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トランスジェンダーアスリートのスポーツへの参加に関する議論は、スポーツ界の内外で意見が分かれており、英国元首相ボリス・ジョンソンからもコメントが引き出されるほど注目を集めています [1]。この議論の中心は、インクルージョン、スポーツの公平性、女性スポーツにおける安全性という三つの要素のバランスにあります。具体的には、トランスジェンダー女性が、その生物学的な性別による不公平なアドバンテージを持たずに、あるいは他の競技者への怪我のリスクなしに、女性カテゴリーで競技できるかどうかが問われています [2]。
この複雑な問題について、BBCSportは異なる見解を持つ二人の科学者と一人の弁護士に話を聞いています。スポーツ科学者のロス・タッカーは、思春期に確立される生理学的差異が「男女間に著しいパフォーマンス上の利点」をもたらすと主張しています [2]。一方、スポーツ科学者であり自身もトランスジェンダーであるジョアンナ・ハーパーは、トランスジェンダーアスリートの移行が女性に与える影響を研究しています [3]。さらに、弁護士であるシーマ・パテル博士は、人権などの他の要素も考慮に入れるべきだと訴えています [3]。
###トランスジェンダー女性は女性アスリートに対して不公平なアドバンテージを持つのか?
ハーパーは、**アドバンテージが必ずしも不公平であるとは限らない**と指摘します [4]。彼女は二つの例を挙げてこの点を説明しています。
したがって、問題は「トランス女性がアドバンテージを持っているか」ではなく、「トランス女性と女性が有意義な競争ができるか」であるとハーパーは主張します [5]。そして、その答えはまだ「決定的ではない」と述べています [5]。
彼女はまた、トランス女性は、**大きな骨格が減少した筋肉量や有酸素運動能力で動かされるため、不利な点も持ちうる**と指摘します。しかし、これは単に体格が大きいというアドバンテージほど明確ではありません [6]。競争の結果は非常に僅差で決まることが多いものの、全体的なパフォーマンスには多くの要素が絡んでおり、「誰かが一つの要素でアドバンテージを持っている」というだけで結果が決まるわけではないと強調します [6]。
タッカーは、**男性が思春期に達する約13〜14歳頃から身体に変化が生じ、筋肉量や骨密度の増加、骨格の形状変化、心臓や肺、ヘモグロビンレベルの変化が見られる**と説明します [6]。これらすべてがパフォーマンスに大きく貢献します [6]。
彼は、テストステロンを低下させてもこれらのシステムへの影響は「完全ではない」と述べます [7]。そのため、**テストステロンによって作られた生物学的な差異のほとんどは、テストステロンレベルが低下した後も持続する**と考えています [7]。これは、男性が女性に対して持つスポーツ上のパフォーマンスアドバンテージの「かなりの部分」が残ることを意味します [7]。
タッカーは、**テストステロンが原因となる男性のアドバンテージを排除することが女性カテゴリーの目的である**と主張します [8]。彼は、トランス女性においてそのアドバンテージが持続しない、あるいは存在しないことが示されるまで、トランス女性の参加を許可する根拠はないと断言します [8]。
さらに、彼は**「有意なアドバンテージが維持されている」ことを示す13の研究と、テストステロンレベルが低い男性(前立腺癌患者)の他の研究がある**と指摘し、これらの証拠が総合的にアドバンテージが維持されることを強く示唆していると述べています [8]。彼は、リア・トーマスやエミリー・ブリッジズのようなアスリートの例は、生理学的に何が起こるかという予測の「表れ」であると考えています [9]。
タッカーは、女性スポーツを男性のアドバンテージ(トランス女性を含む)を排除することで規制する政策こそが、証拠に基づいたものであると確信していると述べています [9]。彼は、国際オリンピック委員会(IOC)が当初、「他に証明されるまで」参加を許可したことは間違いであり、アドバンテージが除去できると示されるまでは排除されるべきであったと批判しています [9]。
###トランスジェンダー女性は女性スポーツから排除されるべきか?
タッカーは、女性カテゴリーの目的はテストステロンに起因する男性のアドバンテージを排除することであると繰り返し強調します [8]。そのアドバンテージがトランス女性において持続しないことが示されない限り、参加を許可する根拠はないとして、**排除政策が慎重な出発点であるべき**だと主張します [8]。彼によれば、**アドバンテージが保持されていることを示す強力な証拠が既に存在**しており、リア・トーマスやエミリー・ブリッジズのようなケースはその生理学的な結果の表れであるとしています [8, 9]。彼は、IOCが当初、アドバンテージがないと証明されるまで参加を許可したことは誤りであったと強く批判しています [9]。
ハーパーは、**この分野の科学は「初期段階」にあり、確定的な答えが出るまでにはおそらく20年かかるだろう**と述べています [10]。彼女は、IOCを含む一部の機関が、詳細が判明するまでトランスアスリートを制限すべきではないと主張していることに言及します [10]。
ハーパーは、**現存するデータと知識に基づいて、スポーツの統括団体が最善を尽くし、今後より多くのデータが得られ次第、政策を変更する用意があるべき**だと提案します [10]。彼女は、世界陸連がトランスジェンダー女性が12ヶ月間テストステロンを低下させれば参加を許可するという方針を示した例を挙げ、これは完璧な政策ではないものの、利用可能な科学に基づいて最善を尽くしていると評価しています [10]。このアプローチは、トランス女性に一切制限を設けないという立場や、完全に排除するという立場よりも合理的であると考えています [11]。
###トランスジェンダーアスリートのための独立したカテゴリーは必要か?
ハーパーは、**レクリエーションスポーツでは、男性と女性のカテゴリー以外に、例えば第三のカテゴリーを設けるなど、柔軟で創造的な区分方法を検討すべき**だと提案します [11]。
しかし、彼女は厳密にすべてのトランスアスリートをトランスカテゴリーに入れることの**実際的な問題点**を指摘します [12]。人口の49.5%を占める男性カテゴリー、同じく49.5%を占める女性カテゴリーに対し、トランスカテゴリーは人口のわずか1%しか占めません [12]。これにより、「英国がトランスジェンダーのサッカーチームを編成できるのか?そして他の国が同様のチームを編成できるのか?英国のトランスジェンダーサッカーチームには対戦相手がいるのか?」といった問題が生じ、特にチームスポーツにおいては、「エリートスポーツでは機能しない」ため、事実上不可能であると述べています [12]。
ハーパーは、カテゴリー分けは必ずしもアドバンテージを完全に排除するわけではないが、そのカテゴリー内の誰もが「有意義な競争」を楽しめる程度にアドバンテージを減らすものであると説明します [13]。女性がオリンピックで金メダルを獲得したり、プロスポーツの契約を結んだりするためには、男性がカテゴリー内にいてはならないと述べています [13]。しかし、男性の思春期を経験したトランス女性がそのカテゴリーにいられるかどうかは、「まだ決着がついていない問題」であると認めています [14]。
タッカーは、**将来的にトランスカテゴリーが解決策となる可能性もある**と認め、それはある意味で「非常に前向きな一歩」であると述べています [14]。しかし、彼は**現時点では世界がその準備ができていない**と考えています [14]。
主な問題点として、**アスリートの数が非常に少なく、スポーツ競技やカテゴリーとして存続できるほどの規模を維持できない可能性**を挙げています [14]。
もう一つの問題は、**トランスであることに対するスティグマが依然として多く存在し、スポーツを通じてプラットフォームを強制したり作成したりすることが、そのスティグマの克服に役立つかどうか疑問**であるという点です [15]。むしろ、特定の障壁が生じる可能性もあると指摘します [15]。また、世界にはトランスであることを違法と見なす国もあるため、社会がまだその準備ができていないし、公平でもないだろうと述べています [15]。
それでも、彼は将来のある時点で解決策となる可能性はあるが、現時点では時期尚早であると考えています [15]。
###トランスジェンダー女性は女性スポーツを「乗っ取る」のか?
ハーパーは、**トランス女性が女性スポーツを「乗っ取る」ことは決してない**と断言します [16]。まず、トランスジェンダーの人々は人口の約1%を占めるに過ぎないと指摘します [16]。
彼女は米国大学体育協会(NCAA)のスポーツを例に挙げます。毎年20万人以上の女性がNCAAスポーツで競技しており、トランス女性が人口の0.5〜1%を占めることから、毎年1,000〜2,000人のトランス女性が見られるはずだと計算します [16]。しかし、NCAAが11年前にホルモン療法に基づいたルールでトランス女性の参加を許可して以来、「毎年ほんの一握りしか見かけない」と述べています [16]。したがって、**ルールが施行されて11年経っても、トランス女性はNCAAスポーツを乗っ取っておらず、依然として「大きく過小評価されている」**と結論付けています [17]。
タッカーは、問題は「規模と数」ではなく、**「概念」にある**と主張します [17]。彼は女性たちに「何人までなら受け入れるのか?」と問いかけ、5人、10人、あるいは50人でも受け入れるのかと疑問を呈します [17]。
彼は、ここしばらくの間に少数のトランスジェンダー女性アスリートが存在し、米国では世界的な注目を集めていない他の多くの選手もタイトルを獲得していると述べています [17]。そして、これらの選手たちは**女性スポーツカテゴリー内で女性の「場所を奪っている」**と強調します [18]。そのため、数を問題にすることは非常に危険であると考え、2028年のオリンピックでは、半ダース、あるいは一ダースの選手が見られるようになるかもしれないと予測し、「この問題は拡大するばかり」であると警告しています [18]。
###IOC(国際オリンピック委員会)の政策についてどう考えるか?
国際オリンピック委員会(IOC)は、2021年11月の新しいガイドラインで、**トランスジェンダーアスリートが女性スポーツイベントにおいて自動的に不公平なアドバンテージを持つとは仮定すべきではない**と発表し、個々のスポーツ団体に適切なアプローチを見つけるよう求めています [19]。
タッカーは、**IOCが最初から女性スポーツの健全性を犠牲にしてインクルージョンを追求しようとしていたことが「極めて明確である」**と主張します [19]。彼は、IOCの現在の姿勢は、過去7、8年前よりも多くの知識があるにもかかわらず、「アドバンテージの推定なし」という「異常な声明」を出しており、さらに健全性を損なうものであると批判します [19]。
彼は、以前にも述べたように、より多くの証拠がアドバンテージの保持を示しているにもかかわらず、IOCがテストステロン測定の必要性をなくす方向へ進んだことは、**「科学的健全性の根本的な欠如」**であると厳しく非難します [20]。彼は、ほとんどのオリンピック競技がこの決定を下す能力や証拠を持っていないため、IOCがより強力な枠組みを提供しなかったことは「リーダーシップの失敗」であると見ています [20]。タッカーは、IOCが「科学的に欠落した政策ガイドライン」を採用したため、この問題が拡大し続ける中で各スポーツ団体が自力で解決しなければならなくなったと述べています [21]。
ハーパーは、新しいIOCの枠組みには「十分な実質がない」とし、データが得られるまでいかなる制限も設けるべきではないという考えには同意しないと述べています [21]。彼女は、IOCがインクルージョンを優先したことは価値あることと認めつつも、**世界陸連のような、より積極的な姿勢を示す例を好む**と述べています [21]。世界陸連は、「これが我々がすべきことだと考える」と述べ、すべてのスポーツに適用できるわけではないと理解しながらも、よりリーダーシップを示しているからです [21]。この点で、IOCを批判することは可能であるとハーパーは考えます [21]。
ハーパーは、トランスジェンダー政策を策定することは「極めて困難」であり、どのような政策に対しても批判が生じるのは当然だと述べます [22]。彼女は、IOCが異なる行動をとっていればと願う一方で、トランス女性とシス女性の両方、そしてスポーツ統括団体も「非常に困難な状況」に置かれていることを認め、ある程度の同情も必要であると付け加えています [22]。
タッカーとハーパーがIOCの現在のガイドラインを批判するのに対し、弁護士のパテル博士は、**新しい枠組みを「Permalink |記事への反応(1) | 13:34
たぶん、今回のAV女優に仕事で同じウェディングドレスを着た写真をSNS投稿された新婦の悲しみがわかってない人が多いから、男性にもわかりやすい例えで説明しておくね。
例えば、あなたが起業したとする。そこから10年間、昼夜を問わず休みなく事業経営のことだけ考えて死ぬほどの努力をした結果、事業は大成功して、夢にまで見た上場審査も通った。
そして、自分の会社の上場の鐘を鳴らす当日のために、大した贅沢もせずに来た自分へのご褒美の意味と、人生最高のハレの日のために、高級なオーダーメイドの店で数十万円をかけてスーツを新調した。当日は取材も多い。社長としてのブランドイメージも考慮して、自社のブランドカラーをデザインにあしらった、とっておきのデザインにした。
完璧な仕上がりのオーダースーツも届き、当日を楽しみにしているあなたが、ふとテレビをつけると、ダンディ坂野が出ていた。いつもの黄色いスーツではない。「えー、ダンディ……イメージチェンジしました!」「それでは、トレードマークの黄色のスーツに代わって、今度はこちらがトレードマークになるんですね!」そこに映っていたスーツは、あろうことかあなたがオーダーメイドして作ったスーツと見分けがつかないほどそっくりだった。
「ダンディさん、新CMの起用も決定したそうですが、そちらもこのスーツで?」「もちろん!」「それでは、新CMをご覧ください!」
そのCMは、まさかのあなたの会社のド競合となる大手企業のサービスの広告だった。こんな不幸な偶然があるだろうか!? そういえば、自分はもともとダンディ坂野も大嫌いだった。新卒の時に生意気だった自分をいじめ倒した、ムカつく無能な上司に顔がそっくりだったからだ。『なんで、お笑い芸人ごときが、オーダーメイドのスーツなんか着てるんだ!!!』とあなたは吠えた。
たぶん、これくらいのショックだと思うよ。レンタルとかオーダーメイドとかは関係ない。嫌な相手と衣装が被っていて、しかもそれが自分より前に広く拡散されたことのショックは大きいよ。
衆議院選挙での歴史的な大勝を契機として、構造改革の成果を誇張する動きがメディアやネット世論で散見されるようになってきた。この種の構造改革誇張論については私の個人ブログに簡単な意見を書いたので参考にしていただきたいが、ここでは小泉構造改革とはいままでなんであったのか、その一面を簡単に振り返りたい。実はこの小泉政権の経済政策の特質を見る上で見逃せないのが、郵政民営化論戦以降、リフレ派のダースヴェーダー卿としてネットの人気者になった高橋洋一氏の小泉政権の経済政策についての評価である。
ヴェーダー卿については以下を参照
http://reflation.bblog.jp/entry/193845
注目すべきは高橋@ダースヴェーダー卿の論考「「何もしない」小泉政権をマクロ的にどう評価すべきか」(『週刊金融財政事情』6月27日号)である。その評価は端的にいえば小泉政権が受動的ケインズ!!政策の出動を行ったという次のものである。
「小泉政権になって以降、積極的なマクロ政策は行われていないが、税収のビルトインスタビライザーが機能し受動的なマクロ政策となっているのである。歳出差額(=一般会計歳出-税収)の対GDP比率をみてみると、積極財政といわれた小泉政権以前の九八~〇〇年度の平均が七・九%であったが、小泉政権になってからの〇一~〇四年度の平均は七・八%とほとんど同じである。小泉政権の財政運営は清算主義のような印象を与え、その心理的な効果はわからないが、実際のデータでみる限り、かなりケインズ的な景気下支え機能をもっていたといえる」。
もちろん長期にわたる経済停滞の時期に積極的ではなく、不景気ゆえに税収が低下するという自動装置の働きを放置したことをもって小泉政権への好意的な評価とすることには、さすがに暗黒の力を感じざるをえないが、それでもこの指摘はよくよく考慮する内容をもっている。論壇では慶応大学の金子勝氏の近時の発言に代表されるように、小泉政権が当初の公約ともいえた国債発行枠30兆円を早々に放棄したことにはいまだに批判が根強くある。しかし、上記の小泉政権の受動的「ケインズ政策」の裏面はこの「公約」破りが必然的に伴ってもいることは見逃すべきではない。もしこの発行枠にこだわれば、それはまさに積極的逆ケインズ政策であり、小泉政権の表のトレードマークたる清算主義的な発想といえたであろう。
しかし竹中・木村ショックという株式市場に一大打撃を与えた心理効果にある意味でおそれおののいたのか、以後はりそな救済というモラルハザードつき国有化や受動的「ケインズ政策」とともに、小泉政権の特質は政権当事者たちの発言とは相反して反構造改革(むしろリフレ効果を多少とももつ「改革」)なものであると市場からも信認?を得てのではないだろうか。
ヴェーダー卿の論考では、なにもしないマクロ経済政策スタンスを受動的なケインズ政策であると、きわめて好意的に書かかれているがそれは政権の当事者のリップサービスと割り引いておこう。むしろ正確には小泉政権が(竹中・木村ショックに代表される)自らの清算主義の効果に驚き、また積極的なマクロ経済政策の責任を放棄したことで、日本経済の今日の景気回復局面の必要条件の一部を形成した僥倖を裏声で祝すべきなのだろう。
これはVeryストレートでリアル。リアリティーのあるテクニカル・プロブレムに、ダイレクトなアクションをリクエストしてるわけよ。まさに “ファクトはフィクションよりストレンジャー” ね。
「Wetopplayersはマーケットでベネフィットをオプティマイズするために、データセントリックなベスト・ストラテジーをアプライします!」
コンプリートにBuzzwordカクテルのワンダーランド!でもね、ミーニングがフローティングしてて、どこにランディングするのかドントアンダースタンド!
「ミーはリアルをトラストするガイ。だから、テックのトークをチョイスしてトラスト!セールスのワードは、もうちょっとグラウンディングしてからトーク・トゥ・ミー!」
ということで、トゥギャザーしようぜ、リアリティと!
長いです。
中学1年生のとき、太ってて肌が汚いブスってことでいじめられて不登校になった。
派手で性格がキツい同じクラスの女子Aが主犯で、教師も誰も助けてくれなかった。
高校は通信制に行ったけど、2年からがんばって地方国立に進学して、今は税理士になって働いてる36歳です。
派手な復讐じゃないけど、Aを見返すことができてやっと人生を取り戻せた気がする。
昨年末、とある顧問先の企業の年末調整をチェックしていたら、Aを見つけた。
中学の同級生とは全く連絡をとっていないので、Aの近況は知らないんだけど、アルバイトとして働いているようである。
年収は200万円にも満たないから結婚して扶養に入っているのかと思ったが、苗字はそのままで配偶者なし、住所を検索してみると築40年の軽量鉄骨1DKアパート。
私を苛めて学生生活を壊した女が低年収で安アパート住まいなのかと思うと笑ってしまいそうだった。
Aと似た名前や容姿の人にまで怯えて生きてきたこれまでを思うと、この現実だけでもかなり爽快だった。
その会社は先輩税理士から引き継いだばかりで挨拶にすら行ってなかったので、事務員が持っていくはずだった年末調整書類を私が持っていくことにした。
スーツはセミナー講師をする時や壇上に立つ時用に作った一番良いセミオーダースーツを着て、一昨年買った中古のレクサスは洗車してピカピカにした。私自身はいまだにチビのデブなんだけど、身だしなみには気を遣っているから清潔感はあるつもりだ。
引き継ぎの挨拶も兼ねたいと事前に伝えていたからか、顧問先の社長は専務の奥さんと共に歓待してくれて、税理士である私がわざわざ年末調整ごときの書類を持参し挨拶してくれて嬉しいと言うので少し申し訳なさを感じる。
バイト込みで15名程度の大手下請け製造業なので、応接スペースに隣接する作業場で従業員さんたちが働いている。今年買った機械設備の確認と称して作業場にお邪魔してすぐにAが分かった。
Aは中学生の頃、別に美人ってわけではないがイケてる女子だった。しかしなんと今は女版チー牛としか言えない容姿で、更に私よりも太っていて汚らしい。さらにこちらをガン見している。
私の苗字は難読で珍しいので、顧問税理士として話題になった時にでも気づかれていたのかもしれない。Aを見分けたとき、私は気づかないふりをしようと瞬時に判断した。
これは無視するのが一番良いと思った。勝った、と思ったから。アラフォーで低年収アルバイトの汚らしい女。私の10代はこの女に壊されて鬱屈したものだった。通信制高校でも大学でも、怯えや卑屈さが先立ってしまって友達なんかできなかった。なんとか生きていきたかったから税理士資格をがんばって取って、お前の雇用主から丁重なおもてなしを受けているよ。
Aの表情からして私に気づいていることは確実だったけど、顧客企業の初対面の従業員に微笑んで会釈するポーズを上手くやれてたと思う。
なんでAがそんな状況にいるのか経緯を知りたい気もしたけど、客観的に見て私の方が何もかも「上」の人間だと感じた。Aは私に再会したことにすら気づけてもらえず、歯牙にもかけられなかったと思っているはずだ。
事務所への帰り道、これまでの人生で味わったことがないくらい心が晴れやかで、雨が降っていたのに景色が明るく見えた。
事務所に帰ると1月から産休に入る年下の事務員さんが出迎えてくれて、彼女のことが突然心配になった。うちの事務所は古くて段差が多い。いまさらだけどつまずいたりして怖くはなかっただろうか。工事するには遅すぎるけど、不安なところがあったら教えてほしいと言うととても喜んでくれた。社長が持たせてくれたお土産のシュークリームを一緒に食べたら、それもおいしいと喜んでくれてとても可愛かった。
年末の税理士事務所は繁忙期で、みんな疲れきっていたから、初めて使うUberでスタバのドリンクとおやつを頼んだ。私がそんなことをするのは初めてだったので、事務員さんも先輩税理士もとても驚いていた。シュークリームを食べた人たちも含めてみんな喜んで飲み食いしてくれて、楽しい気持ちになった。
この時からなんだかとても人の役に立ちたいと思えるようになった。
私の人生を壊しかけた女の惨めさを見て、そいつを取るに足らないものとして扱った程度のささやかな復讐だったけれど、私のことを凝視していたあの醜い顔はとても胸のすくものだった。
尊厳の回復ってこういうことなのかな、と思った。自己肯定感を取り戻したことで、自分の部下である事務員さんにも思いやりをかけられるようになれて、やっとマシな人間になれそうな気がする。
苛められている私を抱きしめて何度も謝って泣いた母は税理士試験に合格する前に死んでしまったし、父は若年性認知症でかなり前から施設にいる。
孤独な一人暮らしだけれど、新築マンションに住んでレクサスに乗れているし、顧客からの信頼を得られていると思う。従業員さんたちとはシュークリーム・スタバ以降、なんとなく関係性が改善できできたように思う。
中学生の頃からきっとずっと固まり切っていた感情がやっと解けて、初めて人に思いやりをかけられるようになったんだと思う。
ボス税理士にも最近変わった、彼氏ができたか?と聞かれたので、とりあえずすごく良いことがあった、仕事のおかげだから感謝しているし頑張って働くと伝えた。
来週から産休に入る事務員さんが今日、私だけに挨拶のお菓子をくれた。産休クッキーか?とゲスな好奇心を持ったが、地元の有名洋菓子店の美味しいガナッシュだった。産休中に日商簿記2級を勉強するのだと言うが、3級取得に2年かかった彼女がそんな短期間で2級を取れるようになるはずもない。それはそのまま言えないので、産休中は体を労って、復帰してから一緒にがんばろうと伝えたら泣いて感動していた。ずっとバカなギャルだと思っていた彼女がなんだかとても可愛くて、来週から一年会えないのは悲しい。