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< ■ |anond:20250825130236 >

2025-08-25

国選弁護人

「国選弁護士はやる気や能力が無い?」と相談者に聞かれることがある。

どのように回答すれば良いか、少し迷うが結局、

「国選であっても弁護士ですから、やる気や能力が無いということは無いと思いますよ。」と嘘をつくことにする。

弁護士仕事の一つに、刑事弁護がある。

罪を犯したとの嫌疑をかけられている者のために、弁護を行う仕事である

嫌疑をかけられて捜査されている者を被疑者起訴され裁判にかけられた者を被告人と呼ぶ。

刑事弁護とはいわば、被疑者被告人のために、警察検察場合によっては裁判所といった国家機関と戦う仕事である

多くの場合弁護士仕事とは、依頼者が事務所相談へやって来て「先生ぜひお願いします。」などと言われて始まることとなる。

刑事弁護も、本人やその家族関係者事務所へやって来て依頼される(これは「私選」という)こととなるが、刑事弁護には「国選弁護」という制度がある。

私選を依頼する場合弁護士費用として大体50万円から100万円程度はかかる。

けっこう高い。だからお金が無くて弁護士に依頼したくても依頼できない人が出てくる。

そういう人のために、「国が弁護士をつけてくれて、弁護士費用も国が払ってくれる制度」が「国選弁護」である

弁護士費用に、1円も払わなくて良い。

ただし、弁護士指名できないので、どのような弁護士担当になるのかは運である

国選弁護を担当する弁護士側の話をする。

国選弁護士として活動すると、国が報酬を支払ってくれる。

この報酬は、かなり低い。

裁判まで担当しても、報酬総額は20万円前後になるように思う。

報酬が、同じ事件を私選で受けていた場合の半分以下になることも珍しくない。

また、努力して結果(無罪を勝ち取ったとか、示談をして不起訴になったとか)が出ても、若干報酬に上乗せはあるが、およそ手間や労力に見合うだけのものではない。

から、国選弁護士としての依頼は一切受けていない、という弁護士も珍しくない。

このような状況は少しネットを見ればわかる。

このような状況を調べたからこそ、「国選弁護士はやる気や能力が無い?」という疑問に行き着くのだろう。

ネットでは回答として、

「国選も私選も同じ弁護士ですから変わりありません。ただし国選だとあまりかい内容は対応してくれないかも。」

といったような無難文句が並ぶ。

「そりゃ報酬が低いし頑張っても評価されないんだからやる気も優先度も下がりますよ。」

などと言えるわけが無いし、言う必要も無いから当然である

私自身は、まだ真面目に国選弁護に取り組んでいる方と自負している。

それは被疑者被告人のためではない。

自分のためである

国選弁護の世界は狭い。

「国選弁護は、報酬に見合う分だけしか働きたくない。」という発言リアルで迂闊にしようものなら、

刑事弁護原理主義者の弁護士たちから袋叩きにされる可能性が高い。下手をすると懲戒請求さえしてきそうである

そこで匿名で色々国選弁護について書いてみようかと思ったが、どうもここまでどうでも良い話を書き過ぎた。

さっさと本題に入れば良かった。疲れて続きは書けない。

Permalink |記事への反応(0) | 13:04

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