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2025-11-11

イーブイをエーブイと呼ぶ男』まとめ2

10.『イーブイをエーブイと呼ぶ男』の友人は、驚愕し、狼狽しながら答えた。

 「すまない……。君がそんなに気にしていたなんて、思いもしなかったんだ。

 それに君は、何をやっても器用で、欠点なんてほとんどないだろ?

 だからこそ、『エーブイ』の件だけが、どうしても目についてしまったんだ。」

 彼は少しだけ息を整えると、静かなトーンで答えた。

 「君こそ、エーブイのことでからかう以外は、本当に素晴らしい友人だったよ。

 もっとも——私はエーブイを『エーブイ』と呼ぶことを、欠点だと思ったことは一度もないけどね。」

11.彼は、幼少時に両親に「イーブイ」を「エーブイ」と呼ぶことを注意されても、決して自分の信念を曲げなかった。

 そのため、彼は生まれから一度も「イーブイ」のことを「イーブイ」と呼んだことはない

12.彼の両親は、彼が決して「イーブイ」を「エーブイ」と呼ぶことを直さなかったため、彼が十二歳になる年に、養子に出した。

 それから、彼らが再び会うことはなかった。

13.彼は、「イーブイ」を「エーブイ」と呼び続けたために、

 実の両親と離れることになるとは、夢にも思っていなかった。

 この出来事は、まだ幼い彼の心に深い傷を残した。

14.それでも、『イーブイをエーブイと呼ぶ男』が養子に出された家の人々は優しかった。

 その家には、彼より少し年上の娘がいた。

 彼に兄弟はいなかったが、彼女を実の姉のように慕った。

 やがてそれは愛情へと変わり——それが、彼の初恋だった。

15.『イーブイをエーブイと呼ぶ男』は、養子として迎えられた家庭で健やかに成長した。

 養父母は温厚で、家の中はおおむね平穏が保たれていた。

 彼は娘に惹かれていたが、次第に娘も、彼に対して男性としての好意を抱くようになった。

16.養父母もまた、彼の誠実な性格と勤勉さに触れるうちに、少しずつ信頼を深めていった。

 やがて彼らは、「この男になら、娘を託してもよい」と考えるまでになった。

 彼は「イーブイをエーブイと呼ぶ」ことを除けば、

 概して優秀で、善良な青年であった。

17.しかし、些細なきっかけから、養家の人々もまた、彼が「イーブイをエーブイと呼ぶ」ことを知ることになる。

 養父母は当初、それを大きな問題とは考えていなかった。

 それでも、頑なに「エーブイ」という呼称を改めようとしない彼を目の当たりにするうち、次第に養父母と彼との関係に亀裂が生じはじめた。

18.冗談交じりではあったが、養父から告げられた「その呼称を改めれば、娘との結婚を許す」という言葉に、『イーブイをエーブイと呼ぶ男』は深く動揺した。

 それ以降、彼は友人の軽い冗談にも過敏に反応するようになり、ついには激しく怒りをあらわにしてしまった。

 二人の関係が、完全に元通りになることはなかった。

 そんな中、唯一態度を変えなかった娘だけが、彼にとって心のよりどころとなっていた。

anond:20251111133211

Permalink |記事への反応(1) | 13:40

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  • 『イーブイをエーブイと呼ぶ男』の友人は、驚愕し、狼狽しながら答えた。 「すまない……。君がそんなに気にしていたなんて、思いもしなかったんだ。 それに君は、何をやっても...

    • 10. 『イーブイをエーブイと呼ぶ男』の友人は、驚愕し、狼狽しながら答えた。  「すまない……。君がそんなに気にしていたなんて、思いもしなかったんだ。  それに君は、何をやっ...

      • 19. 『イーブイをエーブイと呼ぶ男』は悩みながらも、その信念を決して曲げようとしなかった。  養父母との対立は、ついに決定的なものとなった。  皮肉なことに、信念を貫いた彼...

    • このシリーズ根気よく続けてるのは頑張ってるなと思うけど、全然伸びないね。

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