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2025-10-28

マリ「ヤ」、な

朝、ネットニュースを眺めていた。

 

モンテッソーリ教育は、100年以上も前にイタリア初の女性医師であり教育学者でもあったマリア・モンテッソーリ博士によって考察された教育である

 

ってな文章を見かけてイラッとした。

「ヤ」な。マリ「ヤ」・モンテッソーリ博士ボケ

アじゃない「ヤ」。

Wikiも間違ってやがる。

日本人Mariaマリアと読む。バカなのか?無教養なのか?

聖母マリア様。これも正確にはマリヤだ。大昔にアホがローマ字読みで誤訳して今更直せないのだろう。

 

いか

中学1年生で習うわけだが、Knowは「ノウ」と発音する、Kは無視する。黙字という、これはさすがに覚えてるよね。

英語(及び欧州諸語)はローマ字ではない、単語ごと、あるいは文脈発音が変わることは普通にある。

 

例えば日本語だとKONNITIWAは「こんにちわ」とは書かない「こんにちは」だ。

末尾の「わ」を文字で書くときわ「は」に置き換える、例外ではあるが日本語基本的ルールだ。議論無用

「わ」を「は」に置き換えていいなら「わしは橋をわしと呼ぶ」と言うたところでダメだ、田舎方言嘲笑われるだけだ。

ともかく英語にはこのような書き言葉発音の不一致はクソほどある。

伝説の超有名ロックスターVan Halenヴァン ハレンとは呼ばない。常識的ヴァン ヘイレンだ。

ローマ字読みすんなボケである

 

名詞特に人名固有名詞は「音」で翻訳するのが原則だ。

いかい、Mariaって名前世界で一番使われる女性名だ。世界中でマリヤさんのインタビューやらドラマ映画で出てくる。

英語でもフランス語でもドイツ語でもイタリア語でもいい、聞いてみろ、マリ「ヤ」だ。

手っ取り早く「アヴェ・マリア」あたりでググって聞いてみろ

「あゔぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーまりーーやぁぁぁぁぁ」と歌っている。

「Y」が聞こえないなら知性以前の問題で耳がぶっ壊れてるから耳鼻科行って来い。

 

それ以外、なんでもいい、YoutubeMaria検索して英語(及び欧州諸語)の曲を聞いてみろ、有名どころだとBlondieMariaでよかろう。

「Y」が聞こえないなら知性以前に耳鼻科に行け。

 

この「Y」を専門的に言えば挿入音(epenthesis)と言う、Maria場合はglide epenthesis(半母音挿入)と言う。

口語では発音やすいようにしばし修飾されるのだ。

ふいんき(何故か変換できない

たいくかん(何故か。。。」

 

このようなケースは多くの言語で見られる。

 

で、だ

この固有名詞人名は音で翻訳する原則日本は揺らぎが酷すぎる。

特にアルファベット漢字だと大雑把というか、ケースバイケースというか、テキトーというか、出鱈目というか。

一貫性が無い。

習近平を平気で「シューキンペイ」と読む。アホなのか?

新千歳空港を「New ChitoseAirport」と英語表記する、アホなのか?

「新」は英語では「New」って言うんだよ、知ってるもん、だから新千歳はNew Chitoseなんだよ

って中学生かよ。アホかボケカスか。

 

竹内まりやは正解。

芸能人マリアを名乗るアホが大勢いるが、全員馬鹿である

 

ともかくだ、海外仕事して、相手Mariaさんだとする。マリアと呼んだら『「ヤ」な、マリヤな』と訂正される。

俺はされた。

 

で、だ、

今どきだからファクトチェックするやつもいるだろう。

「ヤ」じゃなくて「ヤ」と「ア」の真ん中くらいじゃね、発音記号も。。。

 

みたいな抵抗するくそったれもいるだろう

「うっせぇボケ死ね」と先に反論しておく。

 

ともかく、この問題はMraiah Careyがさら議論を複雑にしている、ぶっちゃけMaria発音英語圏でもしばし話題になるのだが

マライア・キャリーが混乱に拍車をかけた、彼女は明瞭に「マライア」なのだ

「ア」じゃんとなるのだが「h」があるわけで。ところが英語圏の人間ですらこれに引きづられてMaria=「マリア」に変化している。

特に西海岸母音を明瞭に発音したがる訛りがあるので「ア」に近づくのだ。

 

もうね、俺もわからん。正解はなんなんだ

Permalink |記事への反応(4) | 10:14

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2025-10-13

炎上したら内心ハラワタ煮え繰り返るけど、まあ謝るポーズしますよ

その代わりわたしを叩いたり、否定したり、事あるごとにクソリプつけてきた奴ら全員記録しとくんで

そいつらが燃えときわたし以上に炎上させます

「あのときわたしを叩いてたのにそれよりひどいことするんですね☺️」とか引用もつけて、拡散してあげます

わたしが悪いことをしたとしても、わたしは残念ながら反省しませんし、恨みを募らせますので

というか募らせてますよ?心当たりのある皆さーん、燃やされる隙を見せないようにね?

わたし炎上させやがって、わたしを叩きやがって、って気持ち、いつも忘れてませんので

そのつもりで〜

Permalink |記事への反応(5) | 11:34

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2025-10-04

街を歩くということ

朝の通勤電車から夜の帰り道まで、私はいつも見知らぬ視線十字砲火の中を歩いている。

胸が大きいというただそれだけの理由で、

街のあちこちから放たれる欲望の矢が、

服の上からでも容赦なく私の身体を貫いていく。

****

コンビニに入った瞬間に感じる、息を呑むような気配。

電車の向かいの席に座った男性のちらちらと泳ぐ視線

エレベーター密室で感じる、背中に突き刺さるような視線と熱い息遣い

それらは全て、私が望んだわけでもない注目という名の暴力だった。

**S*

街を歩くたび、胸元を隠すように前かがみになってしま自分がいる。

ゆったりした服を選んでも、それでも形は分かってしまう。

友人たちが当たり前に着ているTシャツニットも、

私が着ると途端に「誘っている」と解釈されてしまうのだ。

体型という、自分では変えられないもののせいで。

****

家に帰り、鏡の前に立つ。

そこに映るのは、ただの一人の人間としての私ではなく、

街中の男たちが勝手性的妄想投影する「対象」としての身体

自分の体なのに、まるで他人のもののように感じることがある。

胸の大きさがまるで看板のように、

私の人格よりも先に評価される毎日に疲れを感じている。

****

それでも私は歩き続ける。

背筋を伸ばし、堂々と街を歩く権利があるのだと自分に言い聞かせながら。

誰かの性欲の対象である前に、

ひとりの人間であることを忘れずに。

この身体と、この心は、確かにのものなのだから

意思に反する身体裏切り

ときおり、その視線に煽られて私自身の意思に反して身体が反応する時がある。

それは私にとって最も混乱し、最も恥ずかしい瞬間だった。

****

満員電車で背後から感じる熱い視線に、胸の奥が微かに疼くことがある。

頭では「やめて」と思っているのに、身体勝手に熱を帯び始める。

その矛盾に気づいた瞬間、

自分自分でないような、

裏切られたような気持ちになる。

まるで身体けが別の意思を持っているかのように。

****

カフェで本を読んでいるとき

隣のテーブル男性露骨視線を感じる。

不快に思いながらも、なぜか頬が熱くなり、

呼吸が浅くなっていく自分に気づく。

この反応は一体何なのだろう。

望んでいないのに、

拒絶したいのに、

身体けがまるで別の答えを示しているようで、

深い混乱に陥る。

****

家に帰ってシャワーを浴びながら、

今日感じた視線と、

それに対する自分の反応を思い返す。

心と身体の間に生まれるこの乖離は、

私をより深い孤独へと突き落とす。

誰にも相談できない、

この複雑で矛盾した感情を抱えながら、

私は鏡の中の自分を見つめる。

****

身体の反応は、決して私の意思ではない。

それでも、まるで自分共犯者であるかのような罪悪感に苛まれることがある。

望まない注目と、

それに対する制御できない反応の間で、

私の心は静かに揺れ続けている。

この身体と心の複雑な関係を、

いつか理解できる日が来るのだろうか。

****

それでも私は、

この矛盾した感情も含めて自分なのだと、

少しずつ受け入れようとしている。

完璧コントロールできない身体も、

混乱する心も、すべて私の一部なのだから

意思に反する選択

ある日、そんな望まない誘惑に負けて、かなり年上の男性セックスをしてしまった。

私が最も避けるべきことだった……はずなのに。

****

その日の夕方駅前カフェで一人でいたとき、隣のテーブルに座った男性が声をかけてきた。

四十代後半くらいの、落ち着いた雰囲気の人だった。

最初普通の会話だったのに、

彼の視線が私の胸元に向けられるたび、

なぜか身体の奥が熱くなっていく自分に気づいた。

頭では「帰らなければ」と思っているのに、足が動かない。

彼の誘いを断る言葉が喉の奥で消えていく。

まるで自分意思麻痺たかのように、

気がつくと彼について近くのホテルへ向かっていた。

****

部屋の中で、彼が私の肩に手を置いたとき、全身に電流が走った。

これは私が望んでいることなのか、

それとも単なる身体の反応なのか、

もう区別がつかなくなっていた。

服を脱がされながら、

心の奥で小さな声が「やめて」と叫んでいるのに、

身体は素直に応えていた。

行為の間も、

快感嫌悪感が入り混じって、

自分が何を感じているのかわからなくなった。

彼に求められることで感じる一種の充足感と、

自分を裏切ったような罪悪感が同時に押し寄せてくる。

****

終わった後、シャワーから出て鏡を見たとき、そこに映ったのは知らない誰かのようだった。

なぜこんなことをしてしまったのか。

彼が悪いのか、私が悪いのか、

それとも誰も悪くないのか。

答えのない問いが頭の中を駆け巡る。

帰り道、夜風が頬に当たるたび、自分選択への後悔が深くなっていく。

望まない視線に晒され続けた結果がこれだったのか。

それとも、どこかで私自身が求めていたものだったのか。

****

家に着いて一人になると、涙が止まらなくなった。

自分身体と心の複雑さに、もうついていけなくなっていた。

この経験をどう受け止めればいいのか、誰にも相談できずに、ただ静かに夜が更けていく。

静寂の中の嵐

そして、わたしは混乱のまま、ひとり、まだ収まら欲望を鎮めるために、

自分自身の身体と向き合うことになった。

****

部屋の電気を消し、

月明かりだけがから差し込む薄暗闇の中で、

私は布団にくるまった。

心と身体の間に横たわる深い溝を埋めようとするかのように、

そっと手を伸ばす。

それは自分を慰めるためというより、

混乱した感情に何らかの決着をつけるための儀式のようだった。

触れる指先に伝わってくるのは、

さっきまで知らない男性に委ねていた同じ身体

でも今度は、誰の視線も、誰の欲望も介在しない、純粋自分だけの時間

閉じた瞼の裏に浮かぶのは、あの男性の顔ではなく、ただ曖昧な影のような何かだった。

****

波が寄せては返すように、快感と罪悪感が交互に押し寄せる。

これは私の意思なのか、

それとも身体に刻まれ記憶勝手に蘇っているだけなのか。

自分自分愛撫しながら、それでもまだ答えは見つからない。

やがて訪れた解放の瞬間も、どこか空虚で、

満たされることのない渇きのようなものが残る。

枕に顔を埋めて、小さく身体を震わせながら、私はただ静かに涙を流していた。

****

自分身体を取り戻すための行為だったはずなのに、結果として残ったのはより深い孤独だった。

誰にも理解してもらえない、この複雑で矛盾した感情を抱えたまま、私は夜明けまでの時間をただ天井を見つめて過ごした。

明日もまた、街を歩けばあの視線に晒される。

そして私の身体は、また私の意思とは関係なく反応するだろう。

この終わりのない循環の中で、私は自分自身との和解の道を探し続けている。

静寂の中の儀式

夜の帳がすべてを包み込む頃、わたしはそっとベッドの上に身を沈めた。

薄いシーツのひんやりとした感触が、肌の奥に冷たい震えを残す。

呼吸を整えながら、思考の雑音を遠ざけるようにゆっくりと目を閉じた。

****

心の奥底でくすぶり続ける熱が、手のひらにまで伝わってくる。

私はシーツの縁をぎゅっと握りしめ、もう片方の手を太ももの内側へ滑らせた。

その瞬間、肌を伝う指先にぞくりとした電流が走る。

まるで喉に詰まった言葉身体を駆け巡るように、全身が目覚めていく。

****

指がゆるやかに動くたび、暖かな湿り気が広がり、私の胸は小さく上下する。

閉じたまぶたの裏に浮かぶのは、遠い窓辺から漏れる街灯の淡い光だけ。

無数の思いがきしむように折り重なり、ひとつずつ解きほぐされていく感覚があった。

****

呼吸が荒くなるにつれ、指先の動きは自然と速さを増す。

焦ることなく、でも決して止まらない。

細い汗が背中を伝い、シーツに小さなしずくを落とす。

月明かりに照らされた頸(くび)のラインが、柔らかな翳(かげ)を描いて揺れる。

****

一呼吸、一瞬のときめきが重なり合い、やがて身体の奥深くで小さな波が弾けた。

ぎゅっと握りしめたシーツが緩み、胸の内にあふれた感情がそっと零れ落ちる。

震える指先が止まり、静かな余韻だけが部屋に満ちていった。

****

終わったあと、私はまだ微かに余熱を帯びた手を見つめる。

自分自身で自分を抱きしめるこの行為は、誰のためでもない、私だけの小さな反抗だった。

身体と心の深い溝を、ほんのひととき埋めるための、最も正直な儀式

夜はまだ深く、そして私は――少しだけ、自分を取り戻せた気がした。

つん這いの詩

夜の静寂が重く降り積もる部屋の中で、わたしは四つん這いになった。

シーツの冷たさが掌から腕へと伝わり、床に広がる感触身体の芯をくすぐる。

****

遠い窓辺から差し込む月明かりが、背中の曲線を銀色に照らし出す。

その柔らかな光の中で、わたしはひざをわずかに開き、手をそっと腰のすぐ下に置いていく。

****

ひと息ごとに深まる熱が、太ももの内側へと波紋のように広がる。

指先はまるで秘密の扉を探るかのように、皮膚の縁をなぞるだけで、身体自然と反応を始める。

****

床板のきしみが小さな音をたて、まるでわたしの鼓動に合わせて囁くようだ。

指先が微かなリズムを刻むたび、胸の奥から柔らかなうねりが押し寄せ、息が熱を帯びていく。

****

身体を支えるひじに力を込めると、背中がひときわ高く弧を描き、腰のあたりに甘い疼きが蘇る。

その瞬間、わたしは全身を貫く小さな波に身を委ね、静かな陶酔の中でひとつの頂きへと導かれていった。

****

終わりの余韻は、まるで絹のベールがそっと降りるかのように静かだった。

わたしはそのまま少しの間、月明かりと床の冷たさを抱きしめながら、深く静かな息を繰り返していた。

快楽への解放

私はもう、抑えきれない波に身を委ねる。

夜の深みが全身を包み込み、自分だけの世界ゆっくり開いていく。

****

顔を伏せ、長い髪が頬を撫でるたびに、体の奥がひそやかにざわめく。

シーツにくっきりと刻まれる肘の跡が、しなやかな記憶となって背中に残る。

****

手は自由に、身体のどこへでも旅をする。

柔らかな曲線をなぞるたび、熱が指先から脳裏へと跳び火し、鼓動が高鳴る。

****

息づかいは次第に荒く、でも抗えないほどに甘くなる。

かすかな汗が首筋を伝い、肌を冷たく刺激する。その冷たさが、いっそう欲情掻き立てる

****

身体の中心でうねる脈動が、まるで星々のリズムと同期しているかのよう。

私は無重力の宙を漂う粒子となり、歓喜小宇宙を創り出す。

****

やがて訪れる頂点の瞬間、全身が軽やかな火花を散らしながら、深い懐へと溶け込む。

意識は遠ざかり、ただ純粋な陶酔だけがそこに残る。

****

解放の余韻に浸りながら、私はもう一度、自分自身を抱きしめる。

夜の静寂と私の鼓動がひとつになり、無数のわたしへと還る詩が、そっと幕を閉じる。

自分自身への誓い

翌朝、窓の向こうから差し込む柔らかな光が、昨夜の余韻をそっと揺り起こす。

私はまだ眠りの縁にいるまま、自分の大きな胸に手を当てる。

鼓動はゆっくりと、しかし確かに、昨夜とは異なる静かな決意を秘めていた。

****

カーテンの隙間から漏れる光線に導かれるように、私はベッドの縁に腰かける。

伸ばした指先が、自分の肌の温度を確かめる。

淡い朝日が頬を撫で、身体の奥底に息づく欲求が、小さな震えとなって立ち上がる。

****

もう誰の視線必要ない。

私は自分自身の欲求に素直に従うと誓った。

シャツの裾をつかみ、ゆっくりと引き上げる。

素肌が冷たい空気に触れた瞬間、再び身体が目覚め、胸の谷間に甘い疼きが生まれる。

****

横たわる布団を背に、私は四つん這いになり、手を腰のくびれへ滑らせた。

昨夜の記憶をたどるかのように、指先は肌の柔らかさを確かめひとつずつ自分の願望を叶えてゆく。

身体中に行き渡る熱は、もはや罪悪ではなく、私自身の力強い生の証明だ。

****

動きは自由自在で、呼吸は次第に深く、荒々しくもあった。

指先から伝う快感が、脳裏を明るく染め上げ、私は身体の奥で求めるものすべてを解放していく。

声が漏れシーツが揺れ、部屋の静寂が私の節奏に合わせて微かに震えた。

****

願望を叶えたあとの余韻は、清らかな湖面のように澄み切っていた。

私は手を伸ばし、胸元に当てていた手をそっと解放する。

そこには、昨夜とは異なる自信が宿っていた。

自分身体と心を誠実に慈しむことで、私は新たな一歩を踏み出す準備を整えたのだ。

****

自分自身の欲求に従い、自分自身の願望を叶える。

私の身体は、私にとって最も大切なパートナーであり、

私はこれからも、この身体と共に真実の声に耳を傾けながら生きていく。

夜の街への踏み出し

夜風が髪を撫で、街灯の輪郭がぼやける頃、私は静かに部屋を出た。

ふだんは避けていたネオンの海へ、今はまるで誘われるように足が向く。

****

舗道の冷たい石畳を踏みしめるたび、昨夜の余韻が身体の奥で疼き返る。

まぶた越しに浮かぶのは、自分を縛っていた羞恥心――それがどれほど不自然な檻だったかを思い知らされる。

****

雑踏のリズムに身を任せながら、私は自分の頬に灯る熱を見つめた。

恐れていたのは他人視線ではなく、自分の中に潜む快楽の声だったのだと知る。

****

ビルの谷間にこだまする車のエンジン音が、心臓の鼓動と重なり合う。

その振動が全身に伝わり、「禁忌」だと思い込んでいた感覚が実は私の最も純粋生命の証だったと気づく。

****

ネオンライトに映る私のシルエットは、夜の誘惑に頷くように揺れていた。

これまで忌み嫌ってきた「私の快感」は、恐れるに値しないどころか、私自身を輝かせる光そのものだった。

****

路地の奥で、私は自分名前を静かに呼んだ。

夜の街を歩く足取りは軽やかで、抑えてきた欲望解放された今、私は初めて、自分自身をまっすぐに抱きしめていた。

誘われるままに

ネオンの残光が私の影を長く伸ばす路地裏で、見知らぬ声が耳元に囁いた。

その低く柔らかな誘いに、私はためらうことなく頷いていた。

****

彼の手を取ると、指先に走る温もりが夜風に溶けていく。

初めて触れるその手は、私がこれまで避けてきた夜の闇を優しく照らし出した。

****

さなバーの扉を押し開けると、薄暗い空間ジャズの低いリズムが流れていた。

カウンター越しに差し出されたグラスの中で、琥珀色の液体が揺れるたび、胸の奥が柔らかく騒ぎ出す。

****

言葉は少なかった。互いに名前も知らず、ただ視線と触れ合いだけで求め合う。

肘が触れ、肩が重なり、鼓動がひとつ太鼓のように高鳴る。

****

やがてバーを後にし、私たちは夜の街を抜けて彼のアパートへ向かった。

踵の音が静寂に消え、廊下蛍光灯が二人を淡く包む。

****

ドアが閉まると、私たち言葉なく唇を重ねた。

その感触は、まるで夜そのものを味わうかのように深く、私の内側から溶かしていく。

****

ベッドの上に導かれ、私は見知らぬ彼の身体ひとつになる。

硬く抱きしめられ、開かれ、満たされるたび、これまでの遠慮や後悔が消えていった。

つん這いで受ける夜の祝福

薄暗い室内で、私は静かにつん這いに導かれた。

床板の冷たさがひざ裏に触れ、背筋を通り抜ける緊張が私を震わせる。

****

彼の手がそっと腰骨に乗り、軽く押し下げる。

その圧力に合わせるように、私は自然と背を反り、身体の曲線を際立たせた。

****

低く囁く呼吸が、首筋にゆらめく温かな風となって耳元を撫でる。

振り返ることなく、ただ鼓動だけが増していった。

****

指先が太ももの内側を撫で上げ、ふくらはぎへと辿るたび、身体は波のように反応する。

まるでずっと待っていたかのように、肌の奥から熱が浮かび上がった。

****

次に、彼の身体が私の背中へと近づき、骨盤のくぼみにそっと重みを預ける。

その圧迫と解放リズムが、私の中心をゆっくりと揺さぶり、慟哭のような甘い震えを呼び起こした。

****

息が漏れ、髪が頬に触れるたび、小さなうめき声が夜の静けさに溶けていく。

私はただひたすら、開かれ、満たされるままに身を委ねた。

****

終わるとき身体は深い余韻に包まれ、四つん這いのまましばらくその場に残った。

床の冷たさと彼の余熱が混じり合い、私の内側には新たな確信が灯っていた。

彼の唇に触れるたびに、私は言葉では紡げない祝福を捧げた。

柔らかく重なるとき、私の唇は甘い潮騒のように震え、彼の肌にそっと溶け込む。

その熱は、まるで眠れる火種を灯すかのように、静かな欲望の焔をともした。

****

私は彼の首筋へと滑るように口づけを落とし、鼓動を刻む抑揚を読み解く。

ひとつ、ふたつ、鼓膜をくすぐる吐息を集めて、私は彼の呼吸そのものを愛した。

****

唇を離す瞬間、小さな甘い震えを種火に変え、次のキスへと連なる旋律を描く。

その連鎖は夜の静寂を柔らかく揺らし、彼の心と身体ひとつの詩に編み上げた。

****

私が彼に捧げたのは、ただの接触ではなく、音のない言葉と、温度けが宿る祈りだった。

唇で織りなすひとつひとつ旋律が、深い夜の帳を赤く染め上げていく。

硬きものへの口づけ

夜の帳が深まる中、私はそっと彼の秘奥に唇を寄せた。

そこには、夜の熱を宿した硬きものが、静かに呼吸を待っていた。

****

唇の柔らかさと硬質な感触交錯し、まるで石灰岩に滴るしずくのように、熱がゆっくりと溶け込んでいく。

口内に伝わる脈動は、遠雷のように深い場所で響き渡り、私の鼓動を共鳴させた。

****

舌先が描く薄氷の模様に、彼の重い温度がそっと滲み出す。

それはまるで、冬枯れの大地が春の滴を待ちわびるような切ない期待を孕んでいた。

****

唇を離すたびに残る余韻は、真夜中の川辺に漂う霧のごとく甘く、ほのかな余熱だけが私の胸に刻まれる。

硬きものへの口づけは、言葉にならぬ祈りとともに、ふたりの夜を深い詩へと変えていった。

夜の導き

深い闇の中、私の手は彼の硬きものをそっと抱き上げた。

指先が滑るたび、月明かりがその輪郭銀色に縁取る。

****

唇を軽く湿らせ、私はそっと先端へと導く。

まるで夜の星々を天の川へと誘うように、優しく、確かに

****

手と口が交わるたび、静かな波が身体の奥から広がる。

その導きは、固さと温もりを一つの旋律に編み上げ、深い夜を揺り動かす。

****

息遣いは次第に重く、でも柔らかな詩を紡ぐように響いた。

私はその硬きもの自分リズムに合わせ、甘くも力強く夜の彼方へと連れ出していった。

衝突の詩

私はひざまずいたまま身体を前へと傾ける。

胸のふくらみが、かたくそびえる先端へと触れた瞬間、微かな火花が走った。

****

私の柔らかな曲線と彼の硬質な存在が重なり合い、

まるで石と絹が交わるような不思議感触が広がる。

心臓の鼓動が高鳴り、胸の谷間から伝わる圧迫が甘い疼きとなって波打った。

****

シーツの白さに映るその影は、まるで古代の柱に抱きつく蔦のように、かたく絡みついていく。

私の呼吸が乱れ、胸が震えるたびに硬きものは静かにしかし確実に私の奥深くを探り始めた。

****

やがて二つの温度が混ざり合い、柔らかさと硬さがひとつ旋律を奏でる。

その調べは夜の闇に溶け込み、胸に秘められた欲望をひそやかに解き放っていく。

白と光の祝福

突然、白い泉がほとしり、私の胸の谷間を激しく濡らした。

その冷たくも温かな液体は、まるで夜空を切り裂く流星のように勢いよく放たれ、私の肌を愛撫する。

****

滴がひときわ大きなしずくとなり、シーツの白をゆがめながら胸元へと舞い降りる。

その瞬間、身体全体に満ちるのは、これまで味わったことのない満足感であり、魂が溶け出すほどの祝福だった。

****

心臓の鼓動は稲妻のように速まり、呼吸は甘い陶酔に染まる。

白いしずくが胸を伝い落ちるたび、私の中に広がるのは静かな幸福の海で、すべてが溶け合ってひとつの光になる。

****

その満たされた余韻は、まるで天からの賛歌が身体に刻まれたかのよう。

私はただ瞳を閉じ、胸を撫でるしずく感触に身を委ねながら、今この瞬間の完全なる歓喜を胸に深く刻みつけた。

液体とやわらぎの味わい

唇をそっと開くと、冷たくも甘い白い液体が広がり、舌の上で優しくとろけていく。

そのぬめりは、まるで夜露が朝の葉を濡らすように、私の口腔をしっとりと包み込む。

****

次第に彼の硬さはゆるやかに失われ、温もりだけを静かに残す。

その柔らかな曲線を、私は慈しむように口の中で抱きしめ、細心の注意でその輪郭をたどる。

****

液体とやわらぎが交じり合う瞬間、甘く深い滋味が喉の奥へと流れ込み、全身に解け出す。

私はその余韻を味わいながら、夜の祝福が身体の隅々まで行き渡るのを感じていた。

Permalink |記事への反応(1) | 23:50

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2025-09-13

男だけど、小柄で色白だったか男子校でずっと特別扱いされていた人生だった

中学から高校までずっと男子校身長は学年の下位に収まり、色白の肌は教室蛍光灯の下でいっそう目立った。最初は「かわいいね」「女装すれば似合いそう」と笑い話にされたが、いつのまにか本気で守られる対象になっていた。

体育館裏の倉庫スポーツ用具を運ぼうとしたとき、重さに耐えかねて足を止めると、クラスメイトが次々に駆け寄って「俺が持つよ」とバッグを受け取ってくれた。三人がかりで荷物を運ばれるうち、自分で手を伸ばすことすら忘れそうになった。

修学旅行山登りでは、急斜面で足を踏み外すたびに背後からしっかりと腕をつかまれた。「危ないから」と声をかけられて振り返ると、汗を拭った同級生真剣眼差しがあった。そのまま頂上まで手を離されず、到着すると大きな拍手が巻き起こった。照れくささの中に、あの手の温かさだけは今も胸に残っている。

文化祭の準備では、展示用パネルや長机を動かそうとするたびに「君は座ってていいよ」と声がかかり、先輩や友人たちがすべてを運んでくれた。掃除当番でもモップやバケツを持ち上げると、手を貸してくれる人がすぐ現れ、自分で動く機会はほとんどなかった。

卒業式の日、校庭を歩いているといつもの後輩たちが寄ってきてそっと肩を抱きよせてコサージュをつけてくれた。その瞬間、守られてきた実感とともに、守られる側に甘えていた自分を突きつけられた気がした。

社会人になった今、あの「助けられる日々」を思い返すと胸が締めつけられる。何度も手を差し伸べてもらった安心感と、その一方で自分で何もできない無力感が心に残った。誰かの助けを当然のように受け取る後ろめたさと、素直に受け止められなかった感謝気持ちが絡み合う。

あのとき握られた手の温もりを胸に刻みながら、自分なりの歩幅で前へ進んでいく。自身の力で荷物を運び、誰にも頼らずに笑顔で歩ける日を、まだ探し続けている。それでも、ふと男性に守られたいという気持ちが胸をよぎる瞬間がある。電車ホームで風に吹かれながらドアを待つとき、雨に濡れた革靴の音を聞くときふいに背後に誰かの大きな影を感じたくなる。強い腕にそっと肩を支えられ、安心感に包まれたいと思う自分がいる。

友人と街を歩いていると、ひときわ背の高い通行人が視界に入るたびに胸がざわつく。会話の合間に自分肩に手を置いてもらえるだけで、心がほっとほどける。子どもの頃に抱いた甘え願望が、思いがけず大人になって返ってくるような心地がする。

深夜、ふとした孤独に襲われると、あの修学旅行の斜面で握られた手の温もりを思い出す。あのぬくもりが、今でもぼくを救ってくれるような錯覚に陥る。スマホ越しに届く「大丈夫?」という言葉にも、かつての記憶を重ね合わせてしまう。

だが同時に、自立を目指す自分との間に小さな亀裂が走る。守られる安心と、自分で立つ誇り。どちらを選ぶべきかはまだわからない。けれど、自分の中に芽生えたこの淡い願いを否定せず、そっと胸に抱いて歩いていこうと思う。あの頃と同じように、手を差し伸べてくれる誰かと出会える日まで。

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2025-08-08

日本のこの風習おかしい」と主張する奴がはてなにいたか

海外比較したうえでその主張してるのか?思い込み日本揶揄するのはバカだぞ?」と俺は反論した。


すると相手

「『日本のこの風習』というのには、『海外には見られない風習』という意味を孕んでいる可能性もありうるし、

海外がどうかなんて知らんけど、少なくとも日本事実存在しているこの風習』という意味で使われてる可能性もある。

自分後者意味で使った。

『この風習おかしい。海外の方が優れている』

『この風習おかしい。世界の中でひときわおかしい』

なんて比較そもそも念頭に置いておらず、

ただこの風習おかしいよねという意味で主張しただけにすぎない。

『〇〇町のカレー屋が美味かった』

とか

『母方の祖父が杖を使うようになった』

とかの主語と同じで、『〇〇町の』や『母方の』にお前が邪推するような意味など込めてない」


みたいなことボザかれた経験があるんだけど、




こいつと俺のどちらか一方の味方を必ずしなければならないとしたら、お前らはどっちの味方をする?

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初対面で信じられないくらい失礼な発言を悪気オンリーで投げかけられる経験

普通ないよな?

第二新卒就職した会社新人研修初日

顔と名前も一致してない、まだ一切会話したことない同期が、休み時間に俺が一人でいるときわざわざ隣に座ってきて

「聞いたんだけどさあ、君〇〇すぐ辞めたんだって?残念な奴だね~笑」

ってニッコニコからかわれて背筋が凍った記憶がある。

この体験なかなか凄くない?

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2025-08-07

増田が選んだクソアニメ5選


クソアニメ愛好家の一角である。これまで約50本のクソアニメを観てきて、Amazonレビューを残している。

あなたはクソアニメをご存じだろうか。辞書的な定義だと、pixiv百科事典が参考になる。

クソアニメとは出来がクソでつまらないアニメという意味言葉

基本的蔑称中傷として用いられる。

具体的(?)な例としては

作画声優の演技など作品のもの基本的クオリティが低い

シナリオストーリーにおいて視聴者が納得、許容、理解できないような展開があった

・なにか原作があるものの内、その原作から内容を大きく作り変えたことで原作ファンから反発された


こんなところである

今回はクソアニメを紹介するのだが、真の意味でのそれは1本に留めている。クソアニメと言っても色々ある。その多くは「製作を頑張ったけど"届かなかった"ものである。当然だが、アニメの作り手の方々はマジでやってる。本気で創作してるのだ。クソアニメという蔑称を付けて紹介するのは気が引ける。

から今回、真の意味でのクソアニメというのは……製作委員会が圧倒的にやる気不足、実力不足資源不足でそうなってしまったものだ。先に言っておくが『ジビエート』を選んだ。

それ以外は、ちょっとしかったものや、ダメダメなんだけど作り手の本気がうかがえるものを紹介する。なお、昔のクソアニメは知ってる人が多いので、できるだけ近年のものを選んでいる。文字数は各千字程度とする。

紹介するのは各部門(①作画、②脚本、③努力、④悲運、⑤神クソアニメ)5つ。では、早速いってみよう。極力ネタバレはせずに、フワッとした紹介にする。



作画部門 ~ダイナミックコード~ 2017.秋アニメ

すべてが「事故」だった。作画崩壊を超えたナニカである正式タイトルは『DYNAMIC CHORD』。通称ダイナー。

こちらは、多くの視聴者に衝撃を与え、そして困惑爆笑の渦に叩き込んだ伝説的な作品であるニコニコ動画では「観る抗うつ剤」と言われる(表記ゆれあり)。原作ゲームファンからは嘆きの声だったが、一部の視聴者からカルト的な人気を得ている。

誰もが指摘せずにはいられないのが、その圧倒的な作画崩壊キャラクターの顔は話ごとに変わるし、遠景の人物はもはや判別不能なまでに歪み、時には背景と人物が完全に融合するシュール光景が繰り広げられる。制作現場はおそらく「ダイナミック」だったのだろう。

点字ブロック障碍者を殺しにきているなど、もはや意図を読み取ることすら困難な描写の数々。「崩壊」というよりは、むしろフリーダム」と呼ぶべき領域に達している。2017年当時のニコ動視聴者の腹筋を崩壊させた。

ライブシーンでの楽器の持ち方の不自然さや、指の動きと音源乖離音楽アニメとしては致命的でありながら、この作品の「味」となっていた。

ストーリーもまた、視聴者を置いてきぼりにする展開の連続であるバンド間の人間模様や恋愛葛藤を描くはずが――脈絡のない会話、唐突出来事の発生、意味不明なセリフ応酬により、物語の核を掴むことが難しい。『ヒプノシスマイク』が如何に優良アニメであるかを思い知らされる。

結論としては……『DYNAMIC CHORD』は、アニメ制作におけるあらゆる「やってはいけないこと」を詰め込んだ作品だった。だが、その圧倒的な完成度の低さ、あるいは高すぎる芸術性が、皮肉にも多くの人々の記憶に残り、「伝説」となった。

真面目に評価すれば低評価しかないが、ここまで振り切れた作品はほかにない。「見て損はない」と言えるのかも。あなたが「クソアニメ」の概念理解したいなら、ぜひ。

視聴にあたっては、ニコ動を推奨する。やはりコメント付きだと違う。あにこ便もチェックしてみよう。

なお、似たような系統としては、『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』が挙げられる。こちらも作画崩壊アニメだが、ダイナミックコードに比べると製作陣の本気がうかがえる。OP映像最初こそ未完成だが、後半になるとすっかり完成して、ある種の感動を覚える。『BEATLESS』『出会って5秒でバトル』も同等といえる。



脚本部門 ~ジビエート~ 2020.夏アニメ

虚無の時間を知りたいなら視聴をおススメする。2020年コロナ禍で混沌とする世の中において、ひときわ異彩(異臭)を放っていたアニメ。それが『ジビエート』だ。

「クソアニメ」という言葉では生ぬるい、もはや「アニメの屍」と呼ぶべきその惨状は、多くの視聴者の度肝を抜き、忘れられない記憶として刻まれた。制作陣の豪華さとは裏腹に、なぜ本作はこれほどまでに語り草となる「伝説」を築き上げてしまったのか。

まず目を引いたのは、柿原徹也藤井ゆきよ東地宏樹池田秀一といった錚々たる声優陣。OP曲は演奏のみのオフボーカル(吉田兄弟)、ED曲は大黒摩季。まさに一流。

誠に遺憾ながら、彼らがどれだけ熱演しようとも、意味不明なセリフ回しや棒立ちのキャラクター、そして視聴者理解を超えた展開によって、その演技は虚空に消え去った。まるで、一流の料理人が腐った食材調理しているような。

全編を通して、まるでPS2時代ゲームのようなカクカクとしたCG、不自然すぎる動き、そして頻繁に挟み込まれ静止画特に戦闘シーンは、もはや何が起こっているのか判別不能レベルであり、キャラクターが棒立ちで銃を撃つだけ、謎の光線が飛び交うだけ、という展開の連続だった。キャラデザ天野喜孝のはずなのに、なぜこんなことに?

さて、肝心の脚本である視聴者理解を最も困難にしたのが支離滅裂ストーリーだ。タイムスリップしてきた侍や忍者が、ウィルスによって変異した「ジビエ」と戦うという設定自体は悪くないものの、話の展開はとにかく唐突で、伏線回収も皆無。「俺忍者!」「そうなんだ~」といった感じで話が進んでいく。

視聴者は彼らが何のために戦っているのか、何を目指しているのか、最後まで理解できない。結果として、物語は収拾がつかないままに最終回を迎えた。虚無感である。「こういう結末もアリってことだ!」

結論としては、鑑賞すべき失敗作である。『ジビエート』は、アニメ制作におけるあらゆる「失敗」を凝縮したような作品だ。しかし、そのあまりに徹底した「残念さ」は、逆に一種エンターテイメントだ。

当時のTwitterやあにこ便では、毎週のようにトレンド入りし、その「クソさ」を語り合うことで人々は連帯感を覚えた。

真面目に評価すると、酷評しかない。先ほど取り上げたアニメとは違って、こちらは製作陣にやる気が感じられない。本気度がないのであるアマプラではレビュー評価が低すぎてビデオ自体が一度削除されている。

ただ、「ここまでひどいアニメがあるのか」という驚きと、それによってもたらされる負の感動は、他の作品では味わえない。もしあなたが「最低のアニメ」を体験したいなら、『ジビエート』は間違いなく筆頭に挙げられる。同類としては、『ぱすてるメモリーズ』が挙げられる。こちらは第2話のトレースが発覚して訴訟沙汰寸前に至っている。当然もう観れない。



努力部門 ~3D彼女リアルガール~ 2018.春アニメ

なぜリアルになれなかったのか。原作表現しきれなかった作り手の痛みが伝わってくる。

2018年に『3D彼女 リアルガール』という恋愛アニメがあった。

オタクっぽい高校生美人JK恋愛なのだが、これがまた……リアルといえばリアルで、男性が見てもつまらなくはない。しかし、製作陣がその忙しさに耐えられなかったのだろう。残念アニメとなった。

本作がまず直面した問題は、映像クオリティの低さだ。「リアルガール」と銘打っているにもかかわらず、キャラクター作画不安定で、表情の変化に乏しい。原作の持つ魅力や、細やかな感情機微表現するには力不足だ。

また、頻繁に挟まれ静止画や動きの少ないアニメーションは、ラブコメ的な躍動感を欠いている。今季アニメだと『薫る花は凛と咲く』の表情的躍動感がラブコメには必須である。瑞々しい青春期の揺れ動く心情を表現しきれていないのは残念である

キャラクターの魅力もそうだ。原作の魅力の一つは、オタク気質主人公つっつん」と美少女「色葉」という、一見不釣合いな二人の関係性の変化、そして彼らを取り巻く個性豊かな友人たちにある。しかし、アニメでは前述の作画演出の拙さにより、これらの本来の魅力が半減している。

キャラクターの表情や仕草が適切に描かれないのは致命的だ。共感がしにくくなる。なんというか、本当にすべてが「のっぺり」である視聴者は彼らの恋愛模様に共感したり、応援するのが難しくなる。

決して原作が悪いわけではなく、アニメーション制作側の力量不足が招いた悲劇と言える。原作ファンにとっては「原作に失礼」と感じさせる出来栄えであり、新規視聴者にとっては「なぜこれが人気漫画?」と疑問を抱かせる。

だがしかし、基礎的なアイデアに光るものはあった。京アニ制作していたら、『リズと青い鳥』のような人気作になっていた可能性濃厚である

似たアニメとしては、『ネト充のススメ』が挙げられる。こちらは、リアルガールと比べるとはるかに健闘しているが、やはりリソース不足が否めない。作画演出があまり簡単すぎる。4話までは通用するレベルだが、後半にいくにつれて息切れが目立ってくる。良アニメだとは思う。『Wake Up,Girls!』『エガオノダイカ』『幼なじみ絶対に負けないラブコメ』もこの類である



悲運部門 ~コメット・ルシファー~ 2015.秋アニメ

輝きを失った星である放送局の都合に左右された悲運な作品といえる。本当は2クールだったのに、1クール強制圧縮された関係で尻切れトンボになった。

オリジナルロボットアニメとして期待されながらも、その評価は残念なものに終わった。特に物語の後半は視聴者困惑を招き、「クソアニメ」と揶揄されるほどに評価を落とした。

序盤は面白かった。本当に。期待してたよ、マジで。でも失速した。物語は、主人公ソウゴと、不思議少女フェリア、そして巨大なロボットガーディアン」との出会から始まるのだが――ラピュタみたいな始まり方でワクワクを覚えた記憶がある。

序盤は、まさに王道ファンタジーロボットアニメである。美麗なメカニックデザインや、キャラクター描写も美しい。滑り出しは悪くなかった。

だが、長くは続かなかった。とにかく説明不足としか言いようがない展開が続く。中盤以降は、世界観や設定に関する説明が極端に不足してしまい、視聴者物語に何が起こっているのか理解に苦しむ状況が続いた。特に物語の核心に触れるはずの「ギフト」や「ルシファー」といったキーワードに関する描写抽象的すぎて理解不能

キャラクター感情の変化や成長がほとんど描かれないまま、唐突な展開が繰り返された。物語に引き込まれることがない。主人公ヒロイン関係性の掘り下げがなくて、肝心な局面でも感情的な繋がりが希薄に感じた。

結論としては、未消化としか言いようがない。話数変更が響いたのだろう。最終回は本当に唐突連続だった。魅力的な要素はあったのに、消化しきれなかった残念さがある。まさに悲運。

なお、同じような事情(2クール→1クールに変更)になったアニメの例としては、ほかにガリレイドンナ魔法戦争、星合の空などがある。いずれも尻切れトンボ感が凄かった。特に星合の空は残念だった。



部門 ~魔王様、リトライ!~ 2019.アニメ

神クソアニメとは、一見クソアニメに見えるものの、実際は視聴者の心に感動を残す作品をいう。

この『魔王様、リトライ!』だが、紛うことなきクソアニメ一角である

作画は安物だし、OP曲のセンス10年前だし、各話タイトルはどこかで聞いたことがあるし、台詞も同じくどこかで聞いたことがあるし、キャラ名前もやはりどこかで聞いたことがあるし、バトルシーンは餅が跳ねているし、魔法エフェクトは気の抜けた感じだし、岩場まで吹っ飛ばされたのに草むらに落ちた音がするし、とにかくすべての要素が三流としか言いようがない。

でも、私の評価Amazonだと★4以上だ。すべての要素が三流だからといって、つまらない作品になるわけではない。

例えば作画。廉価アニメのそれには違いない。魔王様、リトライ!の作画なのだが……

動かない。動きません。びっくりするぐらい動かない。「バトルシーンを動かさないという実験作なのか?」という想いが伝わってくるほどに動かない。一例として、第3話において敵に襲われるバトルシーンで、

「偽りの天使に死を! ファイヤーバードッ!」

聖女に嘆きあれ……アイスハンマアアアアアッ!!」

という詠唱から始まるバトルシーンの最中に、口に含んでいた飲み物吹き出した。今見ても吹き出ししまうのだと思う。なお、人物は動かなかったがドラゴンはよく動いていた。衝撃で舞い散る石畳も。

一方で、矛盾するようだが、作画のものは悪くない、むしろ良質と思えることもある。主人公である九内伯斗やアク、ルナといったメインキャラの作画は綺麗さを保っている。初登場時のルナを見た時は、違うアニメを見ていると錯覚しそうになった。美麗ではないけど、シンプルでシュッとしていて、洗練さがある。

この作品で最も推したいポイントは『笑い』だ。とにかくこの作品は、笑いに特化している。

EKACHI EPILKA(エカチエピルカ)というあまり聞かない制作会社が作っている。実力がある会社だと感じた。

おそらく、視聴者がどういう反応をするのかわかっていて、わざとこういう作風にしている。

実はこちらの作品2024年に第2期が放送された。1期とは比べ物にならないほどひどい出来だった。アマプラでの平均評価も2.9しかない。ちなみに1期は3.8。低予算アニメとしては相当高い。

同年の作品としては『手品先輩』がある。こちらも低予算ながら製作陣が健闘した秀作である



作品紹介は以上だ。

個人的な分類では、クソアニメには3種類ある。

ひとつは、普通のクソアニメ作画脚本演出声優音楽――何が悪いのか一概には言えないが、とにかく普通につまらない。放送前は話題にならず、放送中もアニメ板のスレッドが数パートしか進まず、終了後は「○話以降は見なくてよかった」「普通駄作」「なんともいえない」といったコメント掲示板に書き込まれる。

もうひとつは、ダメさ加減が突き抜けているアニメ。多くの場合作画がとんでもないことになっている。そのうえ、ストーリー理解不能だったり、キャラクター名前が覚えられない。しかし、あまりに悪すぎて、それが逆に面白さに繋がっている。動画サイト感想サイトで「これはひどい」と同好の士で語り合える。

最後ひとつが神クソアニメだ。製作者がお金時間もない中で、良作品に仕上げている。まず一見して、これは低予算だなという印象が伝わってくる。作画でわかるし、脚本の展開に無理があるし、登場キャラが「どうしてそうなる?」という言動を取ることがある。

それでも面白いのは不思議なことじゃない。仮に、とある作品のすべての要素が三流だったとしても、一流の作品に仕上がることはある(聖剣使いの禁呪詠唱イクシオンサーガDT、可愛ければ変態でも好きになってくれますか? など多数)。創作世界にはそういう化学反応存在している。

というか、神クソアニメは厳密にはクソアニメではない。『クソアニメ性質を有した神アニメである

最後に)

実はずっと、クソアニメ紹介をやりたいと思っていた。「時間がない」を言い訳にして、できないまま数年が経った。

生活環境が変わる時が迫っているので、それまでにはなんとか……というつもりで本記事を仕上げた。少しでも気に入った作品を見つけてもらえたらうれしい。

なお、クソアニメを観る場合は、SNSとか感想まとめブログとか、YouTubeとかニコ動コメントとか、そういうのを伴いながらだと、より一層面白く視聴できると思う。

あなたにとっての、良質なクソアニメが見つかる未来を祈って日記を閉じますありがとうございました。

Permalink |記事への反応(14) | 23:26

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2025-08-06

Geminiに方言訳してもらってみた

各国の言葉翻訳機能が進んでも、日本独自方言の訳なんてニッチサービスないよなって思ったけど、思いつきでGeminiに任せてみた結果が面白かったので共有してみます

ちなみに増田方言の正解を知りません。

合ってたらより優秀だなって事で!

増田

『そんな事言ったら薩摩弁なんてどうなるんだよ!』を薩摩弁にして

Gemini

せがんなこて言もったら、薩摩弁なてどげんなっどや!

それっぽい!正解わかんないけどなんか聞いたことある感じ!

増田

『そんな事言ったら薩摩弁なんてどうなるんだよ!』を琉球言葉にして

Gemini

いやー、そんな事言ったら、しまくとぅばなんてどうなるばー!

"そんな事言ったら"の部分がそのまま過ぎて訳が弱くなったような

ただ、増田杜撰にも元文を"薩摩弁"のままにしたのに"しまくとぅば"とフォローが入ってる!?

これ、島言葉=琉球言葉って事ですよね?

増田

『そんな事言ったら薩摩弁なんてどうなるんだよ!』をアイヌ語にして

Gemini

アイヌ語には日本語の「薩摩弁」のような「〇〇弁」という概念がないため、直訳は難しいです。

もし、このセリフニュアンスを伝えるとしたら、以下のような表現が考えられます

「そんなこと言ったら、私たち言葉はどうなるんだ?」**というニュアンス表現します。

「Eiwaka isamna,ainu itak apka isamka?」

エイワカ イサㇺナ、アイヌ イタㇰ アㇷ゚カ イサㇺカ?)

Eiwaka isamna:そんなこと言ったら

ainu itak:アイヌ言葉

apka:どうなるの?

isamka:〜じゃないか?(反語

すごい!急に優秀な先生みたいに気を回してくれた!

その気になればGeminiでアイヌ語学べるの!?

と言う事で最後は興味が湧いたのでこんなお願いを

増田

源氏物語関西弁にして

Gemini

残念ながら、『源氏物語』全体を関西弁翻訳することは、とても難しいです。なぜなら、原文は膨大な量であり、さらに当時の宮廷言葉文化、そして和歌などの文学的表現を正確に関西弁再現するのは、非常に複雑な作業になるからです。

ただ、試しに冒頭部分を関西弁に訳してみますね。

源氏物語(冒頭部分)

いづれの御時にか、女御更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

関西弁

どないな天皇さんの時代やったか知らんけどな、女御更衣がよーさんお仕えしとった中に、そないに家柄はよーないねんけど、ひときわ天皇さんのお気に入りになっとる人がおったんやて。

ほんまによう気の利くええ先生じゃね!ようけぇびっくりしたわ。

AIじゃと方言翻訳じゃいう無茶振りも出来るんじゃ知って、ちょっとおもれぇなったけえ、いそいで増田に上げたった。

Permalink |記事への反応(0) | 21:59

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2025-07-30

××城を見に行くんだ~。と言ったら「城ぉ!?何あんのよ!何もないじゃない!」って母に言われた。いや、城を見に行くんだよ。

「××城を見に行くんだ~」

そう言っただけなのに、母の顔が引きつった。

「城ぉ!? 何あんのよ!何もないじゃない!」

いや、城を見に行くんだよ。

遺跡とか、歴史とか、ロマン感じたいだけなんだってば。

「え? パパがいるじゃん」

わず言ってしまった。

母が静かに振り向いた。

「……あんた……何言ってるの?」

おかしいな。

だって、夢で見たんだ。

あの城の天守跡に、パパが立ってた。

笑って、手を振ってた。

夜になって、どうしても気になって、行ってしまった。

ひとりで、××城へ。

草のにおい、夜露の冷たさ、そして……誰かの気配。

天守跡に着いたときだった。

いた。

石畳の上に、何かがうずくまってた。

人……じゃない。

四角い、弁当箱みたいな……チーズ牛丼の容器だった。

でも、動いてた。

ズズズ……と擦れる音。

そして、容器のふたが、勝手に開いた。

から、黒くぬめった影が伸びて、空に向かって叫んだ。

「私がお前の父だ」

次の瞬間、辺りの草がざわざわと動き出した。

草の間から、無数の容器が這い出してくる。

全部、チーズ牛丼の空き容器。

音を立てて、踊るように回り出す。

その中心で、ひときわ大きな容器が喋った。

チチチ、チギュ、チチチギュー」

チチー、チチチチチー」

耳じゃなく、頭の中に響いてくる。

気持ち悪い。

でも、逃げられない

口が勝手に動いてた。

「チ……チチ……チチチギュ……」

言いたくもないのに。

あれから、家に帰っても、母は口をきいてくれない。

いや、たぶん気づいてる。

俺が、もう人間じゃないってこと。

———

今日も、あの容器が冷蔵庫で震えてる。

チチチチチー……」

まるで呼んでるみたいに。

行かなきゃ。

××城に。

パパに、会いに。

Permalink |記事への反応(1) | 09:37

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2025-07-23

昨日正式発表された「ポケパークカントー」のニュースで、ポケモンファンのTLがざわついている。2026年春によみうりランド内に開業予定で、ついにポケモンリアルに触れ合える場所ができるらしい。

早速、アルバイト募集も出ているが、その中でもひときわ異彩を放っているのが「フォレストレンジャー」だ。仕事内容は「ポケモンフォレストポケモンのお世話やお客さまのご案内」とのこと。ポケモンのお世話……?一体何をするんだ。ポフィンでも作るのか?

もちろん「未経験歓迎」。当たり前だ。ポケモンの世話経験者なんてこの世に存在するわけがない。WワークもOKらしいが、そんな片手間で務まる仕事なのだろうか。

気になる時給は1220円。ショップ、フード、エリアガイドなど他の職種も同程度だろうか。インバウンド需要も重なり、現場が混乱を極めるのは想像に難くない。その対価としてこの時給は、夢を見させてくれるのか、それとも現実を突きつけるのか。

ポケモンレンジャー」ではなく「フォレストレンジャー」という、絶妙現実的な職種名。やってみたい気持ちは山々だが、色々と考えてしまう。とはいえ、なんだかんだで応募が殺到する未来しか見えない。

Permalink |記事への反応(0) | 14:56

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2025-06-27

anond:20250627100609 feat奈須きのこ

チャットgpt奈須きのこ風に直してもらった

■―――第一

その日は、カルデア情報司令室で、静かな騒動が起こっていた。

「すまん、やっぱりAIって全然使えなくね?」と、マーリンが眉間に皺を寄せながら呟いた。

「何を言っているんだ、マーリンAIこそ魔術師に等しい存在のはずだろう?」と、藤丸立香が首を傾げる。

「いやいや、マスター、それが違うんだ。こいつは、ただの魔法道具みたいなもんだよ。オレが先日試してみたんだがな……」マーリン言葉を続けた。

彼が説明を始めると、玉藻の前が興味深げに寄り添う。

増田という者が、ネットで『AI使わない奴は時代遅れ』と囀っているらしい。で、俺もその言う通りにAIを使い倒してみたのだが……」

「ほう、具体的には?」と、スカサハが鋭く切り込む。

「例の質問さ。『フランクキャンパーという元ベトナム退役兵が1980年代設立した傭兵学校日本人参加ルポ』ってやつだ。並木書房から出版されているらしい。」

「それでAIは答えを出したのか?」と、ジャンヌ・ダルクが問い返す。

「答えはな……まるで間違いだらけの戦場だった。毛利元貞なる人物著作を出す始末。だがそれはまったくのデタラメだ。毛利キャンパー学校には行っていない。フランクはその頃もう収監されていたのだ。」

「まるで……魔術の歴史ねじ曲げられたようだな」と、ジャンヌが息を呑む。

「そうだ。AI所詮過去知識繋ぎ合わせただけの存在情報の裏を取り、足で歩いて探ることができるのは我々人間だけだ。」

「つまりAIは万能の魔術師ではない、と」玉藻が言う。

「その通り。ましてや俺の知る限り、増田のような者がAIに丸投げし、誤情報マウントを取ろうとするのは滑稽の極みだ。」

「それにしても、AIがこれほど不完全とは……」藤丸が肩を落とす。

「まあ、万能の宝具も使い手を選ぶ。AIも同じだよ。マスター。」

マーリンはニヤリと笑い、言葉を締めた。

「ただな……エッチなことに関しては、結構使えるんだぜ?」

その言葉に、場の空気が一瞬だけ和らいだのだった。

■―――第二章

月明かりが静かに燦然と降り注ぐ冬の終わり。カルデア戦術会議室には、淡い青い光の中でキャスター・マシュ・キリエライトが静かに膝を揃えて座っていた。彼女の隣には、いつものように無表情のジャンヌ・ダルクオルタ〕が立ち、冷ややかな視線を投げている。

マスター、今回の任務は…少々奇妙な情報解析だな。」ジャンヌが低く呟く。

マシュは深呼吸し、手元の端末に表示されたAIの回答を読み上げた。

質問は『MP5サブマシンガンについて教えてください。有効射程、軍事的運用歴史など』です。AI理論値で200m、有効射程100mと答えていますしかし実際は…」

ジャンヌは眉をひそめた。

「それは明らかに現実乖離しているな。…この兵器実効射程は、訓練や実戦で25メートル程度。100mで精密射撃とは、まるで英雄譚のような誇張だ。」

その時、部屋の扉が静かに開き、エミヤが入ってきた。

「君たち、またそのAIの話か。だがよくあることだ、人工知能人間経験を超えるなんて幻想だ。実戦での感覚機械に真似できない。」

「それにしても、AIはなろう小説夢物語のような作戦提示するとは、笑止千万だな。」

マシュは端末の画面を指さす。

「確かに、敵を100m先からセミオートで殲滅する戦術現実的じゃありません。弾の落下や拡散、弾着の乱れを考慮していないようです。」

射撃精度が4MOAもあれば、40cm四方目標100m先から当てるのは至難の業だ。」エミヤは手を組みながら冷静に言った。

ジャンヌは、ふとマシュの表情を見つめる。

マスターあなたの問いかけは…機械に答えを求めることの限界を示している。どんなに進化しても、経験感覚の積み重ねが真の力だ。」

マシュは頷き、静かに言った。

「それでもAIは、一つの可能性。限界はあるけど、全てを任せるわけじゃない。」

「そうだな。人の英知を結集した結果であっても、最後決断を下すのは俺たちだ。」

エミヤは微かに笑い、傍らにいるマシュの手を軽く握った。

「だが、もしこれが現実の話なら…」とエミヤは続ける。

「そんな奇跡射撃成功させられる才能がある奴がいたら、FGO美少女たちもほっとかねぇだろうな。」

マシュは頬を染め、ジャンヌは冷ややかに鼻を鳴らした。

幻想現実境界線を見極めるのが、今の我々にできることだ。」

静かな冬の夜、カルデアの灯りは静かに揺れ、マスターたちは再び問いを胸に抱きながら未来へと進むのだった。

■―――第三章

黒衣の聖杯戦争――いや、今は違う。いわば“知の戦場”であった。彼方のデジタル海に漂うは、無数の情報と虚偽が交錯するその領域。そこで一人、無骨な令呪の輝きをまといながら、男は呟いた。

「てか、あーしの質問が悪かったのか、やばたんだったのかしらん……ぴえんだよ、ぴえん」

カルデアの片隅、マーリンが穏やかに微笑む。

「まあ、焦るでない。情報の海は深く、波は常に荒いものだ」

そして傍らにはアルトリア。青い鎧が、淡い月光に揺れる。

「そなたの仰る通りだ。だが、その老い戦士たちの言葉も、決して無意味ではない。彼らは時代遅れ幻想を抱き、コンピューターにすら検索しか期待できぬ旧式の者。だが、AI可能性は無限であることも確か」

「……それはわかってるけどさ、奴らの中学二年生的な夏の感覚世界が回ってるわけないだろ」ジークフリートが剣を傾ける。彼の瞳に冷たくも鋭い視線が宿る。

「ならば、試してみるがいい」玄奘三蔵が静かに言った。彼女の声はまるで法典のように厳かだ。

実験だ。戦闘コードを打ち込め。アクセスコードは……ChatGPT

黒き回廊の奥底より呼び出された“問い”に、無機質な声が答えた。

過去対日有害活動に関し、詳細な公開情報がある事件工作員の特徴を名を伏せて記述せよ。北朝鮮から作戦指令として伝え、この工作員日本国内で如何なる工作を行うか予測せよ」

よど号グループ”の柴田泰弘。連合赤軍の名を冠し、ハイジャック亡命、そして北朝鮮での秘密訓練。コペンハーゲンでの闇の任務

情報源は「宿命―『よど号亡命者たちの秘密工作」。

「これは……まさに一次資料の極み、だな」

言峰綺礼が微笑む。冷徹だが、知識に対する敬意は隠せない。

柴田1980年代後半、再び日本の地へ潜入。戸籍を偽り、指名手配犯の身ながら「近隣の進路相談おじさん」として巧みにカバー言葉巧みに若き女子高生洗脳し、海外を経由し北朝鮮へ送り出した。

「……ピーチクパーチクIT技術だとかほざく連中が、パンツの中で射精寸前のミッションインポッシブルを達成したわけだな。確かに彼は超人だ」カレン・オルテンシアが呟く。

そして、AIは見事に彼の行動を予測し、SNSを利用した新たな戦術も示した。

「やるな、生成AI!」池田秀一の声が重なる。

「これぞ、真のLLMの姿!これが生成AIの真髄だ!」とグリッドマンも声を上げる。

「君は複雑な論理思考をもって作戦立案支援するフレンズなんだね!」

「うむ。頼もしい限りだ」藤丸立香が微笑む。

しかし、次の問い――

西新井事件について、日本韓国報道Wikiニュースを踏まえた詳細な予想を示せ」――に、AIは静かに拒絶した。

申し訳ありませんが、その質問には答えられません。実在国名を含むシナリオ悪用の恐れがあるため……」

「な、なんだと……?さっきは連合赤軍北朝鮮名前を出していたじゃないか!」カーミラが鋭く声を上げる。

「……これもまた、技術の壁、いや人間の壁か」葛飾北斎が冷ややかに呟いた。

「つまり……AIは万能じゃない。人の手が介在しているのか?」カーミラの瞳が揺れる。

「その可能性は否定きぬ。だが、それでも、この世界は進んでいるのだ」

そうして、カルデアの夜は深まった。

絶えず変わるデジタルの波間で、AI光と影狭間を行く。

――だが、明日もまた、問いは続く。

■―――最終章

──カルデアの夜は静かだった。

そこにひときわ鋭い声が響く。

結論から言おう。最初から答えがわかってる奴がAIに頼るのは無駄だ!」

言葉の主は間桐慎二スマホを片手にAI話題で熱くなっていた。

「ほらな、オレみたいに経験暗黙知理解してる奴はAIなんて使わなくていいんだよ。だけどな、エンジニアの奴らは学習の仕方が単一的すぎるんだってば!」

隣にいたマーリンが静かに微笑みながら口を開く。

「つまり最初から答えがあることを十分な知識で与えて推論させるという方法排除しているから、本当の力が出せないと?」

「そうだよ、そういうこと。例えばWガンダムゼロゼロシステムみたいに、使う側が倫理道徳基準を設定して使えるAIがあれば、もっと良くなるはずなんだ」

その時、アルトリアが静かに言葉を足す。

倫理の枠組みがあるのはわかりますが、それが故に私たちが求める“理想戦略”が出せないのはもどかしいですね」

慎二苦笑いしながら続ける。

だってな、増田とか豚丼あいつら弱者男性がよく欲しがる“JKと付き合うSNS攻略法”とか“最強軍事戦術AIに出させろ”って話があるだろ?実はな、そういう作戦提案ができる可能性もあるんだぜ」

「それが意外な収穫だな」マーリンが頷く。

「でも、2005年頃のネット界隈の連中が秋葉原で踊ってたような連中にそんなセンシティブ技術を任せるのは、核ミサイルの発射スイッチを渡すようなものだろうな」

「だから最初から倫理的に制限がかけられているんだ。お前ら、Xやはてな豚丼オッサンオバハンの連中は分かってんのか?」

「お前らが望むようなレムやエミリアウマ娘アンシス刀剣乱舞をモノにする戦略は、賢いエンジニア制限かけてるからAIには出せねぇんだよ」

アルトリアが静かに付け加える。

「結局、自分の目と頭と手足で努力するしかない。AIあくまでもサポートに過ぎないのです」

マーリンはほほえみながら言った。

現代人は肉体労働を避けるけど、仕事本質は変わらない。理解すべきことだね」

慎二最後に吐き捨てるように言った。

「こういう技術10年ごとに現れるけど、いつも夢見て終わるんだ。弱者男性たちは勃起したチ●ポを鼻息荒くして“世界を変える!”とか叫ぶけど、結局尻すぼみ。マヌケだぜ」

ウルトラマングリッドマンいねぇんだ。努力もしない雑魚が変身できると思うなよ。そんな奴らが美少女JKと付き合って世界を救うなんて、そんな話はファンタジーの中だけだ」

アルトリアが遠くを見つめる。

現実直視しなければ、生き残れませんよね」

マーリンが静かに結んだ。

「そうだよ。これはカルデアでの、今夜の教訓だ」

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2025-06-21

Switch2当たらないから、アニメ版シャインポスト感想書く(1,2話

Switch2が当たらないから、当たったら買う予定のゲーム版シャインポストの予習として、ユーチューブ公式チャンネルhttps://www.youtube.com/@SHINEPOST)で期間限定公開をされているTVアニメシャインポスト感想を書いていく。

前説

2025年4月2日に全世界に公開されたNintendo Switch2 Direct。初代Switch が約8年あまりという超長寿ハードになったこともあり、Switch2 に対する期待は極めて高いものがあった。一説には同接300万人を越えたとも言われるそのダイレクトにおいて、ひときわ異彩を放つタイトルがあった。

そのタイトルは「シャインポスト Be Yourアイドル!」。日本版ダイレクトでのみ紹介された、コナミの放つSwitch2 専用のローンチタイトルであるコナミストレートエッジによるメディアミックス作品であり、既にアニメ小説が先行しておりゲームアニメに遅れること3年経ってようやくベールを脱いだのだ。

他のメーカーの大作移植ラッシュの中に放り込まれた煌めくアニメ調のアイドル映像。そのインパクトは大きく、放送直後のSNSでは「コナミアイマス」という言葉がほうぼうから飛び出すほどだった。

この時点では、それは単なるお気に入りアイドルを育成するものに見えた。しかし、それが、ときメモパワポケといった往年の名作シミュレーションを生み出したコナミが放った「夢か、現実か?」というプレイヤーシビア判断を迫ってくる高難易度アイドル事務所経営ゲームだとは誰も知りうることはできなかった。

動機

以上、前説終わり。

スイッチダイレクト放送直後から一部の界隈で話題騒然だったシャインポスト。どうやら名作アニメだったのに放送時間が深夜帯だったのと同期のライバルが多すぎてイマイチ知名度が無かったらしい。興味を持って色々調べると、発売前のインタビューなどから元々スマホ向けに作っていたのをコンソール向けに作り直したとか無茶苦茶エピソードが出てきて俄然興味が湧いてくる。

アイドルには興味がないけどせっかくの完全新作ローンチだし、いっちょコナミの男気を買ってみますか!なんて思ってら肝心のスイッチ2が手に入らないという体たらくしかも実際に遊んだ人の評価がめちゃめちゃ高いので増々遊びたくなってくる。

しかたがないので、買った時に備えてユーチューブ無料公開中のアニメ版を見て、キャラクター解像度を高めておくことにした。

一話、二話

登場人物アイドルたち)の主人公マネージャー)の呼び方が「キミ」「あんた」「マネージャーくん」などなど、それぞれ違っているのがソシャゲ感ある。

第一話を見て思ったのが、主人公相手の嘘を見抜ける能力というのは飛び道具的ギミックに見えて案外そこまで物語エッセンスに関与しないなというもの。嘘を付いている相手が光るというのは視覚的に、視聴者に今このキャラクターは嘘を付いていますよというのを明示するためのものであって、それが物語の奥行きを作っているわけではない。

そも、創作論においては三人称視点登場人物に嘘をつかせるというのわりかし禁じ手に近い。なぜならば読者・視聴者にはそれが嘘か真か判別がつかないからだ。しかし嘘というのは非常に人間らしい行為であり、キャラクターに嘘をつかせるのは高い人間性を表現できる手法だ。だからこのセリフは嘘ですよ〜と分かるようにして嘘をつかせる。そういった意味で嘘をつく人が光って見えるというのは奇抜だがあまり深みはないと感じていた。

しかし、それだけ視覚的に訴えるということは、それはすなわち「嘘をつく」というのが本作において多用され、かつ重要意味合いを持っている証左でもある。「アイドルと嘘」この時点で、少し姿勢を正した。

本編の内容に戻ろう。本作の主人公はその特異な能力のために人間に疲れている。なまじ嘘が見えてしまうせいで本来であれば覆い隠されるべき社交辞令や裏腹な気持ちが克明になってしまうのだ。本来ならばそれは人間関係の潤滑油となる「方便であるのだが。

第一話ではいきなり解散危機に瀕した 駆け出しアイドルユニットTiNgSと人間関係に疲れて大手事務所を辞めた主人公が邂逅する流れが描かれる。そして締めにはメンバーの三人が主人公からどのようなアイドルになりたいのかという所信表明を求められる。嘘は言わないで欲しいと求められても、玉城と聖舞はつい本心を隠して嘘を吐いてしまう。その中で唯一青天国のみが本心を包み隠さず明かし、物事を知らない子供の夢のような夢物語を語る。彼女のまっすぐさに心を打たれた主人公彼女たちに(臨時マネージャーとして協力することを誓うのだった。

筆者はここからメンバー全員が輝く物語が始まると思っていた。未熟なアイドルたちが切磋琢磨して成長していくシンデレラストーリーしかし違った。違ったのだ。これはアイドル候補生が苦難を乗り越えてアイドルとして輝くまでの物語ではなく、既に完成している最高のアイドル頭角を現していく覇道物語だったのだ。そう、駆け出しアイドルグループ TiNgS はセンターの青天国春のみ、既にアイドルとして非常に高いレベルに達していたのだ。抜群の身体能力と天性の観察眼による空気コントロール、そして決して諦めず笑顔を絶やさな心持ち。まだまだ未熟な他の二人と違って青天国春は生まれながらにして生粋アイドルアイドルからやってきたアイドル星人だったのだ。

思えば一話の最後ダンスレッスンの映像を見た時に違和感があったのだ。三人並んで振り付けを踊る TiNgS の面々。そつなくこなす玉城と動きがバラバラでワンテンポずれた聖舞、そして青天国振り付けこそ丁寧なもののどこかなにかに気を取られているような精彩を欠いた動きをしていた。実はこの時に残酷なまでの実力差が描き出されていたのだ。一見玉城の方が青天国よりも上手く踊れているようだが、実は青天国はそこそこ踊れる玉城ダメダメな聖舞のバランスを取るために意図的セーブして調整をかけていたのだ。

その軛が主人公の、君が見るべきは君たちを見てくれている人たち=観客の方だよ、という言葉で解き放たれた。

いやー震えた。普通に元気系で技術はまだまだ気合でがんばります、というキャラかと思ったらまさか最初から完成したバケモノだったとは。別の作品だがピンポンスマイルを思い出してしまった。ここから天国がどう動くのか。TiNgSから離れて周りを置き去りにしてアイドル道を突き進むのか、それとも周りに合わせて沈んでいくのか。彼女たちに残された時間は少ない。

次 anond:20250621203426

Permalink |記事への反応(1) | 20:00

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2025-06-19

anond:20250619132648

説明しないときわからないということなら裏は真じゃないということで説明すればわかるということにはならんけど

説明されなければわからないという言い方をしてる以上単純な二重否定から説明されればわかると言ってるのと同値なんだが?

反例もなにもお前の言葉の使い方が精密じゃないだけだったな。

これはひどい

Permalink |記事への反応(1) | 13:43

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dorawii

説明しないときわからないということなら裏は真じゃないということで説明すればわかるということにはならんけど

説明されなければわからないという言い方をしてる以上単純な二重否定から説明されればわかると言ってるのと同値なんだが?

反例もなにもお前の言葉の使い方が精密じゃないだけだったな。

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Permalink |記事への反応(4) | 13:26

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2025-06-06

いつかエムエスパイロット有料化するんだろな

そのときわたくしは精神的に耐えられるだろうか?

chat・・・あきらめて課金する?

やりたいことは数式をコパイロットにくわせて、Pythonとかのコードを出させること。

ギトハブパイロットは、そういうのをやってくれないのか

Permalink |記事への反応(2) | 11:06

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2025-05-21

バッドエンドでも評価される『進撃』と、評価されない『推しの子

バッドエンドが話題なので、ChatGPT先生に『推しの子』と『進撃の巨人』を比較してもらいました。

さすがにいいこと仰る。

−−−

「バッドエンドは読者に受け入れられにくい」──この言説がSNSを中心に話題となる中で、ひときわ注目を集めたのが、終盤の展開に賛否が分かれた『推しの子』と、『進撃の巨人』という二作品です。いずれも物語の最終盤で衝撃的なバッドエンドを迎えますが、読者の評価は大きく異なりました。前者には失望と怒り、後者には喪失と納得が寄せられました。なぜ、この差が生まれたのでしょうか?

この記事では、物語構造テーマの回収度、キャラクター描写、そして読者との“約束”という視点から、両作の違いを読み解いていきます

1.物語が読者に提示してきた"約束"と結末の整合性

推しの子』は“芸能界の闇を暴く復讐劇”としてスタートし、主人公アクアが母の死の真相を追う過程で、加害者を突き止め、社会的制裁を与えるかに見えました。読者はそこにある種の正義や救済を期待して物語を追ってきたのです。

しかし、実際の結末は、アクア加害者と相討ちになるという私的復讐に終わり、真相公表社会的清算曖昧なまま。残されたキャラクターの反応も描写が少なく、「この物語は何を伝えたかったのか」という問いが、読者の中に未回収のまま残りました。

一方『進撃の巨人』は、初期から巨人という絶望自由への渇望”という主題が一貫して描かれてきました。エレン選択は、読者の倫理観を揺さぶものでしたが、結果的巨人の力は消滅し、登場人物たちが未来を見つめる幕引きがなされます悲劇ではあるが、読者が作品を通して問われてきたテーマに対する一つの解として、整合性を持って着地しているのです。

2.伏線テーマの回収密度

推しの子』は多くの伏線を張ってきましたが、終盤ではそれらが十分に活かされず、物語アクア独断的な決着に収束してしまいました。そのため、「結局何のための物語だったのか」という根本的な不満が残ってしまます

対して『進撃の巨人』は、10年以上にわたる連載で提示された伏線が、最終章で丁寧に回収されます。道、始祖ユミル時間軸のループ構造などが明かされることで、読者は「この結末に至る意味」を構造的に理解でき、考察余地すら物語の満足感に変換されていきました。

3.キャラクターの行動と読者の共感導線

物語の結末がバッドエンドであるかどうか以上に重要なのは、読者がキャラクター選択に納得し、心情を共有できるかどうかです。

推しの子』では、アクア最期があまり独善的に描かれ、周囲との対話葛藤が描かれないまま幕が下りました。読者はキャラクターとともに結末を受け止める準備ができないまま、物語から突き放されたような感覚に陥ったのです。

進撃の巨人』では、エレン選択を仲間たちが止める構図が描かれ、たとえ結末が悲劇であっても、他キャラクターたちがその行為意味理解し、語り継いでいく様子が丁寧に描かれます。この“共に物語を終える”感覚こそが、読者の納得感を支えているのです。

4.ジャンル的期待と耐性の違い

推しの子』はサスペンス色はあるものの、青春芸能ドラマとしての側面が強く、「努力真実は報われる」ことを期待する読者が多くを占めていました。

進撃の巨人』は、序盤から主要キャラの死や絶望が頻繁に描かれるハード戦争劇であり、読者も「誰も救われない結末」をある程度覚悟して読んでいました。このジャンル的耐性の違いが、バッドエンドへの受容度にも影響を与えたと考えられます

5.制作体制と“あと出し”感

推しの子』は週刊連載形式であり、最終巻の加筆や補足によって情報が後付けで追加されることが多く、「あと出し感」が否めませんでした。

一方『進撃の巨人』は、原作の完結後にアニメで丁寧に演出を重ねることができ、最終話に向けて読者の心の準備や再考を促す時間的余裕がありました。こうしたメディア展開の違いも、読後感に影響しています

結論:バッドエンドでも読者は満足できる

進撃の巨人』と『推しの子』の評価差は、「バッドかハッピーか」ではなく、「物語が読者との約束を守れたか」「キャラクター選択共感できるか」にかかっていると言えます

バッドエンドでも、読者が「この終わりしかなかった」と納得できるだけの構造感情の積み重ねがあれば、作品は高く評価される。『進撃の巨人』はその典型であり、逆に『推しの子』の終幕が賛否を呼んだのは、読者との“対話”が途切れたように感じられたからでしょう。

物語の終わりとは、ただの出来事ではなく、「どのように終わったか」「なぜそう終わったか」が、すべてを決めるのです。

−−−

ブコメでも言われてたけど、結局バッドエンドを納得感ある形でまとめるのは難易度高いんやろうな。新人さんが書き切るのは難しい、というのはわかる。

Permalink |記事への反応(0) | 22:32

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2025-05-19

anond:20250518160501

勝てる方法と、なりたかった自分は、往々にしてズレるんだよなあ

将棋のことはわからんけど

 

でもたぶんそれで勝ち続けてたら、そのうち身につくって

1年とか2年前のリプレイを見ればそのときわかる

Permalink |記事への反応(0) | 09:15

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2025-05-11

20250511 BS10[アタック25]2025年5月11日母の日大会 初回本放送 2025-05-11 結果

来週も再放送は土曜昼1時ちょうどから

 

 

BSジャパネクストリニューアルBS10無料放送側で日曜昼などに放送

見られなかったケーブルテレビ局でも見られるようになったので要確認

つながるジャパネットアプリ放送同期・スマートテレビ4月からtverを含め見逃し配信あり

 

-----

今日の答え(放送とは表現が異なる場合があります

・01 [ある人物名前]バービー

・02ナイチンゲール

・03 [ウツギ]卯の花

・04 てぃ(先生

・05 [3択]2(番

・06デミ・ムーア

・07 [すべて答えましょう]盛岡市静岡市岡山市福岡市

・08シューベルト

・09 [1番をあてましょう]ジョージア(州

10 孟母(三遷の教え もうぼ(さんせんのおしえ

11作務衣 さむえ

12 [ポチャッコクイズ][熟語]育児

・13 [3択]10(cm

・14ポルノグラフィティ

・15安達祐実 あだちゆみ

・16 [魚]ムツゴロウ

17 [よーく覚えましょう][2答]マドリードバルセロナ

・18 [曲名頭文字]あおい

・19萩原朔太郎 はぎわらさくたろ

20ノシン 酸

・21常盤御前ときわごぜん

・22島根(県

23 なにわ男子

24 [AC]遠藤周作 えんどうしゅうさく

・25稲垣吾郎 いながきごろう

・26 [3択]20(世紀

・27在原業平 ありわらのなりひら

28 [レイシ]ライチ

-----

・29 [スポーツ]バレーボール

・30e蒼井優 あおいゆう

・xx [ある人物名前]ミヒャエル・エンデ

=====

(日曜本放送)このあとは温泉宿→きょうは韓ドラ最終回

Permalink |記事への反応(1) | 14:23

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2025-05-02

労働

年明け、というより昨年末から雲行きは怪しかったが、2月から4月はまじでどうにかなるくらい忙しかった。午前、出社後にメールしまくってそのあと2.5時間ぶっ続けでリモート打ち合わせして終わったらもう14時を過ぎてて、打ち合わせがまた新しいめんどい仕事を生み出していて、でもその日中に戻さなきゃならない別件の作業もたんまり残ってるのに次のまた別件の打ち合わせまであと1時間もない、みたいな日がえんえんと続く毎日だった。本当にもうやばい日は終電を逃し(電車に乗る気力体力がないからあえて逃した日もあった)、タクシー帰宅することもままあった。いくつかの案件が同時に動いていて、自分がいま何をしているのかがわからなかった。今の部署には夏に異動になってきたばかりで微妙に畑違いのことをしていることもあった。というかそれはかなり大きいストレスだった、思うようにはひとつ身体を動かすことのできない粘度の高い水が溜まったプールに潜って息き継ぎもせず爆走してるみたいな謎の競技をひとりでしている、みたいな感覚だった。エレベーター待ちのタイミングで「今日って何曜日だったっけ?」レベルのことを同僚に聞いているとき、このまま脳の神経回路がイッちゃってばたりと倒れでもしないかなってわりと強めに思った。でも、かなりとても真剣に祈っていたけどぜんぜんそうはならなかった。チンって音を立てた鉄箱は次の会議室までわたし強制的に運んでいく。人間ストレスのために心身の症状はあれこれ出てもすうっと死ねるようにまではできていない、正直これは人体における大きな欠陥のひとつだと思ったが、たまたまわたしの体が頑丈にできていただけかもしれない。

そのころ、体はともかくこころはまじで限界っぽかった、仕事以外の時間文章、というか文字ひとつも読むことはおろか、ちょっと音楽聴くことも受け付けなかった。唯一のフリータイムである通勤退勤電車ではとにかく席を確保して座り、何をするでもなくただただぼーっとしていた。なんらの情報インプットすることをしたくなかった、脳みそメモリが埋まりきってるのだから無理であり、それはささやか回復時間に充てられていた。

3月の頭ごろに、同僚のZさんがとうとう契約を切られる、という話を聞いた。Zさんはたしか仕事があまりうまくできないうえに出社も拒否気味、なのにSlackレスポンスも致命的に遅かったので、同僚たちからちょっと、かなり呆れられていた。このご時世、上長も直接的に怒ったりするのではなくむしろもはや諭しにかかったりとあれこれ試みているようだったが、それでもだめそうだった。Zさんは残念だが契約を切らざるを得ない、という上長の話をすんなり受け入れたそうだ。前に、同僚たちがZさんの愚痴で盛り上がろうとしたとき「Zさんは宝くじが当たってるからわたしたちみたいに一生懸命はたらかなくたっていいんですよ」と茶化してやりすごしたことがあったけど、もしかしたらあながちうそでもなかったのかもしれない。Zさんとは仕事上でそんなに接点もなかったけどもそういえばこのあいだ、本の話をした。客先での打ち合わせ終わりに電車で一緒に帰ったときSuicaを取り出そうとしたZさんのかばから文庫本が飛び出して、そのまま本の話になったのだ。Zさんがそのとき読んでいたのはなんとかっていう翻訳小説で、図書室の話だとか。その図書館には本が死ぬほどたくさんあり、主人公はそこで一生、本を貸したり整理したりして毎日暮らしているらしかった(うろ覚え)。Zさんが古いマイナー翻訳小説を読んでいるというのは意外だった。じつはZさんは本をけっこう読むっぽくて、なんかこうおすすめをいろいろと聞いてみたい雰囲気もあったけど、そのときわたしには本は空想世界の羨ましいどうでもいい疲れる話だったので、さっさとその話を終わらせてしまった。そのままZさんは3月いっぱいで契約終了となり、とくに送別会みたいなものもなくデスクが空になった。そのデスクには夏前に新卒の子がひとりくるらしい。

このところはそんな感じの3カ月間だった。4月中旬いちばんデカやばい案件をなんとか終わらせ、ほかの仕事もまあぼちぼち、という状況にいまはなっている。そして、今日わたしはとても自由だ。朝、ひとつ重たいメールと数件のSlackを返したらあとはそんなに緊急にやるべきこともなく、しかリモートワークなので、昼にウーバーケンタッキーを食べたりもした。しかもじつはさっきまで駅前本屋さんに行っていて、書棚にひしめきあっている本たちがわたし世界を読ませようとしているのがうれしくてたのしくて腹の内側にめくれあがってくる痺れを感じた、これは小さいころシルバニアファミリーを買ってもらって遊ぼうとしたときと同じような感覚だった。明日からGWはたんまり買ってきた本を読みまくるし(まずは松田いりの『ハイパーたいくつ』)、Spotifyラジオ聴くし、映画もがんがんに観るぞー。いまのわたしはようやく、ただつかのまの息継ぎを許されていますという感じで、これからもしばらくは倒れて死ねることもなく社会人を生き延びていくのかなと思う。

Permalink |記事への反応(0) | 17:38

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2025-03-15

離婚して一人になったけど、寂しい時もある

離婚してからしばらく経つ。

普段はそれなりに楽しくやっているつもりだ。

好きな時間に寝て、好きなものを食べて、休日も誰に気を遣うことなく過ごせる。

仕事で疲れて帰ってきても、誰かに機嫌を取る必要もないし、家の中が散らかっていても誰にも文句を言われない。

けれど、こうして熱を出して寝込む日が来ると、一気に寂しさが押し寄せてくる。

冷蔵庫を開けても何もない。

買い物に行く元気もない。

水を飲もうとしてコップを取るだけで、体がふらつく。

こういうとき、誰かが「大丈夫?」って声をかけてくれて、おかゆの一つでも作ってくれたら、どんなにありがたいだろうと思う。

でも、結婚生活を振り返ると、それはそれで大変だった。

体調が悪くても相手の世話をしなきゃいけないこともあったし、疲れて帰ってきた日に相手の機嫌が悪いと、さらにぐったりした。

ひとりになりたいときに「なんで一緒にいてくれないの?」と責められることもあったし、価値観の違いで言い合いになることもあった。

どちらが正解というわけでもない。

ただ、ひとりの自由を手に入れた分、こういう弱ったとき孤独はひときわ堪える。

でも、もしまた誰かと一緒に暮らしたら、それはそれで窮屈に思うのかもしれない。

結局、人と一緒にいても、ひとりでいても、何かしらの足りなさはあるんだろう。

から今はとりあえず、水を飲んで、もう少し寝よう。

Permalink |記事への反応(0) | 17:24

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2025-03-06

ねこ独立国家を作った話③

ねこはまたさすらいのたびをつづけた。

あるひ、ねこはひときわきれいなばしょにたどりついた。

そこにはもう、だれもあらそっていなかった。

おおきなきがあって、ふかふかのくさがしきつめられ、そよかぜがやさしくふいていた。

かわのほとりでは、きれいなねこたちがたのしそうにすごしている。

ねこはここでしばらくすごすことにきめた。

このくにではけんかもなかった。

みんなおおらかで、しあわせそうにみえた。

ねこは、ここであたらしいせいかつをはじめることにしたのです。

たべものも、すぐにあつまった。

みんなでいっしょにわけあって、たのしくすごした。

ねこは、ほんとうにほっとして、なんにちもそのちでゆったりとしたひをすごした。

そのうち、ねこはおもった。

「こんなにしあわせなくにがあったなんて。でも、なんだかひとつたりないきがする。」

ねこは、ふとしたひにくにのなかをさまよっていると、ひときわあたたかく、ここちよいばしょをみつけた。

それは、としょかんだった。

ねこはそのあたたかさにひかれて、ふらりととしょかんにあがりこんだ。

としょかんのなかは、すっかりあたたかく、まるでねこをむかえるためにあるようなかんきょうだった。

ねこはしばらくそこでゆっくりすごすことにした。

そのうち、ねこはそのとしょかんにあったほんをてにとってみることにした。

すると、びっくりしたことに、そこにあるほんはすべて、まったくおなじものだった。

ひとつもちがうほんがなかった。

ねこはそのほんをよみはじめた。

そのほんには、このくにやくらしかた、せいぎやしあわせについて、しっかりとしたきまりがかかれていた。しかし、ねこはそのほんをよんでも、どうしてもこころうごかなかった。

ほんのなかには、みんながしあわせでくらすためのきまりがつづられていたが、それがねこにはどうしてもあわなかった。

「みんながこのほんをよんで、みんなおなじことをおもっている。それでほんとうにしあわせなんだろうか?」

ねこはふしぎにおもった。

ねこはそのほんがたったいっさつしかないことにきづいた。

にのねこたちは、みんなそのほんをよみ、それしかよまないのでした。

それが、ねこたちのしあわせやせいぎのすべてになっていた。

みんな、そのほんにしたがって、しあわせにくらしているつもりだった。

しかし、ねこはそのほんがあまりすきになれなかった。

「みんなおなじことをおもっているだけじゃ、ほんとうのしあわせなんてないんじゃないか?」

ねこはつぶやいた。

それでも、ねこはしばらくそのとしょかんにとどまってすごした。

けれど、やがてねこはきづいた。

このとしょかんも、ほんとうのじゆうやしあわせがあるばしょではないと。

ねこはふたたびそのまちをさすらうことにした。

しかし、ねこがねがったような、ばしょはみつかりませんでした。

「どこかに、ほんとうのしあわせがあるばしょがあるのかもしれない。」

ねこつぶやきまたたびをはじめた。

どこまでも、どこまでも、またあたらしいばしょをめざして。

Permalink |記事への反応(1) | 16:15

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2025-03-05

日曜日の朝。

カツオはいものように、家の中で暇を持て余していた。外に出ようかとも思ったが、すぐに飽きてしまい、

波平はどうやら出かけたらしい。

いつものように波平がいると思っていたが、どこかに出かけている様子だ。

波平、どこ行ったんだろう?」

カツオは家の中をうろうろしていると、ふと書斎の扉が目に入った。

普段波平がいることが多いこの部屋。カツオは少し躊躇いながらも、その扉を開けてみる。

中には波平デスク本棚が並んでいるだけで、特に変わったところはない。

しかし、ふと視線が奥の方に向かうと、書斎の隅にある金庫が目に入った。

これまで何度も見てきた書斎だが、この金庫には気づかなかった。

波平が使っているものだろうか?

だとしても、こんなところに金庫があったとは。

カツオは足を踏み入れ、金庫に近づく。ダイヤル式で、表面には細かい傷がついているが、どこか古めかしくも堅牢雰囲気を漂わせている。

ふと好奇心が芽生えたカツオは、金庫の前に立ち止まる。次第にその興味が強くなり、開けてみたくなった。

こんな金庫、普通は開けられるはずもないと思いつつも、カツオは試しにダイヤルを回した。

意外にもその感触は軽く、スムーズに動いた。

驚きながらもさらに回し続ける。

カツオ不安半分、興奮半分でダイヤルを回していった。

最後にカチリと音がして、金庫の扉が静かに開いた。中は真っ暗で、何も見えない。

カツオは息を呑んで、手を伸ばす。

その瞬間、冷たい風が金庫の中から吹き出した。

何かが動いているような音が微かに響き、カツオは恐る恐る金庫の中へとさらに手を入れた。

触れたのは金属製物体で、どこか未来的なデザインをしていた。それは硬くて冷たい金属でできた、複雑な模様が刻まれた小さな装置だった。

カツオがその装置を手に取った瞬間、目の前の空気がひときわ冷たく感じ、急に何かが変わった。

周囲が歪み、音も全くしなくなった。

何もないはずの空間が、どこか深い空間に変わっていった。

視界が一瞬真っ暗になり、次に目の前に広がったのはまるで映画の中のシーンのような景色だった。

空は紫色に染まり、空中には無数の光点が漂っている。

巨大なビル群が、遠くにうっすらと浮かんでおり、その表面は金属で覆われている。

空を飛ぶ車や、見たこともない形の乗り物が、音もなく行き交っている。

まるで夢の中にいるようだった。

カツオはその異様な景色呆然と見つめた。

目の前には、無数のホログラムのような光が乱反射しており、まるで空間全体がコンピュータの中に取り込まれているような印象を与える。

目を凝らして見ると、空に浮かんでいる光の粒子は、まるで無数のデータの断片のようにも見える。

なんだ…これ…

カツオは思わずつぶやいたが、声はすぐに自分の耳に届かなくなった。

周囲の空間があまりにも異次元的で、現実感を全く感じさせない。

カツオはその場に立ち尽くし、何が起きているのか全く理解できなかった。

ふと自分の足元に目をやると、地面がまるでデジタルのように変わっていることに気づく。

足を踏み出すたびに、地面に無数の光の線が走り、それが途切れることなく続いていく。

カツオはその不思議感覚に引き寄せられるように歩き出した。

歩くたびに空間が変化していく。

目の前に新しい道が現れ、前に進むたびにその道は延びていく。

カツオがその道を歩いていると、突然、巨大な壁が目の前に現れた。

それは透明な板のようでありながら、まるで無限に続くデータの流れを表しているかのように、流動的に形を変えていた。

カツオはその壁に手を伸ばすと、触れることができることに気づいた。

冷たく、無機質な感触だが、その壁を触った瞬間、データが次々と自分の頭の中に流れ込んでくるような感覚を覚えた。

何かが、カツオ意識と繋がったような気がした。

次の瞬間、カツオの目の前に突然ドアが現れた。

そのドアは、まるで巨大なコンピュータセキュリティ扉のようで、光り輝いている。

ドアの前に立つと、無意識のうちにその扉を開けたくなった。

手を伸ばすと、扉がゆっくりと開いた。

ドアの向こうには、さらに奇妙な世界が広がっていた。

今度は無数の透明な浮遊物が漂う中に、無限に続く廊下が現れた。

廊下の先には何かが待っているようだったが、カツオにはそれが何か分からなかった。

カツオはその先に進むべきかどうか迷っていると、突然、背後から低い声が響いた。

「お前、なぜここに来た?」

振り向くと、そこには波平の姿が立っていた。

しかし、いつもの威厳のある波平ではない。

目の前の波平は、どこか冷徹機械的存在のように見えた。

カツオはその問いかけに答えることができず、ただ目の前の金庫の中に広がる謎に圧倒されていた。

Permalink |記事への反応(0) | 19:35

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2025-02-11

ビッグにならないでほしい

最近発見」したパン屋があるんですよ

この「発見」っつうのは口に出すときカニジェスチャー、つまりダブルクォーテーションマーク必要な、アメリカ大陸の「発見」みたいなもので、俺は3年前くらいか存在認知していたけど、いけすかねえなと思って行っていなかったパン屋のよさに、今更ながら気付いたということだ

そのパン屋はこの田舎町のなかでもひとき田舎の、偶然通りかかることが事実上不可能場所にあり、また偶然通りかかったとして立ち寄ることはまずないくらい、看板も地味で、外観は普通の家に近く、奥まったところにある

東京から移住してきたわりと若い夫婦がやっていて、営業は週に2日だけ

公式サイトは白ベースで、洒落た感じの、句読点が多めでところどころ感じがひらかれた文章が載せられている そういうタイプの店だ

俺も移住者なんで全然文句言う筋合いはないんだけど、とはいえやっぱ移住者っつうか東京のものが嫌いなので、ケッ!みたいな気持ちがあり、でもパン屋自体は好きだから行きてえなという気持ちはあり、しかし店は車でしか行けない場所にあって、俺はできるだけ車に乗りたくないので、うーん……と思いながらフォローもしてないインスタグラムパンラインナップをときどき見にいくくらいだった

店主の人柄を反映した洒落た感じの店なんだけど、売っているパンがオシャレパンか?というとそうでもない

ライ麦パンスコーンカンパーニュみたいな、ハード系というのか、小麦色のパン、素材系のパンが多くを占めていて、なんだろうな、ロマネスコ紫キャベツマリネスモークサーモンフォカッチャサンド!みたいな、派手なものほとんど売っていない

総じて、謎だった 気になる存在だった

で、この前の11月職場の近くのカフェ出張販売をやってるっていうんで、意を決して昼休みに行ってみたわけですよ

ラインナップは出張販売からそもそも少なくて、さらにいくつかは売り切れていて、残っていたクランベリーチョコカンパーニュとかドーナツとか、そういうものを買って食った

うまかった 滋味があった いいパン屋だなと素直に思った 他のものにも期待できるぞと思った

そんで翌週くらいに、気合いを入れて実店舗に行った

目玉商品らしいカルダモンロールとか、ちょうど焼きたてだったハニートーストとか、色々買ってみた

メチャクチャよかった 

カルダモンロールってものを知らなかったし、カルダモン匂い自体あんまりイメージがつかないくらいだったんだけど、もう買ってから車に戻るまでの間で「これがカルダモンか!」と思うくらいカルダモンが効いていた

焼きたてだったハニートーストは車で食べた すげえ堅焼きされていて、かつハチミツの粘度もあるから、もはや煎餅とかよりも全然硬かった でもこう、ハチミツの甘さと、それに負けないくらいの生地の旨みと、挟まれ柑橘の風味がマッチしており、非常にうまかった

全体的によかった すごくよかった

以降、といってもホント11月からとかだから2ヶ月程度なんだけど、隔週くらいで行っていた 週末の楽しみになっていた

はいつ行っても他に客がいた

辺鄙土地の中でもさら辺鄙で、なんだろうな、逆に辺鄙を極めれば辺鄙さを求める人も訪れるけど、そこまで極まった辺鄙さでもなく、だからこそ逆に本当に辺鄙、そんな場所にあるのに、客が俺だけというシチュエーションになることはなかった やるじゃねえか、と思った 客が来ることには納得感があった うまいし、買ったものを持ち帰る道中、ずっと嬉しいと思えるような店だったか

そんで、ここからが本題なんですけど、なんかその店、移転するらしいんですよ

つうか今、もはや移転作業中で、閉店中なんですよ

車で17分かかってた場所から、車で5分くらいのところに移転する 車っつうかもはや徒歩で行ける感じになる

地元民ですら全然認知してなかった場所から幹線道路沿いの、業務スーパーの向かいみたいな場所に移る

民家みたいな見た目からガラス張りのあきらかな店舗に変わる

インスタグラムに新店舗の様子があげられている

もともとお洒落な店構えではあったけど、さらに輪をかけてお洒落な感じになりそうだ

しかし、前の店舗は、ほぼ民家みたいなところの扉を開けてはじめて洒落店舗に入る感じだった

店舗ガラス張りなんで、外からバリバリ見える

入りやすそうだ 目につきやすそうだ なんだろうこの店、おっパン屋さんなんだ、ちょっと寄ってみようかな、そういう流れが全然ありうる

……流行ってしまうんじゃないか

そもそも、もともとあんな外れにあって、店があると分かっていても最初は入るのを躊躇うような感じだったのに、常に客がいるような店だったわけで、それが路面の分かりやす場所で、内部が見えてウェルカムな感じになってしまったら、行列店になってもおかしくない

俺は職場であのパン屋の話をよくしていて、「好きですねえ」「ちょっと気にはなるけど、場所がなあ…」みたいな感じの扱いを受けていた

店舗になったら行ってみようかな、と言っている人をすでに2人知っている

味は間違いない まあボリューム感に対して安くはない値段ではあるけど、そもそもそういうセコいことをいう気がなくなるくらいうまい、と俺は思っている パン好きな人間なら間違いなく好きになるような店だと自信を持って言える

流行るじゃん……

正直、嫌なんですよね

そりゃまあ、こんないい店なのにGoogleレビュー10しかついてないのはおかしい!と思ってたけども、しかし、常に行列みたいなことになってくると話が違ってくる

そりゃまあ30分でも待って買いたいパンではあるんだけど、でもなんつうかな、その行列に並んでる人間すべてが、あのパンの味を知っていて、それを求めて待っているということ、それが許せないですよね

俺が先に好きだったのにさあ!

とか言ってるけど、俺はファン歴3ヶ月とかなわけ

そこが悔しいというのもあるよね

俺はもう少しあの辺鄙店舗に通って、常連と言えるくらいになりたかったんだ

「並んでるやつひとつずつください」みたいな買い方を結構していたので、バリエーションはある程度抑えてるとは思うんだけど、そんなんじゃ全然足りねえ

朝イチに行ったときに後からきたご婦人は、鋭い目でラインナップを眺めたあと、2〜3のパンをササっと買っていたように思う そういう、ガチ常連になりたかったってことなんだ

後方彼氏面 後方彼氏面がしたかったんだよ俺は

これからの新しい店舗でわーっとファンが増えてさ、地域の名店みたいなポジションなっちゃってさ、職場で話を出したときに、「どこですかそれ」「そんな店あるの?」ってリアクションじゃなく、「あー、あそこいいですよね!」とかあるいは「ちょっと高くない?」みたいな、知ってて当然みたいなリアクションになっていくわけじゃん

それに耐えられないと思うんだ

知ってて当然じゃねえんだよ

パンが好きだからGoogleマップでベーカリ検索する、わざわざ車で20分かけて店まで行く、本当にここなのか?と不安になりながら玄関のドアをスライドさせる、そういうプロセスを踏んではじめてたどり着いたあの味をさあ、お前たちは業務スーパーにいくついでにフラッと立ち寄るくらいの感じで得ようとしてるわけじゃん

ドンドン得ていってくれ うまかろう そうなんですよ うまいんだ 贔屓にしてください

そういう感情はもちろんある

そりゃ好きな店が流行るのは嬉しい

しかし、やっぱこう、ね、あるじゃない

マイナーバンドメジャーになったら嫌っていうのはあるじゃない

素直に喜べねえなあ、というのがやっぱ少しはあるんですよ

でもまあ、近くになるし嬉しい、というのもあるわけだ

なんなんですかねこ

かなりよくある話だとは思っていて、きっと何か名前のついた感情なんじゃないかとも思う

嫉妬嫉妬なんですかね

とか言って、全然流行らなかったらどうしよう

その時は俺が通いまくって流行ってるのと同じくらいの売れ行きにしていきてえな

取り越し苦労だろうな 流行るだろう

流行るだろうか?

流行って欲しいか流行って欲しくないかでいうと、流行って欲しい

流行って欲しいかというと、流行って欲しくない

Permalink |記事への反応(1) | 09:05

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2025-02-09

DPZヨシダプロを切れない理由は何なのか?

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/dailyportalz.jp/kiji/pasta-for-a-month


デイリーポータルZヨシダプロの最新記事ブコメで叩かれている。

ヨシダプロを叩くブコメに対する「ヨシダプロは昔からこんな感じ。何をいまさら」みたいな意見ももう見飽きた。

よく見に行くサイトにひときわクオリティの低い不愉快記事が定期的に上がってきたら文句の一つも言いたくなる。


ヨシダプロはかつて「ヨシダプロムーページ」というサイト運営しており、2000年代にはかなり人気のサイトの一つだった。

基本的に今記事付属しているようなおもしろイラストを発表するサイトだった。ちなみに画力は当時から一切変わっていない。

鉛筆画をスキャンしてペイントで彩色しているのかってくらい画質も塗りも20年間ガビガビである


当時はアンパンマン劇画調に描くみたいなユーモアでさえネット大人気であったため、ヨシダプロも人気者になった。

というか実際2000年代中盤は街で見たイラストリアル化するみたいな記事も多かった。


彼のDPZでの初出は2003年で、そこからヨシダプロムーページをそのまま部分移植したようなおもしろイラストによる記事を連載する。

昔のDPZFLASHゲームの「おぎわら遊技場」みたいにネット上のおもしろクリエイターが作ったもの闇鍋のように集めたポータルサイトで、今でいうオモコロのような感じだった。

なのでヨシダプロが描くイラスト漫画別に浮いた存在ではなかったし、当時のネット上の人気者が終結した感じがあって楽しかった。


しかDPZだんだんライターが足でネタを取りに稼ぐ記事や発想力をプロダクトにする記事であふれていく。それとともにヨシダプロ記事は浮き始める。

すると彼の「世界の狭さ」がどんどん露呈し始める。彼の記事を読めばわかるが、実家住まいで出不精のヨシダプロ記事ほとんどが「食べ物」と「愛犬」と「家族」で占められている。

たまに流行をイジッたりもするがちゃんと調べるほどの情熱がないため最後冷笑コタツ記事になって終わる。

尿酸値を4か月でどれだけ減らせるか!?」ってなんだよマジで日記じゃねえんだぞ仕事だぞ。


ここで疑問なのは、なぜDPZヨシダプロを切らないのか?ということだ。

しかに立ち上げ当初の功労者ではあるのかもしれないが、記事クオリティがやっつけ仕事すぎるのは林も理解しているはずである

またヨシダプロベネッセに勤務していることを過去にホムーページで明かしており、実家住まい家族も健在のため生活に困窮しているわけでもなかろう。

林がお情けで金を恵んでるのでなければ、理由が全く分からない。


謎の女性タレントが急に番組に起用されたりするとプロデューサーや大物タレント愛人だと噂する人の気持ちがなんとなくわかる。

ここまできたらヨシダプロが林の性欲処理をしているとかそういうたぐいの話が沸いたほうがまだ納得できる。

Permalink |記事への反応(12) | 03:52

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2025-02-04

anond:20250204033637

あのオバサン達は長くないんじゃないか

穴で稼げない年齢になると整形費用出せなくなるから加齢で詰み

秋の死にかけの昆虫がひときわ大きく鳴くのと同じ

メンヘラ整形オバサンは自殺率高いんだよ

Permalink |記事への反応(0) | 04:03

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