ホワイト・ストライプスがロックの殿堂入りを果たした。デトロイト出身のこのデュオが、ジャック・ホワイトとメグ・ホワイトの二人だけで鳴らす、あのシンプルでいて強烈なガレージロックで世界の音楽シーンを席巻してから、もうそんな月日が経ったのかと感慨深い。
私が彼らを初めて知ったのは、ジム・ジャームッシュ監督の映画『コーヒー&シガレッツ』だった。モノクロの画面の中、いとこ同士という設定で出演していた二人が印象的で、その少し気だるい雰囲気と、テスラコイルについて語る不思議な会話が今でも記憶に残っている。劇中で彼らが醸し出す独特の存在感に惹かれ、すぐに彼らの音楽を聴き始めた。
初めて聴いた時の衝撃は忘れられない。ギターとドラムだけとは思えないほどの音の厚みと、原始的なブルースの衝動が融合したサウンドは、まさに唯一無二だった。
そんな彼らの功績が「殿堂入り」という形で認められたことは、ファンとして素直に嬉しい。最近の式典ではジャックが一人でスピーチを行ったようだが 、いつかまた二人が並ぶ姿を見られることを、心のどこかで願い続けている。
とにかく、本当におめでとう。