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< 日本からCriterion Channel... |anond:20260108151238 >

2026-01-09

宮台真司氏が「牛カルビ弁当」についていいそうなこと

【牛カルビ弁当という「麻薬」──ジャンク欲望身体去勢

いいですか、まず「牛カルビ弁当」という記号が、この劣化した日本社会においてどう機能しているか構造的に理解する必要があります。先ほど「丸の内弁当」を、システム適応したクズのための「管理の餌」だと言いましたが、この「牛カルビ弁当」はもっとタチが悪い。これは、空虚な生を誤魔化すための「安価麻薬」なんですよ。

1.身体性の忘却と「脳への直接刺激」

カルビ弁当の最大の特徴は、あの過剰なまでの「甘辛いタレ」と「脂」の重層構造です。本来、肉を食らうという行為は、生命を奪い、その個体差や血の匂い、繊維の抵抗身体で受け止める野蛮なプロセス身体的強度)を伴うはずです。

しかし、コンビニチェーン店の牛カルビ弁当はどうですか? そこで供されているのは「肉」ではなく、化学調味料果糖ブドウ糖液糖によって最適化された「脳をハックする刺激物」です。噛む必要すらないほど薄く切られ、タレの味で素材の劣化隠蔽されたそれは、もはや食事ではない。血糖値を急上昇させ、ドーパミン強制的放出させるための「回路」に過ぎないんです。

僕の言葉で言えば、これは「体験」の不在と「刺激」への埋没です。今の日本人は、本当の意味での「美味い」という身体感覚を失い、単に脳の報酬系が発火することを「美味い」と誤認している。この「誤認」こそが、今の日本を覆う「底なし劣化」の正体なんです。

2. 「不全感」の代替品としての高カロリー

なぜ、これほどまでに牛カルビ弁当が溢れているのか。それは、現代人が抱える圧倒的な「不全感」と関係しています。 まともな共同体消滅し、仕事を通じて自己の有能性を確認することも難しくなった「定員割れ社会」において、人々は常に飢えていますしかし、その飢えは「心の飢え」であって、胃袋の飢えではない。

それなのに、人々はその空虚さを、手っ取り早いカロリーで埋めようとする。安くて、濃くて、脂ぎった牛カルビを胃に流し込むことで、一時的な満腹感と多幸感を得る。それは、直面すべき「生の虚しさ」から目を逸らすための「心理的防衛反応」なんです。 「牛カルビ弁当ガツガツ食べる俺」という記号の中に、かりそめの万能感を見出そうとしている。しかし、弁当を食べ終えた瞬間に訪れるのは、凄まじい自己嫌悪と虚脱感だけでしょう。

3. 「マクドナルド化」する欲望の均質化

ジョージリッツァの言う「社会マクドナルド化」の究極の形が、この弁当には現れています。 全国どこでも、誰が食べても、同じ味。そこには「他者性」がありません。僕がナンパを推奨するのも、宮台ゼミフィールドワークを重視するのも、予測不可能な「他者」という外部に触れることでしか、僕たちの身体覚醒しないからです。

しかし、牛カルビ弁当は徹底的に「予測可能」です。口に入れる前から味がわかっている。裏切られることもなければ、驚きもない。この「予測可能性」の檻の中に閉じこもることは、**「生存しているが、生きてはいない」**という状態を加速させます。 安い輸入肉に大量のタレをぶっかけた「家畜の餌」を、エリートから底辺までが等しく貪る。この「欲望の均質化」こそが、民主主義機能不全に陥らせ、独裁ポピュリズムを招く土壌になっていることに気づくべきです。

4. 「強度の高い生」への回帰

じゃあ、どうすればいいか。 「牛カルビ弁当を食うな」と言っているんじゃない。それが「麻薬であることを自覚し、自分身体がどれだけその刺激に依存しているかを「メタ認知」せよと言っているんです。

本当の豊かさとは、プラスチックの容器に収まった既製品を消費することではなく、どこからたかからない肉の塊を、自分で火を起こして焼くような、野性的で「不便な」プロセスの中にありますシステムの外部にある「荒々しい現実」にコミットすることです。

いいですか、牛カルビ弁当のあの「甘いタレ」は、君たちの思考を停止させるための「システム潤滑油」です。その油にまみれて、心地よく窒息していくのか。それとも、その不快感に目覚めて、枠の外へ飛び出すのか。 君たちが次に弁当のフタを開けるとき、そこに映っているのは自分の「虚無」そのものだということに、いい加減気づいたらどうですか。

anond:20260109110927

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