ある国で、人の思いを運ぶ者たちがいた。
彼らは朝ごとに封を抱え、
夕ごとに道を戻り、
声を声へとつなぐ役を担っていた。
あるものは途中で消え、
あるものは誰にも触れられぬまま埋もれ、
あるものは灰となって散った。
便りそのものは年々薄くなり、
かつてあふれた紙の波は静まり、
運ぶ者の列もまた細くなっていった。
残された者はより多くを背負い、
ときに力尽き、
門を守る者は言った。
「すべてを告げることはできぬ」
彼らは知り得なかった。
だが、本当に問うべきはここにある。
――なぜ声を運ぶ者が、それを捨てたのか。
重さに耐えられなかったのか。
心が疲れ果てたのか。
叫びだったのか。
そこに澱みが生じれば、
やがて誰の声も届かなくなる。
沈黙って チン黙って書くと一気に雰囲気壊れるよね