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< anond:20251104113643 |anond:20251104095627 >

2025-11-04

昨日までの俺は、どこにでもいる普通高校生だった。授業中に眠くなって、放課後友達とくだらない話をして、家に帰ってスマホをいじって。そんな当たり前の毎日が、いきなり壊れた。

  

放課後、知らない男たちに追われた。逃げても逃げても、どこか現実離れした速さで迫ってくる。角を曲がった瞬間、空気が歪んだように感じた。次の瞬間、目の前に現れたのは奇妙な紋章を持つ女だった。彼女は俺に言った。「あなたは、異界を救った勇者の生まれ変わりです」と。

  

最初冗談だと思った。だけど、あの追手たちが人間じゃなかったと気づいた時、笑えなくなった。闇の中で光る赤い瞳。伸びる影。俺の名前呪いのように呼ぶ声。あれは間違いなく、悪魔だった。

  

あれから眠れない夜が続いている。部屋の外で何かが動く気配がしても、もう驚かない。いつ襲われてもおかしくないことを、体が理解してしまった。けれど、怖いだけでは終われない。あの女が言っていた。「あなたが向こうに行かなければ、こことあちらの両方が滅びます」と。

  

俺はまだ信じきれていない。でも、逃げてばかりでは何も変わらないことも分かっている。普通生活を守るために、普通はいられなくなった。

  

異次元世界へ行くことを決めた。そこがどんな場所かもわからない。誰が味方で、誰が敵なのかも。けれど、このまま怯えて過ごすより、戦って確かめたい。自分が本当に「勇者」なのか、それともただの高校生なのかを。

  

明日の朝、あの女が迎えに来るらしい。教室にも、家にも、もう戻れない気がする。だけど、不思議と後悔はない。怖いけれど、心の奥で何かが静かに燃えている。

たぶん俺は、もう一度、あの世界を救わなきゃいけないんだ。

Permalink |記事への反応(0) | 11:38

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