■テーマ:「大陸體系(Continental System)」の最大限界について
強者は「海洋體系(Maritime System)」に属する。大陸體系は外との貿易に弱く、内部も分裂的。
歴史的に「大陸體系」の最大成功例はスターリン時代のソ連(東独・チェコの工業力を得た)で、それも偶然の積み重ねによるものだった。
韓国とトルコが取り込めれば、大陸體系は米国との「覇権争い」が可能になる。
一方、最低レベルの勢力圏はミャンマー止まりで、これではまともな挑戦すらできない。
冷戦時のソ連が東独やチェコの工業に頼ったように、中国もトルコ・韓国・パキスタンの技術に依存しなければならない。
だが、これら3国との関係は「短期・局所的な利害関係」に基づく臨時同盟に過ぎず、長期的な共同体とはなり得ない。
ソ連崩壊は「政治的な真空」と「核兵器流出の危機」を生み出した。
それを西側が「戦後賠償の逆転型支援(=マルシャルプラン的)」で埋めたのが、いわゆるグローバル体制。
この体制は冷戦体制の延長であり、米国は不本意ながらローマ帝国のように介入を続けるしかなかった。
「空白地帯(power vacuum)」があれば、帝国は自然にそこへ進出する。
ローマがマケドニアを倒すと、より脅威的なシリア帝国が現れたように、競争者を倒せばさらなる介入が不可避となる。
現実の政治家は「危機の回避者」であり、理想主義では対応できない。
習近平が敘利亞まで影響力を広げられれば「最小限の大陸體系」が成立。
しかし、韓国・トルコまで取り込んで「覇権競争」に挑むには、偶然と米国の失策が重なる奇跡が必要。
米国が韓国やドイツから手を引けば、その空白を中国や他国が埋める可能性がある。
それは戦略的失敗に繋がり、地図上の「色(勢力圏)」の変化が世界のバランスを一変させる。
戦争や拡張は必ずしも戦略的に完璧なものではないが、対応しなければならない。
知識人は「後から正しかったと言う」役割にすぎないが、政治家は「今、決断する」役割を負う。
https://vocus.cc/article/5f66e813fd89780001ed6c28
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