
はてなキーワード:メバルとは
とりとめのない話を聞いてほしいのだが。
ここ一年くらいのことだ。夜に女性従業員が接待するお店に通っている。月に2~3回くらい。
道路を作る仕事をしてて、たまに現場がハードな日がある。帰りに飲み屋街に寄って、焼肉を食べて帰る習慣があった。
疲労した肉体と空きっ腹に、お酒とロース肉と石焼ビビンバと冷麺がマッチする体験。ベスト快楽である。仕事帰りにうまいメシを食べるのが好きだった。
いつからあの店(二行目のお店)に通うようになっただろうか。数えてみたけど、やはり一年以上は経つ。
きっかけはなんとなくである。これまで個人的に夜のお店に行ったことはなかった。会社の経費とか、先輩や上司の付き添いでキャバやラウンジに行ったことはあるが、自分には合わなかった。
ただ、スナックだったら自分でも行けるかもしれないと思った。それだけだ。スナックって、どっちかと言うと居酒屋の仲間なんだろう、確か。秘密戦隊ゴレンジャーの第1話にも料理店みたいなスナックが出ている。
過去、いわゆる増田の日記でスナックに行ってみたいというのを読んだことがある。一度は行ってみたいと思っていた。
そこは実際、いい店だった。初めて行った時は「はぐれ刑事純情派で見たかもしれぬ」と思った。
店内は明るい内装だった。暗闇なんてことはなかった。「どの席に座ったらいいですか?」と聞いたら、ママさんと若い子(kanaさん。以下敬称略)が案内してくれた。突き出しが出た。廉価な食材なのは明らかなのに、不思議とおいしい。
その店なんだが、(疲れた日の)仕事帰りにふらりと立ち寄るには、程よい賑やかさと、肩肘張らない雰囲気が今でも気に入ってる。ママさんの人柄が移ってるんだろうか、女の子たちもみんな愛想が良い。後で聞いたが、求人誌じゃなくてスタッフは全員紹介制らしい。なるほど……と思った。
お店に入ってカウンター席に座ると、大抵誰かが声をかけてくれる。
最初に話しかけてくれるのは、kanaが多いかもしれない。「いらっしゃいませ」の声が、少し落ち着いたトーンで安心する。
kanaは話しやすいし、何より聞き上手だ。ついつい、仕事の愚痴とか、どうでもいいような話をしてしまう。話し過ぎるとウザいんで、彼女のネイルの話もするようにしてる。
と言ってしまった。こんなこと、会社で気になってる子にも言ったことない。一番とか言ったら、二番と三番が居そうな気がする。あの発言は、湿原だったと感じている。
でも、決して嘘ではない。その時の正直な気持ちだ。彼女の、どこか控えめな笑顔が好きだなって。
ナニカを好き、という感情があるなら言えばいいと思う。恋愛に限らず。自分の気持ちを正直に言えない人は、弱い人間だと思う。私はこのお店が好きなのだと思った。
ここまで書いていて、未成年の頃に読んだ『はてしない物語』という小説を思い出した。今しがた序盤を読んでみると、懐かしの文章を見つけることができた。
何かに心をとらえられ、たちまち熱中してしまうのは、謎にみちた不思議なことだが、それは子どももおとなと変わらない。そういう情熱のとりこになってしまった者にはどうしてなのか説明することができないし、そういう経験をしたことのない者には理解することができない。山の頂を征服することに命を賭ける者がいるが、なぜそんなことをするのか、だれ一人、その当人さえもほんとうに説明することはできないものだ。 P.17
だが意外なことに、私が其処で見つけた感情は明るい春の森ではなく、低草の海原だった。日光が高々と茂る樹木の若葉をすかして降り注ぐはずが、光が届くことはなくて、影ばかりがあった。
春の里山を歩く時の、土の匂い、きのこの香り、暖かい空気、桜の木に停まったメバルのさえずり。私が立っている場所にはそういう森林の風情はなくて、ただ開けた草原に立っていて、満ち足りない自分が何かを探しているような感覚があった。
ここは、いいところなのだ。それは間違いない。
※ほかの客は「ガールズバー」だと言ってた。でも看板にはSnackとある
kana以外に他の子たちも、それぞれに良いところがある。yukiは大変明るくてよく笑うし、minamiは一生懸命話を聞いてくれる。傾聴力がスゴイ。
ほかにもいい子がいる。19才~50代まで幅広い年齢の従業員がいる。はてみ民はおおよそ支持するであろう、多様性がある。
彼女たちを見ていると、それぞれ全員頑張っていると思う。自分も社会人約20年なので、わかる。
彼女らは、この場所でそれぞれの持ち味を発揮しようとしている。みんなスゴイと感じる。自分が若い頃とは、てんで違う。若者言葉でいうと「レベチ」だろうか。
だから、誰に対しても分け隔てなく接したいと思うし、特定の子だけ贔屓しないようにしてる。まあ、指名制度はないし、どの子が付くかは運しだいなのだが。
実家に帰った日などは、有名店で買ったお菓子を持参することがある。皆にもお裾分けしたくなる。
できるだけ、ほかのお客さんの分も買うようにしてるが、数が足りない時は、自分のところに付いた子と2人で食べる。
このお店は開店して何十年も経つらしいが、いつ無くなるかだってわからない。貴重な時間を、その瞬間をお菓子に閉じ込めて共有しておきたい。人生の残り時間は、見えない導火線のようなものだから。
ママさんには、「この店が一番居心地いい。女の子たちがガツガツしてなくて、和気あいあいとしてるのがいい」と伝えたことがある。
これも本心だ。客同士で競い合うような雰囲気や、店員同士が張り合っているような空気は疲れてしまう。若い頃、年配の上司の奢りで行ったことのあるクラブで、目の前の女の子が確か……
「ねえ、私。昨日が誕生日だったんです」
と言ってきた。
当時21才だった私が「?」となっていると、上司は「おめでとう。いいお客さんにシャンパンおごってもらえた?」と返していた。そういうことか、と思った。
さらにまた別の子が「じつは、私~あと十か月後に誕生日なんだけど~」と言ってきた。冗談だと信じたかった。
ほかの店の話はやめよう。とにかく自分は、ここが好きだ。ここの、どこか家庭的な雰囲気が好きなのだ。
ほかに好きなところは……『余裕』だろうか。半年ほど前、私一人がお店にいた時、あまりにお客が少ないものだから、「シャンパンを注文します。ワインでもいいです。何かありますか?」とkanaさんとminamiさんに尋ねた。お店のスタッフはそのふたりだけだった。
すると、ふたりはキッチンの方まで行って、それから帰ってくると、「ごめんなさい。ひとつもないんです」と返答した。その時は、『残念……』としか思わなかったが、帰宅途中におかしいと気が付いた。
夜に女性がドレスを着て接客するお店に、ボトルをひとつも置いてないということはないだろう。何が言いたいかというと、あのふたりは私のことを気遣ってくれたのだ。主に財布のことを。
その時、心の中に温かい感情が芽生えた。ここまで気遣ってくれなくていいのに、と心の底から感じた。
これまで2回だけ、kanaと同伴出勤したことがある。お好み焼きとか、焼き鳥のお店に行った。高い焼肉を奢ろうとした時もあったけど、好きではないようだった。
それ以前、kanaの同伴依頼を断ったことがあった。ある日、お店の営業が終わる頃だった。そこで私は同伴のお誘いを断った。するとkanaは、同伴ができないなら、お店が終わった後に深夜営業のレストランで夕食を奢ってほしいという。自分と仲間に。それも結局断ったのだった。明日の朝が早かったので……
後日、なんだか悪いと思って同伴出勤をしてみたのだが、新鮮な感覚だった。一瞬だけど、若い頃に戻れたような気がした。お洒落な私服の女性と、一緒に往来を歩くのは久しぶりだった。
それからの私は、お店で自分が○回以上付いた~という基準を満たす子を全員同伴に誘っている。kanaだけと行くのは公平ではない気がしたから。自分にとっての矜持だった。
いつからだろうか。kanaが時折、こちらをじっと見ている。本当にそうだ。男の自分が気付くのだから、間違いないと思う。
ほかの席にkanaがいて、喋ってなくて蚊帳の外みたいになってる時に、私がいる方を見て、何か言いたそうな表情をしている時がある。
もしかしたら、自分の行動は悪かったのだろうか。あの子にはどう映っているのだろうか。自分には夜のお店のマナーはわからない。やはり、多くの子と同伴をするのは悪いことなのだろうか。
あの時、kanaに「一番」と言ったのは、その時の気持ちだった。
でも、それは彼女に対してではないのかもしれない。私はこの店の雰囲気全体が好きで、そこにいる一人ひとりの女の子たちに感謝している。
それはまるで、応援しているアイドルグループ全体を好きになる感覚に近いのかもしれない。特定の誰か一人というより、箱推しというやつだと思う。箱推しという単語は、先日YouTubeチャンネルで配信されていた『推しが武道館いってくれたら死ぬ』という作品で学んだ。
一人ひとりの個性はちゃんと見ているつもりだ。例えば、kanaの落ち着いた雰囲気、yukiの明るさ、minamiの真面目さひたむきさ。それぞれいいなって、その良さを感じている。
でも、特定の誰か一人を気に入ってるという感覚がない。みんな人柄がいい子だから、みんなに好意があって、それは、応援しているチームのメンバー全員を応援するような感覚だ。そう、本当に「箱推し」なのだ。
ただ、彼女たちはアイドルではない。だから、自分のこの感覚は彼女たちには伝わらないだろうし、むしろ言えば……誤解を招く。
この日記を書いたのは、ちょっと前に、kanaに「増田さんはいい人だけど、たまに、なんか嘘ついている気がする」と言われたからだ。「増田さん。夜の店では、一人を選ぶのが普通かもしれませんよ」とも。
kanaは、私を「気持ち悪い」と感じているかもという考えが頭をよぎった。もし、そうだったら少し寂しい。kanaの、あの控えめな笑顔が好きなのである。
結局、どうすれば良いのだろうか。
誰か一人だけを特別扱いすれば、それはそれで他の子たちに申し訳ない気がする。そのうち職場の人間関係が悪くなるかもしれない。かといって今のままでは、kanaが寂しい表情のままなのかも。
先月、店を出る時、kanaが話しかけてきた。「あの……いつも、ありがとうございます」と。
その言葉に、私はただ「こちらこそ、ありがとう」と返すのが精一杯だった。本当は、もう少し何か言いたかったけど、言葉が見つからない。
彼女も、何か言いたいことがあったのかもしれない。
夏に入ってからは一度も店に行ってない。今週は少しだけ顔を出してみようか。もし機会があれば、少しだけ、自分の気持ちを正直に伝えてみようか。『箱推し』であるという。
ただ、ほかの従業員もお客さんもいるし、それとない言い方しかできないと思う。ストレートに伝えるために同伴するにしても、kanaとはもう4回以上している。ちょっと多すぎる。
一度だけ、お店が終わった後で、kanaにかなり遅い夕食を奢ったことがある。また誘ってみようかな。
最後に、私がこの店を好きだということ。そして、そこで頑張っている、夢や目標を追っている彼女達の人格や人柄を尊敬していること。
これが、自分の正直な気持ちなのだ。ここで書いても何も解決しないけど、気持ちの整理のために書いてみようと思った。それだけだ。
これまでの3つの例に比べて短めにしている。政治的な話題になるからだ。代わりに、閑話休題補完的な内容に文章を割いている。
政治というのは厄介なもので、敵と味方を二分する性質を持っている。はてな民ならお分かりだろう。ちょっと前だと、弱者男性の存在について大いに語り合っていたはずだ。本日(2021/12/20)時点だと、オタクコンテンツの表現規制だとか、M1に出ていた芸人が人の見た目を馬鹿にするネタを~みたいな話題で盛り上がっているようだ。
今から私が話すケースが好きな人はすごく好きだし、嫌いな人はすごく嫌いだろう。よって、短くまとめたい。
D乃さんは、労働組合で活発に動いているタイプの職員だった。もうすぐ定年で、K市に合併される前の海沿いの市町村で採用された。人権運動や同和教育に意欲的で、労働組合の行事や集まりには必ず顔を出していたらしい。
さて、そんな彼女がある年、泊まりがけの研修に行くことになった。公民館で講座をしたり、まちづくり活動の会合でコーディネーターをする人を養成するための、文部科学省が主催し、都道府県が運営を行うタイプの研修だった。
2日目に事件は起きた。D乃さんが県の職員と大喧嘩になったのだ。原因は、そう……『日本国旗』だった。国立の研修施設だったので、毎朝誰かがラジオ体操の時に国旗をスルスルと掲揚するのだが、それに選ばれた彼女は国旗の掲揚を拒んだ。
県の話によると、「太平洋戦争を引き起こし、部落問題を長年放置してきた人権侵害の象徴である日本政府、その国旗なんか掲げたくない」とのことだった。大騒ぎになったので、県内他市町の職員らにも知られることとなった。後日、県から正式にクレームの内容が書かれた文書が届くことになる。大恥をかかされたK市の幹部は、D乃さんに対して停職以上の厳しい処分を与えるべきという結論を下した。
さて、私は、「この類の人と面談する意味はないな」と思っていた。まさにそのとおりになった。
指導面談の場では、D乃さんは「私は悪くない」をオウムのように繰り返すばかりで、「これ以上続けるなら組合に訴え出て解決する」という。この年齢の人にありがちだが、思想的にガチガチに固まっていて、新しい価値観を受け入れることができない。
結論からいうと、D乃さんには一番軽い処分を下した。文書戒告。わかる人にはわかるだろうが、文書戒告は処分ではない。昔の人が考えた言葉のマジックであり、実質的にはただの注意だ。
この処分の一つ目の用い方は、とある職員個人やそのチームがきっちり真面目に仕事をこなしたけれども、それでも大きな失敗をしてしまい、責任の所在を示さねばならなくなった時だ。
二つ目は、この文書戒告を受けても、さらに悪行を積み重ねる救いのない者についてだ。この場合、処分内容がどんどん次のステージに上がっていく。やがては退職勧奨へと至り、それでも改善が見込まれなければ問題のある職員から不要である職員へとカテゴリが変化する。かくして、そういった人間専用の部署やポジションに異動することになる。
______________________________
(以下、脇道)
上の『二つ目』について、不要職員と判断された者について、①②③により一般的な例をひとつずつ示す。
①男性の場合は、事務から現業に職種を替えたうえで、公園、観光施設、し尿処理場や〇〇センターなどの施設管理(特に肉体労働)の部署に送る。其処では、K市きってのサイコパスが管理監督者を務めており、厳しいノルマが課される。かくして彼らは、精神的にも肉体的にも追い込まれていく。仕事をロクにしないサボりタイプの職員に多い配置パターンだ。
②女性の場合は、上下水道局のような男性が多い部署、それも自分以外すべて男性の部署に異動させる。そこでは、水道メーターの検針管理や上下水道用品の棚卸し、料金滞納者への督促や集金回りといった業務を担当する。そのうちストレス過多になり、職場に来ることができなくなって辞めていくパターンが多い。私がこの類の人事案件を担当することはなかったが、後輩へのいじめやハラスメントだとか、勤務中に大声で他人を罵倒するなどを繰り返した者に多いようである。
③男女問わず、その職員が家庭の役割を担っている(介護や家事や親の自営業など)場合、自宅からの通勤が難しい(片道2時間近くなど)僻地に異動あるいは出向させる。毎日定時に退庁できるが、だんだんと僻地の職場が嫌になり、数年以内には「異動させてほしい」と上司や人事に訴え出ることが多い。だが、人事課内部では、「更生が認められない限りは定年まで〇〇支所。決して再任用を受け入れないこと」などと引き継がれているため、希望が適う可能性はゼロだ。組織にとって終生不要だと判断したから、そういう処遇を与えている。
この3例すべてにおいて、当人が苦境から解き放たれる可能性は少ない。「改善された」と人事課に認められない限りは、ずっとそのままだ。個人的な感覚だと、こうした処遇を与えられた人間の約3割が自ら退職を選び、残りの5割はゾンビのような人間的活力に乏しい人間になる。
最後の2割は、苦境の中で自らと向き合い、努力の結果として更生を果たし、十分な実績を挙げることで――晴れて一般の部署に戻ることができている。
いま述べた行為を残酷だと思われたなら、想像してみるといい。仕事をせずにのんべんだらりとしている地方公務員に、あなたの財布からお金を渡している場面だ。あなたが払った住民税や所得税の一部が彼ら彼女らの給料になるのだ。
残念ながら、「私は最低限の仕事すらしたくない。首を切られることはないし、それが一番いい」などと心の内で考えている職員は多い。私の感覚だと、最低でも1割はそんなことを思って職場に来ている。
公務員がチート(若者言葉でズルくて強いという意味)と言われる由縁である。若手・中堅社会人向けのメディア(noteなど。後はビジネス誌のネット記事)を見ていると、『どうすれば成長できるのか』『圧倒的な価値を創造するために』『自己研鑽がなぜ大事か』といった記事が踊る中、公務員はそんなことを考えなくても経済社会を生きていける。
仕事が好きな人はとにかく働いているし、ほどほどにやりたい人は合格最低点より少し上の品質で仕事を切り上げる。家庭や個人の事情で働くことができない人間はそれに対応した長期休暇を取るし、そもそも働きたくない人間はこれ見よがしに無能アピールを行い、割り振られる仕事を減らそうとする。
上のどんな働き方を選んでも、犯罪などをしでかさない限りは首を切られることはない。まさに自由な働き方だ。給料は50代までは右肩上がりだし、有給休暇は電話一本ですぐに取れるし、年金制度は手厚いし、希望すればほぼ全員再雇用される。
(脇道ここまで)
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話を戻そう。私は経験上わかっている。D乃さんの年齢の職員が更生することがないのを。
定年も近かった。たとえ免職処分にできたところで市にとってのメリットは薄いし、このことを根に持った彼女が退職後にK市に嫌がらせをする可能性もある。
よって、D乃さんには普通に定年退職してもらった方がいいと考え、K市の幹部(繰り返すが、私の役職は部長級だが実質的な権限はない。プロパーの課長にも劣っている)に対して以下の提案をした。
「D乃さんの場合、組合内での役職や立場を考えると、厳しい処分をした後の余波が重いものと考えられます。よって、今回は文書戒告とすべきです。ご希望に沿えず申し訳ありません。その代わり、もし彼女が定年後の再任用を希望した場合、私が責任もって拒否します」
※最終的には再任用ではなく、公民館の職員になった。こっちの方がまずい気もするが……。
渋々の承認をもらった私は、「地方公務員って意外とヤバいな(※当時の日記そのまま)」と感じつつ、3階の窓から、人もまばらな夕方の駐車場を見下ろしていた。終業のチャイムが鳴ったばかりであり、何人かが駐車場をポツポツと歩いて自家用車に向かっている。
視線を移すと、市街地の住宅や商業ビルに混ざって、田んぼや畑や空き地が点々とあった。やがて、K市の役場のすぐ前にある雑木林に視線を移すと、遠くの方から、ぱたぱたと翼を羽ばたかせてメバルが飛んできた。
メバルは、たぶん小さい声でピピピ、と鳴いたのかもしれない――雑木林のクヌギかコナラの枝に止まった。周りをササッと見渡すと、ちょんちょんと枝の上を移動していく。春になると、桜の木の枝にも止まるのだが、これがまた絵になる。
「カメラを持っていればよかったなぁ」と思いながら、私はそいつをずっと見ていた。昔、実家にある柿の木の枝にトリモチを付けて、メバルを何匹も捕えたのを思い出した。適当に作ったトリモチでも、これがまたよくひっつくのだ。最大で7羽もひっついていた。やり方は祖父に教わったんだっけ。
夕焼け雲に視線を移すと、数年間に、祖父から「ひ孫の顔が見たい」と言われたのを思い出した。見せてやれなかったのは残念だったが、もうこの年で子どもは難しいだろう。精子も劣化している。なにより元気がない。風俗店を利用するのも年に数回あるかないかだ。
マグロは全国的に魚の王者という扱いを受けているように見える(特に関東)。
実際、取引される価格や、魚体の大きさから言っても王者たる風格は十分である。
一方、タイは西日本を中心にウオサーの姫的な唯一無二の地位を確立している。
タイは、マグロが下魚とされてきた古の時代から常にリーディングフィッシュとして魚介シーンを牽引してきたのだ。
確かに生マグロの中トロの刺し身や、タイの昆布締めは、うまい。すんげえうまい。これ食っとけば間違いない感じがする。
だが、最強食材としてこの二種がそのままワンツーフィニッシュしてしまうのは、どうも納得がいかない。
海は広いのである。
海のポテンシャルにもっと賭けたい。そう思った。きっと海は応えてくれる。
そこで、魚介類最強の食材を決めるため、一度、王者も姫も抜きにして、食材として公平に魚介類をジャッジしたい。
最強を選ぶには、食材の持つ「味」が争点になってくるだろう。ついで「他にない魅力」も外せないな要素だ。
この2点がずば抜けていれば、希少で高価であっても仕方がないと思う。
一般に高級食材といえば、マグロ・タイの他に、トラフグ・ウニ・ウナギ・イクラ・アワビ・カニなどがある。
もう少しつっこむと、キジハタ・ノドグロ・キンメ・シマアジ・ヒラメ・アオリイカ・カキ・オコゼ・伊勢エビ・車海老・アユなんかが挙げられるだろう。どれもうまい。
これらの希少性と需要のバランスは、高めの価格で折り合い、世の中で「高級食材」として流通している。
しかし、最強食材が必ずしも希少で高価である必要はないのだ。安さも魅力であり価値である。
では、一般流通している"大衆魚"と呼ばれる魚介の中で特にうまいものを挙げてみよう。
タチウオ・サンマ・カワハギ・イサキ・アジ・ブリ・鮭・マダコ・メバル・マイワシ。
他にもサワラ・アンコウ・カツオ・穴子・シロギスなど挙げればきりがないなこれ。
・タイ
・サンマ
・ノドグロ
・ウニ
・ブリ
タイは実は敷居の高い魚ではない。ウオサーの姫ではあるが、会いにいける姫なのである。
もちろん高価なブランド天然鯛も存在するが、基本的には養殖技術によって通年安定供給されている大衆魚だ。
タイの魅力はこの供給力と食べ味の良さのバランス、そして料理の多彩さだろう。
最強に限りなく近い食材だと思う。
次にサンマである。日本の秋といえば、国民全員がサンマを求めて大挙してスーパーに押し寄せ、豊漁不漁に一喜一憂する光景でお馴染みである。
刺し身もジューシーでうまい。新鮮なサンマが手に入る当たり年には、ぜひ試してほしい。
続いてノドグロ。言わずとしれた高級干物の王者。大きさによっては1枚数千円することも。
食べたことがある人ならわかってもらえるだろうが、あの脂、その量もさることながら、くどさの全くない異次元の質の良さを備えており、食べている間はずっと快楽中枢が刺激され続ける。
ウニの濃厚なうまみと磯の香りは食べた人を魅了し、ウニなしでは生きられなくさせてしまう。
最終的には痛風になる。
ブリは、安価かつ安定的に供給されており、華はないが攻守最強レベルの食材である。
季節の移り変わりによって味が大きく変わるのもまた良い。
またブリは出世魚として古くから愛されてきた。地方名まで含めれば、数多ある魚種の中でもっとも多くの名前をもつ魚ではなかろうか。
さあどうだろう。
この5種の中に、または他に"最強"と呼ぶにふさわしい食材はあるだろうか。
推しへの愛を聞かせてほしい。
Permalink |記事への反応(18) | 12:21
・メジャークラフトクロステージ(Kガイド・2世代目)CRK-T732AJI
・メジャークラフトクロステージ(Kガイド・2世代目)CRK-T762M
マイクロジグ
・メジャークラフト 三代目クロステージ CRX-T862M (新)
シーバス汎用
ショアジギ
・メジャークラフト 三代目クロステージ CRX-902SSJ
パックロッド
2軍
・SZM FORTUNATEメバル 762L
2017年最も活躍したのはパックロッドのTRGR S806Mでありました。
2018年のはじまりでは今の所、メジャクラクロステージCRK-T732AJIとシマノルアーマチックS86MLが好調。
クロステージCRK-T732AJIではジグ単でメバルとジグサビキでサバが、ルアーマチックS86MLではサビキ・ジグサビキでサバが釣れております。
そろそろ新しいCRX-T862Mにも活躍してほしいところです。積極的に昼のマイクロジグや夜のフロートリグを投げていきたいですね。
すごく晴れていて、気持ちいい日曜の午後。
こんな日は15時くらいになったら、
狙うのは丸一匹の鮮魚。
ちょうどよいサイズの新鮮なやつを選ぶ。
鮮魚コーナーのオジさんに、
腹出し、ウロコ落としをお願いすれば完璧だ。
適当に好きな魚介を購入。
今の気分はバジルかな。
カルパッチョも食べたくなったので、
生ダコなんかも買ってみる。
帰りに、行きつけのワイン屋さんに顔を出す。
「アクアパッツァにするんで」
というと、おばさんがトスカーナの1500円の
白ワインを勧めてきたので、それを購入。
「良いね」
オリーブは輪切り。
エビは殻をむいて、腸を出し。
イカは中身を出して皮を剥いて輪切り。
魚は軽く水で洗ったあと、キッチンペーパーで拭いて、軽く塩。
アサリは砂抜き済みでも、塩水で30分ほど砂抜きする。
アサリの砂出しをしている間に、
「タコ食うか?」「うん」
嬉しそうに頬張ると、おとなしくリビングに逃げていった。
さあ。アクアパッツァの再開。
コンロに弱火をかけて、
ニンニクがふつふつしてくるのを待つ。
俺は少し香ばしい方が好きなので、
きつね色より少し濃いめに色をつける。
ニンニクが仕上がってきたら、
コンロの火を強火にして、
ソースがフツフツとしてきたら
飲んでいる白ワインも少し入れて蓋をする。
アサリは加熱しすぎると美味しくない。
再び蓋をして4〜5分。アサリを戻して1分くらい。
うん。美味い。
タコは、軽く塩を振って、
オリーブオイルを掛ければ完成。
うん。今晩は、こんな感じの夕食にしよう。
きっと彼女たちも喜んでくれるはずだ。