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2025-10-27

anond:20251027001721

司馬遼太郎風 改稿

人間というものは、しばしば自分青春を他ならぬ自分の手で投げ捨てる。

それは他人に奪われるものではない。むしろ他人のせいにできぬ種類の「敗北」である

この国では、そうした人間が珍しくない。いや、むしろ今の時代ネットという便利な井戸端ができてからというもの、その種の「自己廃棄型人間」は、どこにでも見られるようになった。

たまたま彼が自衛隊という特殊組織いたことで、周囲の人々は多少の情状酌量を与えるのかもしれぬ。

だが、職業が何であろうと、十代二十代を「捨てた」と言葉にする時点で、その人の人生観はすでに破綻している。

人は、自分過去呪い始めたとき、もうそ呪いから逃れることはできない。

世間言葉は、たいてい残酷である

「お疲れさまでした」といった称賛の言葉は、慰めであると同時に、無関心の別名でもある。

人は他人挫折を見て、自分の安定を確かめる。

から善意言葉の裏には、かすかな優越感が必ず潜む。

三十を過ぎた男が、未だに己の人生に「物語」を求めて悩む姿は、滑稽といえば滑稽である

だが、それもまた、この国の時代病の一つだ。

現代という時代は、人を子供のまま生かす。

精神の成長よりも、感情の正直さばかりを美徳とし、成熟を「鈍さ」と呼ぶ。

したがって、彼のような男は、社会という大人世界に出た瞬間、言葉の通じぬ異邦人となる。

自衛隊という社会は、ある種の聖域である

そこでは規律があり、秩序があり、何よりも“所属”がある。

しかし、それを離れたとき、人は初めて己の素肌を晒すことになる。

それは、冬の荒野に放り出されたような心地だろう。

そして多くの者は、そこで初めて「自由とは孤独である」と悟るのだ。

友を断つことは、己を断つことに等しい。

プライドは人を立たせもすれば、殺しもする。

古来より、この国の武士たちもまた、その誇りゆえに散っていった。

だが、戦場の死はまだ潔い。

現代人の孤独死は、もっと陰惨である

それは「戦わぬまま死ぬ」死である

いまの時代ネットの中には多くの“慰め屋”がいる。

彼らは言葉の上では優しく、現実では誰も助けぬ。

人の転落を肴に、同じ絶望の中でぬるま湯を分かち合う。

そうした場所に長く身を置けば、人間の魂は必ず鈍る。

自衛隊の中で鍛えられたはずの筋肉も、精神も、やがて脂肪のように弛んでいく。

彼は、今ようやく「市民」として生きねばならぬ段階に立っている。

それは決して容易なことではない。

だが、たとえどんな境遇にあっても、人間関係だけは切ってはならぬ。

人の生は、けっして理想や信念では支えられない。

支えてくれるのは、結局のところ「誰か」の存在である

この国の男たちは、しばしば“孤高”を美徳勘違いする。

だが、孤高と孤独似て非なるものだ。

孤高は人を導き、孤独は人を蝕む。

前者には誇りがあり、後者には怠惰がある。

あなたが歩むべきは、前者の道だ。

世間は冷たい。

だが、冷たさの中にも温もりがある。

その温もりを見失わぬ者だけが、長い人生の冬を越えていける。

Permalink |記事への反応(0) | 00:35

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記事への反応 -
  • 私は中学を卒業して陸自の生徒となり、防衛大学校、航空自衛隊幹部候補生学校を経て航空自衛官となりました。 長年憧れていた職に就くため、任官後もほぼ全ての期間を教育に費やし...

    • https://anond.hatelabo.jp/20251026193842 後悔してるんだから自分の人生、10代20代をドブに捨ててるじゃん この手の奴、はてなやネットに腐るほどうじゃうじゃいるけど たまたま自衛隊や防大み...

      • ■司馬遼太郎風 改稿 人間というものは、しばしば自分の青春を他ならぬ自分の手で投げ捨てる。 それは他人に奪われるものではない。むしろ、他人のせいにできぬ種類の「敗北」であ...

      • この人、まだいたの その情熱は何由来なの

      • 言葉のナイフ研ぎ澄まし過ぎィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!

      • ミリオタだけあって自衛官には優しいのなハッタショ増田

      • 年寄りがRTAって単語知ってるの嫌だ…

      • Feat 三島由紀夫 まことに、私がこの言葉を吐くのは酷に思える。だが、それでも言わねばならぬ。 あなたは、自らの青春を、意識的に、まるで儀式のごとく、下水の溝に流し込んだの...

    • P免か 税金も人生も無駄になったな お疲れ様やで

    • おつとめ、ご苦労さまでした

    • 元自衛官で再就職してる奴なんかいっぱいいるんだからそんな気にすんな 体力は自信あります(ドヤッ)って顔してればいいって

    • 氷河期世代が聞いたら「嫌味かキサマ」と思われるよ。

    • 元自衛隊って割と前科者、犯罪者、ホームレス、生活保護受給者が多い 元増田がそうならないよう祈る

      • それは衣食住タダに惹かれて入隊した任期付の士では?

        • そんなことないよ 曹士のほうが力仕事とかに従事して生活できてる 西成区のホームレスの99%は防大卒なの知らないの? 途中で辞めた尉官・3佐止まりの若手元自はホームレスになる 一佐...

          • じゃあ昔西成区で武力衝突があったのもそういうことなの?

    • 「かつての仲間」には会った方がいい 絶対後悔するぞ

    • 心配してくれたり連絡をくれるかつての仲間というのは、会わないとそれはそれで不定期的に想いを伝えるべきだったなとふと思って後悔するので人生の軽い枷になる コメダでもいいの...

    • 第一空挺でレンジャーまでいった人が自衛隊やめて就職したあと、鬱で退職くり返しててショックだったな。なんかこういい就職先ないんかな?結局営業ソルジャーみたいなのしかない...

    • 増田にはなるべく早めに死んでほしい AIならなおのこと

    • 自衛官時代に免許とってないの?

    • それが無駄かどうかは今後の生き方次第でしょ そもそも例として言ってる 「10代で重大犯罪を犯して10年間刑に服した」こういう人は贖罪をしてたわけで10年無駄にしたわけではない 無...

    • 大半の10代20代は無意味な人生を送ってる 必要性を感じない仕事に寿命を削って、面白くもないショート動画に時間を浪費してる 何かやろうったって金も時間も、何なら体力すらないん...

    • ところが30代まではギリギリ人生回復できるんだよなぁ 40半ばも超えて10代20代30代のころと境遇がなーんにも変わってなかったら、、、そこからあとは死ぬまで消化試合です

    • 28歳でようやく博士号を取得した僕も同じような心境です

    • 10代20代をYouTubeやTikTokの情報に右往左往される人生よりはいいと思うよ

    • &gt;辞めた手前、心配してくれたり連絡をくれるかつての仲間には会いづらく これが感じる原因だろ嫌じゃないなら普通に会えよ

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