推しは当時界隈の人気グループに所属していて、それなりに人気があったと思う。
ステージでの推しはかっこよかったし、接触(握手やチェキ会)に行くととても優しくて明るくて、それもよかった。
推しをどんどん好きになり、現場に行く数が増え接触に行くことも増え、手紙が出せる機会にはたくさん書いた。
よく足を運ぶようになってしばらく経つと、名前を呼ばれたり前回話したことの続きを持ち出してくれたり、推しも私を覚えてくれたように思えた。
グループが解散してから少しの期間推しは1人で活動していたけど、どんどん推しのファンが減っていった。
私は情緒不安定に陥り毎日毎日寝ても覚めても推しのことを考え、ありとあらゆる方法で推しの消息を掴もうとした。
そして、掴んだ。
少しずつ推しの現在を捉え、推しが元気で生きていることがわかればいいと思っていた。
今どこで何をしているのか、それがわかればいい。
そんなのは自分に言い聞かせていた建前で、本当はもう一度会いたかった。
接触用ではない時の推しに会って話せて、私が素敵だと思っていた推しという人の人間像そのままであればすごく嬉しいし、
私が推しのことを嗅ぎまわっていたまさにその時、推しが現れた。
推しが現れた瞬間に湧いた感情は、「嬉しい」とか「好き」とかじゃなくて、「終わった」という気持ちだった。
今どこで何をしているのかわかったら、あわよくば話をして、あわよくば人間同士で向き合って、
私は推しのオタクということを隠しながら推しが現在身を置いている場所で行動していたので、今この場でオタクであることがバレたらもう全部終わりだと思ったが、
推しは私の顔を見て2秒固まっただけであとは何も言わなかった。
仲間内にも特に私のことを話さないでいてくれたのか、はたまた私がかつて自分のオタクであったことなんて記憶にもなかったのかわからないが、
接触用ではない時の推しは、私がイメージしていたよりも少し暗いくらいで、優しいところは想像通りだった。
推しはその仲間内では過去の仕事の話を全くしなかったので、私と推しの間でもかつてのような「推しとファン」的な会話はなかった。
やがて仲間内で集まった後2人で抜けることが多くなった。
イケメンは頑張らなくても女が股開くからセックスが下手な傾向があるって言うけど本当なんだなと思った。
セックスの時は頑張らなさそうという点においてはイメージ通りだったからいいけど。いいのかな?
避妊してくれたし殴ったりしなかった分マシだと今になって思う。
そんな仲になっても推しが私をかつて自分のオタクだった女だとわかって抱いているのかわからなかった。
聞けなかった。
2人でいる時は、驚くほど会話が無かったから。
彼女がいるのか、私以外にもファンを抱いたのか、私は推しのなんなのか、聞きたいことはいっぱいあったけど、何も聞けたことはなかった。
色んなことが重なって、推しとその仲間内と連絡をしばらく取らないでいたら、
推しが新たなグループに所属したというニュースが飛び込んできて目玉が飛び出た。
推しに連絡しようとしたが時間が空いた気まずさや元々ファンだったうしろめたさが勝って連絡できなかった。
推しはあっという間にあの頃の人気を取り戻した。
離れたオタクを取り戻しただけでなく、新たなファン層も獲得した。
(大人気のように書いているけど、所詮限定的な界隈の話なので眉唾程度に読み取ってほしい)
私はあの日推しと出くわした瞬間に終わっているので現場なんて絶対行けないと思って推しの新しいグループを見に行けなかった。
でも古参も新規も嬉しそうに推しのレポや写真をSNSにアップする。
めちゃくちゃに悔しくてどうにかなりそうになって、私はステージに立つ推しを見たいんだと気付いた。
悩んで悩んで悩んで、見つからないようにこっそり見るだけと決めてチケットを取った。
久しぶりに推しのパフォーマンスを見て、生き返る気持ちになった。
私はこれが見たかったんだ。これが好きだ。
私はこれがいい。推しのパフォーマンスを見てファンサに沸いて、接触でありがとうと言われるのがいい。
堂々とオタクをしている人達がうらやましい。オタクになりたい。
私がこんなにもオタクに戻りたいのは、抱かれたけど愛されてはいなかったという実感があったことが大きい。
愛という点に関しては、部屋に招かれて抱き合っていた時よりも、変な関係になる前のイベントでチェキを撮っていた時の方がまだ愛されていた気がしたのだ。
また悩んで悩んで悩んで、私は開き直る決心をした。
私の顔を見た推しは、あの日のように2秒固まったあと、私を出迎えた。
一度行ってしまえばもう開き直るだけだった。
消していた以前のオタ活用アカウントも復活させて、同じグループのオタクや同担とも交流した。
SNSで推しぴしゅきしゅきと叫び、現場で沸き、物販で積み、手紙をこまめに書いた。
推しのオタクをしていることが楽しいからということはもちろんあるが。
何よりもとにかく推しと変な関係があったことを自分でも忘れようとして、全力のオタクしぐさをした。
それでも現場ではいつも干されるし、接触も以前のように優しくない。
なんなら冷たく感じる。自分の前後のオタクとの会話が聞こえると落ち込むくらい冷たい。
オタクに戻るか悩んだ時にもしかしたら私と同じように関係を持ったオタクがいるかもしれないし悩むことじゃないのかもしれないと思ったが、推しにとってかつてセックスした女が堂々と自分のオタクをしているのは普通のことではないのだとわかった。
私もこれはこれで楽しいし、全力でオタクをしていないと正気に戻って死んでしまいそうだ。
助けて。
Permalink |記事への反応(29) | 14:39
推しとベロチューした話の次はセックスした話か
次は推しの子を出産した話?
ガチ恋粘着獣の林檎ちゃんじゃん
ガチ恋粘着獣、ものすごくいい話だったねえ
雛姫編は完成度高かった
この少女漫画読みたい
これ男女逆だったらどういう感想がでてくるんだろう
逆にする意味ある?
マジレスすると漫画にしてドラマ化したら本人役やってもらおう
良い話!創作だとしても好き
>部屋に招かれて抱き合っていた時よりも、変な関係になる前のイベントでチェキを撮っていた時の方がまだ愛されていた気がした ああ、つらいな。オタクに戻っても愛されていたオ...
まあアイドル側にとっては辛い相手だよね
推し視点で読むとまあまあホラー。 自分が抱いた相手がオタクだって知ってて、ある日いきなり接触列に戻ってくるの普通に怖いと思う。
現実味のある地獄は面白い
バースデイスーツのリーダーが解散後に黒夢のボーカルを「俺の知人女性に酷い仕打ちをして平然としている男」として許さないとネットの自サイトに記録してたの想い出した
抱かれてもオタクに戻りたくなるって推し活って本当現代宗教だな ここまで拗れてまだオタクやれるのもう才能だよ
切なくて大好き
この手の話結構好き。 触れてしまった神をまた拝むしかない地獄。
すごい好きな話
好きすぎる もっと詳しく書いて
これ向こうも相当混乱してないか? 引退するまで通い詰めて推しを怖がらせましょう!
リベンジポルノで脅してやれ
マッシュアップして今年のnote文学大賞獲ろうぜ‼️
男女逆なら即逮捕でなんの物語にもならんやつ
助けても言われても
ガチ恋粘着獣の名にふさわしい
何歳かわからないけど本当に正気に戻ったほうが良い、、、 若いうちに推しに体力も時間も捧げて、その先には本当になにもない、、、
残すためにするバカがいるかよ
んなこたわかってる 残そうとしているのかしていないのか関係無しに、その先にはなにもないから正気に戻れって言ってるんよ
なくていいんだから意味ないじゃん
あったほうがいいよ
思い出ぐらいは残るだろう
増田は何歳なんだ〜
男も地下アイドルとかあるのか
メン地下という言葉ある
こんないい恋バナ、形に残しておかないと勿体無いので詳細を思い出せるうちに書き尽くしておいた方がいい note文学大賞なりVコミなりで出版物にしようよ
向こうからしたらプラベに潜入してた時期も今も、「過去を暴露しない」一点で出禁を容赦してる状態なのかな。 だとすれば今まで言葉で確認しなかったことを伝えて今の煮えきらない...
共犯の欺瞞という薬で人間になった人魚姫みたいやね
自演でトラバを伸ばすいつものパターン
という自演
https://anond.hatelabo.jp/20251213220618 推しとセックスした話が賞賛されてる世界きしょい。 あれで「良い話…」ってなるのどういう層? あの「いい話だなあ」ってレス群は賞賛ってニュア...
どちらかが未成年であることを想定してるんじゃないの いい大人同士なら好きにしろって感じだが
親は未成年の子に公序良俗に反しないよう教育して欲しいものだよ 大人は未成年に手を出す愚行をしないよう善行に励んでもらいたいものだ