〇十年ぶりに、男女カップリングにはまった。
同人活動を始めてからというもの、ずっとBLばかり追ってきた。
女性キャラが嫌いなわけではない。ただ、女性が絡む恋愛にまったく興味がわかなかった。
体つきがよく、愛想のない、おじさんとお兄さんの中間みたいな年齢。好みドストライクだった。
しかしどうにもピンと来ない。
中途半端に関係性オタクであるがゆえに、彼の周りの男たちとの恋愛未来を想像できなかったのである。
そこで目に留まったのが、彼を軽やかに翻弄する女キャラだった。
好きな相手に振り回さる男、それが大変萌える要素である私にとって、その女は理想の受けだったのだ。
そして気づけば、〇十年ぶりに男女カップリングへ転がり落ちていた。
ただ、そのカップリングは決して創作が盛んなわけではなかった。
公開されている二次創作も多くなく、飢えた私は筆を執った。
欲望のまま書いてみたところ、エロを入れない限りはBLも男女も大して勝手が変わらず、自給自足は順調だった。
そう、エロを入れなければ。
尻や乳首の話なら書ける。
散々乳首開発の描写を書いてきたのに、同じノリで女の胸に挑んだ途端に筆が止まる。
この女、胸が大きすぎやしないか、と。
掬えばいいのか?
揉めばいいのか?
押しつぶせばいいのか?
どの動きが正解なのかまったくわからない。
どのタイミングで喘ぐのか。何と言わせながら喘ぐのか。
まさかこの年齢になって、童貞のような悩みに直面するとは思わなかった。