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2025-04-29

goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」  教訓を活かせないのはなぜか?2005-12-29 |Weblog

 先ごろ、次期FRB議長指名されたベン・バーナンキ日本の長期停滞の教訓から株価為替レートの動向を金融政策運営する上での指標にすべきではないとことある機会で発言している。現在アメリカ経済ではは石油価格の高騰によるインフレ、そして「住宅バブル」が主要な経済問題にあげられている。これらの問題についてバーナンキと共同作業も多いアダムポーゼン(米国経済研究所上級研究員)は、バーナンキが従来から金融政策の舵取りでは一般物価水準の安定を基にすべきであり、資産価格株価不動産価格為替レートなど)の動向をもとに金融政策の方向を決めるべきではない、と考えていると指摘している。ポーゼンはこのようなバーナンキ基本的姿勢FRB議長就任後も当然に堅持されるだろうし、目前のリスク石油価格の高騰によるインフレであればそれを抑制することに勢力を集中するであろうと予測している。そしてこのような物価水準に関心を払うことに集中して、消費や投資活動に影響しないかぎり資産価格の動向に金融政策を左右させないというスタンスは、実は継承約束したグリーンスパン議長政策観とまったく同じである、ともポーゼンは指摘している。

 

 「実はバーナンキ氏も(グリーンスパン氏と)同じ考えだ。八〇年代資産バブルへの対処で道を誤った日本金融政策反面教師として肝に銘じていると語ってくれたことがある。したがって、住宅価格上昇が今後のFRBの基本政策根本的な影響を与えるとはまず考えにくそうだ」(「過小評価されるFRB次期議長 政策透明性は間違いなく増す」「週刊ダイヤモンド2005年11月12日号)。

 

 またグリーンスパンバーナンキもまた「バブル」は「バブル」が崩壊してみないとそれが本当にバブルであったかどうか判別することは非常に困難だとも述べている。そしてこのバブルの判定が難しいこと以上に深刻な問題は、株価などの資産価格バブル」を潰すために行われた金融政策積極的運営が、その後の経済を非常に困難に直面させてしまっている、という歴史的証拠があまり豊富なことである。そして(そのような積極的金融政策運営の有無にかかわらず)仮に「バブル」が崩壊したときには予防的なデフレ回避策が重要であったことも日本の失敗の教訓や、またアメリカITバブル崩壊後の経験から得ることができる。このようなグリーンスパンバーナンキらの金融政策運営の智恵は積極的活用しなくてはいけないだろう(詳細は近刊予定の田中秀臣ベン・バーナンキ 世界経済新皇帝』(講談社2006年)を参照いただきたい)。

 

 しかしいま経済論壇でヒートしているのは株価バブル」への懸念とそれを予防するために日本銀行の金融政策レジーム転換への期待である。いわゆるエコノミストの中前忠・斎藤明子「経済教室 消費主導へ構造転換 金利日本経済 上」『日本経済新聞』12月26日菅野雅明加藤出「経済教室 金利正常化を急げ 金利日本経済 下」『日本経済新聞』12月28日 などはその典型的意見を表明している。菅野加藤論説では、現行の金融政策マイナスの実質金利を実現しているのでそれが「劇薬」として資産価格の高騰を招くと書いている(もっとも両氏は「バブル」とはせずにバブル手前?のユ―フォリア(陶酔)」状況であると評している)。また中前・斎藤論説は独自の新解釈であるゼロ金利家計から企業への所得移転を生むという議論の延長として、過剰流動性不動産投機の形で資産インフレを招くと警鐘を発している。両者の論説は切り口は違うが、株・不動産資産インフレバブル一歩手前の状況を改善するために日本銀行に金融政策の転換を促している点ではまったく同じである簡単にいうとデフレインフレといった物価水準への配慮よりも資産価格の動向を重視した金融政策の転換を金利水準の上昇を中心とした政策で達成しようというのがその趣旨であろう。

 

 これらの政策提言バブルが事前に判定することが困難であることに加え、さら目標インフレ率やGDPギャップといった通常の政策目標比較してこれらの資産価格の“最適”水準がどこにあるのか理論的にも経験的にも不明であろう。例えば中前・斎藤論説は「預金金利が3%になれば、家計の一兆円の純金融資産は30兆円の利子所得を生み出す。20%の源泉税、6兆円(税収増)を払った後でも24兆円残る。これは帰属家賃を除いた個人消費240兆円のちょうど10%に相当する」として、3%の利上げを主張しているようであるしかバーナンキらが指摘しているように家計の消費動向をみる際に名目利子率に注目するのは正当化されない。デフレデフレ予想が継続している状況での名目金利引き上げは、むしろ実質利子率を上昇させることで消費を抑制させてしまうだろう。彼らの机上の計算では純金融資産の増加が単純に消費支出増に向かっているがそんな保証はどこにもない。また経済全体でみて彼らの主張は資産価格不動産価格の低下に主眼があるのであるからこの側面から家計の純金融資産は減少するだろう。なぜなら中前・斎藤論説とは異なり家計企業の株や社債土地保有している主体からだ。

 

 実はこのような資産価格の現状の動向を「バブル」あるいはそれに近似した状況として認識した上で、金融政策運営を見直せ(=事実上金融引き締めスタンス)という主張はエコノミストばかりではなく、政治家財界人、そして立花隆氏のようなジャーナリストなどにも顕著に見られるようになってきた(http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/051226_kouboh/)。

 

 しかバブル崩壊とその後の長期停滞はまさにバブル潰しという資産価格ターゲットにした金融政策の失敗に基づくものではなかったのか? そしてこの15年にわたる大停滞というのはデフレデフレ期待の定着による消費や投資の伸び悩み、それによる失業倒産の累増ではなかったのか? なぜ停滞の真因に目を背け、「バブル懸念論者は目前の資産価格の動向ばかりに目をむけてしまうのだろうか? ひょっとしたらそれは単に理論的心情だけではなく、資産保有アンバランスを異常に気にするアンバランス価値観や、または特定ポジショントークからんでいるのかもしれない。それは今後、興味深い経済思想上のテーマ提供するだろう。

Permalink |記事への反応(0) | 19:18

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 バーナンキインフレターゲット論の復習 2005-12-05 |Weblog

 ベン・バーナンキFRB議長指名を受けての上院銀行委員会公聴会においてグリーンスパン路線継承約束した。バーナンキ90年代からグリーンスパン後の金融政策のあり方のひとつとして、インフレターゲット政策採用すべきだとする論陣を張っていた。この上院での証言では、まさに物価安定と経済成長の安定、そして市場とのコミュニケーションを円滑に行うためにインフレターゲット導入が必要であると、バーナンキは力強く述べた。このバーナンキ証言に対して、委員会メンバーからインフレターゲット採用することで物価安定が優先されてしま雇用の確保が保たれないのではないか、という質問がだされた。それに対してバーナンキインフレターゲット物価雇用の安定に共に貢献することができると言い切っている。

 

 インフレターゲットとは、改めて定義すると、インフレ率の一定範囲(例えば2~4%)におさえることを中央銀行公表し、その達成のために必要金融政策を行うことである。ただしバーナンキ自身がかっていったように何がなんでもインフレ率の達成にこだわるような、「インフレ狂のいかれぽんち」に陥ることはない。

 

 バーナンキ自身は、現実経済は非常に複雑であり、また不確実性を伴うものであるので、しばしばいわれる金融政策とその政策担当者を「自動車運転手」の関係に喩えるのは誤りであると述べている(講演「金融政策論理2004年12月2日)。なぜなら運転手自分走行中におこることがらをかなりの程度予測して運転しているが、金融政策担当者には四半期先の予想でさえも困難なことが多い。確かに金融政策を通じて中央銀行経済主体の予想に働きかけることができるが、それがどのように現実経済反作用するかを見極めることは実に難しい。しかしそれだからこそこの複雑で不確実な経済において経済主体の予想に働きかける政策の方が、それを考慮しない政策よりも重要になる。なぜなら主体がどのように政策に反応するかの理解を欠いた政策実行は予期しない失敗を引きおこすからである

 

 そして経済主体の予想形成とその経済への反作用をしっかりと政策当局が見極めるためには、予想をベースにした政策の実行とともに市場参加者中央銀行とのコミュニケーションがきわめて重要になる、とバーナンキは述べている。そして中央銀行市場に対してその政策目的予測を伝えることで、市場からリアクションに対して柔軟に対応するべきである、とも述べている。これらの政策に対する基本姿勢は、彼のインフレターゲット論の中にいかんなく反映されている。

 

 従来の経済学では金融政策をめぐっては、「ルール裁量か」という二元論でしばしば議論が行われている。金融政策が長期的には貨幣中立性が成立していて、実体経済には影響を及ぼさずに、ただ単に名目変数(例えば物価水準)を動かすだけである、という点では新古典派経済学マネタリスト、そして(ニュー)ケインジアンは一致している。しか短期的に実体経済に影響を及ぼすことができるのか、いいかえると経済の深刻な変動に対して金融政策有効手段になるのかどうかで、新古典派ケインジアンには特に深い対立が残っている。

 現時点で新古典派マネタリスト、そしてケインジアンは非常に深く混じってしまっており、例えばバーナンキの初期の金融モデル新古典派的な発想に立脚したRBCモデルを基本にしている。しかし、最近バーナンキ政策スタンス経済の変動(産出量ギャップの大きな変化)には積極的金融政策中心の政策対応をすすめるものであり、その基本はまぎれもなくケインジアンである。そして財政政策よりも金融政策を中心に景気対策を行う点では昔風?の区分ではマネタリストでもあるだろう。

 

 一般的新古典派マネタリスト中央銀行マネタリーベースを四半期ごとにX%にコントロールする「ルール」に準拠して金融政策を行うことで、中央銀行戦前大恐慌時のように大きな経済変動の原因になることを未然に防ぐことができるとし、安定的経済成長資することができると考えている。そしてルールを事前に公表することで中央銀行の行動に対して市場が信頼をもつことができることも経済不安定性を回避するとルール主義者は信じている。それに対して裁量を重視する旧来のケインジアンは産出量ギャップの拡大に対して機動的な政策対応を主張している。裁量主義者ルールのもたらす「信頼」と、大恐慌のような予期しない経済変動に迅速に対処する際の政策の「柔軟性」にはトレードオフ関係があると信じて疑っていない。もし柔軟性を認めれば、そのことがマネタリストの主張するようなマネタリーベースの成長率ルールへの信頼性を損ねるというわけである

 

 バーナンキインフレターゲット論は、この「ルール裁量か」でいえばまさに彼の経済学の総合性格を反映するかのように、彼自身言葉で「制約された裁量」というコンセプトに即したものであるバーナンキの「制約された裁量」としてのインフレターゲット論は、バーナンキらの論集『インフレターゲット国際的経験からの教訓』やFRB理事としての講演「インフレ目標展望」(2003年3月25日ベン・バーナンキリフレと金政策』(高橋洋一訳、日本経済新聞社)に収録)に表明されている。

 

 バーナンキインフレターゲット論の主要内容は、1)フレームワーク、2)コミュニケーション戦略 のふたつで構成されている。フレームワークとは、先ほどの制約された裁量と同じであり、金融政策いかに行うかについての「ベストプラクティス」(最善の実践であるという。

 

 「制約下の裁量のもとで、中央銀行は、経済構造政策効果について知識が不完全なことに注意を払いながら、短期的な混乱は無視してでも生産雇用の安定のために自主的に最善を尽くせます(これが制約下の裁量の「裁量」部分です)。しかし決定的に重要な条件は、安定化政策実施するにあたり、中央銀行インフレーーそして、それゆえ国民インフレ予想??をしっかりとコントロールするという強いコミットメントを維持する必要もあるということです(これが制約下の裁量の「制約下」部分です)」(邦訳39頁)。

 

 そしてこのようなインフレターゲット金融政策が通常、半年から1年半ほどの政策ラグを伴って効果があらわれるために、先行して経済主体の予想をリードしていくという性格を色濃くもった期待形成フレームワークでもある。

 

 例えば、今日アメリカ経済低インフレの好循環が成立している背景には、まさに低インフレ予想がキーであるといえる。その反対のケースが70年代石油ショックエピソードである産油国石油価格戦略的値上げによってコストプッシュ型の激しいインフレが起きたというのが定説であるしかバーナンキは実際には石油価格の高騰が各種財やサービスコストを引き上げたことによってインフレが多少は悪化したのは事実であるが、むしろそれよりも深刻だったのは家計企業FRB金融引き締めが不十分であることを予想し、それが高いインフレ予想を招き、そして賃金値上げや製品価格値上げに移行した、という見方を立てている。むしろFRB石油ショックに直面する以前の金融緩和姿勢もそのような経済主体の高インフレ期待を促したともバーナンキは指摘している。

 

 実は日本でも石油価格の高騰が70年代の「狂乱物価」を引き起こしたとする通説が根強い。しか小宮隆太郎は「昭和47,48年のインフレーションの原因」の中で日本銀行石油ショック前の行き過ぎた金融緩和政策とその後の引き締めの遅れがこの「狂乱物価」の犯人であり、日銀政策の遅れが(小宮バーナンキのように期待の経路は明示していないが)企業労働組合などに製品価格上昇や賃上げに走らせた、と述べている。そして70年代から80年にかけての第二次石油ショックの影響が軽微だったのは、日銀過去反省していち早く強い金融引き締めスタンス採用したことにあり、それに応じて(これも期待の経路は小宮では不明なのだが)労働組合企業賃上げなどのコストプッシュの要因をおさえるべく、労使協調路線採用することでこの事態を乗り切った、と書いている(小宮隆太郎現代日本経済東大出版会)。

 

 アメリカの方はボルカー元FRB議長1979年における断固たる“タカ派”的レジーム転換で、徹底的に高インフレと闘ったことで、その後の低インフレの好循環の基礎ができた、とバーナンキボルカーの業績を評価している。しかし、このボルカーのタカ派へのレジーム転換が社会的にきわめて重いコストを伴ったことを指摘することをバーナンキは忘れていない。

 

 ボルカーの行った「ディスインフレ」(高いインフレ率を抑えて低インフレにすること)政策が、積極的名目利子率と実質利子率の引き上げによって実行され、それが80年代に入ってインフレ率の劇的な低下を見る一方で、それと見返りに10%にせまる高い失業を生み出してしまった。バーナンキはこの70年代インフレ予想形成の失敗がいか社会的コスト失業)を生み出したのか、このような失敗を今後しないためにも経済主体の予想形成金融政策の欠かせない要素になると力説している。

 

 第二の要素のコミュニケーション戦略であるが、これはすでに自動車運転手比喩の話で触れたように、中央銀行国民市場参加者に対して政策目標フレームワーク経済予測を事前に公表することで、中央銀行政策に対する信頼を醸成し、さら政策責任明確化政策の決定過程とその帰結の透明性をはかろうというものである。このことが自動車運転手比喩でも問題となった経済の不確実性について、少なくとも政策当事者の行動とそれを予測する民間主体の不確実性を大幅に減少することは疑いがないであろう。

 

 ところでこの「ベストプラクティス」としてのインフレターゲットアメリカに導入される見込みはどうであろうか。従来、インフレターゲット導入への反対の論拠として、連邦準備制度目的規定連邦準備法2A条)とのダブルスタンダードになるという点をあげて反論するのが一般的であった。

 

 「連邦準備制度理事会及び連邦公開市場委員会は最大雇用物価の安定及び緩やかな長期金利という目標有効的に推進するために、生産を増加する経済の長期的潜在性と均衡する通貨及び信用総量の長期的成長を維持する」

 

 と連邦準備法にある。これはかってのハンフリー・ホーキンズ法の趣旨を反映した条文であるが、議会にもこの雇用物価の両方への重視が強いことはすでに述べた。このようなダブルスタンダード批判について、バーナンキはここでインフレターゲットの柔軟性を強調し、雇用物価双方にどんなウェイトづけを行っても首尾一貫したインフレターゲットの援用が可能である、と断言している。バーナンキ議長意思が強固なことが伺われる。

 

 今後、アメリカインフレターゲット導入の議論高まることは当然に予想される。この議論高まることによって日本においても同様の議論高まることが予想されよう。実際に政府の一部では強力にインフレターゲット導入を視野にいれた日銀改正論議まで行われようとしているようである。すでに私はこのバーナンキ経済学を通して、日本銀行がその政策説明責任、透明性、そして経済主体の予想形成、ほぼすべてにおいて稚拙な決定の連続であり、また今日においても外的な要因が重なっただけで金融政策レジーム転換なきまま景気回復がある現状も指摘した。簡単にいえば、丸山真男過去に指摘した官僚的な「無責任主義」がまだ日本銀行とその利益団体ともいえる日銀シンパエコノミストに根強い。この無責任主義を打破するためにもインフレターゲットの導入とそれによるリフレマインド形成日本社会にいま最も望まれているように思われる。

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 出口政策が熱い?!(その2) 2005-11-29 |Weblog

 

お待たせしました。続きです。(その1はこちら)

 

●出口政策理論的基礎―ニューケインジアンモデル

 

 出口政策理解するためにはやはりそれなりの理論的なフレームで考えなくてはいけないだろう。例えばバーナンキ次期FRB議長日本デフレ脱出に、エガートソンとウッドフォード経済学モデルを援用して、インフレ目標政策物価水準目標の合わせ技を提案した(ベン・バーナンキリフレと金政策日本経済新聞社)。以下ではこのエガートソンとウッドフォードモデルの枠組みをきわめて単純化して「出口政策」の理論的基礎とさら現在しばしば話題になる日銀預金残高の超過準備問題という技術的な側面についてコメントしてみたい。

 

 いわゆる「ルーカス批判」以降、政策による期待の変化という問題に耐えられる理論構造もつことがマクロ経済学に求められきた。そのひとつの解が、いわゆる「マクロ経済学ミクロ的基礎」である。「ルーカス批判」以後、マクロ経済学プログラムはこの「ミクロ的基礎付け」をRBC(実物景気循環論)モデルとニューケインジアンモデルの大まかふたつの方向で深化してきた。両者はいまでは見分けがつかないほど交じり合ってしまった。例えばバーナンキらの理論では長期においては市場自律的調整機能を信頼しているため、長期的スタンスをとれば例えば失業が深刻であっても市場の調整能力にまかせる、という選択最初から排除するものではない。しかしもちろんこのような態度は、バーナンキらの積極的に認めるところではなく、実際問題として不況が深刻であったり、極めて高いインフレが起きているとき政策介入を強くすすめることで社会的コストを避けるというのが、いわゆるニューケインジアン立場であろう。

 

消費者の行動(NewIS曲線

 

 バーナンキらはまずマクロ経済を考える上で、家計消費者)の行動、企業の行動、そして金融政策担当する中央銀行の行動を主要なプレイヤーとして考える。それぞれのミクロ的な行動が経済マクロ的動向に影響を与えていくと考えるわけである

 

 まず消費者自分効用(満足)を最大化するために行動する。その際に予算の制約をうけるわけであるが、その制約の変化に対してなるべく消費を平準化スムージング)して行うことが最適な対応である、とこの消費者は考えているとしよう。消費の平準化というのは、今期(現在)と来期(将来)の消費量をあまり変化させずに似たような量だけ消費し続けることを意味している。例えば今期、クリスマス家族恋人プレゼントをするために消費を増やせば、それに対応して将来の消費を減少させることで、期間を通じてみれば消費は一定水準にあるというわけである。例えば経済全体の景気がよく将来的に家計所得が通常の場合よりも増加すると期待されたとしよう。このような状況を期待産出量ギャップが拡大したと表現する(あるいは期待拡張ギャップ存在とも表現可能)。将来の所得が増えると期待されるので、この家計はそれを見込んで現在の消費を増やすことで平準化を行おうとするだろう(そうしないと予想通りに将来の所得が増えた場合、将来の消費の方が今期にくらべて過大になってしまうので)。

 

 この状況は先の例でいえば、会社の成績が良好で、ボーナスの増額が望めるために、クリスマスプレゼントはその将来のボーナスで返済することを見込んで、ローンまでして高めのプレゼントを購入することに似ている。すなわち将来の期待産出ギャップ(期待される将来のボーナスの増加)が現在の産出ギャップ(ローンをすることでの現在所得の増加)に反映されることになる。このように家計の消費行動は「来期の産出量ギャップの予想」に依存している。

 

 さら家計は今期の消費と来期の消費をバランスするために現在の実質利子率を参考にするだろう。現在の消費を我慢して貯蓄するには、その貯蓄が経済的に見合うものでなくてはいけない。その報酬として実質利子率が付されるとも考えられる。そしてこの実質利子率が増加すればそれだけ消費者現在の消費よりも貯蓄を選ぶだろうし、また反対に実質利子率が低下すれば将来の消費よりも現在の消費を選ぶであろう。また家計のローンの負担も実質利子率が低下することで軽減され、そのことがローン契約耐久消費財の購入を促すことが知られている。すなわち消費者の行動は「今期の実質短期利子率」に依存している。

 

 ニューケインジアン経済モデルではこのような消費者の行動をIS曲線(NewIS曲線)と表現して現在所得のあり方(産出高ギャップ)に、今期の実質短期利子率と将来の産出量ギャップが影響を与えると考えるわけである。ちなみに伝統的なIS曲線と同じように、今期の実質短期利子率と今期の産出量ギャップとの関係は右下がりの曲線に描くことができる。

 

企業の行動(ニューフィリップス曲線

 

 次に企業の行動をみてみよう。ニューケインズ経済学では企業価格設定行動も経済環境の変化に対して緩慢にしか変化することはせず、そのため価格粘着性という現象一般的であると主張している。この価格粘着性を説明するためにケインズ経済学企業代表的イメージとして「独占的競争モデル」を採用する場合が多い。経済学の想定する市場典型的な姿は、完全競争と独占である。完全競争市場では、多数の売り手と多数の買い手が、お互いに市場価格シグナルとして販売・購入活動を行っている。価格資源配分有効に行うと想定しているので、この完全競争市場では売り手と買い手はプライステイカーとして行動する。他方の独占市場では、売り手もしくは買い手ないし双方が市場価格コントロールする力を保有しており、独占市場では完全競争市場にくらべて、価格はより高く、取引される財・サービスの量は少ない。独占市場は完全競争市場に比べると資源の非効率的な配分が行われている。

 

 しかしこのような両極端な市場の姿よりも、次のような市場のあり方の方が一般的ではないだろうか。例えば近所の本屋にいけば、さまざまなビジネス雑誌販売されている。そしてそれぞれのビジネス雑誌は、特集する記事が異なったり、価格も各出版社独自色を打ち出してライバル雑誌に負けないとしているように思える。またどの出版社でも自由ビジネス雑誌を発刊することができ、自由にそれを辞めることができる点でも、完全競争市場の特徴を持っている。

 

 このようなケースは、なにもビジネス雑誌だけではないだろう。私たちは、完全競争と独占の両方の特徴を持った様々な財・サービス―例えば、書籍映画パソコンソフトレストランコンビニケーキ車など―を日常的に目にしている。経済学では、このような財・サービス市場を「独占的競争市場」と名づけている。独占的競争とは、同質ではないが類似した財・サービスを売る多くの企業存在する市場だということができるだろう。独占的競争市場では、たくさんの企業が同じ顧客相手競争を繰り広げている。その一方で、個々の企業が、他の企業と異なる製品供給している。これを製品差別化という。また同時に参入・退出が自由である

 

 完全競争市場では市場で決まった価格販売すればすべての財は売りつくされる。他方で独占的競争市場では、企業は「右下がりの需要曲線」に直面している。これは企業価格コントロールできるが、もし価格を上げれば需要は減り、下げれば需要が増加するという市場環境に直面していることを意味している。この結果、この独占的競争企業は若干の独占力を有しているために、限界費用を超える価格を自ら設定することができる。この限界費用というのは、財やサービスを追加的に一単位製造するときに要する費用のことである経済学ではこの「限界」的な単位消費者企業選択判断する。例えば、企業は売り上げ全体の動向と価格をみて供給を決定するのではなく、新たに一単位生産するときコストとその販売価格の大小関係で意思決定を行う。

 

 例えば『冬ソナ』のDVDを一冊追加的に生産するコスト(=限界費用)が1000円だとすると、この独占的競争企業は5000円で市場での販売可能になるということである限界費用価格との差額は、この企業にとっての「マークアップ」(超過利潤とイメージしてもいい)を得ることが可能であることを意味している。この超過利潤の獲得を目的にして、多くの企業がこの市場に参入する。もちろん独占的競争企業製品差別化によってこの熾烈な競争に打ち勝とうとするだろう。独占的競争市場では、このような熾烈な競争の結果、長期的には利潤がゼロになることがしられている。そしてこのような熾烈な競争に生き抜くために、企業製品差別化をはかり消費者需要喚起し、その有効手段とし広告ブランド戦略などを展開しているのである

 

 ところで独占的競争企業価格設定を自ら行うことができるが、市場の動向に合わせて絶えず価格を変更しているわけではない。価格の変更に伴うコストメニューコスト)が発生するために頻繁に需要の変化に応じて価格修正することはしない。そのためメニューコストを原因とする価格粘着性が広く観察される。また価格改訂する企業が増加するにしたがって、この価格粘着性は緩んでいくと考えられている。この価格の変更に企業は今期の産出高ギャップをまず参考にする。これはいままでの議論では需要供給よりも多いと考えられるならば企業価格を上昇させるように改訂するだろう。また他方で将来のインフレ率の予想も重要である。なぜなら上記マークアップ名目額よりも各企業はその実質値に注目すするからである。将来獲得したいと期する利益に将来のインフレ率の動向が大きくかかわるわけである。まとめると企業価格改定行動は、今期の産出高ギャップと、来期の期待インフレ率依存している。経済全体でみれば現在インフレ率は期待インフレ率と産出高ギャップに影響される。この関係表現したのがニューフイリップス曲線という。

 

中央銀行の行動(テイラールール

 

 さら中央銀行金融政策ルールテイラールールの形で導入するのが一般的であるジョン・テイラーグリーンスパン率いるFRB金融政策の行動を「テイラールール」という形で表現することに成功した。テイラーによるとFRBは産出量ギャップ(潜在産出量-現実の産出量/潜在産出量)とインフレ率に反応して利子率を設定しているというものであるテイラールールもっと古典的形式は産出量ギャップインフレ率を均等に重きを置いて考慮する政策スタンスを採り入れたものとなっている。

 

名目利子率=0.01-0.5(潜在産出量-現実の産出量/潜在産出量)+0.5×目標インフレ

 

である。このテイラールールを用いると、産出量ギャップが0.01、目標インフレ率を0.02だとするとFRBは0.5%利子率を引き下げて、景気の後退を防ぐことがわかるだろう。このテイラールールグリーンスパン率いるFRBの動きをかなりうまく説明することができるといわれている。

 

 ところで中央銀行経済にふりかかるさまざまなショックから国民経済厚生を守るために行動するとみなされている。いま国民経済厚生を最大化するような中央銀行を考えて、この中央銀行が考えている経済厚生の損失の最小化が、そのまま国民経済厚生の損失の最小化になると考えるとしよう。中央銀行国民経済厚生の最大化(あるいは損失の最小化)をきちんとフォローできると考えるわけである

 

 このとき中央銀行経済厚生を最小化するための目的関数を「損失関数」といい、これは簡単にいうと今期のインフレ率と今期の産出高ギャップを足したものである。この「損失」を下の(a)(b)(c)のもとで最小化するのが、この経済にとってもっとも望まれる=最適と考える。

 

(a)NewIS曲線では、今期の産出量ギャップが(1)今期の実質短期金利と(2)来期の産出量ギャップの予想に依存する 

(b) ニューフィリップス曲線では、今期のインフレ率が(1)今期の産出量ギャップと(2)来期の期待インフレ率依存する

(c)中央銀行目標名目短期利子率を決めるにあたって(1)今期の産出量ギャップ(2)目標インフレ率を参照する。

 

 ところで上の意味での最適な中央銀行金融政策を考える上で重要ものが「コミットメントである。これは中央銀行金融政策目標達成への力強い政策的態度をしめす言葉といえる。具体的な目標について責任を持って期間内に達成することを約束することであ。例えば未達成の場合には具体的な形で責任をとる(ペナルティをとる)と考えて同じで効果を発揮する。このコミットメントを行うことが経済活動するさまざまな主体家計企業市場関係者)の予想に影響を与える。

 

 例えば、先の(a)のIS曲線では、今期の産出量ギャップが(1)今期の実質短期金利と(2)来期の産出量ギャップの予想に依存していて、さらに来期の産出量ギャップは(1)'来期の実質短期金利と(2)'来来期の産出量ギャップの予想に依存していて以下同様に…となると、結局、今期の産出量ギャップは将来の実質短期金利依存することになる。ニューケインジアンは産出量ギャップの変動を経済変動で重視しているので、これは将来の金融政策のあり方(=将来の実質短期金利をどうするか)への予想が決定的に重要になるということになる。

 

 「産出量ギャップ」という表現が苦手な読者は、消費者でいえば(借り入れのケースを含む)所得企業でいえばマークアップと考えてみればいいだろう。いまのサラリーの額や企業利益中央銀行現在から将来に向けての政策態度に影響されるというのがニューケインジアンモデルもわかりやすい含意だ。

 

 このような将来が現在規定するという考え方をフォワード・ルッキングという。このようなフォワード・ルッキング経済構造では、経済主体の予想に影響を及ぼすコミットメントいか重要になるかが分かるであろう。

 

●出口条件を考える

 

 さて出口政策の条件を考えるには上の(a)(b)(c)のもとで損失関数が最小化するように計算をしなくてはいけない。しかしここでは直観的な説明を行う。渡辺努岩村充氏の『新しい物価理論』(岩波書店)で用いられた仮設例を利用したい。この仮設例の面白いところは上記までは顔を出していない長期利子率の動きをフォローすることができることである現在の出口政策にかかわる議論が長期利子率のオーバーシュート財政危機の拡大?)への懸念にあることを思えばその重要性がわかるであろう。ちなみに以下では金利の期間構造モデル採用して、長期利子率は将来の短期利子率の予想値に依存していると考える。すなわち単純化して足元の長期利子率は、足元の短期利子率と次の期の短期利子率の単純平均とする。また産出高ギャップは長期利子率に反応すると考える。あとでわかることだが、長期利子率は短期利子率の予想へのコミットメント誘導されて決定されるのでいままでの議論と同じである

 

 いま三期間(0,1,2期)を生きる経済を考えよう。第0期はデフレ流動性の罠に陥ってるとする。現代版の流動性の罠バーナンキらは名目短期利子率がゼロ(=利子率の非負制約)であると考えている。そして第1期と第2期では経済回復しているとする。このとき渡辺岩村の仮設

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 バーナンキFRB議長就任日本リフレ 2005-10-28 |Weblog

 すでに既報の通り、ブッシュ大統領グリーンスパン氏の後任としてベン・バーナンキ氏をFRB議長指名した。バーナンキ議長来年二月就任予定)はかねてから日本の長期停滞の処方箋を様々な角度から提案してきた。どんな提案だっただろうか、その主要点を彼の講演を訳した『リフレと金政策』(高橋洋一訳 日本経済新聞社)を利用してみておこう。

 

1 物価水準目標提言

 

 この提言は、日本デフレ一般物価継続的下落)をふせぐための政策である日本消費者物価指数でみてデフレが始まる1998年基準年にして、デフレではなく1ないし2%のインフレがその後、かりに毎年継続したとき物価水準経路を考える。例えば2%の物価水準経路と実際の物価水準経路のギャップが、デフレのもとでは当然存在していることになる。この両者のギャップを埋めていくことを目指した政策であるバーナンキと同じように物価水準目標採用した岩田規久男編著の『昭和恐慌研究』(東洋経済新報社)を利用すると、4%のインフレ経路(毎年、4%のインフレ率を実現していく)を目指すと、約7年後の2010年近傍目標達成することになる。つまりこの期間までがリフレ期間と考える。そして目標達成後には、今度はインフレ目標として1~3%を採用する。物価水準目標によるリフレ過程とその後の物価安定を目標としたインフレターゲットのあわせ技にコミットすることを中央銀行日本銀行)が明確に、市場に伝えることで公衆の期待に働きかける政策である

 

 つまりここではリフレ間内物価水準目標と、その後の長期的なインフレ目標の二段構えになっているわけである。これはインフレ期待を形成する上でも異なる情報短期と長期のインフレ率についての情報)を市場関係者に与えることになる。エガートソン&ウッドフォード論文(下記参照)では、もしこの物価水準目標が所定期間内に達成困難になるならば、中央銀行は翌期以降一層の努力義務づけられる。そしてこの「一層の努力」へのコミットが、国民デフレからインフレ期待への転換を促す、と彼らとバーナンキは考えるている。そうして(名目金利一定すなわちゼロ金利でも)実質金利を低下させ、総需要を刺激する、と考えるわけである

 

http://www.columbia.edu/~mw2230/BPEA.pdf

(エガートソン&ウッドフォード論文

 

 この「一層の努力」に中央銀行が拘束されることで、日本の長期停滞の原因である実質金利の高止まり(実質金利名目金利期待インフレ率 なので名目金利ゼロであってデフレ期待なので実質金利は高止まりする)を解消する政策バーナンキは推奨しているわけである。そして、「一層の努力」の中味として、ゼロ金利継続や長期国債オペの買い切り国債オペの買い切りを主張した。

 

2 財務省政府)と日銀政策協調アコード問題)の提言

 

 政府日銀バランスシート悪化を防止(そもそも日銀バランスシート悪化問題ではないが)、それとクロスする形で、日銀政府の減税と見合う形での長期国債の「買い切り」オペをすることである恒常所得仮説に従えば、民間主体の消費や投資は増加することが期待される。リフレ過程では財政赤字問題の解消にも一定寄与をはかることが可能であろう。この点についてのバーナンキ発言を前掲書から引用しておこう。いまや政策論争の大きな関心が財政危機問題に引き寄せられてしまっているだけに重要であり、バーナンキ提言リフレなき財政危機の解消の困難性とそして無益な点も明らかにしていると思うからである

 

 「たとえば、日本銀行による国債の買い入れ額の増加と明らかに一体となった家計企業に対する減税を考えてみてくださいーーしたがって減税は結果的通貨創造によってファイナンスされますさらに、日本銀行が、物価水準目標公表することによって、景気回復コミットしたと仮定します。そうすると、マネーの増加の大部分あるいはすべてが恒久的だとみなされます。 略 日銀が減税額に等しい額の国債を買い入れるためにーー将来の増税示唆するような現在あるいは将来の債務償還のための負担は発生しません。要するに金融政策財政政策が一体となって家計部門名目財産を増加させ、これが名目支出ひいては物価を増大させるのです。略 この政策は、債務GDP比率を減少させるという意味で、まず間違いなく安定をもたらすものなのです。名目支出の増加により名目GDPは上昇しますが、日銀による買い入れがあるので市中にある政府債務名目額は変わりません。日本財政の悩みを減らすためには、名目GDPひいては税収の健全な増加ほど効果的なものはありません」(邦訳137-8頁)。

 

 日本国民が心の底で抱いている最大の不安日本の返済不能であるマスコミ評論家エコノミスト政治家官僚たちにさんざん煽られたり、信じられている「宗教的信条」-を解決するハッピーニュースは、すでにバーナンキ議長によって日本国民に贈られていたのである! 

 

 バーナンキ議長、お体にお気をつけて。そしてご健闘を日本ネットの片隅でお祈りします。

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2011-11-19

TPPを考える上で読んでおいたほうが良い本

最近TPPについて知りたいけど何の本を読んだらいいのか分からないという人がTwitterに散見されるので

TPP反対派の立場からおすすめ書籍をあげていきます

TPP賛成派も賛成の立場から何かお奨め本があればお奨めの本を付け加えていくといいか

必須2冊(TPPについて考える前にアメリカのこれら有名経済学者の影響を受けた人達がどう考えるか

ということを感じておくべき)

「波乱の時代」下巻 グリーンスパン 定価2000円+税

フリーフォール」グローバル経済はどこまで落ちるのか スティグリッツ 定価1800円+税

経済学部以外の人が初めに読んでおいた方がいい本(下に行くほど読みやすい。ただし教科書に書いてあることを

そのまま鵜呑みにしないこと )

スティグリッツ マクロ経済学」といいたいけど・・・5040円と高いので余裕があれば

ナツメ社の「図解雑学 マクロ経済学」1365円をおすすめしておく

アメリカ高校生が学ぶ経済学クレイトン 2520円(「比較優位」について分かりやすく書かれている)

何を守るべきなのかというラインを見極めるための1冊

ルポ貧困大国アメリカ」堤 未果 735円(アメリカメキシコFTAした結果生まれた悲惨な状況やアメリカ貧困構造詳細 2巻はまだ未購入)

現代農業 2011年4月号の関良基さんが書いた「飢餓を生み出すTPP」という記事 バックナンバー800円+送料120円

アメリカのやり口について読んでおきたい2冊

「売られ続ける日本、買い漁るアメリカ」 本山美彦 1300円+税

「仕掛け、壊し、奪い去るアメリカ論理原田 武夫 税込1500円

その他目を通しておいた方がいい2冊

ユニクロデフレ国家破産」 浜矩子 850円+税

悪夢のサイクル」内橋克人 1429円+消費税

新自由主義」「グローバル」という一見耳障りのいい言葉について疑心を持った時にお奨めの2冊

(一番上の必須2冊もこのカテゴリーに含まれる)

資本主義はなぜ自壊したのか」中谷 巌 1700円+税

人間幸福になる経済とは何か」ステイリッツ 日本語版 1800円+税

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2011-05-09

http://anond.hatelabo.jp/20110509193054

>片方の理由(大量破壊兵器隠匿疑惑)だけでも空爆の根拠になるんじゃないの?

大量破壊兵器最後まで出てこなかったからなー

イラクアルカイダが繋がってる、って事になってる公式ソースってどこよ。

米国側が、「イランアルカイダが繋がっている」として戦争の正当性を主張する公式ソースってことだよなー。

これ、常識から結構どこにでもあるぞ

公式といわれると困るんだが、これなんか その様子が伺えると思うが

http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2378303/2833370

これはグリーンスパン名言

Iraqwarwas about oil, says Greenspan

http://www.telegraph.co.uk/finance/markets/2815918/Iraq-war-was-about-oil-says-Greenspan.html

Permalink |記事への反応(0) | 19:57

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2011-02-11

http://anond.hatelabo.jp/20110211085429

できるだけ早い段階での「敗戦準備」。

いつだよ。核ミサイルを落とされるなんて予想できない。(という事と仮定して)。いつ?いつ敗戦準備をすればよかったの?

そして、敗戦準備ってなに?

村人かやらなきゃいけない(国じゃなくてね)、村人にやらせなきゃいけない敗戦準備ってなに? 

 

動かない資金を流動させるための施策のほうが優先度は高い。

同意する。同意するけど。その政策がないという話をしている。

全て机上の空論というか、カウンターとかがあって。

例: 円介入で為替操作 > FXに食われてもとに戻りFXに食われた分は常にFX還流するので市場に戻らない。 ので 効果が限定的

   金利を下げる > 海外デフレの最低に食われて効果なし。昔は下げれば効果あったけど、今ではマイナスにしないとダメな所まで来たとグリーンスパン先生が敗北宣言。

 

結局、現段階では、産業界そのものは法人税の引き下げを要求しているぐらいで所得税消費税については様子見。理由は簡単で、増減税いずれに転んでも景気悪化が懸念されるから

 

実効的に効果のある、政策がないから、次の優先度である物理的な産業基盤の強化の話をしないといけない。そのなかで村人に出来ることは金融強化の話ではなスキルアップ

という話をしているのに。

優先度は高い。

という話をされても、そらそうだ。としか言いようがない。

Permalink |記事への反応(1) | 18:36

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2009-11-06

http://anond.hatelabo.jp/20091105213100

100年に一度の不況って言うけど,麻生が根拠なく言ったのをメディアが多用しているだけだし。

違う。

グリーンスパンFRB議長が公聴会で「100年に1度の信用の津波」って言ったの最初。

http://www.afpbb.com/article/economy/2531824/3460232

Permalink |記事への反応(0) | 07:29

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2009-08-15

中国情勢-英ディリー・テレグラフ予測中国経済の空前のバブル崩壊国慶節前後

「輸出激減なのに景気回復だって?この冗談本質は巨大なポンジ・スキームだ」

------------------

バーナード・マドフの「虚名」を覚えておられるだろうか? マドフは元ナスダック会長。その社会的名声を利用し、「あなただけの耳寄りな情報だが、とても条件の良い投資話がある…」と金持ちセレブに近づき巨額の詐欺を行った。証券詐欺郵便詐欺マネーロンダリング被害者は1341名、被害総額は132億ドル被害者のなかには名うてのファンド日本投資家も含まれる。マドフ懲役150年の量刑で服役している。満期には彼は220歳となる。

マドフ金融詐欺の基本は「ネズミ講」。これを「ポンジ・スキーム」と言う。

さて中国経済の本当の素顔である。

世界大不況最中、堂々の四兆元(邦貨換算57兆円)を投じて景気回復策を展開し、新車販売世界一外貨準備世界一。GDPもドイツを抜いて世界第三位。年内に日本を抜き去るのは確実と言われる。

強気強気の一手だが、世界エコノミストはこれを「パンダの押しの一手」と揶揄し、中国自身は「グリーンスパン流の押し」と自己評価している。

中国国家目標として『保八』を掲げ、さきにもGDP成長率を7・9%とし、目標の8%成長にあと一歩という印象を世界に与えようと必死だ。

この成長率が非常に疑わしい数字であることは、日本以外のエコノミストには常識なのでいちいち論じない。中国が牽引しているのだと喧伝される、世界景気回復の兆候と本物の経済回復の問題は何の関係もない。

マネーは粉飾のために株式市場不動産に投じられている

中国政府のバラマキ57兆円の財源は70%が地方政府負担。銀行に命じて根拠が希薄な、そもそも返済計画が疑わしい事業につぎつぎと貸し出しを実行させた。

既存の道路鉄道に平行しての同じルートの複線工事も多い。民間企業に対する貸し出しは行われず、それは地下銀行ヤミ金融担当となっている。

遠からず現在建設中のビルは倒壊し、橋梁は流れ、高速道路は陥没するだろう。いずれもひどい手抜き工事だからだ。

http://labaq.com/archives/51252588.html

http://labaq.com/archives/51202852.html

さて、問題は帳簿の誤魔化しである。銀行経営を粉飾するには保有資産の簿価が高ければ良い。不動産価格が上昇し、株式が高騰すると、詐欺的粉飾は成立する。

粉飾がばれると当然銀行は失速する。バブル経済は風船が割れるように、ポンとはじけることになる。

英紙「ディリー・テレグラフ」はこれを2009年8月11日付で書いている。「世界経済中国の『奇跡』の回復に依存して良いのか?」として始まる疑問符は、中国経済が成長しているという判断は、現在データからは成立しづらい、第一にバルチック指数が七月以降も25%下落しているという矛盾を突く。バルチック指数とは海運の運賃と貨物量との相関関係を表し、港湾の貨物が激減している証拠である。

中国経済の主柱である輸出が40%も落ち込んでいるのだ。GDPの4割をその輸出に依存していて、どうしてGDP成長というありえないことが可能なのか?

そして人民銀行が新しく貸し出しを20%増加したところ、上海株式指数は年初来80%の上昇を示している。この熱狂的な狂騰ぶりは07年バブルと全くの相似形だ。

ポンジ・スキームを巨大化したものがいまの中国経済の実態である、という分析で同紙は結んでいる。

誰の目にもそれは明らかではあるが、問題は何時そのバブルがはじけるかということだ。

私は2010年の上海万博前後と読むが、テレグラフ紙は今年十月、国慶節前後と考えている。

Permalink |記事への反応(0) | 14:24

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2009-02-23

バンカメもシティも米国国有化

バンカメもシティも米国国有化

   オバマ政権銀行国有化を本気で検討している節がある

***************************************

 ルービニNY大学教授はいまや世界売れっ子。まだ49歳。

 ウォール街不況を予想したので、世界ジャーナリズムから引っ張り凧。『フォーブス』にも毎週、コラムを書いている。

 ルービニNY大学教授は言う。

銀行国有化はあり得るシナリオだ。1990年代にウェーデンが実施したように、一度国有化利益を上げて民営化。このためにとりあえず7兆ドルから9兆ドルが必要だろう」

 グリーンスパンFRB議長も言っている。「銀行国有化が必要になるかも知れない。

 ルービニが続ける。「国有化は半年以内に。人々は哲学的には行動しない。インセンティブに反応するのだ」。

そしてこうも言っている。「グリーンスパンFRB議長の失敗は、中央銀行目的金融システムの安定化のために設立されたことを忘れたことだ」。

 

 どうもアメリカの議論の行間をよむと、銀行国有化という“まさかシナリオ”が、ワシントンの水面下で本格化しているのではないか。

Permalink |記事への反応(1) | 23:30

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2009-02-09

100年に一度

ってアメリカの話だろ。

日本はそこまで深刻じゃないのに、グリーンスパンの発言を

都合良く引用して、特損出したり、派遣を切ったりと

やりたい放題。

真に叩くべきはここなのに、政治家まで一緒になって

危機感を煽ってるこの国は終わり。

Permalink |記事への反応(0) | 16:19

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2009-02-04

主張と実態の乖離

痛いニュースでも取り上げられてたが、

「100万円払うので内定辞退を」1月7日、届いた手紙(2/2ページ)

 就職は白紙に戻った。気分転換で1泊2日の旅に出た。27日の夜、中学時代の友人と東京タワー展望台に行った。そこで気になる場所が目にとまった。国会議事堂だった。

 そして叫んだ。

 「麻生、出てこい」

 麻生首相経済対策はスピードが大事だという発言をしていた。今ごろになって身にしみた。「雇用経済対策を早くしてほしい。何がスピードですか? 遅いですよ。政治が生活に直結していること、実感しましたよ」

まあ、この手の記事は新聞社に限らず話半分に見ておくべきだが、好意的に全てが嘘偽りない事実だと仮定しておく。そのうえで妙だと思う点は2つ。

  1. 内定取り消しの原因として「麻生総理大臣」が占める割合はきわめて少ない。どの時点まで因果関係をさかのぼるかにもよるが、発端となった米国サブプライムローンの焦げ付きに麻生は関与していない(そもそも外国の話なので麻生コントロール出来るはずも無い)し、当時この問題にもっと直接的に影響力を行使しえた人物は枚挙にいとまがないのに、真っ先に麻生を詰るのはおかしい。あの場で叫ぶべきはグリーンスパン、出てこい」だと思うんだが。
  2. 麻生、出てこい」が「雇用経済対策を早くしてほしい。何がスピードですか? 遅いですよ。」に対するものであるのならば「雇用経済対策」を行うために政府はどのような手順を踏まねばならないのか?実際に政府はいつ、どんな手順を踏もうとしていたのか?という検証が不可欠であり、実態として「遅い」理由として野党の引き延ばし工作が多大な影響を与えている点に触れないのはおかしい。もし野党が最初から全面的に協力していれば、早ければ昨年11月頃から政府景気対策スタートしていたかも知れないのに(一時期流行した『派遣村』の様相も少しは変わってたかもね)。

記者創作にせよ事実にせよ、やる事がお粗末すぎる。とはいえ、こんな記事に共感する人間が多数派なのも事実。どうしたものか。

Permalink |記事への反応(1) | 02:01

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2009-01-14

[知識][経済]バブル

グリーンスパン

バブルは事後的にしか認知できない。

事前にバブルを指摘することは、豊富情報

持つ投資家がすべて間違っているというに等しい

バブルとわかってても参加するよ。ババを引きさえしなきゃ大儲けだもん。

ああ、そうか、そう考えればいいのか

それぞれの投資家はそう考えるよなあ

Permalink |記事への反応(3) | 20:43

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[知識][経済]バブル

朝日新聞GLOBE(12/22)

経済が成長しているさなかに、どこまでが「生産性の向上」で、どこからが「バブル」なのか、見極めるのは難しい。効果的なバブル予防策を説く経済理論確立されておらず、FRB流の「後始末論」には、依然として根強い支持がある。

だが、山口や白川に共通するのは、バブルの判定がなかなか難しいことは承知で「何かできることを模索すべき」という考え方だ。バブルが起きていると確信したら早めに金利を引き上げる、危険な兆候の段階でも記者会見などで世論に注意を促す、といったことも含まれる。

しかし、バブルが起こるのは、人々が過剰なまでの自信を持つからにほかならない。バブルの結末は悲惨でも、その渦中にある人はバブルを謳歌しがちだ。中央銀行が、世論に逆らってでも行動する覚悟がないと、結局、バブルは防げない。

パーティーが盛り上がっている時に、パンチボールを片付けるのがFRB仕事」と言ったのは、元FRB議長のウィリアムマーチンだった。

冷水を浴びせかける役目が生易しくないことは、グリーンスパンの名声と凋落が物語っている。

Permalink |記事への反応(1) | 20:38

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2008-12-24

朝日新聞GLOBE(12/22)金融危機中央銀行 [その5]

その1http://anond.hatelabo.jp/20081223235800

その2http://anond.hatelabo.jp/20081224002406

その3http://anond.hatelabo.jp/20081224004222

その4http://anond.hatelabo.jp/20081224013124

(G-4面上)

繰り返されるバブル中央銀行責任とは

今年8月下旬、元日総裁山口泰は、米ワイオミング州にある人口8500人の小さな町、ジャクソンホールにいた。カンザスシティ連邦準備銀行主催する3日間の会議に出席するためだ。

この会議には毎年、世界中央銀行の首脳や高名な学者らが集まり、論戦を繰り広げる。会議の夕食会で、山口FRB議長のバーナンキECB総裁のトリシェにはさまれた席でなごやかに談笑していた。

その2日後、シンポジウムコメンテーターとして登場した山口は、米国経験した二つのバブルについて触れ、「IT(情報技術)の株価バブルは信用膨張(銀行の貸し出しなどの急増)を伴っておらず、その崩壊で巨額の不良資産が積み上がったわけではない。信用膨張を伴う(住宅)バブルにこそ注意すべきだ」と警告した。

山口は、「金融政策でバブルは防げない」と、あたかもそれがプロ常識かのように主張してきたFRBに、疑問を投げかけたのだった。

FRB流の考え方は、アラングリーンスパンの発言で一躍有名になる。

FRB議長だったグリーンスパン2002年ジャクソンホール会議で、「バブルは、崩壊して初めてわかる」「バブルを阻止するには急激な金利引き上げが必要だが、それは経済に深刻な打撃を与えてしまう」などと発言する。中央銀行の役目は、バブルが崩壊してから、大胆に金利を引き下げる「後始末」にあるとした。

FRB「後始末論」の失敗

その3年前、99年の会議では、大学教授だったバーナンキ山口が対立した。バーナンキが、日本バブル期金融政策について「政策金利を8〜10%に引き上げるべきだった」との見方を示したのに対し、山口は「(もう少し早めの金利引き上げが望ましかったが)政策金利をそれほどまで引き上げるのは非現実的」と反論した。

ただ、バーナンキは、金融政策による「バブル予防」を説いたわけではない。バブル崩壊後に、すばやく金利を引き下げてデフレを防ぐ大切さ。そこに主眼があった。グリーンスパンの「後始末論」は、バーナンキから影響を受けたとの見方もある。

しかし、「後始末論」のFRBは結局、大きな失敗を招き寄せることになる。

90年代のITバブルについて、グリーンスパンは当初の警戒心を封じ込めて「生産性が高まった結果」と肯定し、結果的にバブルを加速させた。ITバブル崩壊後は、急速に金利を引き下げる「後始末」を行った。さらにデフレを懸念して長期間にわたって低金利政策を維持した。

グリーンスパンバーナンキが、最も警戒していたのは、日本の「二の舞」になることだった。米国インフレ率は急速に低下していた。日本のようにいったんデフレになってしまうと、金利ゼロ以下にできないため、金融政策の発動が難しくなる。

その戦略は、いったんは成功したかにみえた。2001年不況は短期間で終わり、米国は再び力強く成長する。05年のジャクソンホール会議は、引退するグリーンスパンへの賛美に包まれた。

しかし、長すぎた金融緩和は結局、大規模な信用膨張や住宅バブルを引き起こす。住宅バブルが崩壊すると、深刻な金融危機に発展。米経済不況に沈む。

11月米国物価上昇率は前月比で大幅なマイナスに転落。バーナンキがあれほど懸念したデフレに近づいた。FRBは今月16日、史上初めて政策金利をほぼゼロに引き下げるところまで追い込まれた。

規制強化と利上げが必要

FRBの何が問題だったのか。

山口は「FRB日本から間違った教訓を引き出してしまった」とみる。「わずかな物価の下落を恐れて緩和しすぎると、問題が大きくなる」。信用膨張を抑えるには、政府中央銀行による金融規制の強化と金利の引き上げをセットで行うべきだ、というのが山口意見だ。

山口の考え方は、国際決済銀行(BIS、本部・スイス)で最近までチーフエコノミストを務めたウィリアムホワイトに近い。

白川は山口が副総裁のときに金融政策担当の理事を務めた。2人の考え方には共通点が多い。白川はホワイトとも個人的な親交を結ぶ。白川の著書「現代の金融政策」では、BIS流の考え方と、FRB流の手法の違いが整理され、白川自身はFRB流に批判的であることが読み取れる。

もっとも、実際には、経済が成長しているさなかに、どこまでが「生産性の向上」で、どこからが「バブル」なのか、見極めるのは難しい。効果的なバブル予防策を説く経済理論確立されておらず、FRB流の「後始末論」には、依然として根強い支持がある。

だが、山口や白川に共通するのは、バブルの判定がなかなか難しいことは承知で「何かできることを模索すべき」という考え方だ。バブルが起きていると確信したら早めに金利を引き上げる、危険な兆候の段階でも記者会見などで世論に注意を促す、といったことも含まれる。

しかし、バブルが起こるのは、人々が過剰なまでの自信を持つからにほかならない。バブルの結末は悲惨でも、その渦中にある人はバブルを謳歌しがちだ。中央銀行が、世論に逆らってでも行動する覚悟がないと、結局、バブルは防げない。

パーティーが盛り上がっている時に、パンチボールを片付けるのがFRB仕事」と言ったのは、元FRB議長のウィリアムマーチンだった。

冷水を浴びせかける役目が生易しくないことは、グリーンスパンの名声と凋落が物語っている。■

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朝日新聞GLOBE(12/22)金融危機中央銀行 [その4]

その1http://anond.hatelabo.jp/20081223235800

その2http://anond.hatelabo.jp/20081224002406

その3http://anond.hatelabo.jp/20081224004222

(G-3面左下)

「決済システム」にこだわり

11月下旬の3連休、白川は自宅にこもり、講演に使う原稿や資料に熱心に手を入れていた。

26日に予定されている東大での講演には、自分の年来の主張を存分に入れようと思っていたからだ。

流動性と決済システム」と題したこの講演で、白川は「学界でもマスコミでも金融政策に対する関心が非常に高いが、それが金融市場や決済システムへの無関心の裏返しなら不幸なことだ」と力を込めた。

白川がこれまで、最もやりがいを覚えた仕事は、金利の上げ下げといった華やかな金融政策ではない。「決済システム進化」という、地味な分野である。

世界では、毎日何百兆円という資金が動き、ある金融機関倒産すれば、資金繰りに困った金融機関が次々に破綻する危険もある。

企業銀行の間で日々行われている資金のやりとりは、日本銀行にある民間銀行当座預金で最終的に決済される。この決済にかかる時間を「即時化」すれば、銀行が思わぬ損失を被ったり、連鎖倒産リスクを減らしたりすることができる。

白川は、そうした決済システム改善する仕事に、「モノづくり」にも似た達成感を覚えるという。

シカゴ大学留学時代、市場主義の権威ともいえるミルトン・フリードマンらの影響を受けた。今でも、「市場の機能は大切だと思う」と記者会見などで繰り返す。

ただ、決済システム仕事を通じて、経済は「自由放任」だけではうまくいかず、「制度設計」は重要だという思いを強めた。

今回の世界金融危機でも、「決済」や「制度設計」の重要性が浮かび上がった。リーマン・ショックの後、各国の金融市場でドル資金が枯渇し、金融機関がドルを入手できなくなる事態が起きた。FRBは、日本など各国の中央銀行とお互いの通貨を交換する協定を結び、各国の金融機関にドルを供給する仕組みをつくった。日銀は、FRBの打診を受ける前から、協定について独自に検討を進めていた。

白川は総裁就任に先立って、日銀法を改めて読み返した。その第1条には、決済や金融システムの安定を意味する「信用秩序の維持」が記されている。

そもそも、世界中央銀行の多くは、金融システム危機管理目的として誕生した。「金融システムの安定は、日銀の最も大切な業務」と白川は職員たちに説いている。■

グリーンスパン反面教師

世界中央銀行のトップで近年、圧倒的な存在感を示したのが、米FRBグリーンスパンである。

レーガン政権1987年から現ブッシュ政権2006年までFRB議長を18年半も務め、「カリスマ」「巨匠」などと呼ばれた。今でこそバブルをあおった戦犯のように批判を浴びているが、グリーンスパンの巧みな市場操縦術はつい最近まで、セントラルバンカーのお手本だとされていた。

グリーンスパン礼賛の世評があふれるなかで、早くから懐疑的な目を向けてきたのは、ソロモン・ブラザーズ出身のエコノミストヘンリー・カウフマンだ。グリーンスパン金融政策は、「緩和的すぎる」とカウフマンは見ていた。白川は、親しい知人らには、カウフマンへの賛意を漏らしていた。

白川の友人に、元FRB調査統計局長のマイケル・プレルがいる。まだ現役の局長だった1999年、スピーチでこう述べている。

企業経営者消費者投資家は、FRBを過大に信認し、経済金融市場のどんな衝撃でも吸収できると思っているため、本来ならとらないようなリスクまでをとっているのだろうか。だとすれば、金融システムは現時点で容易にわかる以上に不安定になる可能性がある」。FRB内部から「グリーンスパン神話」の危うさを指摘したものだったが、プレルは少数派だった。

グリーンスパンの強みは、その組織掌握力や政治力にもあった。異論が噴き出しそうな会議の前にはしっかり根回しをし、政治家にもこまめに接触してFRBへの支持を広げた。厳しい追及を受けそうな記者会見は行わず、有力紙の特定の記者とは懇談し、情報を流す手法を取った。

こうした老獪さで「グリーンスパン神話」と「資産バブル」は加速した。が、その反動もまた大きかった。

就任してまもない白川をグリーンスパンと単純には比較できない。

ただ、戦後初の賛否同数というきわどい決定で利下げが決まった10月31日会議の後、市場関係者からは「総裁としてのリーダーシップが乏しいのでは」と不安視する声が出た。

今月19日の追加利下げも、政治家市場の催促を受ける形で「追い込まれた印象」がぬぐえない。市場関係者からは日銀の対応が遅れ気味との指摘が多い。「早めに大胆な企業金融の支援策を効果的に打ち出しておけば、追加の利下げには追い込まれなかったかもしれない」との見方もある。■

Permalink |記事への反応(2) | 01:31

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2008-11-19

年金の…

やっぱり「話せば分かる」「問答無用」的なやりとりはあったのかなーと例の事件を報じる記事を眺めていたら元次官の人が思い思いの表現で呼ばれていることに気付いた。

ここまでに出た呼び方

妥当なもの(まあそうだろう)
専門家
元次官宅襲撃:「年金テロか」…厚労省は重苦しい雰囲気 (毎日、本文中)
「中心」
厚労行政への不満か 山口さん吉原さん 『基礎年金』の中心 (東京)
エキスパート
年金のプロ標的?年金局長経験者の吉原さんと山口さん (読売、本文中)
元厚生次官ら連続殺傷 「テロ」許さない土壌に (中国、本文中)
【主張】元厚生次官宅襲撃 許されない行政へのテロ (毎日、本文中)
スペシャリスト
埼玉で東京で、厚生次官宅連続殺傷事件 (ニッカンスポーツ、本文中)

最後の2つは英語にするとカッコいいだろう!的発想を感じないでもない

首をかしげるもの(これ突っ込むところなのか)
プロ
年金のプロ標的?年金局長経験者の吉原さんと山口さん (読売)
元厚生次官宅襲撃 「年金のプロ」相次ぎ標的 (日経)
年金のプロに凶刃、厚労省パニック 元次官宅に連続襲撃 (中日)
“年金のプロ”標的か 厚労省OB狙われる (スポニチ)
本当に「年金連続テロ」なのか 義憤だとすると不審点多い (J-CAST、本文中)
見えぬ動機緊張増幅 元次官ら連続殺傷事件 犯行声明もなし (東京、本文中)
プロ中のプロ
殺人:「年金、プロ中のプロ」…山口元次官 (毎日)

年金アマがいることになるんだろうか

もしくはプロと呼ぶに値するのはこの人くらいしかいなかったという遠回しな官僚disだろうか

それはどうか
「エース」
狙われたのは上司と部下 共通点は「年金のエース」 (スポニチ)
年金担当狙う!元厚生事務次官夫妻を刺殺 (サンスポ、本文中)
神様
元厚生次官夫妻殺害事件 『“年金の神様”なぜ…』 (東京)

神殺し」って言ってみたら脳の中二病野がすごく活性化しました

「仏」
温厚で誠実、「恨まれる人でない」=慕われた「仏の山口」- 殺害された元厚生次官 (時事通信、「年金の〜」じゃないけど)

本当に仏になっちゃったー!ってマギー審司がやってるところを連想させられてイラッ

そしてこの三つで「稲尾様」という単語を連想させられてイラッ

Coming upnext

次にどんなのがくるか考えてみる

年金マエストロ
アラングリーンスパン意識
ミスター年金
榊原英資意識
「ザ・年金
ジョー・モンタナ意識
年金王子
主婦層を意識
年金番長
サンデー読者を意識
「〜(姓)☆年金乙☆〜(名)」
v速民を意識
「俺が年金だ」
苦しくなってきた


こんなことしてる俺と面白い二つ名をつける新聞のどっちが不謹慎

各社の記事に一覧性を与えて面白い二つ名の存在に気づかせてくれたぐぐるニュース先生こそ黒幕

11/20 木 11:28 加筆修正

Permalink |記事への反応(0) | 11:32

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2008-10-30

[知識][経済]ヘリコプターマネーと朝三暮四

2008年10月25日付朝日新聞朝刊 (一部抜粋)

ポールサミュエルソン ノーベル経済学賞受賞者

 メルトダウン(融解)的な危機を招いた理由のひとつはバブルが発生してそれが崩壊したためだ。資本主義歴史を振り返ると住宅バブルは古くからあるが、今回はバブルの坂を上がって行く時に「悪魔的でフランケンシュタイン的怪物のような金融工学」が危機を深刻化させた。表現が長すぎるというのならば「金融工学モンスター」と縮めてもいい。

 グリーンスパンFRB議長が95年ごろから株式市場バブルに対策を講じなかった事も、惨状を招いた理由のひとつだ。

 この危機を終わらせるためには何が有効なのか。それは、大恐慌を克服した「赤字をいとわない財政支出」だろう。極端にいえば、経済学者が「ヘリコプターマネー」と呼んでいる、紙幣を増刷してばらまくような大胆さで財政支出をすることだ。

 大恐慌を克服したのは戦争のおかげだという人がいるが、そうではない。大恐慌当時、私はシカゴ大学学生だったが、自分が学んでいる経済学と、社会現実に起きていることとの大きなギャップについて、深刻に悩んでいた。周囲では、3人に1人以上が失業していた。

 それほど高かった失業率をひとケタまでに減らしたのは、33年に就任したルーズベルト大統領の政策だ。それは戦争前のことで、戦争の脅威も切迫してない時点で着手されたのだ。

 (第1次大戦で敗れたドイツの)ヒットラー報復戦争の準備をするために、際限もなく金を使った。しかし、ルーズベルトがとった政策は、同じ赤字財政であっても、公共事業農業支援計画を通じた巨額の支出だった。それが資本主義を救った。

 国のお金を何に使うかは、その国民が選ぶべき事だ。しかし、無駄な事業でなく善い目的に使うのが、賢明国民の選択であることは言うまでもない。

 今回の危機の克服に当たっても、時間はかかったとしても結局、財政支出が拡大されるだろう。ルーズベルト大統領雇用政策も、目標実現に7年かかった。前任のフーバー大統領は、ケインズマルクス主義者呼ばわりするような人物で、恐慌克服になんら有効な手を打っていなかったことが響いた。本来は(株価暴落直後の)30年から32年までに恐慌対策を打つべきだったのだ。

池田信夫

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/7b23d61878dcbf6ad900123f5f3a7186

定額減税が、2兆円の「給付金」という珍妙な形で行なわれることに決まった。これは経済学でよく冗談でいわれる「ヘリコプターマネー」をほとんど文字通り実行する漫画的な政策である。

あなたが市役所に行くと、1世帯4万円のクーポン券をもらえる。これが他人の金だったらうれしいだろうが、その財源はあなたの税金だ。「埋蔵金」を使うなどというのはまやかしで、そのぶん国債の償還財源が減るのだから同じことだ。つまり4万円の税金で4万円のクーポンを買うだけなので、あなたが合理的ならバラマキ財政政策に効果はない――というのが中立命題としてよく知られている理論だ。

しかし実証的には、この理論は厳密には成り立たない。それは人々が近視眼的で、将来の課税より現在の現金の価値を高く評価するからだ。朝三暮四というやつだ。つまりバラマキ政策は、国民が猿のようにバカであればあるほど効果の大きい愚民政策なのである。

だが先進国最近経験は、国民がそれほどバカではなくなってきたことを示している。特に財政赤字が大きくなると、目の前の財政支出が将来の増税をまねく因果関係がわかりやすくなるため、「乗数効果」が小さくなる。さらに北欧などでは、財政赤字を削減することによってかえって消費が増える非ケインズ効果も観察されている。

Permalink |記事への反応(2) | 05:49

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2008-10-06

グリーンスパンの謎(コナンドラム

・長期金利(10年物国債利回り)が、好況の05年に4.29%と低位にとどまっているのだ。これがグリーンスパンをして「コナンドラム」と首を傾げさせた難問だった。

グリーンスパン議長は、「根拠なき熱狂」の向こう側に「生産性」という言葉見出しました。

Permalink |記事への反応(0) | 10:32

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2008-03-04

あんま意味無いよ

http://blogpal.seesaa.net/article/88037108.html

努力しても決して幸せになれない理由


「働かなくても良い」または「努力しなくて良い」というネガティブ生き方に合理的な理由付けを与えてくれるエントリ

相変わらず、というか。はてブの定番だな。

…今回は違うけど「人生は運だ」とか。

「だが、人間の心理では、生活水準が上昇したことによる当初の喜びは、贅沢が地位に見合うようになると、たちまち消えるものだ。新たな水準がすぐに「普通」だと認識されるようになる。充足感は、一時的なものなのだ。」

こんなの、わざわざグリーンスパンの本を読まなくても普通に生活してれば誰にでもわかるよ。

それまで集合住宅に住んでた人達お金を貯めて郊外に一戸建てを買う。

はじめは空き地が目立ってた近所の戸建て住宅も、そのうち段々数が増えてきて小さい分譲地が満杯になる。

似たような家に沢山囲まれたおかげで、自分の家に抱いていた最初の満足感も急速に薄れてゆく…。

考えてみりゃ当たり前なんだけどね。同じ分譲地に越してくるんだから、年収もそう違わないし。

よその家とはいえ、トイレ風呂のある場所だって同じような間取りだからだいたい分かるし。

パソコンネットから少しは離れてお天気の良い日に近所でも散歩してみなよ。これから暖かくなるし。

この手のエントリ追いかけて自己肯定繰り返してもあんま意味無いよ。

外出たから何があるって訳じゃないけど、いまみたいなこと繰り返してるよりはマシじゃない?

Permalink |記事への反応(0) | 00:04

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2007-08-27

http://anond.hatelabo.jp/20070827081835

どうやらこれで決定らしい。

内閣総理大臣安倍晋三

総務大臣: ミハイルゴルバチョフ 民間(ロシア

法務大臣: 枝野幸雄 民主

外務大臣: ジョン・ロバートボルトン 民間(米国

財務大臣アラングリーンスパン 民間(米国

文部科学大臣李登輝 民間(台湾

厚生労働大臣: セゴレーヌ・ロワイヤル 民間 (フランス

農林水産大臣フランソワミッテラン 民間(フランス

経済産業大臣マーガレット・サッチャー 民間 (英国

国土交通大臣・海洋担当亀井静香 国民新党

環境大臣沖縄及び北方担当:CW・ニコル 民間(日本

防衛大臣ベンヤミンネタニヤフ 民間(イスラエル

内閣官房長官中曽根康弘 民間 (日本

国家公安委員会委員長・防災担当:ウラジーミルプーチン 民間(ロシア

内閣府特命担当大臣(金融):アラングリーンスパン 民間(米国)(兼)

内閣府特命担当大臣(規制改革):マーガレット・サッチャー 民間 (英国)(兼)

内閣府特命担当大臣(経済財政政策):アラングリーンスパン 民間 (米国)(兼)

内閣府特命担当大臣(科学技術イノベーション):ビル・ゲイツ 民間 (米国

内閣府特命担当大臣(少子化・男女参画・食品安全): チョチョリーナ 民間(イタリア

内閣府特命担当大臣(年金対策):ビル・ゲイツ 民間 (米国)(兼)

Permalink |記事への反応(1) | 08:23

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2007-02-28

http://anond.hatelabo.jp/20070228214918

利上げは経済をよくするためのものじゃなくって国内の経済力グローバリゼーション免疫力をつけさせるために必要な事だと思う。

今回のタイミングは悪くないと思うよ。だってこのまま市場に任せてたら自然悪化して切り上げのタイミング失うだろうし、中国が動いた後だとさらにやりにくいし、なんだかんだ時期的にはここが一番空白の期間だと思うな。

デフレになるとかインフレになるとかは予測不能だけど、日本会社を見渡すと、本当につぶれて欲しかったようなところもなんだかんだ生き残ってしまっているので自活力というか自己再生能力は結局日本の市場には備わらなかった。どちらにしろ調整は必要だなとは思う。

今回の株安は中国発とアメリカグリーンスパン発の二説あるみたいね。

アメリカはずっとてぐすね引いてたから乗っただけだと思うな。今回は旧節あけたばかりの中国がしかけたんだとおもふ。

ま、むずかしいことはわからんにゃー。。

かもん105円

Permalink |記事への反応(1) | 23:09

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ほんとすごいよね

http://anond.hatelabo.jp/20070228215022

さっきちらりとニュースステーションみてたんだけど、グリーンスパンがどうだとか、中国がどうだとか、投資家の心理がどうだとかいってたけどさ、、すごいなっと思う。

すごいね。

きっとみんな大天使ジブリールなんだよ。

Permalink |記事への反応(0) | 22:37

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