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2025-09-06

走れメロスコンビニ編)

メロス激怒した。深夜三時、最寄りのコンビニに駆け込んだのに、唐揚げ棒が売り切れていたかである

「なんたる不条理

メロスは叫んだ。

腹を空かせたメロスは、レジ横のケースに残るコロッケをつかもうとした。

だがケースは空。バイト青年申し訳なさそうに首を振る。

すみません、今揚げたて出すんで、七分ほどお待ちいただけますか」

七分。メロスにとっては永遠にも等しい。友のセリヌンティウスが家で待っている。今夜一緒に酒を飲み、唐揚げ棒をつまむ約束をしたのだ。

「裏切らない。必ず唐揚げ棒を手にして帰る」

メロスは自らに誓った。

だが道のりは険しかった。

コンビニの隣には深夜特有カップ麺の誘惑。さらATMの前にはなぜか行列アイス売り場には半額シールが貼られたガリガリ君。心は揺れる。

「いや、私は走る。走ってセリヌンティウスのもとへ」

熱々の唐揚げ棒を受け取ったメロスは、夜道を疾走した。

信号に阻まれ、深夜テンション若者に絡まれペットボトルの蓋を落とし、それでも走った。

やがてメロスは息を切らせて友の家に到着した。

セリヌンティウスは眠そうに玄関に現れた。

メロス、遅かったな」

メロス唐揚げ棒を掲げた。

約束は守った。熱いうちに食べろ」

二人は黙ってかぶりついた。深夜の街に衣のサクサクという音だけが響いた。

Permalink |記事への反応(1) | 12:51

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