
はてなキーワード:モンド映画とは
うちの実家の近所には、花街、つまり遊郭があった場所がある。もちろん地元の人間は大体知っている。
小さいころ、まだ生きていた祖母が、まあ壊れたレコードみたいに同じ話を何べんもするのだが、花街のあった辺りを指して「綺麗な女の人が大勢いてねー」などと教えてくれたことがあるし、花街はなくなっても花街を相手に商売していた商店とかは今でも存続している。
戦後に花街自体がなくなった後も、映画の撮影か何かで使われたことがあったらしい。
とにかく私はそこに「負の歴史」など感じたことはないし、その地域を特に避けて暮らしたような経験もない。
何年か前、ふと思い出して、私の実家の具体的な地域で検索した。
そうしたら、所謂花街の研究者か趣味者というのか、そういう人がまさに私の近所でフィールドワーク?をしていることがわかった。
ほうほうと思いながら見ていたら、その花街の歴史が、「複雑な歴史」的な描写で描かれていた。まるでうちの近所が遊女の死体を積み上げて繁栄したみたいな書きっぷりだった。
んんん???となって、その人に限らず他の花街探検系(変なジャンルだな)の人の記事とか見たら、何かどれも同じ書きっぷりだった。
「この街の繁栄は遊女の犠牲の上で出来ていた……」「地元の人はそれを知っているのだろうか……」みたいな。
いや、近所にそういう歴史があったの別に子供の時(平成中期)から知ってるし、それについて何とも思ってないのだが。
特に鼻についたのは、遊郭研究者たちの、「自分の研究は覗き趣味ではない!」みたいな変な自意識だ。
〇〇ディープ案内みたいなのに影響を受けてドヤ街に行き地元の労働者の顔をバシャバシャ撮って「これが日本の真実!」みたいなことをやっても、それが薄っぺらくて日本の実情なんか何にも反映してないのはわかるだろう。
廃墟探検とかして私有地に入ってバブルの残り香がどうとか耽美ぶっても近所の人間には迷惑でしかないだろう。被差別部落とされる場所に行って「ここは部落ですよー!悲惨な歴史がある街ですねー!うわーホルモンだー!」なんてやる奴はましてだ。
だがそれが「遊郭」になると途端に高尚な研究になり、また地元民を指して「あなた方はこの歴史を本当に誇りに思ってるんですか?」的な問いかけまでし始めたりする。
いい加減にしてほしい。あんたがたはただ外からきて勝手に街を貶してるだけだ。しかもそこは廃墟ではなくまだ人が住んでいる場所だ。
遊郭(跡地)にもそれこそ「複雑」な歴史はあるだろう。だがそれは八百屋とかパン屋とか花屋にもそれぞれの歴史があるのと同じことでしかない。もちろん現代の性風俗やラブホテルとかでも同じだ。
「過酷さ」は別に遊女とかにかぎったことではなく、農民でも漁師でも商人でもみんなが被っていたことだ。ただ「性」「セックス」が絡むだけで注目するなら、それはモンド映画的趣味と全然変わらない。
私は地元の歴史に何の負い目とか感じないし、別に「遊郭で町おこし」とかやっても全然かまわないと思っている。この街で暮らしていた漁民も農民も侍もそして遊女も、露骨に言えば繰り広げられたセックスも、みんな絡み合った歴史の一つだ。
それを忌避したり、何なのか知らないが清廉ぶって「悲しい歴史……」などと暗黒時代の様に彩ることこそ、逆に過去の人々に失礼だろう。
Permalink |記事への反応(20) | 12:18
テレ東の警察24時が遂に終了との事だが、これ系の番組の初期はまぁ本当に酷かった。
1990年代の後半あたりに始まったのだが、なにぶんにも報道の訓練も体制もない部署の下請けが撮るので問題だらけの映像をそのまま流してしまうというトンデモ状態。
番組終了の理由に撮影に時間が掛かる事、時間掛けても空振りのことも多くてそれで無理をして捏造的な場面を作ってしまうなどが挙げられていたが、まぁそうだろうね。
最初期の番組は兎に角「撮影側が警官と一体になりナレーターで悪を断罪」というモチーフで撮られていた。
このモチーフの元はズバリ時代劇だろう。「この紋どころが目に入らぬか!」「余の顔を見忘れたか?」「おぅ、この桜吹雪が全てお見通しなんだよ!」と悪を断罪!悪人は「へへぇ!」と平伏して視聴者はカタルシスを得る。
だが警察24時で映しているのは近代法が支配する現代の日本である。
もう一つの問題はそんなに判り易い事件は起きないという事だ。フィクションの遠山の金さんや将軍様も数日~数週間に亘る地道な取材や潜入捜査の末に処断してるのに、複雑な現代社会で偶然舞い込んだ事件をその場で処断できるわきゃない。
そこでやはりというか、一番多い交通事故処理を撮影するのが専らとなる。そしてその交通事故をナレーションで「断罪!」してしまうのであった。
例えば首都高で3台ほど絡んでしまった事故処理であれば、「スピード違反が招いた悲劇である!」という風に。
地方の人や免許がない人には判りずらいだろうから説明すると、首都高というのは大部分が60キロ制限になっている。だがこの速度を守って走っている車というのは皆無なのだ。制限速度が遅いのは高度成長期に低い規格で作ったためで仕方がない。道路規格によって制限速度の縛りがあるので自動的に60キロとなってしまうのだ。
それで直線区間では全部の車が速度違反して走っているという状態になっている。路線バスでさえ守っていない。
そこで事故が起きたら警察は原因の一端に速度違反を挙げるのは当然で、それが主原因とは言えないわけだ。
これ以外の事故でも「確認の不注意が招いた事故であった!」とナレーションが次々に断罪していくのだが、事故の原因なんて複合的で、事故処理の警官の確認遺漏で後からひっくり返る事もあるし、その為に当事者はかなりの労力と時間を使う。それをその場のノリだけで断罪しまくっていた。当事者が見たら憤怒間違いなしだ。
当時、日産がスカイラインGT-R(BNR32型)という車種を出していて、これはアウトバーンでも300キロ出る、ガチで早いスポーツカーだった。
そこで交通機動隊や各県警の高速道路交通警察隊がGT-Rのパトカーを導入した、というのが車好き向け媒体のみならず一般ニュースでも取り上げられていた。「GT-R」からは逃げられない、という威嚇効果も大きい。
そこで当然のように24時のカメラマンは高速隊のGT-Rの後部座席に乗り込む。すると通報が入り、現状へと急行するGT-R!景色は飛ぶように流れ、速度計は190キロを指している。国産車ECU(エンジン制御コンピュータ)のリミッターカットだ!
…という映像を流した。
ところで道交法上の緊急自動車の最高速度というのはご存じだろうか?一般道では80キロ、高速道路では120キロである。但し例外があり、速度違反者を追尾計測するパトカーはそれ以上出しても良い。そうじゃないと速度違反検挙できないからね。
この高速隊GT-Rは追尾計測中ではなくて臨場する為の緊急走行であるから190-120キロで、70キロ超過となり、赤切符+一発免停で、刑罰も6ヵ月以下の懲役又は10万円以下の罰金となる。現行犯人だ。
別に増田はパトカーや消防が速度違反して緊急走行していても構わんのだが、証拠映像を電波に乗せて流してそのままで済むわけがないな。
報道畑じゃ無い奴がカメラ持って取材の真似するといこういう事をやるというリスクの典型例だし、後ろでカメラまわしてるのにマッドマックス1のインターセプターみたいだろー的にアクセル踏んでRB26DETTをぶん回してる警官もアレだし両者色々アホすぎるとしか言いようがない。
ドキュメンタリというのは今では真面目なものだが、昔はいい加減で捏造まみれのものだった。ディズニーが『白い荒野 』というインチキ動物ドキュメンタリ映画で、レミングスは増えすぎると入水自殺する、というインチキ映像を撮る為に崖の上からレミングをポイポイ放り投げて殺していたというのが有名だ。
60年代に『世界残酷物語』という、エログロインチキドキュメンタリ映画がヒットすると、次々に同じような映画が作られ、エスカレートしていった。世界残酷物語の原題は『Mondo Cane』なので、この手の下世話なインチキ映画はモンド映画と呼ばれるようになった。
最初は世界の習俗と題して未開部族の残酷処刑や残酷儀式をでっち上げたものを繋げていたのだが、やがて観客の「リアルな死や本物の死体が見たい」という欲求に応えて、事故や暴動で実際に人が死ぬ映像を繋げたショッキング系映画が作られるようになった。因みに実際の映像だけでは尺が足りないのででっち上げたインチキ処刑シーンとかも紛れ込ませているのが多い。
やがてモンド系もショッキング系もTVが番組化するようになる。モンド系のインチキ成分だけを掬ったのが『川口浩探検隊』などだ。ショッキング系は苦情が来る事を恐れ、人体が千切れる場面や脳が飛び出すシーン等はカットして直前で映像を途切れさせたり、人体破壊の瞬間だけカットして死体を映すなどの手法が取られた。番組名はそのまま「ショッキング映像!100連発」等。
またこれら番組には顕著な特徴があり、必ず番組最後は消防隊や救急隊の訓練シーンで終わる。基本的に下世話な欲求に答える番組であって、その後ろめたさを誤魔化す為に取ってつけた映像を入れるのだな。
警察24時系も必ず最後に交機の訓練映像で終わるであろう。つまりはモンド~ショッキング系の系譜に則ったフォーマットなのである。正義の行使のカタルシスは時代劇から、番組ターゲットが野卑な欲求ではないかとの疑問はモンド系の〆映像のフォーマットで誤魔化し。それが警察24時系の構造だった。
因みにこんな取ってつけたような訓練映像付加手法だが、それを見て正義だと考えるリテラシーの人間もちゃんと居るのだ。今ニコ動が全部落ちていてURLを貼れないが、ニコ動には例えばアメリカで精神に問題がある人間が刃物を手放さず警官隊に射殺される、というようなショッキング映像があるのだが、それには映像最後に州警察の訓練風景を入れてある。単に事件現場で殺人映像が撮れただけなのだが、モンド系フォーマットで最後に訓練風景を取ってつけると正しさが保証されると考えているのだ。あれを本気にする者もいるというのがモンド系ドキュメンタリ的でありますな。アメリカに赴任してて厨房の心根は侵されずと言ったところか。
警察24時系は結局モンド番組なのだが、元のモンド系が虚実入り交じりのインチキ映画だったのは製作費と製作日数の問題でもあった。真面目なドキュメンタリは撮るのに時間が掛かりすぎて一部の意識高い人しかみてくれないからペイしない。だから人目を惹くエログロインチキ映像を撮る。
警察24時も最初期にかなり問題になった筈だ。同乗させてもらった警官が免停とか色々だ。すると地道に長時間警察に同行するしかない。歩留まりが悪くなる。しかも映像にパンチが無い。
ヤクザ事務所ガサ入れとか映像的にパンチがある事件はある。でもそういうのはマジな方の報道部門が呼ばれてモンド系バラエティの取材班は呼んでもらえない。カメラ持ってても素人なんだから。報道マンの暴力性に負けてゴミ扱いされて追い出されてしまう。
そんな状態で視聴率上げようとしたら数多のワイドショーがやらかしたように捏造っぽい方向に行っちゃうのは仕方ないね。
んでもこの手の番組が培養してしまった視聴者は「報道番組がモンド系と違う」ので報道を信用しなくなり、「川口市でクルド人が傍若無人で治安崩壊!」とか「安芸高田市の市長が論破!」というショート動画をクリックしてモンド系の毒に身をうずめるのでした。なんつーかペニシリンが必要だな。
つーか、これはただの愉快犯だろ。
人間に誘奇形性の出る放射線量は致死量並みかそれ以上である時点で、子供の奇形系の写真は放射線が原因じゃねーし、そもそもGoogleの検索結果のリンクだし。
37Bq/kgっても核種によるだろ。重金属系なら、誰であれ食うのは御免だ。
スリーマイル島に関しては、動植物しか写真が探せなかったのか、人間の写真は無い。
ただ、公式レポートでは動植物の誘奇形性に関しては見当たらないし、自然の範疇だったって事だろ。
ウィンズケールは、火災時の被爆量より、それ以前の放射性廃液垂れ流しの結果である可能性が高い。