ビビった上役が「避難だ!」と高台にみんなを連れていき炎天下で日干しになった。
疲れた割に仕事は進まぬ1日に呆れて定時で会社を出たら今度は電車が止まっていた。
電車もバスも止まった中で待ちぼうけていても仕方がないからひたすら歩いた。
歩いて歩いて
歩いて歩いて歩いて
途端にバスが動き出し、俺は冷房の効いた車内であっという間に自宅へと向かっている。
明日は電車も止まってるから休もうかなと空想していたのが遠いことのようだ。
仕方なく取った受話器から見知った声が語る「避難とかしてました?」「はい」「あははは災難でしたね」「すみません」「メール送ってるんで、落ち着いたら返事ください」「はい」「あはははお疲れ様です」「ありがとうございます」
辛い。
なぜ俺はぬってりと暑苦しい街をあんなに歩かされたのか。
とんだ狼少年どもだ。
あーあ。
お前たちのせいです。