Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


はてラボはてな匿名ダイアリー
ようこそ ゲスト さんログインユーザー登録
< anond:20251005220111 |Xのおすすめに高市さ... >

2025-10-05

ちくしょう、サツだ!

ちくしょう、サツだ! 奴らはいつもこうだ。張り込みには絶好の場所と見せかけて、俺のささやかな楽しみを台無しにしやがる。

「おい、アキラいるか?」

窓の外、路地を挟んだ向かいビル。そこから聞こえる、低い、忌々しい声。俺は震える手で、グラスに残ったチョコレートパフェ最後クリームを掬い上げた。

この店を選んだのは失敗だった。街で一番古い、目立たない、最高の和風抹茶パフェを出す店。俺の秘密逃避行にぴったりのはずだった。

「返事しろアキラ!」

無視だ。今、俺には重要ミッションがある。それは、ベリーパフェを食べ終えること。冷たいアイスと甘酸っぱいソースが、胸のざわめきを一時的に鎮めてくれる。

ふと見れば、店のマダム心配そうな顔で俺を見ている。俺は力なく笑い、テーブルの上に置かれたメニューを指差した。

マダムプリンアラモードパフェと、それから、季節のフルーツパフェ、お願いします」

合計5杯。俺の人生最後の晩餐が、こんなにも甘くて冷たいものになるとは。

扉が勢いよく開く音がした。サツだ。だが、間に合う。俺はカツンスプーンをグラスに当てた。

「お前ら、待てよ。この最高の甘美を味わい尽くすまでは、俺を捕まえられねぇ」

俺は目を閉じ、静かに最後パフェに集中した。

Permalink |記事への反応(0) | 22:08

このエントリーをはてなブックマークに追加ツイートシェア

記事への反応 -

記事への反応(ブックマークコメント)

全てのコメントを見る

人気エントリ

注目エントリ

ログインユーザー登録
ようこそ ゲスト さん
Copyright (C) 2001-2025 hatena. All Rights Reserved.

[8]ページ先頭

©2009-2025 Movatter.jp