切り餅よりも「つきたての餅」の方が誤飲・窒息事故が起こりやすいと言われるのには、物理的な性質や提供される状況にいくつかの明確な理由があります。
つきたての餅は、切り餅を焼いたり煮たりしたものに比べて水分含有量が多く、非常に「粘り」と「伸び」が強いのが特徴です。
つきたての餅は非常に柔らかいため、喉の粘膜にぴたっと張り付きやすくなります。
粘り気が強いため、口の中で噛み切ろうとしてもなかなか分かれず、大きな塊のまま喉に送り込まれてしまうリスクが高まります。
切り餅はあらかじめ長方形や正方形にカットされているため、食べる側も「半分に分けよう」「4等分にしよう」というサイズ調整が容易です。 一方で、つきたての餅は:
手でちぎったり、その場で丸めたりするため、一個あたりのサイズが大きくなりがちです。
柔らかいので口の中で小さくまとまるように感じますが、実際には密度が高く、飲み込む瞬間に喉を塞ぐ十分な大きさを持っていることが多いのです。
餅の主成分であるアミロペクチンは、温度が下がると急激に硬くなる性質があります。
つきたての餅は温かいうちは非常に柔らかいですが、口に入れてから飲み込むまでのわずかな間に体温付近まで冷めると、一気に粘り気と硬さが増します。
これにより、喉の途中で動きが止まり、詰まってしまう原因になります。
もし「つきたて」を召し上がる場合は、以下の工夫が効果的です。
理想は「一口で飲み込める」サイズではなく、「十分に噛み切れる」小さなサイズにすることです。
お茶や汁物で喉を湿らせておくと、餅が粘膜に張り付くのを防げます。
大根に含まれる酵素(アミラーゼ)が餅の表面を分解し、粘り気を抑えて飲み込みやすくしてくれます(「からみ餅」が理にかなっている理由です)。