この問いに答えるため、我々は弱者男性100匹を用意した。
弱者男性には人権がないので実験に最適である。反対意見は存在しない。
なぜなら彼らには「存在を否定される権利」しか与えられていないからだ。
生命の実を食べた彼らの肉体はたちまち膨張し、筋肉が隆起し、眼光が冴え渡った。
空に向かって跳躍するもの、背中から翼らしき影を発現させるものも現れた。
しかし、それは不完全な飛翔だった。
重力に抗うには不十分であり、ほとんどが地面に叩きつけられた。
次に「神の力」を降ろしてみた。
その剣は空を飛ぼうとする弱者男性を一人残らず切り裂き、大地へと縛り付けた。
続いてケルビムが姿を現す。
四つの顔と六枚の翼を持つその怪物的な守護者は、生命の実の力を不完全に宿した弱者男性を次々と咀嚼し、再び「飛翔」という夢を打ち砕いていった。
弱者男性は空を飛ぶことができない。