んだ。傍論としてさまざまな説を併記しているのが、物語ではなく歴史書の体裁をとっている「日本書紀」の特徴を端的に示していて面白かった。もちろん、これだけでは日本神話理解できない。中世神仏習合近代国学陰陽道などの展開を追わねばなるまい。しかし、その一歩を踏み出せたのはやはりうれしい。

ところで、「記紀」の記述を合わせて池澤夏樹は「ワカタケル」を書いたようだけれど、個人的にはピンとこなかった。「記紀」の文字に書かれたことや考古学的成果の内容とは矛盾しないが、むしろ史実から離れすぎないようにしたため、想像力が少し現実に縛られている気がしたのである。あとは現代中国語の「上に政策あれば下に対策あり」って言葉引用されていたのに違和感があった。お分かりのように、僕は面倒くさい読者なのである

2:口訳万葉集 折口信夫百人一首 小池昌代 訳[新訳]、新々百人一首 丸谷才一

万葉集全然読んだことがない。というのも、巻数が膨大なためだ。僕は完璧主義なところがあり、読むならきちんと最初から最後まで読むべきだと感じてしまう。それに詩を読むのなら、一つ一つの詩をきちんと味わって理解したいのである。そうなると膨大な時間がかかり、そこまで詩に興味がない自分としては手が伸びない。ただし、自分フォークナーを薦めてくれた友人は、「美酒をがぶ飲みするように、次から次へと詩を読んでいくのも贅沢でいいものだよ」とは言っていた。僕の場合、深く刺さった詩は、小説の中のぴったりした場面で引用されたとき出会っているケースがほとんどだ。やはり詩が多すぎると言葉の海に溺れてしまう。

百人一首田辺聖子解説で読んだ。それぞれの和歌や作者の背景を丁寧に、肩の凝らない文体説明してくれているので、今でも時々手に取っている。王朝人物史としても面白かった。田辺聖子とは評価する場所が違うところもたくさんあるけれど、脱線楽しい。ちなみに、初めて百人一首出会った小学校高学年のときには、もちろん恋の歌にばかり心が動かされたのである。「しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで」。たぶん自分感傷マゾというか、言い出せない思いをウジウジ、グツグツと自分の中で煮詰めて煮凝りにしてしまう傾向は、この時からあったのだろう。

ところで、王朝文学世界的に見て女性作家が多かった時期だと聞いたことがあるのだが、調べてみると女性の句は二十一だった。半分くらいだと思っていたのだが、これは女性の句が心に残ることが多かったための錯覚だろう。

「新々百人一首は未読だ。こうして記事を書こうとしていた時に調べたのだけれど、王朝の歌を二百種に絞って紹介してくれているらしいので、これはぜひ読みたい。昔ほど完璧さにこだわらなくなったし、こういうベスト盤みたいにピックアップしてくれると、きっと散文を好む自分も楽しめることだろう。丸谷才一ジョイス翻訳で知ったのだけれど、文章リズムが合ったから今から読むのが楽しみだ。

3:竹取物語 森見登美彦 訳[新訳] 伊勢物語 川上弘美 訳[新訳] 堤中納言物語 中島京子 訳[新訳] 土佐日記 堀江敏幸 訳[新訳] 更級日記 江國香織 訳[新訳]

これらの本はすべて別の訳者で読んだのだけれど、こうして並んでいる訳者にそれぞれ馴染みがあるので、彼らがどのような翻訳をしたのか、ちょっと読みたくなってきた。ちょっと前までは「古典は原文で読んでこそ意味がある」という原理主義的なところがあったのだが、「源氏物語」や「太平記」が長すぎるあまり、開き直って現代語訳で読んでしまったため、最近はそこまで原文にはこだわっていない。今ではい翻訳がたくさんあるので、普通に現代語訳でストーリーを味わってから、原文を楽しめばいい。このラインアップでは、個々の作家に対しても言いたいことがあるのだが、今回は省こう。

竹取物語は、幼いころに聞いた物語原典知る楽しみがあった。一番シンプルにされた絵本バージョンだと、五人の貴公子物語が省かれてることもあるし。そういう意味では、「御伽草子」なんかもちょっと読みたくなってきたな。

伊勢物語短編集で、古典の授業で東下りを扱ったので前から気になっていた。ただのモテる男の話を読んだって楽しくないかもしれないが、一つ一つがごく短いのでそこまで嫌味ではないし、うまくいかななった恋物語もある。それに、古語で読むから現代日本語で読むのと違ってワンクッションある。僕は感傷マゾだったから、結局は恋の物語が読みたかったのだ。

だが、書かれているのは恋愛遍歴だけではない。「老いぬれさらぬ別れのありといへばいよいよ見まくほしく君かな」「世の中にさらぬ別れのなくもがな千代もといのる人の子のため」。ほんとそれな。無理な願いだとわかっていても、大切な人には永遠に生きていてほしい。これらの歌に出会えたのは幸いだった。

なお、これを読んだ後に祖父を亡くしている。ほんとに、人間いつまでも生きられないのは寂しいことである。なお、これも阿部俊子訳の講談社学術文庫で読んでいる。

他に当時刺さった歌を日記から書き写しておく。「思ふこといはでぞただにやみぬべき我とひとしき人しなければ」(そんな寂しいこと言わないで……)「心をぞわりなきものと思ひぬるかつ見る人や恋しかるらむ」(それな)。たくさんあるのですべては書き写さない。

堤中納言物語は「虫愛づる姫君」で有名だけれども、例えば娘ではなくそ祖母を連れ出してしまう話だとか、二人の男が誤った相手と契ってしまうとか、慌てて白粉ではなく墨でメイクしてしまう話とか、奇妙な話も含まれている。あとは手に入れることなど到底できないもので作った「ほしいもリストである「よしなしごと」とか。どうも物語統一感がなく、どういう意図編纂されたのかはよくわからなかった。これは笠間文庫で読んでいる。

土佐日記小学生時代に塾の先生が「男のくせに女の文章で書いたのが紀貫之って変な奴」って紹介していたのでそんな印象がずっと続いていたし(子供インパクトを与えて覚えさせるためなのと、当時は平成初期なのでこういう言い方をしていたのである)、文学史的にもそういう評価をする面もあるのだが、今は亡き子供の思い出を語る悲しい話なのである。道中の描写も素敵だし、ラストの「この原稿は捨ててしまおう」というくだりが、例え虚構であってもとっても好き。どうも僕は、一人の人間が読者を意識して書いたテキストであるという臭いが好きらしい。だからメタフィクションも好き。これは角川日本古典文庫で読んだ。図書館で借りたボロボロになった古い本だった。三谷榮一訳註。

更級日記はかつての文学少女が「源氏物語」をはじめとする文学への憧れを綴っているが、ラストのあたりで「自分人生はいったい何だったんだろう」と回顧するので、僕みたいな作家になりそこなった文学少年崩れが、感傷的になりたいときなんかにオススメだ。内容をすっかり忘れているのだが、そこばかりが強く印象に残っている。

そして、「物語なんぞにうつつを抜かすんじゃなかった」的なくだりがある癖に、内容が技巧に富んでいるのだが、それはただの未練というよりも、そうした技巧で妄念を鎮めようとしたのやもしれないし、それもまたパフォーマンスかもしれない。小説家になりそこなった僕にはグッサリと深く刺さっている。よく「更級日記」は文学少女の物語だと言われているが、文学少女崩れの物語でもあるのだ。実際、興味深いことに「更級日記」では結婚子供誕生、両親の死という重い事柄が、ほとんど触れられていないのである

それにしても、文学少年文学少女はとても欲深い。彼らは現世で得られないもの書物の中から得ようとするからだ。そして、創作に手を出すのは、自分の持っていないものを魔術のように作り出そうとする更に深い欲がある人々だ。そして、僕はその欲望を愛していた。

ああ、そうだ。ここまで書いて気づいたのだが、恋だけでない、生きていてふと感じる寂しさを和歌にした作品が、僕はとても好きなのだ

INTERMISSION①

こういうのは個人ブログでやったほうがいいんじゃないかと思わないでもないのだが、辺境ブログでやってもあまり読者は集まらない。個人ブログを読んでもらうためには、ある程度自分コンテンツ化する必要がある。言い換えるならば、一定の頻度で、ある程度の品質記事を、独自色を伴って、継続的生産し続けなければならない。なかなかできることではない。それに、この動画全盛期の時代に、どれほど文字を読む人がいるだろうか? また、首尾一貫したキャラで書き続けるのも面倒である

一方、はてな匿名ダイアリーでは、文字を読むのが好きな人が集まっている。また、内容が有益であったり面白かったりすると、きちんと読んでもらえる。虚飾と権威主義真っ盛りの時代にあって、「誰が言ったかではなく、何を言ったか」だけで評価されるという意味では、非常に居心地がいい。もちろん殺伐としているし、暴言も多いが、それを補って余りある素晴らしい点である有益なまとめを書いたときは褒められ、的外れなことを言えば叩かれ、面白くなければ無視される。残酷だが、内容だけで毎回勝負するのは、文章を書くのが好きな人にとっては鍛錬の場になる。

なお、時折こうして個人的なボヤキを書く。あまりにも古典文学の紹介という話題から逸れ過ぎて、イケメンモテ男に関する個人的愚痴になってしまい、読者を笑わせるよりは暗鬱な気分にさせるであろう箇所はこれでもかなり削った。かろうじて残したのは文学関係する箇所のみだ。

恨みつらみを向けている人や、気に食わない人はたくさんいるのだが、作家以外は実名では論じるつもりはない。名前を出して作品批判することはあるが、その人の行いに直接何か言いたくなった時はぼかしている。己の負の感情直視したい一方で、人にネガティブものをぶつけるのは美しくない。だからせめて、こういう妙な義理を通したいのである

それでも長い。気に入らなければ読み飛ばしてほしい。ここに書きたいのは古典文学の紹介であり、せめて日常感じていることであり、怨念の垂れ流しではない。ただし前回のように時折脱線しては管を巻くつもりだ。

続く。

Permalink |記事への反応(4) | 17:39

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2024-05-06

anond:20240504180148

ドラマ映画アニメ:『やっぱり猫が好き』『特捜最前線』『三匹が斬る!』『新必殺仕置人』『ウルトラセブン』『ナイトライダー』『エアーウルフ』『特攻野郎Aチーム』『俺がハマーだ!』『ヒッチコック劇場』『ハリーの災難』『スタンド・バイ・ミー』『ダイ・ハード』『ルパン三世』『機動武闘伝Gガンダム』『SHIROBAKO』『宇宙よりも遠い場所』『ぼっち・ざ・ろっく!』

漫画:『ぼっち・ざ・ろっく!』『るろうに剣心』『魁!男塾』『うしおととら』『ちはやふる』『あずまんが大王』『トリコロ』『成恵の世界』『笑う大天使』『美貌の果実』『こどものおもちゃ』『球詠』『THE MOMOTAROH』『ペナントレース やまだたいちの奇蹟』『新ジャングルの王者ターちゃん』『ライジングインパクト』『究極超人あ~る』『機動警察パトレイバー』『包丁人味平

ゲーム関連:『ウィザードリィ』『隣り合わせの灰と青春』『風よ。龍に届いているか』『ウィザードリィ外伝 ギル迷宮鳳凰の塔/復讐鬼の城』『ドラゴンクエスト5』

書籍:『フェルマーの最終定理』『高熱隧道』『零式戦闘機』『遠い島 ガダルカナル』『「真珠湾」の日』『飢死した英霊たち』『柳生忍法帖』『ストックホルムの密使』『伝奇集』『八百万の死にざま』『ストレンジャーズ』『パイド・パイパー』『大誘拐』『ナヴァロンの要塞』『トライアルエラー』『残像に口紅を』『さよならダイサウルス』『ハマースミスうじ虫』『復活の地』『疾走!千マイル急行』『父と暮せば

好きな作家北村薫泡坂妻夫、エラリイ・クイーン丸谷才一隆慶一郎

Permalink |記事への反応(0) | 04:27

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2020-06-30

anond:20200629225527

坂本龍一

小山田圭吾

森本レオ

星野仙一

五木ひろし

白洲次郎

ダウンタウン

若山富三郎

井上ひさし

丸谷才一

Permalink |記事への反応(0) | 20:53

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2019-10-31

anond:20191030235030

小説でもいいなら丸谷才一「笹まくら」

ただしスッキリはしない

Permalink |記事への反応(0) | 14:47

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2017-07-05

短編小説書き出し考

僕は小説を読むのは好きなのだ文章を読むのはあまり好きではないという、どうしようもない性質を持っている。

酷いとき最初の一行を読んだだけで本を放り出すこともある。なにか事件が起こる前にだらだらとまえがきのようなものが続くともう読む気が失せてしまうのだ。

なので冒頭ではさっさと本題に入って、その世界に引きずり込んでほしいと常々思っている。

特に気合を入れて臨む長編と違い、軽い気持ちで読み始める短編ではその傾向が強い。

そこでちょっと気になったので短編小説の書き出しをまとめてみた。

【日時型】

これは、れい飲食店閉鎖の命令が、未だ発せられない前のお話である

太宰治 眉山

それは九月初旬のある蒸し暑い晩のことであった。

江戸川乱歩 D坂の殺人事件

それは新婚二年目の夏のことでした。

筒井康隆 傷ついたのは誰の心

【情景描写型】

フロントグラスがいつの間にかまた薄く曇り始めた。

石原慎太郎 完全な遊戯

風があるわけでもないのに、空気の中には埃が混じっている。

中沢けい 入江を超えて

それは、人間の誤った趣味とか定説によって半分腐らせたような肉とは違い、歯ごたえも、血が混じった肉汁も、すんだうまみを持つ牛の肉だった。

宮本輝 暑い

女の髪は緋色でも金髪でもなかった。

中上健次 赫髪

【行動描写型】

少年は重い砂袋のような、この泣きやまない少女を引きずって、雨のなかを歩くのにくたびれた。

三島由紀夫 雨のなかの噴水

僕はくらがりの石段をのぼってきて何か堅いかまりに躓き向脛を打ってよろけた。

小島信夫 馬

ブザーが鳴った時、す速い反応を示したのは男の方だった。

瀬戸内晴美 ふたりとひとり

セザンヌの部屋の男の子は、うらの崖の石垣に蟹がいるのを見つけた。

庄野潤三 蟹

【状況描写型】

よく考えてみると、私はこの二年ばかり、革命にも参加せず、国家家族のために働きもせず、ただたんに少数の女たちと飲食を共にするために、金を儲け、夜をむかえ、朝を待っていたような気がします。

武田泰淳 もの喰う女

Bの家には、もう何代も、あるいは何十代にもなっているかもしれない昔の祖先が死なずにそのまま生きつづけている。

安部公房 家

このところ、やや下火になっているが、先般、戦争中の従軍慰安婦のことが、大騒ぎに騒がれた。

古山高麗雄 セミの追憶

私の姉は、夏休みだというのに実家にも戻らず、両親を心配させています

山田詠美 花火

そういうのは世の中にはよくある例なのかもしれないけれど、僕は妹の婚約者そもそも最初からまり好きになれなかった。

村上春樹 ファミリー・アフェア

【会話型】

「俺はここで死ぬのかな……」

夢野久作 童貞

スプリットタンって知ってる?」

金原ひとみ 蛇にピアス

あなたがたの生活は、人間生活じゃない。天使生活だわ」

中村真一郎 天使生活

「暗いとこですなあ。それにここには四つしか病室がないのですか。寂しいですなあ」

遠藤周作 男と九官鳥

概念型】

暗黒の深淵がこの現実世界のそこかしこにひらいて沈黙をたたえており、現実世界は、そのところどころの深淵にむかって漏斗状に傾斜しているので、この傾斜に敏感なものたちは、知らず知らずのうちにか、あるいは意識してこの傾斜をすべりおち、深淵の暗黒の沈黙のなかへ入りこんでゆく、そして現実世界における地獄体験するわけである

大江健三郎 後退青年研究所

貧乏というものが、ある欠乏と云ったものではないことはたしかだ。

安岡章太郎 愛玩

世の中でいちばん馬鹿ばかしいものは、二つあって、一つは兵隊、もう一つは恋愛だと思うな。

丸谷才一 贈り物

他にもタイプはあるのだが主だったところはこんなもんだろう。

こうしてまとめてみると僕は【状況描写型】が好きなようだ。

この小説は明るい話なのか、暗い話なのか、どういったテーマなのか、いったいどこへ向かっているのかを早々と提示してくれるのはものぐさにとってはありがたい。

みなさんはどのタイプの幕開けがお好きでしょうか?

Permalink |記事への反応(0) | 07:00

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2015-07-26

anond:20150726151709

丸谷才一さん好きなんすけどもっと丸谷さんみたいに書いてよ。

そんで丸谷さんみたいな人(めっちゃ本読むが伝え方は敢えてゴシップっぽくわかりやすい)だとこの基準でいうとどっちなの?

 

あと敬意って下調べの労力を必ず費やすってことかしら? 

理系は敬意なんて不確かなものなど自然法則に対してなすりつけない、ただひたすらあらゆる面で使いこなすものだけど。

文系からすれば円周率3.14は単なる宗教お題目の一種なんだろうなあ、

Permalink |記事への反応(0) | 23:04

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2014-08-19

http://anond.hatelabo.jp/20140819020806

旧かな遣いで書いている丸谷才一気取り

から

ネガティブコメントを書くことに生きがいを感じている香具師

から

条件反射2ちゃんねるソースであちらこちら叩きまくる香具師

から

Permalink |記事への反応(1) | 09:26

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ぶっちゃけ、今のはてなブックマークってニュー速と変わんないじゃん

最近つくづくそう思うんだけど、より痛い人が増えている感じがするね。

ブックマークコメントの酷さにはもうついていけないものを感じる。

旧かな遣いで書いている丸谷才一気取りとか、ネガティブコメントを書くことに生きがいを感じている

香具師とか、条件反射2ちゃんねるソースであちらこちら叩きまくる香具師とか、人間というより

機械のような感じがするんだよな。人工無能レス機械みたいな。

自分の不満の捌け口としてはてブを使っている人が激増してるんだよな。

あんまり考えてコメントをつけているようでもないし、既に本来ブックマークから

かけ離れたニュー速もどき堕落した感しかないな。どこへいっても2ちゃんねるから

抜け出せない日本ネットユーザーの質の低さが問題なのか、何が問題かわからないけど。

Permalink |記事への反応(2) | 02:08

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2013-09-01

http://anond.hatelabo.jp/20130901102804

http://anond.hatelabo.jp/20130830202223最初トラバ先)

http://anond.hatelabo.jp/20130831142238自分の記事)

元増田の人が2nd Seasonを書いてくれたので、こういった若い人たちに役立ちそうな知識をさらに追記してみたい。

(実は若くなかったら申し訳ない)

念のために書いておくけれど、僕は最近ラノベ専門学校の実態は知らないし、体験入学に行ってみて入らないというのは、優れた判断だと思う。

実際に教師の質をどう担保しているのか不透明だし、やはり意識の低い学生も多い。(自分の時は、おおよそ2割=10人は中退した)

教師は別に仕事を持つ社会人が多く、どちらかというと偏った業界の偏った人格人達で、しかも扱う分野が本来主観的ものであって、生徒への評価も心情的になりやすい。

それに、最近ラノベブームで、雨後のタケノコのように学校が開かれているのかもしれない。

そういったところはやはりノウハウも無いだろうし、授業の質も低いだろう。

(余談だが、僕が通学していた当時は、まさかこれほどラノベ流行するとは正直誰も思っていなかった。ただ、先生は「これからミステリー小説のように定番ジャンル化するだろう」と予言していた。涼宮ハルヒも出ていない頃だ)

から専門学校に通わないというのは、比較的低リスク・低コスト賢明な判断だと言える。

しかしながら、元増田が挙げてくれた問題について、それを断定のまま終わらせてしまうのはもったいない

特に3番目の問題、

でも、文章を書く営みって、そんな秩序立ったものではないですよね?

もっと柔らかくて、鵺のように捉えどころがない。そんなものを『教える』ことなんてできるんですか?



は、創作を志す人間が当然抱いて然るべき疑問だ。

元増田が残念なのは、この深い疑問を、専門学校体験入学ときで解決してしまった気分になっていることだ。

僕自身、先生に教わったり罵倒を受けたりしながらも、この疑問に突き当たった。

そして、学校の内側と外側の両方で、この問題について世の中の頭の良い人達がどのように携わってきたか、それなりに気にしてきた。

これから、僕の認識できた範囲での参考資料を挙げようと思う。

おそらく、以下の参考資料を全部精読し、実習を行い、誰か信頼できる人から客観的添削を受け、頭だけではなく全身に技術をしみ込ませることができれば、決して取り戻せない数百万円と数年を賭して専門学校に行く必要など、皆無だろう。

また、下記ばかりでなく、もっと体系的でしっかりした知識が学べる大学なり海外大学なりケンブリッジオックスフォードもあるかもしれない。

そういったものがあると分かったら、単純にそこへ行くべきだ。

「文章作法」について



文芸的な文章を除く基本的なライティングについては、古典的な書籍がたくさんある。

下記2冊は、ここで紹介するのが恥ずかしいくらい基本的な書籍だ。

日本語の作文技術
理科系の作文技術


「文章作法」について、上記以外



さて、上記のような確立した情報伝達技術ではなく、独自の表現をしてみたり、人を感動させる文章を書きたい場合、そういった技術は教える・教わることができるのか?

それを体系的に扱うことは確かに難しい。そもそも人の感情であったり、表現から受け取る印象が非体系的だからだ。

からといって、先人がそれを教育世界で取り扱おうと努力してこなかったわけではない。

どうしても総論ではなく各論になってしまうが、それでも個人的に見て良書は多い。

「文章作法学校教育のように教えられない」結論に至るのは自由だが、下記書籍を全部読んでから至っても決して遅くない。

読みやすものから順に挙げる。

文章表現400字からのレッスン
新作文宣言


「作文」の価値を捉え直した、文章表現入門書。作品でも製品でもなく、純粋な「作文」そのもの価値を再発見している。

文章表現法講義


大学講義をまとめた本。固いタイトルに反して、極めて柔らかい語り口で柔らかい内容を講義してくれている。

だけど、書くことの意味について、「美」について、とても鋭い視点であふれている。

レトリック感覚
レトリック認識
レトリックの記号論


前の文章でちょっとだけ出した。レトリック、つまり、文章で人の心を動かすための体系的知識(!)を取り扱っている名著。

レトリックは長らく馬鹿にされていたらしい(結局、ただの言葉のあやではないか?)が、それを感覚論・認識論記号論観点から再評価した名著。

なぜ直喩隠喩より優れた修辞技法になり得るのか? といったことが詳しく書いてある。

新しい文学のために


大江健三郎による文学論。そもそも小説文芸作品とは何を目指すものなのか? といったことを明確に書いてくれている。

それは同時に、読者としての私たちが誠実な文芸作品の中に何を求めるべきなのか? ということでもある。

文章読本


文章読本は色々あるが、その中でももっと実践的と言われる丸谷才一の本だ。

歴史的仮名遣いで読みにくく感じるかもしれないが、内容そのものは平明だったと思う。

しかし、いまなぜか手許に無いので詳しいことは書けない。「ちょっと気取って書け」くらいしか思い出せない)

小説の諸相


E.M.フォースターによる文学理論Amazonで8000円くらい。僕はカチグミなので古書店1000円で入手できた。

ストーリーはあまり美しい要素ではありません」という衝撃的な宣言が印象に残っている。

ナボコフの文学講義 上
ナボコフの文学講義 下


最近文庫本で読んだ。

小説というものを本来どう味わうべきか? どう書かれるべきか? という熱のこもった講義録だ。

ロリータ」を読む視点が変わる。

まだ見ぬ書き手へ


新装版が出るんだ……。

芥川賞を最年少(23歳)で受賞しながら、文壇に属せず、独りストイック小説を書き続けている作家文学指南書。

テクニックの本ではないが、ここで明らかにされている執筆姿勢には衝撃を受ける。

アウトサイダー(上)
アウトサイダー(下)


ホームレスをしていた25歳のコリン・ウィルソン大英博物館一気呵成に書き上げた文芸評論書。

アウトサイダー」というキーワードのもと、文学美術舞踏哲学などなどを横断的に眺め渡した名著。

本気で読むと人生が狂う。

日本文学史序説〈上〉
日本文学史序説〈下〉


先の記事で書いた。全日本人が読むべき。

なんだかこういう本のことを書けるのが嬉しくて、ついかっとなってリストアップしてしまった。今は反省している

偉そうに書いたけれど、結局は僕も文学界新人賞名前が小さく載ったくらいの実績しかない人間で、そんなには当てにはならないだろう。

しかし、僕自身が当てにならなくても、何が当てになりそうかの感性結構あるつもりだ。

教育における教師とはそういうもので、自分ができなくても人の作品を見て添削できたりはする。

オリンピック選手だってコーチはいるのだ。

失敗している人からだって、むしろ失敗している人だからこそ学べることもある。

そういった人達の行く末をよく見て、やはりラノベなんかやめて、楽しくOSエディタコンパイラでも作ろうと思って欲しいのだ。

Permalink |記事への反応(0) | 23:09

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2008-08-09

http://anond.hatelabo.jp/20080809104106

旧かな遣いで書いている丸谷才一気取りとか

↑該当者が少なすぎでワロタ

Permalink |記事への反応(1) | 14:04

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ぶっちゃけ、今のはてなブックマークってニュー速と変わんないじゃん

最近つくづくそう思うんだけど、より痛い人が増えている感じがするね。

ブックマークコメントの酷さにはもうついていけないものを感じる。

旧かな遣いで書いている丸谷才一気取りとか、ネガティブコメントを書くことに生きがいを感じている

香具師とか、条件反射2ちゃんねるソースであちらこちら叩きまくる香具師とか、人間というより

機械のような感じがするんだよな。人工無能レス機械みたいな。

自分の不満の捌け口としてはてブを使っている人が激増してるんだよな。

あんまり考えてコメントをつけているようでもないし、既に本来のブックマークから

かけ離れたニュー速もどきに堕落した感しかないな。どこへいっても2ちゃんねる脳から

抜け出せない日本ネットユーザーの質の低さが問題なのか、何が問題かわからないけど。

Permalink |記事への反応(10) | 10:41

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2007-12-16

http://anond.hatelabo.jp/20071216103420

お前も偉そうに盾突く前に丸谷才一でも読んだらどうだ、「腰巾着って感じ」君よ

Permalink |記事への反応(1) | 11:16

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2007-06-19

http://anond.hatelabo.jp/20070619220028

山本夏彦翁や丸谷才一を読んでみるとよい

Permalink |記事への反応(0) | 23:33

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