「浮気したいなら男紹介したるで」
冗談のつもりだったのかもしれない。
でも、頭が真っ白になった。
私はその時、笑って流した。
というか、流すしかなかった。
でも今になって思う。
あれは全部、母の“感想”だったんだと。
母は、自分の人生を「終わったもの」と感じている人なんだと思う。
女として扱われなくなって、我慢ばかりして、
「ここから先は消化試合」だと感じながら生きてきた人なんだと思う。
私が母になったときも、
「浮気してもいい」
「人生は終わる」
それは忠告でも助言でもなく、
正直、ずっと気持ち悪かった。
私は、母とは違う人生を生きている。
結婚しても終わらなかった。
それでも「終わり」なんかじゃない。
これ以上、自分の中に住まわせないようにしたい。