
はてなキーワード:シラットとは
なんかいろいろ間違ったインドネシア産ジョン・ウィックみたいな映画だった52点。
インドネシアで船上生活を送る主人公は市場に買い出し中にスラム街のガキにうっかり懐かれてしまう。いろいろあってその家族と仲良くなった主人公だったが、近隣を仕切る海賊にガキを車で撥ねられうっかり海賊を惨殺。海賊経由で元アン作者だった主人公の情報を求めていたマフィアに漏れてしまう。ガキを攫われ怒り新党の主人公は暗殺者協会に復帰し復讐を開始する。
みたいな映画だった気がする。
最初のガキを撥ねた海賊を路地裏におびき寄せて惨殺するシークエンスだけど映倫がないインドネシア映画らしくめちゃくちゃゴアっててよかった。マチェットを片手にイキってる海賊に対して神速でマチェットを奪って腕をバコバコ切断し、最後の敵は両腕を切断したうえで首チョンパ。このへん、スピード感と無敵感、主人公の異常性を表すシーンとしてはよかった。
あとスラムのガキに仕事を聞かれて「引退したんだ」「引退って何?」「仕事をもうしてないってことさ」「その引退って難しいの?」って会話をするシーンがあるんだけど、実際のところそういう映画だったので"引退"って言葉自体をよくわかってないガキを使って「引退って難しいの?」って言わせるのは若干露骨すぎるなぁって気もしつつパンチラインだなって感じがした。
主人公はシラットの使い手って設定で全盛期のセガールよろしく接近戦での無駄も容赦もない爆速格闘はよかった。途中から殺し屋協会から派遣されたスナイパーと共闘するんだけど、狙撃手を頼むって言ったら対戦車ライフル持ってくるっていうあまりにバカな展開は笑った。次々敵の頭を文字通り"吹き飛ばす"スナイパー怖すぎるだろ。
敵のアジトに乗り込む際に途中で知り合ったトゥクトゥクの運転手を先に送り込んで、セキュリティや店内の強面たちにドル札を渡しながら「◯◯って人知らない?」って聞いて回らせるってシークエンスがあって、誰か探す必要なんかあったっけ?俺が見落としただけ?と思ってたら、実はドル札型遠隔爆弾でドル札を丸めて耳に挟んでたセキュリティの頭がふっ飛ぶバカ展開も面白かった。ドル札程度の質量にそんな爆発力ねぇだろとか、そもそもどうやって起爆したんだよとか言いたいことがないわけではない。
たぶんジョンウィックをパク、インスパイアしたんだと思うんだけど主人公は元殺し屋協会の会員で今回のヴィランは主人公に両親を殺されたって設定なんだけど、まぁそれは(映画的にも)どうでもよくて。途中でヴィランに殺し屋を送り込まれた主人公は体内のカプセルを起動して殺し屋協会に復帰するんだけど、復帰そんな簡単なんやって感じもするし、殺し屋協会ってメガネのカワイ子ちゃんが一人でデジタルキーボードをパタパタしてるだけで規模感が全然ない。深夜のすき家なん?中途半端なんはいっちゃん冷めるから。
序盤は超絶無敵主人公が敵を上回る殺戮力を発揮する展開なんだけど、その後はどんどん敵が間抜けになっていくのでこれ主人公が強いんじゃなくて敵が弱いだけじゃね?ってなるし、敵のアジトに侵入してからは主人公もどんどん間抜けになっていくのでナンダカナーって感じ。子供時代に両親を殺し屋に殺されてその復讐に燃えていたって設定のヴィランなんだからめっちゃ鍛えてて大立ち回りを用意してくれててよかったのに、それもないし。っていうか、ヴィランに魅力がなさすぎる。こいつがバカなせいで話が全部おかしなことになっとる。
アクションシークエンスもいいところと悪いところの差が激しい。接近戦は概ねいいけど、一部いまさらカメラに向けてパンチ撃つ?みたいなのがあったり、遠距離の銃撃戦になるととたんにオリジナリティがなくなるのもこの手の映画では致命的な気がする。
あと主人公がなんかヘンなやつでさぁ。(おそらく)殺し屋協会みたいな組織に元々所属していて倫理観がちょっとおかしい。途中、ガキが飼ってたニワトリが野犬に襲われて死んじゃうシーンがあって悲しみに暮れるガキに主人公が「どこの犬だ。その犬を探し出して殺さないのか」と真顔で言いだして「なにこいつこわ」ってなった。そしてそのシーンではガキは「殺しちゃダメだよ。それは悪いことだよ」って言って主人公は「あ、そうなん?」みたいな感じで終わるんだけど、作品の最後でヴィランに背中に弓を撃ち込んだ(一緒に弓を練習するシーンもある)ガキが「犬は殺さなきゃ」って言い出して、いやこの話の展開でそっち方向に倫理振ることあるんだ!って驚かされてしまいましたよ。
あと最後、ヴィランをぶっ殺してエンドロール前のCパートで救ったガキと家族の話をやるのかと思いきや、それは一切なしで手伝ってくれたトゥクトゥクの運ちゃんにオシャレに金渡してエンドロールに入ってまたまたビックリ。ガキと家族はどうなったの!?
そんなこんなでやりたいことはわからないじゃないけど、ちょっと今の一線級の作品に比べると距離があるかなぁって感じかな。金ローっていうよりは平日の13時くらいにローカル局でかかってるアクション映画って感じの作品だった。主人公の見た目もチャックノリスみたいだし。
キアヌの髭伸びすぎ問題で「あんなのネオに見えない」って意見が多いけど
あの髭のおかげでキリストっぽさが出て、救世主ネオの10年後感あって俺は結構好き
ジョンウィック3では明らかに太ってて「どうしたキアヌ」ってなったけどそこは改善してくれてるだろうか
キアヌはカンフー映画が好きで自分で自分が悪役のカンフー映画を撮ってたりもするんだけど
ジョンウィックの1もわりともっさりアクションをしていて「ブランクがある役だから」と思ってたんだけど
俺がマトリックスの1が好きなのはキアヌがめちゃくちゃ気合を入れて半年以上カンフーのトレーニングに励んだ甲斐があって
地に足がついたアクションになっているところなんだよね。ビシッとしてた。
動きもキアヌにしてはシャキシャキしていて「地に足がついたアクション」と「無重力な演出」が絶妙なリアリティを出してた。
リローデッド以降はもう全体にふわふわしちゃってて「VFXがあればもう肉体はどうでもいいんやね」って感じで、
両方映画としては好きなんだけどアクションとしては正直、あんまり好きじゃない。
その後もマッハ!!!!!とかザ・レイドとか定期的に命の値段が安い国の命知らずの肉体系の映画が来る。
ああいう映画の「うわぁ、痛ぇ」みたいな感覚ってアクションを見るうえで俺は大事だと思う。
マトリックスの4とジョンウィックの4が来年来るけどキアヌがしっかり鍛え上げてくれていることを祈る。
追記:
ブコメにボーンアイデンティティが上がってたけど、あれは静かだけど決定力のあるアクションでよかった。
たしかフィリピン原産の武術のカリを特殊部隊向けにアレンジした技術だったはず。
ただ、シリーズを重ねるごとに「リアリティ」演出でアクションが手持ちのグラグラカメラばっかりになったのは残念だった。
ザ・レイドではシラット、マッハ!!!!では古式ムエタイとローカル色豊かなアクションは見どころだなと思う。